ゲーム配信(ライブ配信)用のサイトは、以前とは比較にならないほど増えました。どこで配信すればよいのでしょうか。
今回は、おもに以下の3つの要素を考慮したうえでおすすめゲーム配信サイトをまとめました。
- 配信のしやすさ
- 対応している機能
- 収益化のしやすさ
結論としては、4つのサイトがおすすめです。
- YouTube
- Twitch
- ニコニコ生放送(ニコ生)
- ツイキャス
いずれも筆者が長年チェックしているサイトであり、かつゲーム配信者たちが必ず一度は利用を検討するであろうサイトです。
スマホではなく、PCを使ってゲーム配信することを前提としています。
目次
YouTube
生配信・動画投稿を使い分け
YouTubeでは、リアルタイムでライブ配信することもできますし、あらかじめ編集して作っておいた動画を投稿することもできます。
- ライブ配信(生放送)
- 動画投稿
両方できることのメリットは、使い分けることで視聴者にコンテンツを楽しんでもらえる、自分のチャンネルの成長につながるという点でしょう。
たとえば、新作ゲームがリリースされたらすぐにライブ配信を開始するわけです。そして配信終了後、後日切り抜き動画を作って編集・投稿します。
そうすると、視聴者としてはYouTube内でコンテンツに触れる機会が増えるため、「チャンネル登録しておこうかな」という考えに至るかもしれません。
あるいは逆に、切り抜き動画を見てくれた視聴者がチャンネル登録してくれて、ライブ配信に来てくれることもあるでしょう。
このように、視聴者がライブ配信・動画を自由に行き来でき、配信者にとって相乗効果を見込める点は大きなメリットです。
便利な機能が無料で
もちろん、他サイトでもライブ配信・動画の両方に対応しているところはあります。
しかし、YouTubeが圧倒的に優れているのは、他サイトでは制約があったり、有料になっているような機能が無料で使える点です。
その代表例がアーカイブでしょう。ライブ配信は終了後にアーカイブとして(過去の動画として)YouTubeに残るわけですが、保存期間に制限がありません。
他サイトでは通常、アーカイブとして残せる期間は限られており、基本的には時間が経過すると自動で消えるパターンが多いのです。
しかし、YouTubeではこのような制限はなく、無期限で保存されます。とくに条件はなく、有料会員になる必要もありません。
また、「DVR」という追っかけ再生機能(ライブ配信中、視聴者が映像を遡れる)も無料で提供されています。
同機能は、他サイトだと有料会員などでないと利用できないのが一般的です。しかし、YouTubeであれば全ユーザーが無料で利用できます。まさに大盤振る舞いです。
覚えるべきことが多い
YouTubeの難点は、覚えることが多い点です。
ふだん「視聴者」として利用しているときは、「YouTubeの使い方は難しい」などと思う人はあまりいないでしょう。
しかし、「配信者」として利用する場合は話が違ってきます。ハードルがいくつもあり、とっつきにくいのです。
- サイト内に登場する用語・表現が難解(公式ヘルプの説明も難しい)
- 操作方法(UI)がわかりづらい、ゴチャゴチャしている
- 単純な配信開始・終了ですら手こずる可能性がある
このような事情があるため、YouTube用の知識として蓄えておかなくてはいけないことが多くなりがちです。
収益化のハードルが高い
VTuberのトップクラスともなると、YouTubeで稼いでいる額は高額です。世界の投げ銭ランキングを見て憧れる人も多いかもしれません。
しかし、私たち初心者にとってYouTube内での収益化の要件は高いハードルになっています。
というのも、YouTube内での投げ銭(Super Chat、スパチャ)を利用するためには、少なくとも以下の要件を満たす必要があるからです。
- チャンネル登録者数が500人以上
- 公開動画の総再生時間が、直近12か月間で3,000時間以上、または直近90日間の有効な公開ショート動画の視聴回数が300万回以上
- 直近90日間に動画を3本以上公開
参考 YouTube で収益を得るには(外部サイト)
Twitch
ゲーム配信といえばここ
Twitchはゲーム配信の雄です。
日本ではYouTubeほどの知名度はありませんが、世界全体で見れば同サイトを圧倒するほどの強さを誇ります。
実際のところライブ配信プラットフォームのシェアはTwitchが圧倒している状況が続いています。調査分析企業のStreamlabsとStream Hatchetが発表した報告によると、2022年第1四半期(1月~3月)におけるライブ配信の総視聴時間のうち、Twitchが76%を占めており、YouTubeはわずか14%でした。
「Twitchの人気配信者がYouTubeと独占契約するケースが続出、YouTubeの狙いとは?」(GIGAZINE)より
あらゆるゲーム配信サイトがTwitchの影響を受けているといっても過言ではありません。
サブスクリプション機能(サブスク)やスタンプ機能など、現在私たちが当然のように目にしている機能は、ゲーム配信サイトのなかではTwitchが最初にやり始めたことです。
抜群の配信のしやすさ
配信のやりやすさ、簡単さという点でいえばTwitchが群を抜いています。なぜなら、配信しやすい環境が整っているからです。
たとえば、ゲーム配信するにはライブ配信用のソフトをインストールして設定するわけですが、そのソフトに最初からTwitch用の設定が用意されていることがあります。
煩わしい設定を省くことができるので、Twitchに対応しているソフトを使うのは初心者にとってメリットが多いでしょう。
Twitchでの使用を前提としたソフト・サービスも多々あります。定番サイトですから、ソフト・サービスの開発者も当然Twitchに焦点を合わせてくるわけです。
さらに、Twitchには詳細なヘルプ記事があります。一つひとつの機能について説明が詳しく掲載されている点は、YouTubeとの大きな違いです。
そこそこ収益化しやすい
Twitchで収益化するためには、以下のどちらかのプログラムを利用する必要があります。
- パートナー
- アフィリエイト
2種類のうち、要件が緩いのがアフィリエイトプログラムです。まずはこれに参加するとよいでしょう。
参考 アフィリエイトプログラムへの参加(外部サイト)
アフィリエイトに参加すると、3つの方法で収益を得ることができます。
- 投げ銭(ビッツ)
- サブスク
- 広告
YouTubeと比べても収益化のハードルは低くなっています。
ニコニコ生放送
ふだんからニコニコを利用しているのであれば、ニコ生は外せません。
以下のような特徴があります。
- ニコ生公式配信ソフト(N Air)のおかげで配信しやすい
- YouTubeよりは配信を見てもらいやすいかも
- クリエイター奨励プログラム(ギフト、クリエイターサポート)の収益化のハードルは低い
- 画質はあまり期待できない(720p/30fpsまで)
- 一般会員の場合、プレミアム会員よりも使える機能が少ない(ユーザーレベルによる)
- 国内向けメインのサービスなので日本人が多い
ニコ生は、近年の新しい配信サイトと比較すると変わっている部分もあるでしょう。
しかし、検索機能や匿名コメント機能のおかげで、視聴者は配信を探しやすく、かつコメントしやすいのがメリットです。
また、配信サイトのなかでは収益化の条件が低く、収益化しやすい部類に入ります。
ツイキャス
ツイキャスも知名度が高い定番サイトとして押さえておきたいところです。
以下のような特徴があります。
- X(旧Twitter)での配信告知が便利
- ゲーム配信用のモードがある(ゲームズ配信)
- 国内向けメインのサービスなので日本人が多い
- 収益化のハードルは低い
- 2024年にニコニコがサイバー攻撃を受けたとき、有力な移住先となった
- 配信方法が複数あり、最初は混乱するかも
まとめ
もし新規で始めるなら、YouTubeかTwitchがよいでしょう。
- いろいろなハード・ソフト・サービスが標準対応
- 世界的に知名度が高く、ユーザー数が多い
- 高画質
- 無料
次点でニコ生やツイキャスがおすすめです。両者ともサイト自体に知名度・歴史があり、選択肢として考慮すべきです。
どうしてもサイトをひとつに絞れないのであれば、
- 複数のサイトで同時配信する
- 目的によってサイトを使い分ける
- 曜日によってサイトを使い分ける
という方法もないわけではありません。
ただ、どこで配信するにせよ人を集めるのに苦労するはずです。人が比較的来やすいと言われることがあるニコ生でも、視聴者が2~3人しか来ないという状況は避けられません。
まずはお試しで配信してみてください。あれこれ手を広げすぎないのも重要です。
おまけ : 配信サイト一覧(一部)
完全網羅というわけにはいきませんが、PC配信に対応しているサイトを最後に掲載しておきます。
説明 | |
ふわっち | |
Facebook Live | |
Mirrativ(ミラティブ) | スマホでゲーム配信をするならおすすめ |
ミクチャ | |
OPENREC.tv(オープンレック) | サイバーエージェントの子会社が運営 |
SHOWROOM(ショールーム) | |
TikTok(ティックトック) | |
17LIVE(ワンセブン、イチナナ) |
近年、配信アプリが続々とリリースされ活況を呈していますが、多くはスマホを使った雑談配信用である点に注意してください。
ゲーム配信用のサイトという点でいうと、Milodom、ミラティブ、OPENRECも知られています。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。