キャプチャーボードとグラフィックボード、両者はどう違うのでしょうか。
どちらも名前は似ていますが、別物です。用途によって使い分けましょう。
- キャプチャーボード : TVゲーム実況で重要
- グラフィックボード : おもにPCゲーム実況で重要
このページでは、キャプチャーボードとグラフィックボードの違いについて見ていきます。
目次
キャプチャーボードとは
まず、キャプチャーボードは、ゲーム機の画面をPCに映して録画・ライブ配信したいときに使う周辺機器です。
たとえば、Switchを例にすると以下のようなことができます。
- Switchのゲーム画面をPCに映す
- Switchのゲーム画面をPCで録画する
- Switchのゲーム配信(生放送)をPCで行う
ここで重要なのは、「PC」ゲームとは関係がないという点です。つまり、PCゲームを録画・ライブ配信したいだけなら、キャプチャーボードは必要ありません。
もっとも、PCゲームを録画・ライブ配信するためにキャプチャーボードを使う人もいないわけではありませんが、少数派です。
以下の名称は、キャプチャーボードと同義です。「キャプチャー」という文言が共通しています。
- キャプチャーデバイス
- キャプチャーカード
- キャプチャーボックス
- ビデオキャプチャー
なお、「チャプター」という表現だと別の意味になります。
グラフィックボードとは
では、グラフィックボードは何かというと、これは「PC」ゲームと強く関連している周辺機器です。「TV」ゲームのほうではありません。
グラフィックボードが活躍するのは、PCゲームを高画質・低負荷でプレイしたいときです。たとえば、高性能なグラフィックボードを増設すれば、最新のゲームを最高画質でプレイできるわけです。
▲PC版『フォートナイト』のグラフィック設定。グラフィックボードが高性能であれば、画質を「最高」に設定しても重くなりません。
グラフィックボードを搭載していないPCの場合、低画質でしかゲームをプレイできません。むりに高画質な設定でプレイしようとしても、動作が重くなります。最悪、ゲームを起動できないこともあるでしょう。
▲中央の「GEFORCE RTX」と書かれているパーツがグラフィックボードです。デスクトップPC内部に取り付けて使用します。
以下の名称は、グラフィックボードと同義です。
- グラフィックカード
- ビデオカード
- GPU(ただし、厳密には違う)
グラボはキャプボの代わりになる?
よくある誤解ですが、グラフィックボードはキャプチャーボードの代わりにはなりません。
たとえば、グラフィックボードのHDMI端子とSwitchをHDMIケーブルでつなげたとします。
この場合、Switchのゲーム画面がPCに映るのかというと、映りません。したがって、録画・ライブ配信もできません。
というのも、グラフィックボードのHDMI端子は、PCの画面をモニターに出力する(モニターに映し出す)ためのものだからです。つまり、HDMI端子ではあるのですが、ゲーム機をつなぐ用途では使えないのです。
ノートPCのHDMI端子も同様です。詳細については、下記ページをご覧ください。
グラボがなくてもキャプボは使用できる?
グラフィックボードを搭載していないPCであっても、キャプチャーボードは使用できます。
近年のPCのCPUにはグラフィック機能が統合されており(内蔵GPU)、これがあれば問題はありません。
ノートPCで使える?
キャプチャーボードとグラフィックボードで、分けて考える必要があります。
キャプチャーボードについては、ノートPCでも使うことができます。USB接続のキャプチャーボードを購入すればよいのです。
これに対し、グラフィックボードは基本的にノートPCでは使えません。デスクトップPC用と思ってください。
「基本的に」と書いたのは、例外があるからです。すなわち、外付けGPUボックスというものを使えばノートPCでもグラフィックボードを使うことはできます。
しかし、この外付けGPUボックスはまったくといってよいほど普及していません。
したがって、「ノートPCではグラフィックボードは使えない」と思って差し支えないでしょう。
PCゲーム実況でキャプボ、グラボは必要?
よくある誤解ですが、PCゲームの録画・ライブ配信ではキャプチャーボードは必要ありません。
キャプチャーボードがなくてもPCゲームは録画・ライブ配信できます。詳細は下記ページに書いておきました。
グラフィックボードについては、PCゲームをプレイするならあったほうがベストです。ゲーム実況でゲーミングPCがよく選ばれるのはこのためです。
ノートPCの場合は、高性能なGPUを搭載したもの(ゲーミングノート)であれば問題ありません。
まとめ
キャプチャーボードとグラフィックボードを混同してしまう理由のひとつは、どちらもゲームに関連したPC周辺機器だからです。
しかし、ひとくちにゲームといっても、TVゲームとPCゲームの区別があるわけです。そこをゴチャゴチャにしないように注意してください。
キャプチャーボードとグラフィックボードでは、必要な場面が異なります。 TVゲームなら前者、PCゲームなら後者が重要です。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。