Windows 11には、Game Bar(旧Xbox Game Bar)という録画機能が標準で搭載されています。
Windowsの標準機能であるため、ソフトのダウンロード・インストールは必要ありません。無料ですぐに使えます。
通常の一般的なキャプチャーソフトと比較すると操作・設定方法にクセがあり、またゲームを録画できないこともあるかもしれません。
ただ、そのあたりは妥協したうえで、無料という点に拘るのであればGame Barを使ってみるのも手です。
目次
Game Barを開いて録画しよう
大まかな手順
録画方法の手順は3ステップです。
- ゲームなどアプリを起動する。
- Windowsキー + Gキーを押す。
- 録画ボタンを押す。
たったこれだけの手順ですが、うまく録画できないことがあるかもしれません。筆者もかなり苦労しました。
やり方を順に見ていきましょう。
アプリを起動する
まず、アプリを起動します。以下は録画できるアプリの一例です。
- Steamのゲーム
- Webブラウザー(例 : Chrome)
PCゲームは、フルスクリーンでもよいですし、ウィンドウやボーダーレスウィンドウでもかまいません。
注意点として、Game Barではデスクトップ画面は録画できません。
デスクトップ画面を録画したい場合は、BandicamやOBS Studio、ShadowPlay(デスクトップPCのみ)などを使いましょう。
また、Windows標準搭載のSnipping Toolでもデスクトップ画面の録画は可能です。
Game Barを開く
アプリを起動したらWindowsキー + Gキーを押してください。
すると、画面が暗転してGame Barが開きました。いくつかのウィジェット(複数のパネル)およびホームバー(画面中央上部のバー)が表示されます。
録画するうえで重要なのが「キャプチャ」ウィジェットです。ここに録画ボタンがあるからです。極論、ほかのウィジェットは必要ありません。
もし「キャプチャ」ウィジェットが表示されていない場合は、ホームバーの「キャプチャ」アイコンをクリックしてください。
また、ホームバーに「キャプチャ」アイコンすら表示されていない場合は、「ウィジェット」メニューをクリックし、一覧から「キャプチャ」をクリックします。
録画を開始する
「キャプチャ」ウィジェットを表示できたら、録画ボタンをクリックしましょう。録画が開始します。
これですんなり録画できればよいのですが、なかには
- 録画ボタンをクリックできない
- 謎のエラーが表示される
といったケースがあるかもしれません。録画できない場合の対処法は後述します。
録画ボタンをクリックすると、少し間が空いたあと画面右上に録画時間が表示されます。録画時間は録画中ずっと表示され続け、移動はできますが、消せません。
録画のショートカットキーはWindowsキー + Altキー + Rキーです。Game Barを開かずに録画できます。
ただし、ショートカットキーで録画した場合、時間表示は移動できません。この部分の仕様は録画ボタンからクリックする場合とは違います。
初期設定では、録画時間は最大2時間までとなっています。設定を変更することで最大4時間まで録画できます(後述)。
また、録画中はウィンドウサイズの変更をすると録画が停止するので注意してください。
録画を終了する
録画を終了したい場合は、画面右上の通知の録画停止ボタンをクリックしましょう。
ただ、理由は不明ですが、筆者の環境では録画停止ボタンをクリックしても反応がないことがあります(毎回ではない)。
録画をうまく終了できない場合は、Windowsキー + GキーでGame Barを開き、録画停止ボタンをクリックします。
または、ショートカットキーのWindowsキー + Altキー + Rキーでもかまいません。録画中に押すことで録画が終了します。
保存先を開く
録画した動画を見てみましょう。
Windowsキー + GキーでGame Barを開き、「キャプチャを表示する」をクリックします。
すると、「ギャラリー」ウィンドウが表示されるので、再生して確認してください。
動画の保存先を開きたい場合は、ギャラリー上部にあるフォルダーアイコンをクリックします。
動画の保存先の変更はできますが、やり方が少し特殊です。
- 「ファイルの場所を開く」でフォルダーを開く(上述)。
- 画面上部の「ビデオ」をクリックする。
- 「キャプチャ」フォルダーを任意の場所に移動する。
うまく録画できないときのポイント
Game Barを使用していると録画できない(録画に失敗する)ことが頻繁に起こります。完璧ではありませんが、対処法をまとめました。
ショートカットキーを使う
Microsoft公式サイトによると、フルスクリーンのゲームの場合、Windowsキー + Gキーを押してもGame Barが開かないことがあるようです。
参考WindowsでのGame Barのトラブルシューティング
この場合、Windowsキー + Altキー + Rキーで録画できるかもしれません。
アクティブウィンドウにする
基本的な点として、アプリがアクティブウィンドウになっているか確認してみてください。
アクティブウィンドウとは、画面のいちばん手前にウィンドウを表示することです。録画したいウィンドウをクリックすればアクティブ状態になります。
これができていないと、録画したいものとは別のものが録画されることがあります。
また、「ゲーム機能は、Windows デスクトップまたはエクスプローラーでは使用できません。」というエラーが出て録画できないこともあるかもしれません。
録画ボタンの色を確認する
録画開始するまえにGame BarをWindowsキー + Gキーで開いて、録画ボタンの色を確認しましょう。
白色になっていたら録画できますが、灰色の場合は録画できません。後者の場合は、アプリをアクティブウィンドウにすれば白色になる可能性があります。
「現在、録画できません。しばらくしてから、もう一度お試しください。」というエラー表示が出ることもありますが、録画ボタンが白色ならば録画できます。
クリックスルーを無効にする
録画ボタンが白色なのに、同ボタンをクリックできないことがあるかもしれません。
可能性として、クリックスルーが有効になっている可能性があります。
同機能が有効だとウィジェットがないものという扱いになり、その下(裏)にあるゲーム画面などを操作できるというメリットがあります。しかし、クリックが「スルー」される以上、録画ボタンは機能しません。
そこで、Windowsキー + Gキーを押してGame Barを開いてください。ホームバーのマウスアイコンに、斜線が入っていないでしょうか。
▲クリックスルーが有効になっている状態
斜線が入っていればクリックスルーが有効になっているという意味であり、録画ボタンをクリックできない状態です。
- マウスに斜線あり : クリックスルーが有効
- マウスに斜線なし : クリックスルーが無効
▲クリックスルーが無効になっている状態(おすすめ)
ウィンドウサイズを変更しない
これも注意が必要ですが、録画中はウィンドウサイズを変更しないようにしましょう。ウィンドウサイズを変更すると録画が強制的に終了します(止まる)。
すなわち、
- ウィンドウをドラッグしてサイズを変更する
- 最大化・最小化する
といった行為は、録画が止まってしまう以上、録画中に行うことは事実上できません。
バックグラウンド録画しよう
Game Barには、バックグラウンド録画機能が搭載されています。
これは、気が向いたタイミングでボタンをクリックすることで設定した時間ぶんだけ動画が保存されるという機能です。
使い方ですが、まずはバックグラウンド録画を有効にしましょう。
- 画面下部の「スタート」ボタン(窓のアイコン)をクリックする。
- 「設定」(歯車アイコン)をクリックする。
- 「ゲーム」→「キャプチャ」の順にクリックする。
- 「発生したことを記録する」を「オン」にする。
- その「オン」の横にある下矢印をクリックする(見落としやすい)。
- 「最後を記録する」で任意の時間を設定する(最大10分)。
▲「発生したことを記録」をONにしないと下矢印のアイコンは表示されません。また、その下矢印のアイコンをクリックしないと、時間の長さは設定できません。
あとは、通常どおりゲームをプレイします。そして、任意のタイミングでGame Barを開き、ボタンをクリックしてください。動画が保存されます。
バックグランド録画のショートカットキーは、Windowsキー + Altキー + Gキーです。
画質・フレームレート・録画時間を変更しよう
高画質設定にしたい場合、設定方法は以下のとおりです。細かい設定はできません。
- 画面下部の「スタート」ボタン(窓のアイコン)をクリックする。
- 「設定」(歯車アイコン)をクリックする。
- 「ゲーム」→「キャプチャ」の順にクリックする。
- 「ビデオ品質」を「高」にする。
▲録画される解像度は、最大1080pまでとなっています。
動画の動きを滑らかにしたい場合は、以下のように設定します。PCゲームを録画するときに設定しましょう。
- 画面下部の「スタート」ボタン(窓のアイコン)をクリックする。
- 「設定」(歯車アイコン)をクリックする。
- 「ゲーム」→「キャプチャ」の順にクリックする。
- 「ビデオのフレームレート」を「60 fps」にする。
初期設定では最大2時間までしか録画できません。しかし、設定を変更すれば録画時間を伸ばせます。
- 画面下部の「スタート」ボタン(窓のアイコン)をクリックする。
- 「設定」(歯車アイコン)をクリックする。
- 「ゲーム」→「キャプチャ」の順にクリックする。
- 「最長録画時間」を任意の時間にする(最大4時間まで)。
音声設定を変更しよう
録音対象を選ぶ
Game Barでは、ゲーム音以外の音を動画に入れるかどうかという設定ができます。
たとえば、録画中に以下のようなことをする機会はないでしょうか。
- ゲームを録画しつつ、Discordで通話する
- ゲームを録画しつつ、YouTubeで動画を流す
このようなとき、Discordの通話相手の声やYouTubeの動画の音を動画に入れるのか、それとも入れないのかという設定がGame Barでできます。
やり方は、まずWindowsキー + GキーでGame Barを開き、ホームバーの歯車アイコンをクリックします。
そして、「ウィジェット」をクリックし、「録音するオーディオ」で任意のものを選びましょう。
通常は「ゲーム」または「すべて」のどちらかを選びます。
説明 | |
ゲーム | ・ゲーム音以外のよけいな音は入らない ・ゲーム中、YouTubeで動画を見てもその音は入らない ・マイク音を入れたいなら別途設定 |
すべて | ・PCで再生している音がすべて入る ・自分に聞こえている、あらゆる音を入れたいときに選ぶ ・マイク音を入れいたいなら別途設定 |
なし | ・無音動画になる ・マイク音すら入らない |
マイクの音を入れる
動画内に自分の声(マイク音)を入れて実況動画を作ることもできます。
- マイクをPCに接続する。
- Game Barを開く。
- マイクのアイコンをONにする(斜線がない状態に)。
- 録画を開始する。
もし自分の声がうまく入らなかった場合は、下記ページをご覧ください。マイクの接続とWindowsの設定、両方を見直す必要があります。
なお、発生条件は不明ですが、マイクミュートを解除していたにもかかわらず、いつのまにかマイクがミュートになっていることが筆者の環境ではありました。
その他
ショートカットの設定を変更したい場合は、Game Barを開いてホームバーの歯車アイコン→「ショートカット」です。
マウスカーソルを表示/非表示にしたい場合は、以下のように設定します。
- 画面下部の「スタート」ボタン(窓のアイコン)をクリックする。
- 「設定」(歯車アイコン)をクリックする。
- 「ゲーム」→「キャプチャ」の順にクリックする。
- 「ゲームの記録時にカーソルをキャプチャする」を任意の設定にする。
まとめ
無料でゲームを録画できるというのは、大きな利点でしょう。
ただ、Game Barは「独特の使いづらさ」があります。
使い方が簡単そうに見えて、じつは思ったとおりに動作してくれないことがあったり、なぜそのような仕様になっているのか疑問に感じる部分があります。
Windowsキー + Gキーから録画できるという点はシンプルなのですが、せっかくのシンプルさが使いやすさに直結していないように感じます。
ほかのキャプチャーソフトを使いたいという場合は、下記ページをご覧ください。いくつか試してみたほうがよいでしょう。
もしGame Barで録画した動画が音ズレする場合は、下記ページをご覧ください。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。