OBS Studio(以下OBS)を使って、YouTube Liveで縦型配信をするための設定方法について見ていきましょう。
ここでいう縦型配信(縦画面配信、縦長配信)は、スマホを縦持ちで見る視聴者をメインターゲットとした方法です。
PCでも縦型配信を見られますが、見やすくはありません(見づらい)。
PCを使ってライブ配信する方法です。
OBS + YouTube配信をしたことある人向けの記事です。
目次
プロファイルを作ろう
これは必須ではないのですが、プロファイルを作っておきましょう。
プロファイルを作っておくと、縦画面と横画面を瞬時に切り替えられるようになります。
つまり今後、横型配信もやる可能性があるなら、縦型配信と横型配信の設定は分けておいたほうが便利です。
そこでプロファイルです。
プロファイルの作り方は簡単で、「プロファイル」→「複製」の順にクリックしてください。
適当な名前を入力して「OK」をクリックします。
あとはこのまま縦型配信用の設定をしていきましょう。
解像度を縦型用にしよう
1080x1920に
OBSで縦型配信する場合、いちばん重要なのが解像度の設定です。「設定」→「映像」の順にクリックしてください。
そして、「基本 (キャンバス) 解像度」と「出力 (スケーリング)解像度」を両方とも1080x1920にします。手動で入力します。
▲解像度を「1080x1920」にすると画面縦横比(アスペクト比)が9:16になります。
縦画面にできない?
誤入力に注意しましょう。
選択肢に「1080x1920」はないので手動で入力するわけですが、「x」はアルファベットです。「×」(かける)ではありません。
この部分を誤って入力すると縦画面の設定ができません。確実に入力したいのであれば、OBSに「1080x1920」をコピー&ペーストしてください。
「出力をリスケールする」は「無効」で
念のため「出力をリスケールする」が「無効」になっていることを確認します。「出力」→「配信」の部分です。
▲「出力をリスケールする」は、「出力モード」が「詳細」のときに表示されます。
ここを不適切な設定にすると、画面サイズが小さくなったり、押しつぶされたような映像になるので注意してください。
「OK」をクリックして設定完了です。
備考
解像度の設定は、2つとも720x1280でもかまいません。PCにかかる負荷が軽減されます。ただし、画面は狭くなります。
また、「基本 (キャンバス) 解像度」を1080x1920、「出力 (スケーリング)解像度」を720x1280でもかまいません。画面縦横比は9:16で統一します。
ソースの位置・サイズを調整しよう
ズレたので
これで縦型配信の解像度設定が完了しました。いま設定した「基本 (キャンバス) 解像度」に合わせて、OBSのプレビュー画面が縦画面(縦長)に変化しました。
▲プレビュー画面を水色で塗りつぶしました。縦画面になっているのがわかります。
ただ、よく見るとソースの位置がズレれていたり、ソースのサイズがおかしくなっているはずです。
そこで、ソースの位置・サイズを縦型配信用に配置しなおしましょう。
ソースの編集方法について不明な点がある場合は、下記ページをご覧ください。
画面端は見切れるリスク
注意したいのですが、画面端の上下左右は視聴デバイスによっては画面が見切れる可能性があります。
たとえば、iPad mini(第6世代)で縦型配信を縦持ち視聴すると画面下部が少し欠けます。
さらに、画面下半分はチャット(コメント)が被ります。
したがって、画面端部分にソースを配置する場合は注意してください。このあとのテスト配信で実際に確認すべきです。
なお、「設定」→「一般」にある「セーフエリアを描画する (EBU R95)」は、一種の目印にはなるかもしれません。
▲白線内に画面が収まるようにします。ただ、この白線内であってもiPad mini(第6世代)で縦型配信を視聴すると、縦持ち時に画面下部が少し欠けます。
YouTubeで配信を開始しよう
予約配信だとフィードに乗らない?
設定が完了したら、あとは「配信の管理」ボタンからいつもどおり配信を開始するだけです。
▲このボタンが表示されていない場合は、アカウント接続を行っておいてください。
ここで重要なのは、2種類ある配信方法のどちらを採用するかという点です。
- 突発配信(エンコーダ配信)
- 予約配信(スケジュール設定)
というのも、予約配信は縦型ライブ配信フィードに表示されないからです。YouTubeヘルプには以下のように書かれてあります。
スケジュール設定されたライブ配信やプレミア公開は、縦型ライブ配信フィードには表示されません。
縦型ライブ配信フィードは YouTube アプリでのみ使用でき、現在のところタブレットでは使用できません。
同フィードに表示されたほうが、視聴人数は増える傾向があります。この点も考慮して判断しましょう。
ただ、予約配信でも同フィードに乗ったという人もいます。実際のところはよくわかりません。
配信を開始する
突発配信、予約配信、それぞれのやり方については、下記ページをご覧ください。配信方法は横型配信と同じです。
自分の配信を見てみよう
最後に、うまく配信できているかiPhone/iPadで確認してみます。
確認方法ですが、公開設定で配信を開始してYouTubeアプリを起動します。配信中の番組が「ライブ」と表示されています。
見え方はデバイスによって異なるので、できるだけ複数のデバイスで視聴したほうがよいでしょう。タブレットの場合は、縦持ち・横持ち両方で確認します。
繰り返しますが、画面が見切れている可能性があるので、画面端を重点的に確認してみてください。
縦型配信のメリット・デメリット
メリット
- 縦型ライブ配信フィードに乗る可能性がある
- スマホで縦持ちした場合に全画面表示できる
- 16:9の画面を縦に3つ並べられる
- 自分の姿を映す雑談配信に向いている(視聴者との距離が近い)
デメリット
- 16:9のゲーム画面の配置には不向き
- ミッドロール広告、プレロール広告を流せない
- メンバーギフトが送れない
- 基本的にバックグラウンド再生非対応
- PCからの視聴だと左右に黒枠ができ、画面が小さい
デメリットについては、YouTubeヘルプも参照してください。横型配信との比較表が掲載されています。
▲YouTubeヘルプより引用
まとめ
縦型配信については
- 解像度設定で「x」を正しく入力
- 画面が見切れる部分を把握しておく
という2点がポイントになります。
縦型配信は、16:9のゲーム画面を映すのは向いていない傾向があるでしょう。どちらかというと雑談配信に向いています。
そこで、ゲーム配信は横型、雑談配信は縦型で分けるのもよいかもしれません。
または、縦型でゲームをやる場合は縦型のスマホゲームをプレイするという方法も考えられます。
スマホゲームをOBSに映す方法については、下記ページをご覧ください。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。