OBS Studio（以下OBS）には、プロファイルという便利な機能があります。
なぜ便利かというと、複数の設定を保存しておけるからです。たとえば、以下のようなケースで役立つでしょう。
- 配信サイトごとに複数の設定を保存しておきたい
- 複数の画質設定を保存しておきたい
では、どのようにすればプロファイルを使えるのでしょうか。注意点と併せてご紹介します。
目次
プロファイルを使うメリット
配信サイトごとに設定を保存しておける
たとえば、ある日はYouTube Liveで、また別の日はTwitchで配信したいという場合を考えてみましょう。
もしもプロファイルがなかったら、YouTube Liveで配信したあとTwitch用の設定に一から変更しなくてはいけません。そしてTwitchで配信したあとは、また一からYouTube Live用の設定に戻すわけです。
しかし、これは手間です。
プロファイルを使えば両サイトの設定を一瞬で切り替えられます。毎回設定しなおす必要はありません。
複数の画質設定を保存しておける
たとえば、動きの激しいFPSゲームの場合は画質を重視した設定にしておき、ラジオ配信（雑談配信）の場合は画質はそこそこにして音質を重視した設定にしたい、というようなケースです。
複数の設定を保存しておけば、配信内容に応じて瞬時に切り替えられます。
録画用の設定を分けておける
OBSを録画用に使うことがあるというケースにおけるメリットです。配信用の設定とは別に、録画用の設定を保存しておいたほうが便利でしょう。
よく「『録画開始』ボタンをクリックしようとして、誤って『配信開始』ボタンをクリックしてしまった」という人がいますが、録画用の設定を作っておき（配信設定はしない）、配信用の設定と分けておけばよいのです。
配信用の設定がないわけですから、まちがえて「配信開始」ボタンをクリックしても配信は始まりません。「録画するつもりだったのに配信してしまった」という事故を防止できます。
プロファイルの使い方
- 配信を停止し、あらかじめ必要な設定をしておいてください。ここでいう設定とは、「設定」ボタンから行う設定のことです（後述）。
- 「プロファイル」→「複製」の順にクリックします。
- 適当な名前を入力して「OK」をクリックします。
- OBSのタイトルバーに、いま入力したプロファイル名が表示されます。
- プロファイルの切り替えは、「プロファイル」から行います。
- プロファイルを削除したい場合は、そのプロファイルに切り替えたあと、「削除」を選択してください。
上書き保存に注意しよう
現在の設定を完成版として保存しておきたいなら、必ず「新規」または「複製」を選択しましょう。
そうしないと、最初に保存した設定が上書きされて消えてしまうからです。
「プロファイル」から「新規」または「複製」を選ぶことで、新しいプロファイルBを作ることができ、プロファイルAとは別の独立した設定になります。
なお、バージョン26.1からは、「新規」を選ぶと「自動構成ウィザード」を表示するかどうかのオプションが表示されるようになりました。
【注意】保存できる設定内容
大きく5種類
プロファイルで保存される設定内容は、以下のとおりです。
- 「配信」タブの設定
- 「出力」タブの設定
- 「音声」タブの設定（すべてではない）
- 「映像」タブの設定
- 「ホットキー」タブの設定
一例ですが、以下のような設定を保存できます。
- URL・ストリームキー
- 映像ビットレート・音声ビットレート
- 解像度・フレームレート
- 録画に関連する設定
ソースの保存はできない
ここも注意が必要ですが、プロファイルではシーン・ソースの設定を保存できません。
では、シーン・ソース設定を保存する方法はないのでしょうか。じつは、OBSのメニューバーにある「シーンコレクション」を使えばよいのです。
シーンコレクションでは、ソースの位置・サイズも保存できます。プロファイルと組み合わせて使えば、かなり重宝するでしょう。
詳しい使い方については、下記ページをご覧ください。
プロファイルの保存場所
現在のプロファイルが保存されている場所を開くには、「ファイル」→「プロファイルフォルダを表示」です。
もし複数のプロファイルをまとめてコピーしたり削除したいという場合は、以下のようにしてください。
- 上記操作でエクスプローラーを開く。
- アドレスバーの「profiles」をクリックする。
- プロファイルの一覧が表示される。
プロファイルの出力・バックアップの方法
1個のプロファイルをバックアップをしたい場合は、設定をエクスポート（出力）しましょう。
- 目的のプロファイルに切り替える。
- 「プロファイル」→「エクスポート」の順にクリックする。
まとめて複数のプロファイルをバックアップしたいのであれば、以下のようにします。
- 「ファイル」→「設定フォルダーを表示」の順にクリックする。
- 「basic」を開く。
- 「profiles」をコピーする。
