AviUtl拡張編集のレイヤー、およびオブジェクトの操作方法について見ていきましょう。
目次
用語について
まずは、用語の簡単な復習です。
- タイムライン : 作業スペース
- レイヤー : オブジェクトを配置する場所
- オブジェクト : 動画、画像、テキスト、BGM・効果音などの素材
もし拡張編集の画面でわからないことがある場合は、下記ページをご覧ください。
レイヤーの重なり順
下のレイヤーほど、画面では前面に表示される
AviUtlでは、下にあるレイヤーのオブジェクトほど、画面上では手前に表示されます。テキストオブジェクトを例に、実際にやってみましょう。
- 動画をタイムラインにドラッグ&ドロップして読み込む。
- 動画を配置したレイヤーよりも下のレイヤーの空欄上で、右クリックする。
- 「メディアオブジェクトの追加」から「テキスト」を選択する。
- 設定画面が開くので、空欄に適当な文字を入力する。
この状態で、いま入力した文字が表示されたオブジェクト(テキストオブジェクト)上に、赤色の縦線を移動させてください。画面を確認するためです。すると、テロップが表示されているのがわかります。
▲テキストオブジェクトに赤色の縦線を移動しました。
テロップが画面に重なるようにして表示されているのは、テキストオブジェクトが動画オブジェクトよりも下のレイヤーにあるからです。
レイヤーの順番を意識する
もしこの順番が逆だと、テロップが隠れて見えなくなってしまいます。実際にやってみましょう。
- 動画オブジェクトを、テキストオブジェクトよりも下のレイヤーにドラッグ&ドロップする。
- テロップが消える(奥に隠れる)。
▲テキストオブジェクトが動画オブジェクトよりも「上」のレイヤーにあります。そのため、テロップが見えなくなりました。
つまり、画面の手前に表示させたいオブジェクトほど、下のレイヤーに配置する必要があるということです。順番をまちがえると、画面では表示されません。
レイヤーの操作
レイヤーの操作方法は少し細かい話になります。ザッと目を通す程度でかまいません。
移動
タイムライン上で、Altキーを押しながらマウスホイールをスクロールすると、レイヤーを移動できます。レイヤーは100個まであります。
表示数
タイムライン下辺を下にドラッグすれば、表示するレイヤーを増やせます。これはレイヤーを新たに挿入しているわけではありません。あくまでも、ウィンドウの縦幅を伸ばしているだけです。
表示・非表示
レイヤー上にあるオブジェクトを非表示にしたいときは、「Layer」をクリックします。音声があるレイヤーの場合は、音が消えます。
ロック
編集が進んでオブジェクトが増えてくると、へたにいじりたくないオブジェクトも出てきます。そのようなときは、「Layer」上で右クリックして「レイヤーのロック」にチェックを入れましょう。
オブジェクトの追加
オブジェクトには、
- メディアオブジェクト
- フィルタオブジェクト
という2種類があります。画像、テロップ、BGM・効果音を入れたいときは、メディアオブジェクトを追加しましょう。
メディアオブジェクトの追加方法は、以下のとおりです。
- レイヤー上の空欄部分で右クリックする。
- 「メディアオブジェクトの追加」から任意のものをクリックする。
- 設定画面(設定ダイアログ)が開くので、必要な設定をする。
詳細については、別ページで解説します。
オブジェクトの選択
編集をするためには、オブジェクトを選択する必要があります。
1個のオブジェクトを選択したい場合は、単純にオブジェクトをクリックしましょう。
これに対し、複数のオブジェクトをまとめて選択したい場合は、方法が多岐に渡ります。最初に覚えるべきは、以下の2つです。
- Ctrlキーを押しながら、複数のオブジェクトをクリック
- Ctrlキーを押しながら、オブジェクトのある範囲をドラッグ
より多くのオブジェクトを選択したい場合は、以下のような方法もあります。
- Ctrlキーを押しながら、「Layer」をクリック
- CtrlキーとShiftキーを押しながら、左端と右端にあるオブジェクトをクリック
- Ctrlキーを押しながらレイヤー上の空欄部分で右クリックし、「オブジェクトの選択」から任意のものをクリック
複数のオブジェクトを選択後に行う編集としては、たとえば移動やコピー、グループ化、削除などがあげられます。
オブジェクトの移動
オブジェクトを選択して左右にドラッグすると、そのオブジェクトの表示位置(挿入するタイミング)を変えることができます。
たとえば、テキストオブジェクトを追加している場合であれば、右に移動することでテロップが表示されるタイミングを遅らせることができます。
もしうまくオブジェクトを左右に移動できない場合は、以下のどちらかの方法を試しましょう。
- Ctrlキーを押しながらドラッグする
- Ctrlキーを押しながらマウスホイールを上にスクロールしたあと(タイムラインを拡大してから)、ドラッグする
なお、オブジェクトを別のレイヤーにドラッグした場合は、重なり順を変更できます(上述)。
右メニューから行えるオブジェクトの操作
分割
カット編集で頻繁に使うのが分割です。
- 動画オブジェクト上で右クリックする。
- 「分割」をクリックする。
初期設定では、右クリックした位置で分割を行うようになっています。もし、赤色の縦線がある位置で分割したい場合は、設定を変更します。
- レイヤー上の空欄部分で右クリックし、「環境設定」をクリックする。
- 「中間点追加・分割を常に現在フレームで行う」にチェックを入れる。
- 「OK」をクリックする。
詳しいカット編集のやり方については、AviUtlでカット編集する方法。正常にカットできないときの対処法もをご覧ください。注意点がいくつかあります。
コピー・貼り付け
オブジェクトは、コピー&ペーストすることもできます。動画オブジェクトを複数回コピー&ペーストすれば、ループ動画を作れます。
- 任意のオブジェクト上で、または任意のオブジェクトを選択して右クリックする。
- 「コピー」をクリックする。
- 任意の位置で右クリックし、「貼り付け」をクリックする。
コピーのショートカットキーは、Ctrlキー + Cキーです。また、ペーストはCtrlキー + Vキーです。
長さの変更
オブジェクトの左右、どちらかの端をドラッグすると、長さを変更することができます。ここでの長さというのは、表示される長さのことです。たとえば、5秒間表示される画像を2秒間に短縮したい、というときに使います。
以下のことを覚えておきましょう。
- オブジェクトの端を右にドラッグすると、表示時間が長くなる
- オブジェクトの端を左にドラッグすると、表示時間が短くなる
- オブジェクト上で右クリックし、「長さの変更」からも長さを指定できる
中間点の追加
中間点の追加は、たとえば画像をジグザグに動くようにしたり、動画の特定シーンだけを倍速にしたいというときに使います。
- 任意の位置に移動する。
- オブジェクト上で右クリックする。
- 「中間点を追加」をクリックする。
- 必要に応じて、さらに中間点を追加する。
中間点を追加したあとは、設定ダイアログの縦に並んでいるボタンから設定していきましょう。難度は高めです。詳細は別記事で解説します。
作業を戻す
編集作業を直前の状態に戻すこともできます(アンドゥ)。リドゥはありません。
- レイヤー上の空欄部分で右クリックする。
- 「元に戻す」をクリックする。
- さらに作業を戻したい場合は、同じ操作を繰り返す。
ショートカットキーは、Ctrlキー + Zキーです。これはよく使います。
グループ化
複数のオブジェクトをグループ化すると、ひとつのオブジェクトを選択しただけで、複数のオブジェクトをまとめて選択できます。移動・コピーが楽になるので、うまく使いましょう。
- 複数のオブジェクトを選択する(上述)。
- Ctrlキーを押したまま、右クリックする。
- 「グループ化」をクリックする。
グループ化を解除したい場合は、グループ化されているオブジェクト上で右クリックし、「グループ解除」をクリックしてください。
削除
- オブジェクト上で右クリックする。
- 「削除」をクリックする。
オブジェクトを選択した状態で、Deleteキーを押す方法もあります。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。