OBS Studio(以下OBS)によるゲーム配信で、Discordのボイスチャットの通話音声を入れたくない場合、どのように設定したらよいのでしょうか。
今回は、VB-Audio Virtual Cable(以下、VB-CABLE)という無料ソフトを使ったやり方について見ていきます。
便宜上、ライブ配信を想定して解説していますが、録画の場合も設定は同じです。
以下の解説は、Windows PCの使用を前提としています。macOSについては扱わないので、注意してください。
目次
あまりに設定が難しい
通話音声を入れないための方法は、難度が高く、慣れていないと混乱するかもしれません。設定が複雑で、めんどうです。
また、今回行う設定は、自分が聞いている音が遅延します。ゲーム音がゲーム画面より遅れて聞こえてくるので、プレイ中に違和感を覚えるかもしれません。
別の方法については、下記ページをご覧ください。バージョン28.0以降のOBSであれば、もっと簡単に通話音声を入れないようにできます。
VB-CABLEをダウンロードしよう
まずは、VB-CABLEをダウンロードしましょう。無料です。
- 公式サイトにアクセスする。
- 「Download」ボタンをクリックする。
- ダウンロードしたZIPファイルを解凍する。
つぎはインストールです。
- 「VBCABLE_Setup_x64」上で右クリックする。
- 「管理者として実行」を選択する。
- 「Install Driver」をクリックする。
- 画面を進めていく。
管理者として実行していない場合、下記画像のようなエラーが出てVB-CABLEをインストールできません。
なお、VB-CABLEは仮想オーディオデバイスと呼ばれるソフトの一種です。音の入出力をコントロールしたいときに使います。
既定のデバイスを確認しよう
画面右下のスピーカーアイコンを右クリックし、「サウンドの設定を開く」をクリックします。
▲右クリック
Windowsのサウンド設定画面が開きました。「出力」の部分が「CALBE Input (VB-Audio Virtual Cable)」になっていることを確認しましょう。
これは、「CALBE Input (VB-Audio Virtual Cable)」が既定のデバイスであることを意味しています。
既定の通信デバイスを確認しよう
今度は、設定画面右側の「サウンド コントロール パネル」をクリックします。
すると、新たに設定画面が開きました。通話相手の声を出すための音声機器に、受話器のアイコンが表示されているか確認しましょう。たとえば、「スピーカー (Realtek Audio)」です。
▲チェックマークのアイコン(既定のデバイス)と混同しないようにします。
もし受話器のアイコンがない場合は、右クリックして「既定の通信デバイスとして設定」を選びます。
注意点ですが、「CALBE Input (VB-Audio Virtual Cable)」は既定の通信デバイスにしないようにしてください。通話相手の声が配信に乗るのを防止するためです。
既定の通信デバイスは、どの音声機器から通話相手の声を出すのか決めるための設定です。
「このデバイスを聴く」をONにしよう
「録音」タブを開く
さて、いまの状態だと通話相手の声以外、PCの音が自分に聞こえません。PCゲームを起動しても、ゲーム音が鳴らないのです(無音)。
これでは困ります。設定を変更しましょう。さきほどの設定画面を開いてください。
「録音」タブを開きます。「再生」タブとまちがえないようにします。あくまでも「録音」タブのほうです。
「このデバイスを聴く」の設定をする
「録音」タブを開いたら、「CABLE Output (VB-Audio Virtual Calbe)」という項目を探して、ダブルクリックします。
そして、「聴く」タブを開き、「このデバイスを聴く」にチェックを入れましょう。
さらにここが重要です。「このデバイスを使用して再生する」の部分で、既定の通信デバイスにしたのと同じデバイスを選びます。
たとえば、さきほど「スピーカー (Realtek Audio)」を既定の通信デバイスにしたのであれば、ここでも同様に「スピーカー (Realtek Audio)」を選んでください。
ゲーム音と通話相手の声を、同一の音声機器から出すための設定です。
最後に「OK」をクリックします。
音が鳴るかテストする
以上ですべての設定が完了しました。
試しにPCで音を鳴らしてみてください。なんでもかまいません。いつも使っている音声機器から音が聞こえたら成功です。
通話相手の声は配信に乗りません。しかし、それ以外のPCの音はすべて配信に乗ります。
念のため設定を確認しよう
さっそく配信を始めてもよいのですが、念には念を入れてOBSとDiscordの設定を確認しておきましょう。
OBS
「設定」→「音声」の順にクリックし、「デスクトップ音声」が「既定」になっていることを確認します。
「既定」というのは、さきほど既定のデバイスにした「CALBE Input (VB-Audio Virtual Cable)」のことをさしています。
Discord
「出力デバイス」が初期設定になっていることを確認します。
- 左下の歯車アイコンをクリックする。
- 「音声・ビデオ」をクリックする。
- 「出力デバイス」が「Default」になっていることを確認する。
「Default」は、さきほどの既定の通信デバイスのことをさしています。今回の場合、この設定にしておけば通話相手の声は配信に乗りません。
マイク音声を入れる、入れないの設定
自分の声(マイク音)を配信に乗せたい場合は、使用するマイクを「マイク音声」で指定しましょう。
▲ここに表示される項目は、PC環境によって異なります。
逆に、自分の声を配信に乗せたくない場合は、「マイク音声」は「無効」にします。
詳細については、下記ページをご覧ください。
初期設定に戻したいときは
今回の方法が満足できなかった場合、初期設定に戻すこともできます。
まず、「出力デバイスを選択してください」の部分を変更します。「スピーカー (Realtek Audio)」などに戻しましょう。
つぎは、「録音」タブの「CABLE Output (VB-Audio Virtual Calbe)」です。「このデバイスを聴く」のチェックを外して「OK」をクリックします。
設定がもとに戻りました。
まとめ
長くなりましたが、コンパクトにまとめると3ステップです。
- VB-CABLEを既定のデバイスにする。
- ふだん使っている音声機器を既定の通信デバイスにする。
- VB-CABLEの「このデバイスを聴く」をONにし、「このデバイスを使用して再生する」を2と同じ音声機器にする。
すべてWindows側の設定でできます。OBSとDiscordについては、マイク以外の音声設定は変更する必要はありません。
ただ、「このデバイスを聴く」の遅延には注意が必要です。
OBSでの配信方法については、下記ページをご覧ください。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。