ライブ配信は手間がかかります。
複数のアプリを起動・操作したり、Webサイトにアクセスしたりと、いろいろな作業を同時にしなくてはいけません。
そこで役立つのがStream Deckです。配信作業を大幅に効率化できます。
目次
Stream Deckとは?活用方法
ボタン一発でアプリを起動
Stream Deckには液晶ボタン(LCDキー)が並んでいます。任意のボタンを押してください。瞬時にアプリが起動します。
たとえば、OBS Studio(以下OBS)の起動はボタン一発です。マウス操作は必要ありません。
しかも、複数のアプリを連続して起動できます。ワンボタンです。ワンボタンで、配信ソフト → コメントビューアー(以下コメビュ)の起動が完了します。
ボタン一発でアプリを操作
Stream Deckを使えば、ボタンでアプリを操作できます。煩雑なマウス操作から解放されるでしょう。
たとえば、ボタンを一回押すだけで配信ソフトの以下の操作ができます。
- 配信開始・終了
- シーン切り替え
- ソースの表示・非表示
- マイクミュート
Stream Deckは、さまざまなアプリに対応しています。活用しない手はありません。
- OBS
- Streamlabs Desktop
- XSplit
- Twitch Studio
- Game Capture
ゲームが全画面のまま操作可能
PCゲームをフルスクリーンでプレイしている状態でも、いちいちAltキー + Tabキーで画面を切り替える必要はありません。
スッと左手でボタンを押すだけで、配信ソフトを操作できるからです。シーンの切り替えや、マイクミュートが一瞬です。
ボタンのアイコンを自由に設定
液晶ボタンにはアイコンが表示されます。
したがって、どのボタンになにを設定したか一目瞭然です。ホットキーの内容をわざわざ覚えておく必要はありません。
アイコンは標準のアイコンを使ってもよいですし、自作することもできます。任意の画像を表示させることもできます。
配信外でも使える
配信だけではありません。Stream Deckは、配信していないときも役立ちます。
- Webサイト登録
- テキスト(定型文)登録
- ホットキーを設定
- フォルダを開く
- 時計を表示
- CPU使用率を表示
たとえば、YouTubeを登録しておくとワンボタンでYouTubeに飛べます。また、定型文を呼び出し、メールで使うのもよいでしょう。
ホットキーの設定としては、よく使うアプリのショートカットキーや、Windowsのショートカットキーを割り当てておくと便利です。
購入まえに確認しよう
Stream Deckは3種類あります。下表をご覧ください。
液晶ボタン | PCとの接続 | スタンド | 備考 | |
Stream Deck Mini | 6個 | USB 2.0 | なし | 価格が安い |
Stream Deck | 15個 | USB 2.0 | あり 傾斜は調節可能 |
|
Stream Deck XL | 32個 | USB 3.0 ケーブルは着脱可能 |
あり |
標準モデルは、液晶ボタンが15個あるStream Deckです。これだけボタンがあればじゅうぶんでしょう。
また、標準モデルのみスタンドを装着でき、傾斜角度を調節できるようになっています。
価格がいちばん安いのはStream Deck Miniです。LCDキーが6個しかありません。ただ、フォルダーやプロファイル機能を使うことで、ボタンの少なさをカバーできるかもしれません(後述)。
準備しよう
まず、アプリであるStream DeckをPCにインストールしましょう。このアプリを使って、各種機能を本体のボタンに割り当てていくわけです。
- 公式サイトにアクセスする。
- 「SELECT YOUR PRODUCT」で「STREAM DECK」をクリックする。
- 下矢印をクリックして、Stream Deckをダウンロードする。
- ダウンロードした「Stream_Deck_x.x.x.msi」をダブルクリックする。
- 画面を順に進めていく。
つぎに、Stream DeckとPCをUSBケーブルで接続します。Stream Deck(ボタン15個)の場合、USBケーブルは本体と一体化しています。そのままPCと接続してください。
簡単に使ってみよう
ドラッグ&ドロップで登録
Stream Deckの使い方は簡単です。
まず、右側のパネルにある任意の項目(アクション)を、左側の空欄にドラッグ&ドロップしましょう。
▲「OBS Studio」の「ストリーム」をドラッグ&ドロップしたところ。ストリームは、配信を開始・終了するためのアクションです。
そして、わかりやすい名称を「タイトル」に入力します。不要であれば入力しなくてもかまいません。
▲「配信」と入力したところ
ここで本体のほうを見てください。いま設定したアイコンとタイトルが反映されているはずです。
あとは本体のボタンを押すだけです。割り当てたアクションが実行されます。OBSの操作については、下記ページもご覧ください。
アプリの起動を登録する方法
ボタンを押すだけで任意のアプリを起動できるようにしてみましょう。
右側のパネルにある「システム」の「開く」を、左側の空欄にドラッグ&ドロップします。
そして、「App/ファイル」の部分に、アプリ本体(またはショートカット)をドラッグ&ドロップして完了です。
本体のボタンを押してみてください。アプリが起動します。
場所の変更、削除
キーの位置・場所はドラッグで変更できます。
また、キーを削除するにはDeleteキーを押します。右クリックから「削除」でもかまいません。
不要なものは非表示に
不要なアクションは非表示にできます。
- 右上のハンバーガーアイコンをクリックする。
- 不要なアクションのチェックを外す。
- 「完了」をクリックする。
フォルダーに収納しよう
しばらく使い込むと、ボタンが不足しそうになるかもしれません。このようなときはフォルダーを作りましょう。事実上、ボタンの数を増やせます。
フォルダーを作成するには、「Stream Deck」の「フォルダを作成」を左側にドラッグ&ドロップします。
または、空欄で右クリックして「フォルダを作成」をクリックする方法でもかまいません。
あとは、「コンテンツ」横の矢印をクリックすればフォルダーが開くので、 アクションを登録してください。
プロファイルで設定を切り替えよう
複数の設定を切り替える機能
幅広い用途でStream Deckを使う場合、プロファイルが重宝します。複数の設定を分けて保存しておき、切り替えることができるからです。
- 配信用と仕事用で設定を分ける
- 配信ソフト用と動画編集用で設定を分ける
まず、左上の部分で「新規プロファイル」をクリックしてください。
すると、プロファイルが新しく作られ、まっさらな画面に切り替わります。アクションを登録していきましょう。
プロファイル名を変更したい場合は、上部の歯車アイコンから「プロファイル」タブを開いて右クリックです。
プロファイルの切り替え方
プロファイルの切り替えは、左上の部分で行うことができます。
しかし、マウス操作は手間かもしれません。ボタンを押してプロファイルを切り替えられるよう設定できます。「Stream Deck」の「プロファイルを切り替え」を左側にドラッグ&ドロップしてください。
自動でプロファイルを切り替える方法もあります。たとえば、OBSを起動するだけで自動的にOBS用のプロファイルに切り替えることができるので、手動でプロファイルを切り替える手間を省けます。
以下のように設定しましょう。
- 上部の歯車アイコンから「プロファイル」タブを開く。
- 「アプリケーション」で任意のアプリを選択する。
- Stream Deck右上の「×」ボタンをクリックする。
- ボタンを押す。
削除方法
プロファイルを削除する方法は以下のとおりです。
- 上部の歯車アイコンをクリックする。
- 「プロファイル」タブを開く。
- プロファイルを選択し、「-」をクリックする。
マルチアクションで自動化しよう
一連のアクションを割り当てる
配信のたび、毎回複数のアプリを起動するのが手間だと感じたことはないでしょうか。
そこで使いたいのがマルチアクションです。この機能を使えば、複数のアクションを自動で一気に実行させることができます(マクロ機能)。
マルチアクションの作成
マルチアクションを作成するには、「Stream Deck」の「マルチアクション」を左側にドラッグ&ドロップしましょう。
または、空欄で右クリックして「マルチアクションを作成」をクリックする方法でもかまいません。
複数のアクションを登録
マルチアクションをドラッグ&ドロップすると画面が切り替わります。あとは複数のアクションを登録していくだけです。
上から順にアクションが実行されます。必要であればドラッグで上下の順番を入れ替えてください。
もしアプリを思ったとおりの順番で起動できない場合は、右側にある「Stream Deck」の「遅延」を入れて調整しましょう。
アイコンを作成しよう
通常は、アクションやアプリをドラッグ&ドロップするだけで、自動的にアイコンが設定されます。
しかし、アイコンを自作したい場合は、矢印から「新規アイコンを作成」をクリックしてください。
すると、ブラウザーが開き、アイコン作成ツールを使える状態になります。
- 好きなアイコンをクリックする。
- 「Save Key」をクリックする。
- デスクトップ画面に画像ファイル(PNG)が保存される。
▲左上の「Layers」の部分では、複数のアイコンを重ねたり(複数回クリック)、重なり順を変更(上下にドラッグ)することもできます。
あとは、矢印をクリックして「ファイルから設定」で画像を読み込みましょう。
その他、便利機能の例
最後に、便利なアクションを表にまとめました。
説明 | |
「OBS Studio」→「ミキサーオーディオ」 | マイクをミュートにできる |
「システム」→「Webサイト」 | Webサイトを開く |
「システム」→「テキスト」 | 定型文を呼び出す |
「システム」→「ホットキー」 | ショートカットキーを登録できる(例 : Ctrl + C) |
「Twitter」→「ツイート」 | Twitter上でツイートできる |
「サウンドボード」→「オーディオを再生」 | 効果音を再生できる(ポン出し) |
右下の「その他のアクション」からは、「アナログ時計」や「CPU」など、さまざまな機能を追加できます。
まとめ
もしゲーム配信にかかる手間を省きたいなら、Stream Deckは有用な左手デバイスです。
これをキーボードの隣に置いておき、左手でスッとボタンを押しましょう。
ボタン一発で、複数のアプリを一気に起動できます。マイクをミュートにするのも、配信ソフトのシーンを切り替えるのも、ボタン一発です。
ぜひStream Deckを使って、配信を効率化してください。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。