OBS Studio(以下OBS)使用時に、SteamなどのPCゲームの画面を映したいときに使うのが「ゲームキャプチャ」です。
注意したいのですが、ここでいう「ゲーム」とは「PC」ゲームのことです。「TV」ゲームの画面を映したい場合は、「映像キャプチャデバイス」を使いましょう。
以下、「ゲームキャプチャ」の設定方法について見ていきます。
関連OBS Studioに画面を映したい。頻繁に使う4つのキャプチャー方法
ライブ配信・録画共通の記事です。
Windows版の使用を前提としています。macOS版には「ゲームキャプチャ」はありません。
目次
前提知識2つ
PCゲームに慣れていない人向けに、2つだけ基本的な知識を確認しておきます。OBSの操作以前の部分で問題が起きるのを防ぐためです。
画面を切り替える方法
現在、モニター(ディスプレイ)は何台使用しているでしょうか。
もしシングルモニター(モニター1台のこと)なら、PCゲームをフルスクリーンで起動したとき、以下のような感想を持つかもしれません。
- OBSの操作に戻りたいのに戻れない
- ゲーム画面から抜けられない
このような状況は「初心者あるある」です。ぜひ対処法を覚えておいてください。
まず、Windowsキーを押しながらTabキーを押します。
サムネイルの画面が表示されたら、指を離してマウスカーソルでOBSをクリックしましょう。これでOBSの画面に戻れます。
ゲームを起動するまえに、実際に練習して慣れておいてください。
なお、Altキー + Tabキーでも画面を切り替えられますが、その場合はAltキーを押しっぱなしにしておく必要があります。
画面・音が一時的に止まるかも
上述した方法で画面をOBSに切り替えた場合、ゲームの仕様、またはゲームのサウンド設定(OBSではなく)によってはゲーム音が消えることがあるかもしれません。
しかし、これは不具合ではありません。ゲーム画面に切り替えればゲーム音も戻ります。
また、画面をOBSに切り替えたときゲーム画面が止まる(固まる、静止画)ことがあっても、やはり不具合ではありません。
いずれもOBSの問題ではなく、なにかの不具合でもないため、覚えておいてください。
「ゲームキャプチャ」を追加しよう
「ゲームキャプチャ」を使うためには、最初にPCゲームを起動します。下記いずれの表示モードでもかまいません。
- フルスクリーン
- ウィンドウ
- ボーダーレスウィンドウ
つぎに、「ソース」の「+」をクリックし、「ゲームキャプチャ」を選択します。
適当な名前をつけて「OK」をクリックします。
「モード」を確認しよう
フルスクリーンアプリケーションをキャプチャ
プロパティが表示されました。「モード」が「フルスクリーンアプリケーションをキャプチャ」になっているはずです。
ゲームをOBSに認識させたいので、いったんゲーム画面に切り替えましょう。Windowsキー + Tabキーです。
そうしたら、OBSのほうに画面を再度切り替えます。OBSにゲーム画面は映ったでしょうか。
特定のウィンドウをキャプチャ
もしゲーム画面がうまく映らなかったとしても心配いりません。
今度は「モード」を「特定のウィンドウをキャプチャ」にしてみましょう。「ウィンドウ」と書いてありますが、ゲームはフルスクリーンのままで問題ありません。
すると、「ウィンドウ」という設定項目が新たに表示されました。ここでゲーム名を選んでください。うまくいけば画面が映ります。ただし、失敗することもあります(後述)。
もしゲーム名が表示されていない(選択できない)場合は、いったん「キャンセル」をクリックします。
▲プロパティを開く「まえ」にゲームを起動する必要があります。プロパティを開いた「あと」でゲームを起動すると、そのゲームは選択できません。
そして、再度「ゲームキャプチャ」をダブルクリックしてプロパティを開き、同じ設定をしてください。今度は「ウィンドウ」の部分でゲームを選べるはずです。
ホットキーで前面のウィンドウをキャプチャ
複数のゲーム画面を切り替えてOBSに映したい場合は、「ホットキーで前面のウィンドウをキャプチャ」が便利でしょう。
これは、前面にあるゲーム画面をホットキーでOBSに認識させて画面を映す方法です。プロパティを開いて設定する手間を省けるので、複数のゲーム画面を切り替えて瞬時にOBSに映せる点がメリットです。
ホットキーの設定は、「設定」→「ホットキー」の「前面のウィンドウをキャプチャ」で行います。
ダメだ映んねぇわ
「ゲームキャプチャ」がうまくできない、失敗した場合、OBSにはなにも表示されません。ゲーム画面が映らず、真っ黒、真っ暗な状態になります。
複数の対処法が考えられます。
定番の対処法として「OBSを管理者権限で起動する」というのがありますが、それだけでうまくいくとは限りません。
詳しい対処法については、下記ページをご覧ください。
なお、左上に赤い点が表示されていてサイズ変更できないだけならば、「ゲームキャプチャ」をクリックしてCtrlキー + Rキーを押し、つぎにCtrlキー + Fキーを押せば問題が解決するかもしれません。
ゲーム音を入れよう
初期設定で入るが、だがしかし
「ゲームキャプチャ」の場合、初期設定でゲーム音が入ります。つまり、ゲーム音の設定は基本的に必要ありません。
念のため「音声ミキサー」の「デスクトップ音声」を確認してください。ここがゲーム音に合わせて動いていれば、基本的にゲーム音は入ります。
「基本的に」と書いたのは例外があるからです。また、そもそも「デスクトップ音声」のレベルメーターが動いていないという人もいるでしょう。
ゲーム音が入らない場合の対処法については、下記ページをご覧ください。
ゲーム音のみ入れる設定
ゲーム音だけ入れたいという場合、どのような設定にしたらよいのでしょうか。
たとえば、以下のような音声を「入れたくない」という場合です。
- Discordの通話相手の声
- YouTubeの作業用BGM動画
- 棒読みちゃんの音声
この場合、便利なのが「ゲームキャプチャ」の「音声をキャプチャ」です。(1)チェックを入れて、かつ(2)「デスクトップ音声」を無効化(またはミュート)しましょう。ゲーム音以外の音は入りません。
デスクトップ音声を無効化などしないとゲーム音が二重になるので、その点は注意してください。
設定方法は下記ページにまとめました。
「ウィンドウキャプチャ」との違い
「ゲームキャプチャ」と似ているのが「ウィンドウキャプチャ」です。両者の違いはわかりづらいかもしれません。
「ウィンドウキャプチャ」は、その名のとおりウィンドウ画面をOBSに映したいときに使います。
たとえば、ブラウザー(例 : Chrome)で見ている画面をOBSに映したいというようなケースで使うのが「ウィンドウキャプチャ」です。
PCゲームの場合にも使えますが、「ウィンドウキャプチャ」ではフルスクリーンの画面を取り込めません。
この点、「ゲームキャプチャ」であればフルスクリーンのゲームを取り込めます。また、ウィンドウのゲームも取り込めるため、「ウィンドウキャプチャ」よりもゲーム向きです。
このあとは
ゲーム画面をOBSに映すことができたら、いったんテストでライブ配信・録画してみましょう。
ライブ配信する場合については、下記ページをご覧ください。配信サイトごとに解説しています。
録画する場合については、下記ページに情報をまとめました。高画質な設定で動画を保存するための方法を掲載しています。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。