VTube Studio(VTS)は、2Dイラスト系のモデルを使ってVTuberになれるソフトです。
具体的には、「Live2D Cubism Editor」(外部リンク)というソフトで作ったモデル(Live2Dモデル)を、自分の頭の動き・表情に合わせて動かせます。
もし「初めてLive2Dの存在を知った」という人でも心配ありません。
VTube Studioには、無料で使えるモデルが最初から用意されています。VTube Studio以外のソフトをインストールする必要もありません。
この記事の解説は、Windowsを対象としています。
目次
ダウンロード・インストール
VTube Studioは、Steamでダウンロードします。
必要な機材
PCを用意しましょう。
VTuberになってゲーム配信する場合、PCのスペックに注意してください。とくにPCゲームとの組み合わせだと重くなる可能性があるため、ある程度の余裕が必要です。
Webカメラも必要です。自分の頭の動き・表情をアバターに反映させるためです。C920を買っておけばまちがいありません。
スマホ(iOS、Android)をWebカメラ代わりにすることもできますが、今回は割愛します。
無料版の制限について
VTube Studioは無料で使えます。
ただ、無料版の制限としてトラッキング時にアバターの左下をミニキャラ(ウォーターマーク、透かし)が飛び回る仕様になっています。
もしミニキャラを非表示にしたい場合は、「VTube Studio - Remove Watermark」を購入しましょう。1,520円です。
余談ですが、スマホをWebカメラ代わりに使いたい場合は、スマホアプリの「VTube Studio」を入れたうえで課金する必要があります。
アバターを選択しよう
VTube Studioをインストールできたら、起動して設定していきます。まずは、自分の分身であるアバターを選択します。
無料モデル
画面にメニューが表示されているか確認してください。もしメニュー表示されていない場合は、画面をダブルクリックすれば表示されます。
▲画面ダブルクリックでメニューが表示されます。左メニューの「×」をクリックすると非表示になります。
メニューを表示できたら、いちばん上にある人型のアイコンをクリックしましょう。
すると、無料で使えるモデル(サンプル)が画面下部に表示されます。任意のものを選んでください。
自分で用意したモデル
「ココナラ」(PR)などで外注したモデルや、自作モデルを使いたい(入れたい)場合は、以下のようにします。
- メニューにある人型アイコンをクリックする。
- 「自分のモデルをインポート」をクリックする。
- 「フォルダを開く」をクリックする。
- このフォルダーに、Live2Dで書き出したファイルをすべて入れる(参考サイト)。
- VTube Studioを再起動する。
- 「No Icon」をクリックする。
▲「自分のモデルをインポート」をクリックします。
VTube Studioの再起動を忘れないようにしてください。ソフトを再起動して初めて、自分で用意したモデルを選べるようになります。
▲「No Icon」と表示されいるものが自分で用意したモデルです。
「No Icon」をクリックすると、オートセットアップするかどうか聞かれます。
オートセットアップとは、Live2Dのパラメーターに合わせてVTube Studioのパラメーター設定を自動で行う機能です。「オートセットアップ(iPhone/ウェブカメラ用)」→「OK」の順にクリックしましょう。
なお、オートセットアップはあとでもできます。
▲無料配布されているLive2Dのミアラ
アバターを動かそう
カメラを選択する
アバターを選んだら、使用するWebカメラを選択しましょう。Webカメラによるトラッキングを行うための大前提となる部分です。
まず、歯車アイコンをクリックします。アイコンがない場合は、画面をダブルクリックします。
つぎに、カメラアイコンをクリックします。
そして、以下のように設定してください。
- 「カメラを選択する」をクリックする(ボタンをクリックできない場合は、「カメラ OFF」をクリックしてから)。
- 使用するWebカメラの名称をクリックし、「OK」をクリックする。
- 「1280 x 720」をクリックし、「OK」をクリックする。
- 「30」をクリックし、「OK」をクリックする。
- 「MJPEG」をクリックし、「OK」をクリックする。
▲Webカメラの選択 → 解像度 → フレームレート → フォーマットの順に設定が進んでいきます。
カメラをONにする
ここまでできたら、忘れずに「カメラ ON」をクリックしましょう。
すると、Webカメラが動作するようになり、トラッキングが開始します。頭を動かしてみてください。アバターが連動して動きます。
▲無料版の場合、トラッキング開始と同時にミニキャラがアバターの周りを飛び始めます。
アバターが動くことを確認したら、無表情で「カリブレーション」(キャリブレーション)をクリックします。
▲キャリブレーション後は、画面中央のウィンドウは閉じてもかまいません。
次回以降の使用を考えて、「オートスタート」をONにしておくとよいでしょう。そうすれば、VTube Studioを起動するたびに毎回「カメラ ON」をクリックする手間を省けるからです。
基本操作
- 位置を移動 : ドラッグ
- 拡大・縮小 : マウスホイール
- 回転 : Ctrlキー + マウスホイール
もし操作できない場合は、錠前のアイコンをクリックしてロックを解除します。
細かい調整をしよう
トラッキングを始めると、不自然な動きに感じることがあるかもしれません。
- アバターがフワフワ動く
- 片目だけ閉じてしまう
- 半目になる
- 口が半開きになる
これらは設定で直る可能性があります。
アバターがフワフワ動く
アバターがフワフワ・フラフラと動く(画面がグワングワンする)のを直したい場合は、左メニューの歯車アイコンをクリックします。
そのうえで、上部にある人型アイコンをクリックしてください。
そこにある「移動の設定 (ガチ恋距離)」をOFFにします。
あるいは、ONのまま「X」「Y」「Z」をそれぞれ調整するのもよいでしょう。たとえば、「Z」は前後の距離を調整できます。
目・口の動きがおかしい(1)
意図せずアバターが片目を閉じてしまう場合は、以下のように設定します。
- 左メニューの歯車アイコンをクリックする。
- 上部のカメラアイコンをクリックする。
- 「まばたきをリンクする」を「常にリンクする」にする。
- 直らない場合は、オートセットアップを行う(後述)。
▲「常にリンクする」を選択すると、両目の開閉が連動するようになります。ウィンクはできなくなりますが、とくに支障はないでしょう。
目が半開き(半目で開かない)、あるいは口が半開きになっている場合は、最初に上述のキャリブレーションを行ってください。目を開きすぎず、かつ無表情のまま行うのがポイントです。
それでも直らなければ、感度を調整します。
- 左メニューの歯車アイコンをクリックする。
- 上部のカメラアイコンをクリックする。
- 「目を開ける感度」と「口を開ける感度」を調整する。
目・口の動きがおかしい(2)
まだ不自然である場合は、パラメーターを見直しましょう。人型アイコンの部分で設定変更できます。
ただ、この設定はきわめて難しいので注意してください。さらに悪化する可能性もあります。
もしどうしようもなくなったら、「オートセットアップ (IPHONE/WEBCAM)」をクリックします。そうすればパラメーターが初期設定に戻ります。
多くの設定項目が存在しますが、とりわけ重要なものを下表にまとめました。
内容 | |
Eye Open Right | 右目の開閉 |
Eye Open Left | 左目の開閉 |
Mouth Open | 口の開閉 |
Mouth Smile | 笑ったときの口の形 |
流れとしては、(1)自分で設定項目を探し出し、それから(2)設定していくかたちになります。
設定項目を見つけづらい場合は、「フィルター」に「Eye Open Right」などと入力すれば瞬時に表示されます。
設定のポイントは4点です。
- 赤ポッチ横の数値は、表情によってリアルタイムで変化する
- 「IN」「OUT」に任意の数値を入れて調整
- 「IN」の下欄は、目・口を閉じたときの数値を入力する
- 「IN」の上欄は、目・口を開けたときの数値を入力する
具体的な設定方法については、下記動画を参考にしてください。
リップシンクを使おう
マイクをPCに接続している場合、自分の発声に合わせてアバターの口を動かすこともできます。
やり方が難しいのですが、まずは以下のように設定します。
- 左メニューの歯車アイコンをクリックする。
- 上部の歯車アイコンをクリックする。
- 画面を下にスクロールし、「リップシンク設定 (マイク)」の「マイクを使う」をONにする。
- 「マイクを選択する」をクリックし、使用するマイクを選ぶ。
ここまで設定できたら、上部の人型アイコンをクリックしてください。そして、パラメーターを以下のように設定します。
- 「Mouth Open」を探す。
- 「IN」をクリックし、「VoiceVolumePlusMouthOpen」にする。
- 「Mouth Smile」を探す。
- 「IN」をクリックし、「VoiceFrequencyPlusMouthSmile」にする。
「IN」をクリックしたあとに選ぶ項目は、必ずしも上に書いたものでなくてもかまいません。目的に応じて選びましょう。
声のみに反応して口パク | 声・表情に反応して口パク | |
VoiceVolume | ○ | |
VoiceVolumePlusMouthOpen | ○ | |
VoiceFrequency | ○ | |
VoiceFrequencyPlusMouthSmile | ○ |
「Volume」は音量、「Frequency」は周波数という意味です。具体的な設定方法については、下記動画を参考にしてください。
キーバインドを使おう
キーバインドを設定しておくと、キーボードのボタンに任意の処理(アクション)を割り当てることができます。
- 特定のアニメーションを行う
- 表情を切り替える
- モデルを特定の位置に移動する
たとえば、アバターに手を振る動作をさせたいときは、あらかじめ設定しておいたキーボードのボタンを押しましょう。ショートカットキー(ホットキー)と同じです。
やり方は以下のとおりです。
- 「キーバインドを使う」をONにする。
- 「アクションタイプ」をクリックする(ない場合は、画面の最下部までスクロールして「+」をクリック)
- 任意のアクションを選択する。
- すぐ下にあるボタンをクリックし、同様に変更する。
- 「キー 1」横にある「REC」をクリックする。
- 任意のボタンを押す。
もしマウス操作でもアクションを実行したい場合は、「スクリーンボタンを使う」をONにしてください。
すると、画面上に円形のボタンが表示されます。これをクリックすればアクションを実行できます。
OBSにアバターを映そう
OBS Studio(以下OBS)を使ってライブ配信・録画している人も多いでしょう。
そのためには、VTube Studioの画面をOBSに映す必要があります。そのうえで、背景など不要な部分を消す(背景透過)という流れになります。
詳細については、下記ページをご覧ください。とても簡単にできます。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。