OBS Studio(以下OBS)に画面を映すための設定を行ってみましょう。
今回は、4種類のキャプチャー方法について具体的なやり方を見ていきます。この4種類をマスターしておけば、見せたいものを視聴者に見せることができます。
- ウィンドウキャプチャ
- ゲームキャプチャ
- 画面キャプチャ
- 映像キャプチャデバイス
関連OBS Studioでソースを追加・設定する方法。配信画面を自由にレイアウト
関連【OBS】ゲーム音の入れ方・設定方法を「すべて」まとめました
Windows版の使用を前提にしています。
便宜上、ライブ配信を前提にしていますが、録画する場合も設定方法は同じです。
目次
どれを使えばよいのか
TVゲーム配信がしたい
「映像キャプチャデバイス」を選びます。誤解しやすいところですが、「ゲームキャプチャ」を選ぶわけではありません。
「映像キャプチャデバイス」から設定することで、ゲーム機の画面(例 : Switch、PS5/PS4)を視聴者に見せることができます。
ただ、キャプチャーボードが必要になります。あらかじめ用意しておきましょう。
PCゲーム配信がしたい
PCゲームの画面を視聴者に見せたいときは、「ゲームキャプチャ」を最優先で使ってください。
PCゲームをフルスクリーンモード(全画面)でプレイしながら配信できます。もちろん、PCゲームはウィンドウやボーダーレスウィンドウでもかまいません。
スマホゲーム配信がしたい
スマホゲームの画面を視聴者に見せたいのであれば、「ウィンドウキャプチャ」です。
このとき必要なものは、ミラーリングソフトです。Wi-Fiを使って無線でスマホの画面をPCに映せるようになります。
ミラーリングソフトにスマホの画面を映し、そのうえでOBSの「ウィンドウキャプチャ」を使って画面を取り込んでください。
雑談配信がしたい
顔出し雑談配信がしたいなら、「映像キャプチャデバイス」からWebカメラを選択しましょう。これで自分の顔を映せます。
ラジオ配信のようなことをしたい場合は、「画像」や「メディアソース」を使います。それぞれ静止画像・動画を視聴者に見せることができます。
幅広い用途でやりたい
「ウィンドウキャプチャ」は、ウィンドウ画面を視聴者に見せることができます。いろいろな用途で使えるので、無難な方法といえるかもしれません。
「画面キャプチャ」も便利ではあるのですが、初めて使うと混乱するかもしれません。シングルモニターだと画面が合わせ鏡のようになるからです。
「映像キャプチャデバイス」の設定
ここからは、4つのキャプチャー方法について1個ずつやり方を見ていきましょう。
まずは「映像キャプチャデバイス」の使い方からです。
TVゲーム配信の場合
キャプチャーボードに接続しているゲーム機の画面をOBSに映したい場合、どのように設定すればよいのでしょうか。
たとえば、以下のようなときです。
- Switchのゲーム画面をOBSに映したい
- Switchのゲーム音をPCから出したい、鳴らしたい
設定方法の大まかな流れは、以下のとおりです。
- キャプチャーボードを準備する。
- 「ソース」の「+」から、「映像キャプチャデバイス」を選択する。
- 適切に設定する。
まず、キャプチャーボードについてですが、近年の一般的なキャプチャーボードであればOBSに画面を映すことができるでしょう。メーカー側もOBS対応を謳っているケースが多いです。
問題は「映像キャプチャデバイス」の設定方法です。設定が難しく感じるかもしれません。詳細については、下記ページをご覧ください。
ゲーム画面が映らない、ゲーム音が出なかった場合の対処法については、下記ページに情報をまとめました。初期設定では自分にゲーム音が聞こえないようになっています。
また、遅延がある、画面が小さくてプレイしづらいということがあると思いますが、それはパススルー出力で解決できます。
雑談配信の場合
Webカメラの映像を映す設定は簡単です。
- Webカメラの付属ソフト(例 : Logicool Capture)を終了する。
- 「ソース」の「+」をクリックし、「映像キャプチャデバイス」を選択する。
- 適当な名前をつけて「OK」をクリックする。
- 「デバイス」でWebカメラを選択する。
- 「OK」をクリックする。
Webカメラの映像のアスペクト比(縦横比)を16:9にしたい場合は、以下のように設定しましょう。
- 「映像キャプチャデバイス」をダブルクリックする。
- 「解像度/FPS タイプ」を「カスタム」にする。
- 「解像度」を「1280 x720」にする。
- 「OK」をクリックする。
ゲーム画面に自分の顔を小さく入れる方法(PinP、ワイプ)など、より詳しい設定方法については下記ページをご覧ください。
「ゲームキャプチャ」の設定
PCゲーム(例 : Steam)配信の場合に役立つのがゲームキャプチャーです。対応していないPCゲームもあるので、注意してください。
- PCゲームを起動しておきます。
- PCゲームはウィンドウモード、フルスクリーンモード、どちらでもかまいません。後者の場合は、Altキー + TabキーでOBSの画面に戻ることができます。
- 「ソース」の「+」をクリックし、「ゲームキャプチャ」を選択します。
- 適当な名前をつけて「OK」をクリックします。
- 「モード」で「フルスクリーンアプリケーションをキャプチャ」を選択します。
- いったんゲーム画面に切り替えましょう。Altキー + Tabキーです。よくわからない場合は、「PCゲームをフルスクリーンで起動後、OBSに戻れないときの対処法」をご覧ください。
- OBSにゲーム画面が映っていることを確認します。Altキー + Tabキーを押してOBSに戻ります。
- もしOBSに画面が映らない場合は、「ゲームキャプチャ」をダブルクリックして設定画面を出し、「モード」を「特定のウィンドウをキャプチャ」にします。そして、「ウィンドウ」でPCゲームを選択します。
- それでも画面が映らない、真っ黒の場合は、「【OBS】ゲームキャプチャーで画面が映らない、真っ暗なときの対処法」をご覧ください。
- 最後に「音声をキャプチャ」がOFFになっていることを確認します。ここを単純にONにしてしまうとゲーム音が二重になります。
- 「OK」をクリックします。
- 念のため書いておきますが、OBSに映っているゲーム画面を見ながらプレイするわけではありません。いつもどおり、ゲーム画面そのものを見ながらプレイしましょう。
- また、配信中にコメントを確認する方法については、「ゲーム配信中、コメントをどうやって確認すればいい?4種類の方法」にまとめています。
- PCゲームの音声は、OBSの初期設定で入るようになっています。うまくいかない場合は、「OBSで『PC』ゲームの音が入らない、出ないときの対処法。これだけで解決」をご覧ください。
- より詳しく「ゲームキャプチャ」について知りたい場合は、「OBS『ゲームキャプチャ』の設定方法。みんなが知りたかった詳しいやり方」をご覧ください。
「ウィンドウキャプチャ」の設定
- 視聴者に見せたいウィンドウ画面を表示しておきます。必ずウィンドウの状態にしてください。また、最小化もしないでください。
- 「ソース」の「+」をクリックし、「ウィンドウキャプチャ」を選択します。
- 適当な名前をつけて「OK」をクリックします。
- 視聴者に見せたい画面を選択してください。注意点ですが、取り込みたいウィンドウを最小化している状態だと、選択肢として表示されません。
- 「OK」をクリックします。
- もし画面が映らない、真っ黒の場合は、「【OBS】ウィンドウキャプチャーで画面が映らない、真っ暗なときの対処法」をご覧ください。
- 最後に「音声をキャプチャ」がOFFになっていることを確認します。ここを単純にONにしてしまうとBGMが二重になります。
- より詳しく「ウィンドウキャプチャ」について知りたい場合は、「OBS『ウィンドウキャプチャ』の詳しい設定方法と、よくあるミス」をご覧ください。
「画面キャプチャ」の設定
画面キャプチャーを使うと、デスクトップ画面に映っているものを視聴者に見せることができます。これを使う機会は多くないかもしれません。
使い方は以下のとおりです。
- 「ソース」の「+」をクリックし、「画面キャプチャ」を選択する。
- 適当な名前をつけて「OK」をクリックする。
- OBSにデスクトップ画面が合わせ鏡のような状態で表示される。
- 「OK」をクリックする。
注意したいのですが、OBSの画面キャプチャーはデスクトップ画面全体を視聴者に見せるかたちになります。
では、どうすれば部分的に画面を取り込めるのでしょうか。Altキーを押しながら赤丸部分をドラッグし、キャプチャー範囲を狭めればよいのです。
詳細については、下記ページをご覧ください。
画面キャプチャーができない(真っ黒)場合の対処法については、下記ページにまとめました。
なお、配信中、視聴者にOBSの設定画面を見せたいというときは画面キャプチャーを使います。
音声を選びたい?
よくある質問のひとつとして、「ゲームキャプチャー、またはウィンドウキャプチャー時にその音だけを流したい」というものがあります。
つまり、配信でPCゲームの音は流したいのだけれども、それ以外の音、たとえば「ながら視聴」で同時に見ているNetflixやYouTubeの動画の音は流したくない、やり方を知りたいという質問です。
結論ですが、OBS 28.0で特定のアプリの音を視聴者に聞こえないようにする機能が標準搭載されました。「アプリケーション音声キャプチャ」ソースを追加して設定します。
さらに、OBS 30.1以降であれば「ゲームキャプチャ」または「ウィンドウキャプチャ」の設定画面上で「音声をキャプチャ」をONにすればゲーム音だけを流せます。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。
コメント
fc2ライブのみドロップフレームが増えるようになりました。
YouTubeでもツイキャスでも試しましたが、ビットレートを上限ギリギリまで上げても安定して配信ができました。
これはfc2側が私個人に対して制限を設けているんでしょうか?
そして仰る通り、「新しいネットワークコードを有効にする」にチェックを入れたら直りました。配信上でも数字上でもドロップフレーム0でビットレートも安定しているんですが、緑や赤になる四角のサインは以前のまま不安定ですね。
しかもfc2が不安定になりだしたのがPCを初期化したタイミングとかぶっちゃったんですよね、それの以前なのか以後なのかわからないんです。もしかしたら自分サイドのソフトウェアやハードやドライバが原因なのかもしれないし。でも自分が調べた範囲ではfc2でのみドロップフレームが増えるから、fc2との間に障害があるのは間違いないですよね。
いろいろと情報を書き込んでいただき、ありがとうございます。
「新しいネットワークコードを有効にする」が効果あったんですね。
FC2ライブは配信ソフトについての情報が少なくてたいへんですよね…。
公式ヘルプだと最大ビットレート値は800kbpsとありますが、古かったり。
あるいは、XSplitでの配信を推奨していることと関係して
いるのかもしれませんが、よくわかりません。
またなにかわかったら教えていただければと思います。
回答ありがとうございます。無線通信で配信していたのですが、接続が切れるので、
有線LANを先月購入して配線しました。
配信サイトはユーチューブだけです。
他では配信していません。セキュリティソフトが原因ではないと思います。
特にセキュリティソフトからエラーメッセージなどは出てないので。
最初OBSスタジオを使っていたら、配信が切れたり、また再接続出来たりしたりといったことがありました。設定をいじったら、配信できるようになったので、
一時間配信したりといったことをしたのですが、今度は一時間配信したはずなのに、
分割されて、アーカイブ保存されるようになり、0分だったり40分で保存処理されたりしました。
ユーチューブからのエラーメッセージは以下のようなものでした。
9:39 不良 動画の出力が低すぎます
YouTube が受信している動画が少ないため、滑らかなストリーミングを維持できません。視聴者側でバッファが発生します。
19:34 データなし 配信中のストリームがありません
19:46 良好 音声の設定を確認してください
音声ストリームの現在のビットレート(0)が推奨値より低くなっています。音声ストリームのビットレートは 128 Kbps を使用することをおすすめします。
19:34 データなし 配信中のストリームがありません
YouTube では現在、このストリームのデータを受信していません。問題があれば、ストリームが送信されているかどうか、正しいストリームキーが設定されているかどうかを確認してください。
GeForceシリーズのグラフィックボードを搭載しているデスクトップパソコンで、
ShadowPlayが最初から入っています。低スペックなパソコンなはずはないので、
何が悪いのか困っています。
こちらが自分のパソコンのスペックです。
DESKTOP-3TP4NK7
Intel(R)Core(TM)i5-8500cpu@3.00GHZ 3.00GHZ
8.00GB
ウィンドウズエディションはウィンドウズ10HOMEです。
どうしても問題が解決されない場合は、動画配信をあきらめようかと考えています。
回答よろしくお願いします。
問題の切り分けが重要になってきます。
たとえばですが、無線LANが原因でないことがわかったので、
つぎは他サイトのTwitchで配信をするなどします。
Twitchで配信するつもりがなくても、これは一度試したほうがいいです。
→Twitchでも問題が起きる場合は、自分の環境・設定が原因
→Twitchで問題ない場合は、YouTubeとのあいだで問題が起きている
というような推測ができるからです。
また配信中、OBSの画面右下のメーターの色と、「ドロップしたフレーム」は
どうなっているでしょうか。おそらくメーターは赤色になっているはずです。
このようなときは、ビットレートを600kbps程度に下げてみるのも重要です
(解像度も640x360まで下げる)。
画質が下がるのはイヤだと思いますが、これも問題を切り分けるための検証です。
やはり試さないといけません。
ドロップフレームが多いと、YouTubeから自動的に切断されます。
下記サイトも参考になります。
https://github.com/obsproject/obs-studio/wiki/Dropped-Frames-and-General-Connection-Issues
なお、「設定」→「詳細設定」で「新しいネットワークコードを有効にする」に
チェックを入れるとよくなるという話もあるので、やってみるとよいかもしれません。
http://ch.nicovideo.jp/kenta0644/blomaga/ar1081830/31
長い質問であるにもかかわらず、丁寧に回答してもらいありがとうございます。
ツィッチはまだやった事がないので、これからやろうと思います。
おっしゃる通り、配信中のOBSの画面のメーターの色と、「ドロップしたフレーム」は
赤色になっていました。
ビットレートを下げて試してみようと思います。ありがとうございました。
初めまして、初めて質問させていただきます。OBSスタジオを使用していますが、
自動構成ウィザードを使ったら、映像ビットレートが2500と出ていて、
その設定のままで配信したら、途中で接続が切れたり、また再接続されたりしました。
映像ビットレートを2000まで下げましたけども、それでも同じような現象が起こります。すぐストリーム配信が終了してしまって、うまく配信できません。
OBS側の設定が間違っているのでしょうか? 回答よろしくお願いします。
映像ビットレートを600kbps程度に落としても接続が切れますか?
切れるようであれば、モデム・ルーターが原因になっている可能性があります。
たとえば無線LANルーターを使っていて不安定になっているなど。
あるいは、特定の配信サイトでだけ切れるようであれば、
配信サイト側の問題もあるかもしれません。
セキュリティソフト(アンチウィルスソフト)が原因のこともあります。
複数の原因が考えられるのでなかなか難しいのですが、
ひとつずつ確認していく必要があるかと思います。