NVIDIAアプリは、PCゲーム録画機能などを搭載した無料アプリです。
従来、GeForce Experienceというアプリに搭載されていた録画機能であるShadowPlayが新しく刷新され、今度はNVIDIAアプリとしてリリースされました。
録画機能を実装しているアプリ名 | |
新ShadowPlay | NVIDIAアプリ |
旧ShadowPlay | GeForce Experience |
新しいShadowPlayは外観・操作方法が少し変わりました。
NVIDIAアプリにはゲームに関連したさまざまな機能が搭載されていますが、今回は録画機能に着目して使い方を見ていきましょう。
以下、「ゲーム」とは「PC」ゲームのことをさしています。「TV」ゲームのことではありません。
目次
できること、できないこと
NVIDIAアプリのShadowPlayは、基本的に従来のGeForce Experienceの録画機能をそのまま引き継いだものとなっています。
一例ですが、以下のことができます。
- PCゲームの録画
- デスクトップ画面全体の録画(デスクトップPCのみ)
- 実況動画の作成
- インスタントリプレイ(バックグラウンド録画のこと)
- ハイライト(大事な場面を自動録画)
- ゲームフィルター(画面を加工)
- フォトモード(画面を一時停止し、自由に視点を動かせる)
- AV1形式での録画 ← New
- スクリーンショット撮影
いっぽうで、従来のShadowPlayから削除された機能もあります。
- ウィンドウキャプチャー(ウィンドウモード)
- YouTubeなどへの動画投稿機能
- カット編集機能
- Ansel(360度撮影、ステレオキャプチャー)
- ライブ配信機能
削除された機能は重要性が低いものが多いため、大きな問題はないでしょう。
なお、GeForce ExperienceがPCにインストールされている環境の場合、NVIDIAアプリをインストールするとGeForce Experienceは削除されます。
準備しよう
環境を確認
NVIDIAアプリは一部のPC環境では使用できません。
注意したいのが、いま使用しているPCのGPUが同アプリに対応しているかどうかです。
公式サイトによると以下のGPUが対応しています(2024年現在)。
- GeForce RTX 20、30、40シリーズ
- GeForce GTX 800、900、1000、1600シリーズ
- GeForce MX100、MX200、MX300、800M、900M
ダウンロード・インストール
ShadowPlayを使えるようにするために、まずはNVIDIAアプリをダウンロードします。同アプリにShadowPlayが含まれています。
- 公式サイトにアクセスする。
- 「ベータ版をダウンロード」をクリックする。
- ダウンロードしたファイルをダブルクリックする。
- 画面を順に進めていく(わからなくても適当でOK)。
- インストールが完了する。
▲今回は「アップグレード」を選び、そのあと聞かれた質問で「Game Ready ドライバー」を選びました。あとで設定を変更できるので適当でもかまいません。
オーバーレイを有効化
NVIDIAアプリをインストールしたら、つぎは同アプリの設定を変更しましょう。オーバーレイを有効にします。これをしないと録画できません。
- NVIDIAアプリを起動する。
- 歯車アイコン「設定」をクリックする。
- 「NVIDIA オーバーレイ」をONにする。
オーバーレイとは、ここではゲーム画面に重ねて表示される操作パネルのことだと思ってください。有効化することで録画操作ができるようになります。
▲オーバーレイ(操作パネル)
オーバーレイを有効化したあとは、NVIDIAアプリは閉じてもかまいません。次回以降も録画時に起動する必要はありません。
ゲームを録画しよう
やり方
では、さっそくゲームを録画してみましょう。マイク音声を入れる設定については後述します。
- ゲームを起動する。
- Altキー + Zキーを押す(オーバーレイが開く)。
- 「録画」をクリックする。
- 録画を停止したい場合は、再度オーバーレイを開いて「録画」を押す。
謎のメッセージが表示されたときは
録画を開始しようとしたさい「デスクトップキャプチャをオンにして、録画を開始しますか?」と聞かれた場合は、「はい」をクリックしてください。
これは「デスクトップ画面全体を録画してもよいか」という趣旨の質問で、ゲームがShadowPlayに対応していないときに表示されます。
「はい」をクリックすれば録画はできますが、あくまでもデスクトップ録画(デスクトップキャプチャー)となる点に注意してください。つまり、Windowsの通知などゲーム画面以外のものが映り込む可能性があります。
また、「この機能を使用するにはサポートされているゲームが必要です。」と表示された場合は、当該ゲームはShadowPlayでは録画できないことを意味しています。
どうしても録画できない場合は、Bandicamなど別アプリの使用を視野に入れてみてください。
動画の保存先
いま録画した動画を確認してみましょう。
- Altキー + Zキーでオーバーレイを開く。
- 「ギャラリー」をクリックする。
- サムネイルをクリックする。
- 動画プレーヤーが表示されるので、再生ボタンをクリックする。
もし動画を保存してあるフォルダーを開きたいという場合は、以下のようにします。
- 上述した手順で動画プレーヤーを表示する。
- 動画プレーヤー右下のフォルダーアイコンをクリックする。
- フォルダーが開く。
また、以下の手順で動画の保存フォルダーを変更できます。
- Altキー + Zキーでオーバーレイを開く。
- 歯車アイコンをクリックする。
- 「ファイルと空きディスク領域」→「ギャラリー ロケーション」の順にクリックする。
- フォルダーを選択する。
- チェックマークをクリックする。
インスタントリプレイを使おう
ここまでは通常の録画方法を見てきましたが、ShadowPlayにはバックグラウンド録画であるインスタントリプレイ機能があります。
同機能は裏で自動録画してくれるため、ゲームをプレイ中に突然気に入ったシーンに出くわしても心配いりません。
興味深いことが起きたら、それが終わったタイミングでボタンを押してください。すると、時間を遡って一定の長さだけ動画を保存できます。手動で録画開始していなくともよいのです。
具体的なやり方は以下のとおりです。
- Altキー + Zキーを押す。
- 「インスタント リプレイ」をクリックし、「インスタント リプレイ」をONにする。
- 任意のタイミングでAltキー + F10キーを押す。
- 動画が保存される(保存先については上述)。
インスタントリプレイはOFFにしないかぎり自動録画を続けますが、ストレージ(HDD/SSD)の容量は心配する必要はありません。
インスタントリプレイで自動保存する時間の長さについては、以下の設定で変更できます。
- Altキー + Zキーを押す。
- 「インスタント リプレイ」をクリックする。
- いったん「インスタント リプレイ」をOFFにする(ONだと設定変更できない)。
- すぐ下の「ビデオキャプチャの設定」の歯車アイコンをクリックする。
- 「インスタントリプレイの長さ」を変更する(最大20分間まで)。
- 画面を戻り、「インスタント リプレイ」をONにする。
画質を変更しよう
初期設定でも高画質ですが、必要に応じて画質をカスタマイズできます。
- Altキー + Zキーを押す。
- 歯車アイコンをクリックする。
- 「ビデオのキャプチャ」をクリックする。
- 「出力フォーマット」の各種設定を変更する
説明 | |
クオリティ(ビットレート) | ・数字が大きいほど低画質になりづらい(高画質) ・「中」または「高」がおすすめ ・ファイルサイズが大きすぎる場合は小さな数字を選ぶ |
解像度 | ・画面サイズのこと(「1080p HD」なら1920x1080に) ・「インゲーム」はゲーム解像度と同じにする設定 ・PC動作が重くなる場合は小さな数字を選ぶ |
フレームレート | ・動きの滑らかさのこと ・「60 FPS」のほうが「30 FPS」より滑らかに動く ・PC動作が重くなる場合は小さな数字を選ぶ |
Codec(コーデック) | ・RTX 40シリーズのみ表示される ・画質やファイルサイズに影響する ・「H.264/HEVC」または「AV1」を選べる |
「Codec」が表示されている環境では「AV1」を選べますが、動画再生ソフトや動画編集ソフトが対応していない場合は映らない(真っ暗)ので注意してください。
自分の声を入れよう
ゲーム実況をやりたいなら、マイクをPCに接続したうえでShadowPlayの設定を変更しましょう。
- Altキー + Zキーを押す。
- 「マイク」を「常にオン」にする。
- 歯車アイコンをクリックする。
- 「オーディオ」をクリックする。
- 使用するマイクを「ソース」で選択する。
- 「オーディオトラック」で「シングル トラック」を選択する(別撮りしたい場合は「個別のトラック」を選択)。
- 録画を開始する。
詳しい設定方法については、別記事を作成する予定です。
動画編集しよう
動画編集するためには、動画編集ソフトを別途用意しましょう。PowerDirectorなど、初心者が使いやすい定番ソフトがおすすめです。
ShadowPlayで録画した動画を動画編集ソフトで読み込んださい、映像と音声が少しずつズレていく現象(音ズレ)が起きる場合があるかもしれません。
これは、ShadowPlayが可変フレームレート(VFR)という方式で録画しているために起こっている可能性があります。動画編集ソフト側がVFRに対応していないと、音ズレすることがあるのです。
対処法としては、いったん動画を固定フレームレート(CFR)に変換します。そのうえで動画を編集ソフトで開きましょう。詳細は、下記ページをご覧ください。
もし最初からCFRで録画したい場合は、以下のいずれかのキャプチャーソフトを使用します。設定でCFRにできます。
動画を投稿しよう
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。