自分に合ったキャプチャーボードを選ぶのは、ほんとうに苦労します。こんな人はいませんか?
- 製品が多すぎて、どれを買ったらよいか悩んでいる
- 価格が高すぎて、買うのを躊躇(ちゅうちょ)している
- 最新情報を知りたい
そこで今回は、筆者が所有しているキャプチャーボードのなかから、おすすめの製品をご紹介します。
じつは記事にしていないだけで、買って失敗した製品、使いこなすのに苦労した製品もありました。筆者の失敗を糧にして、キャプチャーボード選びのノウハウをぜひ会得してください。
最初に書いておきますが、今回紹介している製品のなかからさらに絞ると、下表の3つが購入候補になるでしょう。
目次
重要なキーワードを復習しよう
まず、キャプチャーボードで重要なキーワードをザッと確認しておきましょう。
外付け型、内蔵型
キャプチャーボードには、外付け型と内蔵型の2種類があります。
以下の点を覚えておいてください。
- 外付け型 : USB接続
- 内蔵型 : デスクトップPC専用
パススルー
近年のキャプチャーボードには、たいていパススルー出力機能が搭載されています。
- TV、別モニターにゲーム画面を映し、そちらを見ながらプレイできる
- キャプチャーボードの遅延を回避できる
ゲーム画面をPCに映してプレイしたとき、「操作感覚がいつもと違う、タイミングが合わない」と感じたときは、同機能を使いましょう。
ソフトウェアエンコード、ハードウェアエンコード
キャプチャーボードのエンコード方式は2種類あります。
PCにかかる負荷 | 遅延の程度 | |
ソフトウェアエンコード | 大きい | 小さい |
ハードウェアエンコード | 小さい | 大きい |
見るからに難しそうな用語ですが、あまり意識しすぎる必要はありません。現在は、上表の区別が意味をなさないケースが多いからです。
「意味不明、わからん」という人へ
ここまでの内容を理解できなかった場合は、以下の2本の記事をご覧ください。キャプチャーボードの基礎をていねいに解説しています。


外付け型のおすすめは?
GC550 PLUS
GC550 PLUS
GC550 PLUSは、ゲーム実況の世界でとても有名なキャプチャーボードです。
数ある製品のなかで、ひとつの基準(デファクトスタンダード)となるような仕様となっています。つまり、「迷ったらこれ」と言えるような製品だと思ってください。
使い方も簡単です。RECentralという録画・配信ソフトも付いてくるのですが、クセがないのです。それでいて、ほかの一般的なキャプチャーボードよりも多機能です。ゲーム実況で必要になる機能は、すべて搭載しています。
機能的な部分では、ライブ配信機能を搭載している点が見逃せません。「試しにYouTubeでゲーム配信(生放送)をやってみたい」という人にはピッタリです。ほんとうに簡単にできます。
また、高画質な4Kパススルー出力にも対応しています。したがって、たとえば4KモニターにPS4 Proの4K解像度のゲーム画面を映して、1080p/60fpsで録画・ライブ配信する、というようなこともできます。
おまけとして、動画編集ソフトであるPowerDirector 15が付属されている点も大きいかもしれません。このソフトもまた定番で、使い方は当サイトでも解説しています。参考にしてください。
- あの配信者も使っている
- 使いやすく、多機能な付属ソフトであるRECentral
- 4Kパススルー対応
- 動画編集ソフトが付属(PowerDirector 15)
- 公式サイトのヘルプが充実
- Windows Updateによる不具合に対応してくれるアプデあり
- できれば1万円代後半~2万円で買いたい(19,000円切りならかなり安い)
GC550 PLUSの詳しい使い方については、下記ページに情報をまとめました。

Elgato HD60 S
Elgato HD60 S
もう1個、ゲーム実況の世界で有名な製品があります。それがElgatoのElgato HD60 S(以下HD60 S)です。
Elgatoのキャプチャーボードには複数の製品があるのですが、その中心となるモデルがHD60 Sです。HD60 S+とは別製品なので注意してください。
- HD60 : 生産終了モデル
- HD60 S : おすすめ
- HD60 S+ : 4K対応の上位モデルで、1080p/60fpsでのHDR録画も可能
HD60 SもGC550 PLUSと同様、ゲーム実況を強く意識した製品であり、ライブ配信機能も搭載しています。GC550 PLUSと比較して、どちらを買えばよいか悩む人が多いかもしれません。
結論から言うと、どちらを買っても実質的には困らないでしょう。GC550 PLUSの4Kパススルーは必須の機能ではありません。HD60 Sの実売価格は20,000円を切っていることが多く、GC550 PLUSよりも安いので、こちらを選ぶのも手です。
HD60 S | GC550 PLUS | |
ゲーム配信機能 | ○ | ○ |
フルHDパススルー | ○ | ○ |
4Kパススルー | × | ○ |
動画編集ソフト付属 | × | ○ |
筆者としては、GC550 PLUSのほうが直感的で、洗練されているとは思います。付属のキャプチャーソフトの違いです。しかし、ここは人によって評価が大きく分かれるかもしれません。HD60 Sもじゅうぶん使いやすいです。
Mac + OBS Studioで使う場合は設定に注意してください(→解決法)。設定に手間取る可能性があるので、MacであればHD60 S+のほうがおすすめです。
- 海外で使用者が多く、絶大な人気
- 多機能な付属ソフト
- GC550 PLUSよりもわずかに低遅延
- 丸みを帯びてコンパクト、手に馴染むデザイン
- 公式サイトのヘルプが英語で、日本人にはつらい
- Mac対応だが、OBS Studioで使う場合はHD60 S+のほうがよい
HD60 S、およびHD60 S+の詳しい使い方については、下記ページをご覧ください。


GV-USB3HD/E
GV-USB3HD/E
コスパが高い製品を探しているのであれば、GV-USB3HD/Eがよいでしょう。
この製品は、HD60 Sよりもさらに安く買えます。にもかかわらず、動画編集ソフトであるPowerDirector 14まで付属されています(DVD-ROM収録)。
ゲーム配信機能はありませんが、ないからと言ってライブ配信できないわけではありません。配信ソフトを別途用意すればよいのです。大半の人は配信ソフトを使います。
さらに配信ソフト関連でいうと、XSplitのライセンスが付属されています。2か月だけですが、有料ソフトを無料で使えるので覚えておいてください。
GV-USB3HD/Eと似たものとして、GV-USB3HDS/Eという製品もあります。これは4K/60fps対応モデルで、通常は必要ありません。
- コスパ最強
- 動画編集ソフトが付属(PowerDirector 14、DVD-ROM)
- GV-USB3HD/E
は、さらにXSplitのクーポンも付属
- Amazonのセールで安くなることが多い
- 上位モデルGV-USB3HDS/Eは4K/60fps対応
- 目新しさは、とくにない
製品の詳しい使い方については、下記ページに情報をまとめました。

GV-USB2
GV-USB2
ここまで見てきた製品は、ゲーム機をHDMIでつなげるものです。
では、もし古いゲーム機、たとえばPS2やWiiなどを接続したい場合、どうすればよいのでしょうか。その答えがGV-USB2です。
はっきり言えば、レトロゲーム機専用の製品です。最新世代のゲーム機には対応していません。HDMIではないので、画質も悪いです。
しかし、GV-USB2が1個あれば、むかしのゲーム機に対応できるという点が大きいのです。たった数千円です。
たまに「古いゲームを遊びたいな」と思うことはありませんか?GV-USB2の出番です。
- レトロゲームが好きな人は買い
- コンポジット端子(黄色い端子)に対応しているゲーム機なら、すべて対応
- コンポジット端子、S端子の仕様上、画質は悪い
製品の使い方については、下記ページをご覧ください。

内蔵型のおすすめは?
2023年時点では、基本的に内蔵型のおすすめはありません。
すでにキャプチャーボードの売れ筋は外付け型に移行しており、それに呼応するかのように内蔵型の製品自体が少なくなっています。
高すぎ。Switch、PS4用に安い製品はないの?
キャプチャーボードの価格については、多くの人がとまどうはずです。
もっと安い製品はないのでしょうか。この点、あるにはあるのです。たとえば、数千円で買えるキャプチャーボードもあります。
ただ、筆者も何個か買いましたが、価格以外にあえて積極的に購入を勧める理由がありません。数千円クラスのものは1080p/60fpsに対応しておらず、いろいろと妥協する必要があります。
ただ、「あまり期待せず試しに買ってみる」という考えならば「あり」です。興味がある場合は、下記ページをご覧ください。


4K対応製品のおすすめは?
ここでいう4K対応製品とは、4K解像度で録画できる製品のことをさしています。
予算が許さない場合、4K対応のキャプチャーボードを慌てて買う必要性は高くないでしょう。上で紹介したような、フルHDで録画できる製品でかまいません。
以下はあくまでもオマケの記述という程度に考えてください。強くおすすめというわけではありません。
GC553
GC553は、4K/30fpsで録画できる製品です。PCとUSB 3.1(3.0のこと)で接続する外付け型です。
1080pのHDR録画にも対応しているため、4K解像度、またはHDRをちょっと楽しんでみたいという人にはよいでしょう。
基本的には、4K対応キャプチャーボードとして入門的な位置づけの製品と考えてください。4K/60fpsで録画できない点に注意が必要です。もっとも、1080p/60fpsに落として録画することならできます。
- 4K/30fpsで録画できる
- HDR録画できる(1080p/60fps)
- 1080p/120fpsで録画できる
- パススルーは4K/60fps HDRに対応
- 付属のキャプチャーソフトはRECentral
- 動画編集ソフト、PowerDirector 15付属
- ファンの動作音あり

GC573
もし性能面で、いっさいの妥協をしたくないなら内蔵型のGC573です。
この製品は、まさに最強の名にふさわしい最上位モデルと言っても過言ではありません。
4K解像度の映像を60fpsで録画できます。しかも、4K/60fpsでHDR録画までできるのです。GC553に不満を感じる人でも、GC573なら満足するはずです。
下位モデルのGC553との違いについては、下表をご覧ください。
GC573 | GC553 | |
PCとの接続 | 内蔵型 | 外付け型 |
4K録画時の最大フレームレート | 60fps | 30fps |
4K HDR録画 | 対応 | 非対応 1080p/60fpsで対応 |
1080p録画時の最大フレームレート | 240fps | 120fps |
- 4K/60fpsで録画できる
- HDR録画できる(4K/60fps)
- 1080p/240fpsで録画できる
- 4K HDRのパススルーに対応
- 付属のキャプチャーソフトはRECentral
- 動画編集ソフト、PowerDirector 15が付属

まとめ
私たちがキャプチャーボードを購入する場合、たいていは以下の3つのメーカーが発売している製品を選ぶことになるでしょう。
- AVerMedia
- Elgato(メーカー名はCORSAIR)
- アイ・オー・データ
放送・映像業界ではBlackmagic Designも有名で、たくさんの製品を出しています。しかし、私たち一般人にはあまり縁がありません。
いくつかポイントを押さえて、かつ予算の上限を決めておけば、きっと賢い買い物ができるはずです。
もっとも、Amazonのレビューを読むと不安になるかもしれません。
- 「もう○○社の製品は買いません」
- 「この製品はゴミ」
- 「だまされた。絶対に買うな」
- 「壊れたので星1個です」
気休めにならないかもしれませんが、ゲーム配信者やYouTuberなど、ゲーム実況をやっている人の大半は今回紹介した有名メーカーの製品を使っています。
また、各製品の使い方や、トラブルが発生した場合の対処法も当サイトで解説しています。ぜひ参考にしてください。



キャプチャーボードを1個持っていれば、ゲームがより楽しくなります。自分にピッタリの製品を選びましょう!
コメント
いつも参考にさせていただいてます。画質にこだわるように感じますが、もし実況で結果(再生回数)にこだわるなら、画質はあまり関係ないですよ!ファミコン~PS2までなら480p、PS3~PS4までなら720pあればOKです。3色ケーブルでは再生回数に影響がでるかもしれませんが、レトロゲームはS端子以上ならほぼ影響はありません。ネタ(中身)が重要なので。そこにお金をかける必要はほぼないですよ!画質はおまけみたいなものなので