Elgatoのキャプチャーボードを持っているなら、付属ソフトの「Game Capture HD」を使うことでゲーム配信(生放送)が簡単にできます。
ライブ配信の世界で一般的なOBS Studio(以下、OBS)は使いません。Elgatoのキャプチャーボードがあればよいのです。
以下、Game Capture HDにゲーム画面が映っていることを前提に、配信のやり方を解説していきます。
なお、「4K Capture Utility」という新しいソフトもありますが、ライブ配信機能は搭載されていません。
目次
YouTubeで配信するまえに
YouTubeで配信する場合、以下の2点をすませておきましょう。
- アカウントの確認
- ライブ配信の有効化(最大24時間待ち)
簡単にできますが、準備が完了するまで時間がかかるかもしれません。
- Google アカウントがない場合は、あらかじめ作成しておく。
- こちらにアクセスし、電話でアカウント確認を行う。
- ライブ配信が有効になるまで、最大24時間待つ。
- こちらにアクセスし、「2. 中級者向け機能」が「有効」であることを確認する。
配信サイトを選択する
まず、「+」アイコンをクリックします。
すると、Game Capture HDが標準対応しているサイト名が表示されます。任意のサイトを選択し、ログインしましょう。
ニコ生やツイキャスなど、ここにないサイトでも「rtmp://」から配信はできます。しかし、今回は割愛します。
ログインするとアカウント名が表示されます。
画質設定を行う
解像度・フレームレート
つぎに、「ライブストリーミング」の歯車アイコンをクリックして画質を設定していきましょう。
一例ですが、「最大解像度」を「720p」、「最大フレームレート」を「30 fps」にします。
ビットレート
そして、「Mbps」と表示されている部分で3Mbpsにします。サークルの適当な部分をクリック、またはドラッグして数字を設定ください。
この数字のことをビットレートと言います。数字が大きいほど高画質になり、画面が荒くなる現象(ブロックノイズ)を防止できます。
大きな数字にしたいところですが、Twitchで配信する場合は6Mbps以下に設定しましょう。同サイトの仕様です。
設定例
画質設定については、じゅうぶんに注意が必要です。なぜなら、インターネットの速度や、PCのスペックを考慮しないと配信画面がカクカクすることがあるからです。
参考までに設定例を掲載しておきます。「バランス」がいちばん無難な設定だと思ってください。
解像度 | フレームレート | ビットレート | |
高画質 | 1080p | 60fps | 7Mbps |
バランス | 720p | 30fps | 3Mbps |
低画質(ADSL) | 360p | 30fps | 0.5~1Mbps |
Game Capture HDでは、解像度・フレームレートに対してビットレートが低いと解像度またはフレームレートが強制的に低くなります。
たとえば、1080p/60fps、6Mbpsに設定したとしても、1080p/30fpsに落とされます。これは、「1080p/60fpsで配信するなら6Mbpsではビットレートが不足する」とGame Capture HDが自動的に判断するためです。
▲1080p60fpsに設定したにもかかわらず、このように1080p/30fpsに変わってしまいます。1080p/60fpsで配信したいなら、最低でも7Mbpsに設定しなくてはいけません。
マイクの設定をする
自分の声を入れたい場合は、マイクをPCに接続したうえで、そのマイクを選択します。
ここで忘れやすいのが、「コメンタリー」ボタンの存在です。必ず青色に点灯させておいてください。青くなっていないと声が配信に乗りません。
マイク音量はサークルの部分で調整できます。「ゲームオーディオ」のゲーム音量とのバランスを考えて設定しましょう。
配信を開始する
準備
「T」の部分に配信タイトルを入力します。
また、YouTubeの場合は、「ライブストリーミング」の歯車アイコンから公開範囲を変更できます。通常は、「プライバシー」を「公開」にしておいてください。
▲YouTubeの設定画面です。限られた人にだけ配信を見せたいなら「リスト未掲載」にします。「プライベート」は、自分しか配信を見ることができません。
開始方法
「ストリーム」ボタンをクリックしましょう。配信中は、同ボタンが緑色に点灯し、かつ「ON AIR」と表示されます。
実際に配信できているか画面を確認したい場合は、YouTubeであればミキサーのようなアイコンをクリックしてください。ブラウザが起動します。
Twitchの場合は、「ストリーム」ボタン横のロゴをクリックすれば配信画面を確認できます。
ビットレートが高すぎると、「帯域幅が不十分です」と表示されます。このようなときは、いったん配信を終了してビットレートを下げましょう(上述)。
終了方法
「ストリーム」ボタンをクリックするだけで配信が終わります。YouTube、Twitchともに、ブラウザ側の操作は必要ありません。
YouTube配信時のエラーについて(2020年12月)
バージョンによっては、YouTubeに向けて配信しようとすると下記画像のようなエラーが表示され配信できません(例 : バージョン3.70.46)。
▲「ストリーミングサービスにログインできませんでした。」と表示されます。
以前まではエラーは出なかったのですが、2020年秋くらいから出るようになったようです。
これを解決するにはアップデートしましょう。バージョン3.70.51以降にします。
- 右上の「i」をクリックする。
- 「アップデートを確認」をクリックする。
- 画面を進めていく。
ライブ配信の遅延について
ブラウザで画面を確認すると、遅延がある、遅れていることに気がつくでしょう。これは不具合ではありません。
ただ、Twitchであれば、同サイトの「クリエイターダッシュボード」から低遅延設定にできます。
YouTubeにも「超低遅延」という設定があるにはあるのですが、上で書いた方法で配信すると「通常の遅延」で固定され、これ以外を選べません。
▲YouTube側で「超低遅延」にすれば遅延は小さくなります。ただし、配信中は変更できません。
YouTubeで「超低遅延」を選ぶための方法は、設定が少し難しくなります。
- 配信を終了する。
- こちらを見ながら、YouTube側で新しく配信を作る(OBSの設定などは無視)。
- 「超低遅延」を選ぶ。まだ配信は開始しない。
- Game Capture HDの「ストリーム」ボタンをクリックする。
- 「どのライブイベントにストリームしますか」と聞かれるので、さきほど作った配信を選ぶ。
Discordの通話音を入れる
Discordで通話している相手の声(ボイスチャット)を配信に乗せることもできます。
Game Capture HDをインストールするさいに入れた「Elgato Sound Capture」を使いましょう。
まず、「Elgato Sound Capture」の歯車アイコンをクリックします。
ここで「チームチャット」を選び、設定画面を閉じます。チームチャットというのは、ここではDiscordによる通話のことです。
そして、「チームチャットをキャプチャ」にチェックを入れてください。
まちがえやすいところですが、「コメンタリー」ボタンはOFFにします。ONだと自分の声が二重になります。
また、「チームチャットをキャプチャ」のスピーカーアイコン、または「ストリーム」ボタン横のスピーカーアイコン、どちらかをミュートにしてください。そうしないと、通話相手の声が二重に聞こえます。
▲どちらか片方をミュートにします。
Discordのほうは、以下のように「出力デバイス」の設定を変更します。これで設定完了です。
- 画面下部の歯車アイコンをクリックする。
- 「音声・ビデオ」を開く。
- 「出力デバイス」を「スピーカー (Elgato Sound Capture)」にする。
ストリームコマンド
ゲーム画面に画像やテロップなどを入れたいときは、ストリームコマンドを使いましょう。初期設定で有効になっています。
▲ストリームコマンドが有効になっているので、「+」アイコンが表示されます。このアイコンがない場合は、画面最上部の歯車アイコンから「キャプチャ」タブを開いて設定してください。
使い方は、基本的に3ステップです。
- 「+」アイコンから任意の項目を選択する。
- 画面上で位置・サイズを変更する。
- 「シーンを保存」をクリックする(忘れやすい)。
以下の2点に注意してください。
- ゲーム画面のサイズは変えられない
- デスクトップ画面をキャプチャーすることはできない
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。
コメント
ストリームの所を押しても、オレンジ色でサークルがクルクル回っていて緑に光りません。