「Switchの画面をiPhone/iPadに映す方法はないの?」という疑問は、多くの人が1回は抱くかもしれません。
PCを所有していない、PCを購入する予定がない人にとっては、そのような方法があれば助かるでしょう。
では、実際のところどうでしょうか。
目次
結論 : iPhoneは映せないが、iPadは映せる
結論としては、Switchの画面をiPhone/iPadに映せるかどうかはデバイスによって異なります。
- iPhone : 基本的に映せない(例外あり)
- iPad : iPadOS 17以降なら映せる
iPhoneの場合、Switchの画面をiPhoneに映すための周辺機器・アプリは事実上存在しません。後述するとおり例外はありますが、簡単な方法ではありません。
他方、iPadについてはiPadOS 17以降であればSwitchの画面を映せます。具体的な方法については、下記ページをご覧ください。
なお、Switchのゲーム配信をしている人は一般的にPCを使っていることが多いです。iPadでの配信は難度が高いと言えるでしょう。
USBケーブルで接続しても意味がない
近年のiPad/iPhoneにはUSB-C端子が搭載されています。たとえば下記製品です。
- iPad(第10世代)
- iPad mini(第6世代)
- 11インチiPad Pro(第4世代)
- iPad Air(第4世代)
- iPhone(第15世代以降)
しかし、iPadとSwitchをUSBケーブルで「直接」接続しても、Switchの画面をiPadに出力することはできません。
USBケーブルで物理的に接続することはできますが、それだけです。なにも起きません。
SwitchのUSB-C端子は、以下のような用途で使うためのものです。
- Switch本体の充電
- Joy-Con充電グリップの接続
- Proコントローラー(プロコン)の有線接続・充電
- 有線LANアダプターの接続
iOS用のキャプボがない
iPhoneでの動作を保証するキャプチャーボードがありません。
iOS用のキャプチャーボードがあればiPhone画面をSwitchに映せるでしょう。しかし、実際はない(に等しい)のです。
もし商品ページに「iPhone対応」と書かれてある製品があったとしても、それはiPhoneで動作するという意味ではありません。
あくまでも「iPhoneの画面を『PCに』映せますよ」という意味です。つまり、PCでの動作を前提としています。
アダプターは目的・機能が違う
iPhoneには、アクセサセリーとして複数のアダプターが発売されています。しかし、これも意味がありません。
- Lightning - Digital AVアダプタ
- Lightning - USB 3カメラアダプタ
- USB-C Digital AV Multiport アダプタ
まず、1番めと3番めのアダプターは、iPhoneの映像・音声を外部出力するための機器です。「外部出力」という点がポイントです。
たとえば、以下のような用途で使います。
- iPhoneの画面を大画面TVに映したい
- iPhoneとキャプチャーボードをHDMI接続し、画面をPCに映したい
では、2番めの「Lightning - USB 3カメラアダプタ」はどうでしょうか。
これもやはり意味がありません。同アダプターにはUSB端子が搭載されており、キャプチャーボードと接続すること自体はできます。
しかし、iOS用のキャプチャーボードが事実上存在しないため、接続してもiPhoneでは動作しません。
同アダプターは以下のような用途で使います。
- 一眼カメラの写真をiPhoneに取り込む
- 一部のオーディオインターフェイス(例 : AG03)をiPhoneで使う
PCなしでミラーリングできない
Switchの映像・音声をiPhoneにミラーリングできないのでしょうか。これができれば、iPhoneでSwitchのゲーム配信ができます。
結論としては、できるにはできます。
しかし、PC + キャプチャーボードが必要です。かなり強引なやり方になりますが、たとえば以下のような手順になります。
- キャプチャーボードを使い、Switchの画面をPCに映す(音も出る)。
- ミラーリングアプリ「LetsView」をPC・スマホにインストールし、PCの画面をiPhoneにミラーリングする。
- iPhoneにPCの画面、Switchの画面が映る(音も出る)。
- iPhoneでライブ配信を開始する(配信アプリが必要)。
ただ、PCがあるならわざわざiPhoneでゲーム配信する意味はありません。画質・利便性の観点からすると、PCを使って配信したほうがよいでしょう。
つまり、この方法は実質的に無意味です。
解決策は?iPadについて
iPadの場合はiPadOS 17以降でSwitchの画面を映すことができます。
必要なものは以下のとおりです。
- USB Type-Cポートを備えたiPad(USB-Cがないとダメ)
- iPadOS 17以上
- UVC対応のキャプチャーボード
- USB Type-Cに変換するケーブル(必要に応じて)
- キャプチャーアプリ(画面を映すアプリ)
用語が難しく感じるかもしれません。ここで決定的に重要なのは、キャプチャーボードが必要という点です。
すなわち、SwitchとキャプチャーボードをHDMIでつなぎ、キャプチャーボードとiPadをUSBでつなぎます。SwitchとiPadを直接接続するわけではありません。
注意点が多いので、初心者にはおすすめしません。もし興味がある場合は、下記ページをご覧ください。
余談
苦肉の解決策になりますが、iPhoneで動作する「FEBON iCAPTURE」(外部リンク)という海外製品があります。
この製品はAmazonでは売られていませんし、筆者は使用経験はありません。動画を見た範囲で少し話をさせてください。
まず、FEBON iCAPTUREのほかに、以下のアクセサリーが必要です。
- Lightning端子を搭載するiPhoneの場合 : Lightning - USB 3カメラアダプタ
- USB-C端子を搭載するiPadの場合 : USB-Cハブ
iPhoneにアクセサリーを接続し、そのうえでアクセサリーのUSB端子にFEBON iCAPTUREを接続しましょう。
注意が必要なのは、公式サイトによると遅延が100ms(0.1秒)ある点です。
これだけ遅延が大きいと、iPhoneに映っている画面を見ながらプレイするのは厳しいと言わざるをえません。アクション系のゲームやシューティング系のゲームは、タイミングが合わず操作しづらいはずです。
上記動画では遅延を回避するため、さらにHDMI分配器を追加で用意しています。Switchの映像・音声をモニター・FEBON iCAPTUREに分配出力し、遅延のないモニター側を見てプレイしています。
このあたりの話は難しいかもしれません。手間がかかります。
まとめ
基本的に、Switchの映像・音声をiPhoneにする方法はないものと思ったほうがよいでしょう。
FEBON iCAPTUREについては、初心者がいきなりこれを使ってゲーム配信するのは困難を伴います。そもそもネット上に日本語の情報がほぼありません。
私たち初心者がSwitchのゲーム配信をするのであれば、PC + キャプチャーボードを用意するのが無難です。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。