OBS Studio(以下OBS)でのゲーム配信で、Discordの通話音声を入れたくないということがあるかもしれません。
たとえば、以下のような場合です。
- Discordで通話しながら、Switchのゲーム配信をしたい
- しかし、通話相手の声は配信に乗せたくない
便宜上、ライブ配信を想定して解説していますが、録画の場合も設定は同じです。
目次
複数の方法があるが、どれも難しい
初心者には非推奨
通話しつつ配信に通話音声を入れないための方法は、多くのやり方があります。パッと思いつくだけでも5種類以上あります。
しかし、どの方法も慣れていないと混乱するかもしれません。初心者向きかどうかと問われればNOです。難度が高い部類に入るでしょう。
通話音声を入れるのは容易
PC上でボイスチャットすることを前提とした場合、通話音声を入れないよりは入れるほうが簡単です。
- 通話しつつ、通話音声を入れる → 簡単(ただし、音量調整は難しい)
- 通話しつつ、通話音声を入れない → 難しい
通話音声を入れたい場合は、下記ページをご覧ください。

今回はキャプチャーボードを使おう
とはいえ、どうしても「通話しながら配信したい、しかし通話音声は入れたくない」という人もいるかもしれません。
そこで、今回はできるだけシンプルなやり方をご紹介します。キャプチャーボードを使用しているときだけできる設定です。

キャプチャーボードを使ってゲーム配信をした経験があるならば、短時間で設定できるでしょう。OBSの設定を少し変更するだけです。
用意するキャプチャーボードは、パススルー出力機能を搭載した製品です。
GC550 PLUS | Game Capture HD60 S | GV-USB3/HD | |
製品画像 | |||
接続方式 | USB 3.0 | USB 3.0 | USB 3.0 |
パススルー出力 | ○(4K対応) | ○ | ○ |
エンコード方式 | ソフトウェアエンコード | ソフトウェアエンコード | ソフトウェアエンコード |
対応ゲーム機 | Switch PS4/PS5 |
Switch PS4/PS5 |
Switch PS4/PS5 |
解説・レビュー | こちら | こちら | こちら |
備考 | 編集ソフト付属 | 低遅延 | 編集ソフト付属 |
なぜパススルー出力が必要かというと、TV(またはモニター)にゲーム音を出力するためです。
確認してほしいこと
あらかじめ2点確認してください。
- OBSにゲーム画面が映ること
- PCからゲーム音が出ること
具体的には、「ソース」の「+」から「映像キャプチャデバイス」を選択してゲーム画面を映す必要があります。
もし「映像キャプチャデバイス」と聞いてピンと来ない、うまくできないという場合は、下記ページをご覧ください。人によっては設定に時間がかかります。



以下、基本的なことができているという前提で話を進めていきます。
設定しよう
「映像キャプチャデバイス」を追加する
まず、「映像キャプチャデバイス」からゲーム画面を映しましょう。
「音声のみをキャプチャ」にする
いちばん重要な部分です。
「映像キャプチャデバイス」の設定画面には、「音声出力モード」という項目があります。ここを「音声のみをキャプチャ」にしてください。
「音声のみをキャプチャ」にすると、自分にはゲーム音が聞こえません。不具合ではなく、そういう設定です。
では、どうやってゲーム音を聞けばよいのでしょうか。
パススルー出力すればよいのです。つまり、TVから出ているゲーム音を聞きながらプレイします。
注意点ですが、OBSの「音声出力モード」は「デスクトップ音声出力」にしないでください。このあとデスクトップ音声をミュートにするので、ゲーム音が視聴者に聞こえなくなってしまうからです。
「デスクトップ音声」をミュートに
「音声ミキサー」の「デスクトップ音声」をミュートにします。
すると、デスクトップ音声である通話相手の声が配信に乗らない状態になります。
「モニターオフ」にする
最後に、念のため「音声モニタリング」の設定を確認しておきましょう。
- 「音声ミキサー」の歯車アイコンをクリックする(または「編集」→「オーディオの詳細プロパティ」)。
- 「オーディオの詳細プロパティ」が開く。
- 「映像キャプチャデバイス」の「音声モニタリング」で「モニターのみ(出力はミュート)」を選択する。
ここは「モニターのみ (出力はミュート)」にしないでください。ゲーム音が視聴者に聞こえなくなってしまうからです。
検証しよう
これで設定は完了しました。
試しにゲームをプレイしてみましょう。「映像キャプチャデバイス」のレベルメーターが動いていることを確認します。
逆に、「デスクトップ音声」のレベルメーターは無反応であるのが正常です。意図的にデスクトップ音声をミュートにしているので、音量は0です。
もし「デスクトップ音声」のレベルメーターが動いているのであれば、正しく設定できていません。再度、設定を見直してください。
注意!入らない音がほかにもある
今回の設定の場合、通話相手の声以外にも配信に乗らない音があります。以下は一例です。
- 棒読みちゃんの声
- YouTubeの動画の音
- iTunesで再生している音
つまり、通話相手の声も含め、すべてのデスクトップ音声が配信に乗りません(自分には聞こえる)。「ゲーム音やマイク音が配信に乗れば問題ない」という人はよいのですが、いちおう覚えておいてください。
もしデスクトップ音声を流したい場合は、必要に応じて「デスクトップ音声」のミュートを解除します。ただし、通話相手の声も配信に乗ります。
マイク音声を入れる、入れないの設定
自分の声(マイク音)を配信に乗せたい場合は、使用するマイクを「マイク音声」で指定しましょう。
▲ここに表示される項目は、PC環境によって異なります。
逆に、自分の声を配信に乗せたくない場合は、「マイク音声」は「無効」にします。
詳細については、下記ページをご覧ください。

まとめ
最後に、今回の設定のおさらいです。
通話相手の声は、デスクトップ音声です。したがって、OBSのほうでデスクトップ音声をミュートにすれば、相手の声は配信に乗りません。
また、「映像キャプチャデバイス」の設定で「音声のみをキャプチャ」にする理由ですが、これはデスクトップ音声として出力しないようにするためです。
そうすれば、ゲーム音はデスクトップ音声ではない以上、デスクトップ音声をミュートにしても影響はありません。
つまり、今回のように設定にすることで、ゲーム音は配信に乗る一方、通話相手の声は配信に乗らないという状態にできました。
