ゲーム実況、ゲーム配信では、つねにPCスペックを意識する必要があります。低スペックなPCだと快適にゲーム実況ができません。
では、もし新しくPCを購入する場合、どのようなスペックのPCにすればよいのでしょうか。
PCを構成するパーツについて、基本的な知識を押さえておきましょう。
- 各パーツの種類・役割
- パーツごとの、性能の見方
目次
5つのパーツを確認しよう
PCスペックについて見るときは、5つのパーツを確認します。
重要度 | 説明 | 別名 | |
CPU | A | あらゆる場面で重要 | プロセッサー |
メモリ | B | メインメモリ、RAM | |
グラフィックボード | A | PCゲームのプレイで重要 | GPU、グラフィックカード |
ストレージ | B | SSD、HDD | |
電源 | B |
PCを新しく購入するさい、とくに重要なのはCPUとグラフィックボードだと思ってください。
ゲーム実況では、この2つの性能が軽さ・速さ・画質に大きく影響します。ほかのパーツと比較すると、影響の度合いが大きいのです。
最優先で見るべきパーツ
CPU
人間でいうところの頭脳に該当するパーツです。PCでは司令塔として中心的な役割を果たすため、CPUの性能が悪いと話になりません。
たとえば、以下のようなCPUがあります。
- Core i5-9400F
- Core i7-10700K
- Ryzen 7 3700X
グラフィックボード(GPU)
PCゲームをプレイするなら、高性能なグラフィックボードを選びましょう。以下のようなメリットがあります。
- PCゲームを最高画質でプレイできる
- PCゲームの動作が軽くなる
- ゲーミングモニター使用時、PCゲームを高フレームレートでプレイできる
近年は、グラフィックボードをゲーム以外にも活用する機会が増えてきました。
- ライブ配信が軽くなる
- 録画が軽くなる
- 動画編集が軽くなる、書き出しが速くなる
- マイクのノイズを低減できる
なお、「TV」ゲームの場合は、高性能なグラフィックボードは必要ありません。キャプチャーボードと混同しないようにしましょう。
2番めに見るべきパーツ
メモリ
ゲーミングPCを購入することを前提とした場合、メモリはそこまで重要ではありません。
なぜなら、容量は8GBまたは16GBであることがほとんどだからです。4K動画の編集をやるなら32GBもありですが、予算もあると思うので通常は16GBを基準に考えてください。
メモリには複数の規格があります。しかし、PCを購入する場合は事実上決め打ちです。気にする必要はありません。
ストレージ
SSD(ソリッドステートドライブ)と、HDD(ハードディスクドライブ)の2種類があります。
- SSD(NVMe SSD) : データの読み書きが速いが、容量は少ない
- HDD : データの読み書きは遅いが、容量が多い
ゲーミングPCだと、SSD + HDDという構成(デュアルストレージ)になっているか、またはSSDのみを搭載していることが多いでしょう。
いずれにせよSSDを搭載しているため、PCの起動が速く、ゲームのロード時間が短いのが特長です。
ゲームを録画すると想像以上に容量を食いますが、増設できるので心配いりません。たくさんの動画を録画したいなら、HDDの増設がおすすめです。
電源
ゲーミングPCの場合、電源容量は500~700Wが一般的です。
商品ページで、電源容量の後ろに「80PLUS BRONZE」というような文言を見かけることがありますが、これはランクが高いほど省電力性・静音性に優れていると思ってください。
- STANDARD(または無印)
- BRONZE
- SILVER
- GOLD
- PLATINUM
- TITANIUM(最上位)
CPUの種類・性能
Core iシリーズ(インテル)
まず、インテルが発売しているCore iシリーズを覚えておきましょう。定番です。
このシリーズにはさまざまな種類があり、i5 → i7 → i9の順に高性能になります。下表をご覧ください。
コア・スレッド数 | 性能 | |
Core i5-9400 | 6コア6スレッド | ミドルレンジ |
Core i7-9700 | 8コア8スレッド | ハイエンド |
Core i9-9900 | 8コア16スレッド | ハイエンド |
「i7」などの後ろに付いている数字のうち、最初の数字は世代を表しています。たとえば、「10700」であれば第10世代という意味です。
この点、世代が新しいほど性能が向上するので覚えておきましょう。たとえば、Core i7-4770(第4世代)とCore i7-10700(第10世代)を比較した場合、後者のほうが性能は上です。
「9400F」「9700K」というように「F」や「K」が付いているCPUもありますが、通常は気にする必要はありません。
余談ですが、将来的にはCore iは「Core」および「Core Ultra」に変更される予定です(参考)。
Ryzenシリーズ(AMD)
近年、コスパの高さで人気が出ているCPUがあります。それが、AMDが発売しているRyzen(ライゼン)シリーズです。
コア・スレッド数 | 性能 | |
Ryzen 5 3600 | 6コア12スレッド | ミドルレンジ |
Ryzen 7 3700X | 8コア16スレッド | ハイエンド |
Ryzen 9 3900X | 12コア24スレッド | ハイエンド |
性能の見方としては、5 → 7 → 9の順に高性能です。Ryzenの場合、世代は千の位では判断できない場合もあり、混乱するかもしれません。たとえば、Ryzen 7 5800Xは第4世代です。
Ryzenシリーズの強みは、マルチスレッド性能が高いことにあります。この性能が高いほうがゲーム実況では軽くて速いと思ってください。
たとえば、PCゲームをプレイしつつライブ配信するというとき、マルチスレッド性能が高いほうが負荷が軽いのです。つまり、ちょっとやそっとのことでは、PCの動作は重くなりません。
また、動画編集では最後に動画を書き出すのですが、この作業も速くすみます。
したがって、ゲーム実況という観点からすると、RyzenシリーズのほうがCore iシリーズよりも適していると言えるでしょう。
Core iシリーズも世代を重ねてRyzenシリーズに見劣りしないほどのマルチスレッド性能を持つようになりましたが、価格面では依然としてRyzenシリーズが有利です。
グラフィックボードの種類・性能
Geforce GTX/RTX
グラフィックボード(GPU)では、NVIDIAのGeforceシリーズが定番です。
このシリーズには、さらにGTX 10シリーズ、RTX 20シリーズ、RTX 30シリーズ、およびRTX 40シリーズの4種類あります。
性能 | 備考 | |
GTX 1650 SUPER | ||
GTX 1660 SUPER | ||
GTX 1660 Ti | コスパ良好。フルHD最高画質設定で60fps超え | |
RTX 2060 | ||
RTX 2060 SUPER | ||
RTX 2070 SUPER | フルHD最高画質設定、かつ144fpsでプレイ可能な場合も | |
RTX 2080 SUPER | ||
RTX 2080 Ti | ||
RTX 3050 | ||
RTX 3060 | ||
RTX 3060 Ti | ||
RTX 3070 | RTX 2080 SUPERを超える性能 | |
RTX 3070 Ti | ||
RTX 3080 | ||
RTX 3080 Ti | ||
RTX 3090 | 4K/60fpsも余裕 | |
RTX 3090 Ti | ||
RTX 4060 | ||
RTX 4060 Ti | ||
RTX 4070 | WQHDモニター使用者がメインターゲット | |
RTX 4070 SUPER | ||
RTX 4070 Ti | ミドルハイ | |
RTX 4070 Ti SUPER | ミドルハイ | |
RTX 4080 | ハイエンド | |
RTX 4080 SUPER | ハイエンド | |
RTX 4090 | ウルトラハイエンド | ゲーミングGPUの最高峰 |
2024年3月現在、RTX 40シリーズが最新世代のGPUとなっています。
選び方
本来であれば、自分がプレイしたいゲームを基準にしてGPUを決めるのが鉄則です。
しかし、いちいち調べるのは手間でしょう。
ひとつの案ですが、フルHDモニターを使用していて、かつPCゲームを最高画質でプレイしたい場合、少なくともGTX 1660 SUPERを推奨します。もう少し予算が許すなら、RTX 3060 Ti以上がゲーマー向けでおすすめです。
これに対し、「PC」ゲームはほとんどプレイしない、「TV」ゲームの録画・ライブ配信がメインという場合は、GTX 1650でじゅうぶんです。
おすすめPCについて
ざっくり書くと、おすすめPCは以下の3つの要件を満たしているものです。
- 10~20万円くらいの価格帯(Switchのゲーム配信なら10万円のPCでもOK)
- ミドルレンジ以上の性能
- ゲーミングPC(デスクトップPC)
そのようなPCであれば快適にゲーム実況ができます。より詳しいPCの選び方については、下記ページをご覧ください。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。
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Ryzen3「解せぬ」