AviUtl2でカット編集してみましょう。動画の不要な部分を削除する編集です。
やり方は3つあります。
- 「分割」機能を使う方法 ← 基本
- 指定範囲を切り取る方法 ← スピーディー
- 動画の両端をドラッグする方法
どれでもかまいません。今回は、この3つの方法を見ていきます。
関連【完全ガイド】AviUtl2の導入方法・プラグインの入れ方・初期設定
目次
【重要】現在フレームで分割する設定にしよう
カット編集するまえに、1つだけ設定を変更しておきましょう。ここを設定しておかないとカット編集しづらいのです。
以下のように設定を変更します。
- タイムラインの適当な箇所で右クリックする。
- 「オプション」にカーソルを重ねる。
- 「中間点追加・分割を現在のフレームで行う」をONにする。
▲beta2以降で表示されるオプションです。
ここがOFFの場合、右クリックした位置で動画が分割されます。そうすると、「分割したいと思った地点がズレる」というトラブルが起きがちです。
▲赤色の縦線で分割したかったのですが、右クリックした位置(白い半透明の縦線で示した部分)で分割されてしまいました。
したがって、トラブルを防ぐ意味で「中間点追加・分割を現在のフレームで行う」はONにしておいてください。
不要な部分を分割・削除しよう
最初の地点・最後の地点を決める
最初に動画を読み込みます。

つぎに、動画の不要な部分の最初の地点に移動しましょう。具体的には、赤色の縦線を左右にドラッグ、または目盛りをクリックします。
そうしたら右クリックし、「分割」をクリックします。
すると、赤色の縦線の位置で動画が分割されました。
同じように、動画の不要な部分の最後の地点に移動します。そして右クリックから「分割」です。
不要な部分を削除して詰める
不要な部分を分割できたら、その不要な部分をクリックして選択状態にしてください。選択状態にすると破線が表示されます。
▲不要なオブジェクトをクリックすると選択状態になり、破線が表示されます。クリックしても選択状態にならない場合は、右クリックしてオプションの「シングルクリックでオブジェクトをフォーカス」をONにして再度クリックします。
そうしたら右クリックし、「削除」を選びましょう。破線が表示されているオブジェクトが削除されます。
削除したオブジェクトのぶんが空白になりました。隙間が空いています。
このままだと、動画を再生したとき一時的に真っ暗画面になってしまいます。そこで、オブジェクトを前方(左側)に移動して詰めてください。
▲カーソルをオブジェクトの中心付近に合わせから左方向にドラッグします。
複数のオブジェクトをまとめて前方に詰めたい場合は、以下のようにします。
- Ctrlキーを押しながら複数のオブジェクトをクリックする。
- または、同キーを押しながら複数のオブジェクトがある範囲をドラッグする。
- 複数のオブジェクトが白く光っていることを確認する。
- Ctrlキーを押した状態でオブジェクトを左側にドラッグする。
もしオブジェクトを前方に詰める作業を自動化したい場合は、別のカット編集の方法もあります(後述)。
以上でカット編集は完了しました。Spaceキー で動画を確認します。
分割位置がズレた場合は
もし分割位置がズレた場合は、まずは編集を元に戻しましょう。
- 元に戻す : Ctrlキー + Zキー
- やり直す : Ctrlキー + Shiftキー + Zキー
そのうえで、AviUtl2のオプション設定を変更して「中間点追加・分割を現在のフレームで行う」をONにします(上述)。
再度、動画を分割してみてください。今度は成功するはずです。
ショートカットキーで効率化
便利なキー4つ
ショートカットキーを使うとカット編集を効率化できます。
- 分割 : Sキー
- 削除 : Deleteキー
- 前後どちらかのオブジェクトを選択 : ,キーまたは.キー
- 現在フレームのオブジェクトを選択 : Tabキー
ショートカットキーの設定は、「設定」→「ショートカットキーの設定」で行います。
キーで分割できないときは
注意点として、ショートカットキーで分割できないことがあるかもしれません。
この場合、破線が表示されているオブジェクト上に赤い縦線があるか確認しましょう。
もし下図のように、破線がないオブジェクト上に赤色の縦線がある場合、ショートカットキーで分割できません。
▲「テスト検証動画.mp4」が選択されていない(破線がない)ので、ショートカットキーで分割できません。
(1)赤色の縦線があるオブジェクトをクリックし、(2)再度ショートカットキーで分割してください。クリックの代わりにTabキーでもかまいません。
▲「テスト検証動画.mp4」が選択されている(破線がある)ので、ショートカットキーで分割できます。
なお、ショートカットキーによる分割では、「中間点追加・分割を常に現在フレームで行う」がOFFであっても、必ず現在位置で(赤色の縦線で)分割されます。
指定範囲を切り取る方法が早い
前方に詰める作業を自動化
最初に紹介したカット編集のやり方は、オブジェクト自分で前方に詰める作業が必要でした。
もしこの作業を自動化したいなら、別の方法もあります。
(1)削除したい部分を範囲指定し、それから(2)切り取ります。beta4以降でできます。
- 不要な部分の最初の地点に移動する。
- 「|←」をクリックする(または[キー)。
- 不要な部分の最後の地点に移動する。
- 「→|」をクリックする(または]キー)。
- 不要な部分が紫色になる。
- オブジェクト上で右クリックして「切り取り」を選ぶ(「削除」ではなく)。
▲アイコンをクリックすると、範囲指定した部分が紫色で表示されます。
オブジェクトを前方に詰める作業は必要ありません。後方のオブジェクトが自動的に前方に移動するからです。
切り取りせずに範囲指定の解除をしたい場合は、紫部分で右クリックして「フレーム範囲選択を解除」です。
細かい操作方法について
注意点が2つあります。
まず、紫色の部分が複数のオブジェクトに股がっている場合は、Ctrlキーを押しながらその複数のオブジェクトをすべてクリックしてください(またはその範囲をドラッグ)。
そして、同キーを押しっぱなしにした状態で、オブジェクト上で右クリックして「切り取り」を選びます。
もう1個の注意点ですが、この方法は同一レイヤー上にあるオブジェクトしか前方に移動しません。
つまり、ほかのレイヤー上にもオブジェクトがある場合、手動で移動しなくてはいけないケースが出てきます。
最初・最後部分だけカットする方法もある
動画の最初の部分だけ、または最後の部分だけをサッと削除することもできます。
オブジェクトの左右どちらかの端をドラッグしましょう。
たとえば、動画の最初の部分だけを削除したいのであれば以下のようにします。
- 赤色の縦線を移動する。
- オブジェクトの左端部分を赤色の縦線までドラッグする。
- オブジェクトを前方に詰める。
自然な切り替え効果を演出したいなら
カット編集後に動画を再生したさい、ひょっとしたらぶつ切りのように感じることがあるかもしれません。
そのままでもよいのですが、たとえば「シーンチェンジ」という画面切り替え効果を入れるのもひとつの手です。
やり方は簡単です。まず、ぶつ切りと感じる部分に赤色のカーソルを移動します。
つぎに、動画の下位のレイヤーの適当な箇所で右クリックしてください。
▲たとえば、動画を「Layer1」に配置しているなら、「Layer2」が下位のレイヤーです。下位のレイヤーでないとうまくいかないので注意してください。
そして、「オブジェクトを追加」→「シーンチェンジ」にカーソルを合わせ、「シーンチェンジ」をクリックします。
オブジェクトの長さを短くすれば(端をドラッグ)、短時間で画面が切り替わります。これで完成しました。
「種類」の部分は、自分の好きなものにしてかまいません。初期設定だと「クロスフェード」ですが、「暗転」なども定番です。
まとめ
カット編集の方法で、いちばんシンプルなやり方は分割して削除する方法です。
- 不要な部分を分割する(切り出す)。
- 不要な部分をクリックして選択状態にする。
- 不要な部分を削除する。
- 後方にあるオブジェクトを前方に詰める。
しかし、カット編集のやり方は1つではありません。状況に応じて使い分けてみてください。
もしこのあと動画投稿したい場合は、「MP4 Exporter」プラグインなどを入れて保存(ファイル出力)しましょう。

2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。