OBS Studio（以下OBS）で画面が映らない、真っ暗という場合、どうすればよいのでしょうか。
このページでは、「ゲームキャプチャ」でPCゲームの画面が映らない場合の対処法について見ていきます。
画面が映らないとイライラすると思いますが、おおよその対処法は確立されています。安心してください。
関連OBS「ゲームキャプチャ」の設定方法。みんなが知りたかった詳しいやり方
目次
【重要】「TV」ゲームは違う
誤解する人がいますが、「ゲームキャプチャ」でいうところの「ゲーム」は「TV」ゲームのことではありません。「PC」ゲームのことをさしています。
キャプチャーボードを使用していて、SwitchやPS5/PS4のゲーム画面を映したい場合、「ゲームキャプチャ」では画面を映せません。「映像キャプチャデバイス」を選ぶ必要があります。
キャプチャーボード使用時に画面が映らない場合については、下記ページをご覧ください。
以下、PCゲームを「ゲームキャプチャ」で取り込む場合を前提にしています。
対応していないゲームもある
すべてのPCゲームが「ゲームキャプチャ」に対応しているわけではありません。じつは、非対応のゲームもあるのです。
たとえば『Destiny 2』がそうです。同作品では、公式サイトにおいてOBSの「ゲームキャプチャ」に対応していないことが明示されています。
▲バンジー公式サイト
また、『Forza Horizon 4』についても同様です。やはり「ゲームキャプチャ」に対応していないことが公式サイトに書かれてあります。
ほかにも『Counter-Strike 2』が「ゲームキャプチャ」に対応していません。これもOBS公式サイトに既知の問題として取り上げられています。
参考Game Capture Troubleshooting
「ゲームキャプチャ」非対応ゲームの場合は、フルスクリーンを解除したううえで「ウィンドウキャプチャ」で画面を取り込みましょう。
【最新】VALOなどが31.0で映らない場合
2024年12月にリリースされたOBS 31.0の場合、以下のゲームで影響が出ることがあります（2025年3月2日時点で継続中）。
- VALORANT
- League of Legends（LoL）
- その他
参考Capture Hook Certificate Update
具体的な影響（ユーザーの感想・表現）は以下のとおりです。
- 「ゲームキャプチャ」できない、真っ黒、真っ暗
- カクカクする、カクつく、重い
- ゲームが固まる、フリーズする
- ゲームが起動しない、クラッシュする
これは設定が正しくても起こりうることで、根本的な解決にはゲームメーカー側の対応を待つ必要があります。
We are aware that OBS Studio 31.0 Game Capture does not work with games protected by Vanguard. This is due to the new digital signature we're using being incompatible with certain Windows security features it uses.
We're working with Riot and Microsoft on potential solutions.
— OBS (@OBSProject) December 18, 2024
ただ、対症療法のようになってしまいますが、解決方法が複数あります。難しいものではありません。
- OBSをダウングレードする
- 「ゲームキャプチャ」以外でキャプチャーする
ダウングレードする場合のポイントは、「obs-studio-hook」フォルダー内にある4つのファイルを削除することです。
詳細については、下記ページをご覧ください。
ソースを削除する
対処法を見ていきましょう。まずは設定をやり直します。地味に思えるかもしれませんが、重要です。
- 追加した「ゲームキャプチャ」をいったん削除する。
- OBSを終了する。
- ゲームを終了する。
- 再度、やり直す。
ソフトを起動するときは、念のためOBS → ゲームの順に起動してください。OBSにゲームを認識させるためです。
もし「ゲームキャプチャ」の詳しい使い方を知りたいという場合は、下記ページをご覧ください。
「ゲームキャプチャ」の設定を変更する
「モード」を変更する
とても重要度が高い対処法です。「ゲームキャプチャ」の「モード」を以下のように変更します。
- 「ゲームキャプチャ」の設定画面を開く（ダブルクリック）。
- 「モード」を「特定のウィンドウをキャプチャ」に変更する。
- 「ウィンドウ」という項目が出現するので、ゲームを「ウィンドウ」で選択する。
- 「OK」をクリックする。
- ゲーム画面に切り替える。
「特定のウィンドウをキャプチャ」という表記になっていますが、ゲームはウィンドウモードでなくてもかまいません。
なお、ゲームがフルスクリーンモードになっている場合、ゲーム画面からOBSに切り替えるにはAltキー + Tabキーを使いましょう。
アンチチート互換性フックの設定を変更する
ゲームによっては、不正対策（チート対策）のプログラムが組み込まれています。しかし、これが原因で「ゲームキャプチャ」できないことがあります。たとえば、「Battle Eye」が組み込まれたゲームです。
そこで、OBSのほうで以下のように設定を変更しましょう。
- 「ゲームキャプチャ」の設定画面を開く（ダブルクリック）。
- 「アンチチート互換性フックを使用する」にチェックを入れるか、または外す。
- 「OK」をクリックする。
- ゲーム画面に切り替える。
▲この画像ではチェックを入れましたが、外すパターンも試してください。
OBSとゲームを交互に切り替える
「ソース」の「+」から「ゲームキャプチャ」を追加し、下記画像の設定画面になったら、OBSとゲームを交互に切り替えます。
▲「ゲームキャプチャ」追加後は、「ゲームキャプチャ」をダブルクリックすることでこの画面を出せます。
やり方ですが、もしゲームをフルスクリーンモードで起動しているのであれば、Altキーを押しながらTabキーを押してください。
そして、そままAltキーを押した状態で再度Tabキーを押します。すると、画面を選択できます。
画面が映るまで何回か繰り返しましょう。1回で成功することもあれば、2～3回やって初めて成功することもあります。OBSとゲームを行き来します。
OBSを管理者権限で起動する
OBSを管理者権限で起動する方法です。重要度が高い対処法と思ってください。以下のゲームで効果があります。
- 原神
- ストリートファイターV
- その他
OBSには通常版とSteam版があり、管理者権限で起動する方法が異なります。
＜通常版＞
まずは通常版のほうからです。
- OBSを終了する。
- OBSのアイコンを右クリックし、「プロパティ」を選択する。
- 「互換性」タブを開き、「管理者としてこのプログラムを実行する」にチェックを入れる。
- 「OK」をクリックする。
- OBSを起動する。
＜Steam版＞
Steam版だと、上に書いたやり方では「互換性」タブがありません。以下のようにします。
- Steamクライアントの「ライブラリ」を開く。
- 左メニューにある「OBS Studio」を右クリックする。
- 「管理」から「ローカルファイルを閲覧」をクリックする。
- 「C:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\common\OBS Studio」が開く。
- 「bin」フォルダー→「64bit」フォルダーの順に開く。
- 「obs64.exe」上で右クリックして「プロパティ」をクリックする。
- 「互換性」タブを開き、「管理者としてこのプログラムを実行する」にチェックを入れる。
- 「OK」をクリックする。
- OBSを起動する。
管理者権限の詳細については、下記ページをご覧ください。
複数の「ゲームキャプチャ」に注意する
「ゲームキャプチャ」を複数追加しているのであれば、同ソースを1つだけ残し、ほかの同ソースをすべて削除してみましょう。
そのうえで上述した方法でゲーム画面が映るか、再度試します。
注意したいのですが、複数の「ゲームキャプチャ」で1つの同じゲームを映すことはできません。
たとえば、シーン1とシーン2にそれぞれ「ゲームキャプチャ」を「新規作成」で追加して、両方とも同じゲームを選択しているケースです。
もしゲームキャプチャを複数追加して同じゲームを選択したい場合は、「ゲームキャプチャ」追加時に「既存を追加」→「ゲームキャプチャ」の順にクリックしてください。
ゲームを互換モードで起動する
Windowsには、「互換モード」という機能があります。そこで、同機能を使ってゲームを起動します。
- OBSを終了する。
- ゲーム上で右クリックし、「プロパティ」を選択する。
- 「互換性」タブを開き、「互換モードでこのプログラムを実行する」にチェックを入れる。
- 「Windows 7」を選択する。
- 「OK」をクリックする。
- OBSを起動し、「ゲームキャプチャ」を追加する。
ロビーとゲームを区別する
ゲームによっては、（1）ロビークライアントと、（2）ゲームクライアントという2構成になっているものがあります。
この場合、（1）と（2）は分けて考えましょう。（1）は「ウィンドウキャプチャ」、（2）は「ゲームキャプチャ」で画面を取り込みます。
ゲームの表示モードを変更する
ゲームのオプション画面を開いて、すべての表示モードを試します。
- フルスクリーン（全画面）
- ボーダーレス（仮想フルスクリーン）
- ウィンドウ
たとえば、フルスクリーンで映らないのであれば、ボーダーレスに切り替えてみてください。ボーダーレスで映らないのであれば、フルスクリーンにしてみます。
使用するGPUを統一する
近年のゲーミングノートにはGPUが2個搭載されており、自動または手動で切り替えられるようになっています。
- CPUが内蔵するGPU（統合型グラフィックス）
- NVIDIAの専用GPU（ディスクリートグラフィックス）
そのようなPCの場合、ゲームに使われるGPUと、OBSに使われるGPUは同じでなくてはいけません。OBSで「ゲームキャプチャ」できないからです。
そこで、以下のように設定します。
- OBSを終了する。
- デスクトップ画面上の任意の箇所で右クリックし、「ディスプレイ設定」をクリックする。
- 画面を下にスクロールし、「グラフィック」をクリックする。
- 「アプリを追加する」が「デスクトップ アプリ」になっていることを確認し、「参照」をクリックする。
- 「obs64.exe」を選択して「追加」をクリックする。
- 「オプション」をクリックする。
- 「高パフォーマンス」を選択する。
- 「保存」をクリックする。
競合するソフトを終了する
CPUやGPUを監視するモニタリングソフト（例 : MSI Afterburner、RivaTunerなど）を終了し、その後再度「ゲームキャプチャ」をやり直します。
また、ウイルス対策ソフトやキャプチャーソフトなども注意してください。
これらのソフトとOBSが競合することによって、OBSがゲーム画面を取り込めない場合があるようです。
参考Game Capture Troubleshooting
別の方法でキャプチャーする
「ゲームキャプチャ」に拘る必要はありません。
「ウィンドウキャプチャ」や、画面キャプチャーを使うことでもゲーム画面を取り込むことができます。
重要なので繰り返しますが、すべてのPCゲームを「ゲームキャプチャ」で映せるわけではありません。
「ウィンドウキャプチャ」や「画面キャプチャ」も必ず試すようにしましょう。どちらの方法でもゲーム画面を映せないというようなケースは、ほぼありません。
前者の場合は、ゲームのフルスクリーンモードを解除する必要があります。
備考 : 映っていないという「誤解」？
自分では画面が映っていないと思っていても、じつは映っている可能性もあります。
たとえばですが、ゲーム画面からOBSに切り替えたとき、OBSの画面が真っ暗になっていることがあるかもしれません。
しかし、それは画面を切り替えたせいで一時的に真っ暗に見えているだけで、ライブ配信・録画では正常に映っていることがあります。
念には念を入れて画面を録画してみて、画面を切り替えている最中だけ真っ暗なのか、そうでないのか、確認してみるのもよいでしょう。
OBSには録画機能があるので確認は容易です。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく！ゲーム実況界の教科書をめざしています。