2022年10月7日、AVerMediaからGC551G2(LIVE GAMER EXTREAM 3)が発売されました。外付けタイプのキャプチャーボードです。
▲GC551G2の外観(リンク先 : Amazon)。画像はホワイトモデルですが、黒色の通常モデルもあります。
このページでは、GC551G2を購入すべきか迷っている方のために、ポイントや注意点を見ていきます。
なお、今回はアバーメディア・テクノロジーズ株式会社からご提供いただいたものを使用しました。
目次
GC551G2の特長・メリット
UVC対応で接続するだけ
近年のキャプチャーボードの製品の多くは、UVC対応となっており、PCと接続するだけですぐに動作します。
GC551G2もこのUVCに対応しています。ドライバーの手動インストールは必要ありません。自動でドライバーがインストールされます。
また、UVC対応であるということは、手持ちのiPadにゲーム機の画面を映せるということでもあります。実際、iPadにSwitchのゲーム画面を映せました。
VRRパススルー対応で滑らか映像
GC551G2最大の特徴は、なんといってもVRRパススルーに対応している点でしょう。
まず、パススルーという用語が難しいかもしれません。これはキャプチャーボードの遅延を回避するための機能です。
ゲーム画面をPCに映した状態でプレイしようとすると操作が重く感じるケースがあるのですが、別途TV(モニター)を用意してつなげることで遅延のない快適なゲームプレイができます。これがパススルーです。
では、VRR(Variable Refresh Rate/可変リフレッシュレート)はどのようなものかというと、映像が滑らかに動く機能だと思ってください。
同機能に対応していることで、カクカクするような現象(スタッター、スタッタリング)や、画面が上下で割れたような状態になる現象(テアリング、ティアリング)を防止できます。
▲画像はAVerMedia公式サイトから引用。左側の画像(VRRがOFF)では画面が乱れているのに対し、右側の画像(VRRがON)では画面が乱れていません。VRRの効果です。
GC551G2はVRRパススルーに対応しているため、リッチな環境でゲームをプレイしつつ、録画・ライブ配信できるというわけです。
HDRパススルー対応
さらに、GC551G2はHDRパススルーに対応しています。
HDR(High Dynamic Range/ハイダイナミックレンジ)というのは、よりリアルな映像にするための技術で、明るさや暗さを現実に近いかたちで表示できるというものです。
4K/30fps出力対応
GC551G2は4Kに対応しており、4Kで出力(録画・ライブ配信のこと)できます。
購入まえに「ここ」だけ確認しよう
GC551G2 | |
PCとの接続 | USB 3.2(3.0のこと) |
エンコードタイプ | ソフトウェアエンコード |
最大録画解像度 | 4K/30fps 1440p/60fps 1080p/60fps |
ゲーム機との接続 | HDMI |
パススルー出力機能 | あり(HDR・VRR対応) |
パススルー出力時の解像度(例) | 4K/60fps 1440p/120fps 1080p/120fps |
対応OS | Windows macOS |
2種類の色がある
GC551G2には2種類のモデルが存在します。
- 通常モデル(黒色)
- GC551G2W(白色)
「GC551G2」に「W」が付いているのがホワイトモデルです。中身は通常モデルと変わりません。
ほかの多くのキャプチャーボードは黒色が一般的なので、白色の製品は珍しく見えるかもしれません。
画像だとグレーのように見えますが、実際は清潔感のあるオシャレな白色です。
VRR動画出力には非対応
VRRに対応してはいるのですが、それはあくまでもパススルーについての話です。
つまり、録画・ライブ配信自体は可変リフレッシュレートではなく固定リフレッシュレートで行われます。
HDR動画出力には非対応
HDRに対応しているのは、あくまでもパススルーについての話です。
つまり、HDR映像を録画・ライブ配信できるわけではありません。
もしHDR出力にこだわるのであれば、GC573やGC553を購入しましょう。
ただ、ゲーム実況の世界ではHDRは重要な要素ではありません。したがって、とくに大きな問題ではないはずです。
4K/60fps出力には非対応
4K/60fps出力はできません。最大で4K/30fpsでの出力となります。
ただ、少なくともゲーム実況では一般的に1080p/60fpsで出力できれば画質的にじゅうぶんです。この点も心配ありません。
機材が非対応なら意味がない
VRRもHDRも、機材が対応していないならまったく恩恵を受けられません。
ここでいう機材とは、
- ゲーム機
- TV
の2つです。
たとえば、SwitchはVRRにもHDRにも対応していません。したがって、「Switchのゲーム実況をやりたいからGC551G2を買う」というのであれば宝の持ち腐れになるかもしれません。
では、PS5はどうかというと両機能に対応しています。しかし、TV(モニターのこと)が対応していないと意味がありません。注意が必要です。
GC550 PLUSとの違い
GC551G2と名前(型番)が似た製品として、GC550 PLUSがあります。
両製品の違いは下表のとおりです。
GC550 PLUS | GC551G2 | |
PCとの接続 | USB 3.1 Gen1(USB 3.0) | USB 3.2 Gen1(USB 3.0) |
エンコードタイプ | ソフトウェアエンコード | ソフトウェアエンコード |
4K録画 | × | ○(30fpsまで) |
4K HDR録画 | × | × |
4Kパススルー | ○ | ○ |
4K HDRパススルー | × | ○ |
4K VRRパススルー | × | ○ |
製品の立ち位置としては、GC550 PLUSが初心者向け、GC551G2が中・上級者向け、と考えておけばよいでしょう。
GC550 PLUSのほうが価格は安く、機能的にも通常はこれでじゅうぶんです。GC551G2は、その上をめざしたい人のための製品です。
付属品
GC551G2の付属品は下記画像のとおりです。
OBSでの設定方法
OBS Studioを使ってライブ配信・録画を行いたい場合は、下記ページをご覧ください。
まとめ
GC551G2を買うべきかどうかの判断基準は、VRRパススルーにどこまで価値を見いだせるかという点に尽きるでしょう。
初心者向きという立ち位置の製品ではなく、すでにキャプチャーボードを持っている人が、2台めとして購入を検討するとよい製品です。
ライバルであるElgatoのHD60 S+やHD60 Xと比較した場合、GC551G2のほうが価格が抑えられています。
HD60 S+やHD60 XはHDR録画に対応している点が強みですが(1080p/60fps、Windowsのみ)、HDR録画に興味がないならGC551G2になるでしょう。
おすすめのキャプチャーボードについては、下記ページもぜひ参考にしてください。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。