Elgato Game Capture HD60 S(以下、HD60 S)は、CORSAIR(Elgatoブランド)から発売されているキャプチャーボードです。
▲Elgato Game Capture HD60 Sの外観(リンク先 : Amazon)。これは筆者が発売日に購入した初期モデルです。そのため、現在とはロゴのデザインが多少異なります。
目次
HD60 Sの特長・メリット
ゲーム実況向けの機能が豊富
HD60 Sは、ゲーム実況のために開発された製品といっても過言ではありません。ゲーム実況で必要な機能は、すべて搭載されているからです。
便利な機能がたくさんあるのですが、以下は一例です。
- ゲーム配信機能により、簡単な設定で生放送ができる
- ゲームを録画して、自分の声を動画に入れることができる
- 声を別撮りできる
- 付属ソフトでも簡単なカット編集ができる
- YouTubeに動画を直接アップロードできる
- Flashback録画機能により、時間を遡ってゲームプレイを再生・録画できる
端的にいって、ゲームを録画して投稿する場合であっても、生配信する場合であっても、どちらにも完璧に対応できると思ってください。
低遅延
HD60 Sは、インスタントゲームビューという独自機能により、遅延(タイムラグ)が少ない製品となっています。ほかのキャプチャーボードと比較しても、最速の部類です。
筆者が検証したかぎりでは、約0.048~0.064秒の遅延でした。したがって、たいていはゲーム画面をPCに映した状態でもプレイできるでしょう。
もし遅延が妥協できないという場合であっても心配いりません。なぜなら、HD60 Sにはパススルー出力機能が搭載されているからです(後述)。
定番
HD60Sは、ゲーム実況をやる人たちのなかでは定番製品です。別メーカーから発売されているGC550/GC550 PLUSと同じくらい有名です。
Amazonの「内蔵型TVチューナー・キャプチャーボード」の売れ筋ランキングでも、いつも上位に入っています。Amazonのセールで安売りされることがあるので、こまめにチェックしておくとよいでしょう。
購入まえに「ここ」だけ確認しよう
Elgato Game Capture HD60 S | |
PCとの接続 | USB 3.0 |
エンコードタイプ | ソフトウェアエンコード |
最大録画解像度 | 1080p/60fps |
ゲーム機との接続 | HDMI |
パススルー出力機能 | あり |
対応OS | Windows 10(64bit) MacOS Sierra以降 |
USB 3.0専用
HD60 SとPCを接続するには、USB 3.0を使います。USB 2.0端子に接続しても動作しません。必ずUSB 3.0端子に接続してください。
HDMI出力できるゲーム機に対応
HD60 Sは、HDMI端子を搭載するゲーム機に対応しています。たとえば、SwitchやPS5、PS4などのゲーム機です。
PS2やWiiなど、HDMI端子を搭載していないゲーム機とは接続できません。その場合は、GV-USB2が購入候補となります。
なお、PS3の場合については別ページで解説しています。HDCPというコピーガードの関係で、少し特殊な話になります。
相応のPCスペックが必要
動作環境については、公式サイトではCore i5(第4世代)以上となっています。これはCPUについての表記ですが、意味がよくわからない場合は下記ページをご覧ください。
もしPCの動作が重かったとしても、付属ソフトの設定を変更して対処することも可能です。たとえば、1080p/60fpsを720p/30fpsに落としたり、Flashback録画機能をOFFにするなどの方法が効果的です。
他製品との比較
HD60 S+との違い
HD60 Sの上位モデルがHD60 S+です。2019年11月に発売された新製品です。
基本的に、4KやHDRに興味がないのであれば、HD60 S+は必要ありません。価格の安いHD60 Sでじゅうぶんです。
HD60 S+ | HD60 S | |
PCとの接続 | USB 3.0 | USB 3.0 |
エンコードタイプ | ソフトウェアエンコード | ソフトウェアエンコード |
4K録画 | 対応(30fpsまで) | 非対応 |
4K HDR録画 | 非対応 | 非対応 |
4K HDRパススルー | 対応 | 非対応 |
1080p録画時の最大フレームレート | 60fps | 60fps |
1080p HDR録画 | 対応(Windowsのみ) | 非対応 |
HD60 S+については、下記ページをご覧ください。
HD60 Proとの違い
HD60 Proは、デスクトップPC専用の製品です。
もしデスクトップPCを所有しているなら、こちらのほうがHD60 Sよりも負荷が軽く、おすすめです。ただし、価格の高さがネックになるでしょう。
HD60 Proの特徴は以下のとおりです。
- PCとはPCI Expressで接続する(内蔵型)
- ハードウェアエンコードのため、HD60 Sより負荷が軽い
- インスタントゲームビュー機能により、遅延はHD60 Sと同じくらい小さい
- HD60 Sにはない、マスターコピー機能を搭載している
付属品
付属品は下記画像のとおりです。USBケーブルとHDMIケーブルが1本ずつ付属されています。
使い方を別ページで理解しよう
HD60 Sを使いこなすためには、以下の事項をマスターしましょう。いずれも基本的なことです。
- 付属ソフトのインストール方法
- ゲーム機との接続方法
- ゲーム画面をPCに映す方法
- ゲーム画面をTVにも映す方法(パススルー出力)
- 録画・ライブ配信のやり方
詳しい使い方については、以下のページをご覧ください。製品を購入するまえに、ザッと一読しておくことをお勧めします。
まとめ
細かいことをいうと、HD60 Sにもいくつかの欠点はあります。たとえば、ゲーム画面をすばやくフルスクリーンにできなかったり、いくつかの設定が意味もなく複雑になっている部分があります。
ただ、全体としてみれば、これらの欠点は大きなものではないという解釈もできるでしょう。現にHD60 Sは鉄板であり、世界中で使われています。1080p/60fps対応製品として、ぜひとも押さえておきたいキャプチャーボードのひとつです。
個人的には、HD60 Sのデザインが気に入っています。手のひらにすっぽりと収まり、丸みを帯びたデザインで手になじむのです。人によっては、卵のようなすべすべ感を彷彿とさせるかもしれません。
実売価格も安定しています。特別安いというわけではありませんが、キャプチャーボードとしては平均的な価格です。また、上で述べたとおりAmazonでセール対象になることが年に何回かあります。チャンスを狙って購入してください。
なお、これは余談ですが、筆者の環境では付属ソフトをアップデートすると、高い確率でゲーム画面が映らなくなります(「受信なし」状態)。しかし、USBを抜き差しすると直ります。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。
コメント
HD60とHD60proの比較で、マスターコピー機能について違うことが書いてありました。HD60の比較サイトではHD60proがマスターコピー機能があると書いてあるのですが、HD60proのサイトでの比較表ではHD60がマスターコピー機能に対応していると書いてあります。どっちが正解ですか?
HD60もHD60 Proも、どちらもマスターコピー機能は搭載されています。
Amazonの商品ページを下にスクロールしたところに
比較表があります。
https://www.amazon.co.jp/dp/B00MIQ40JQ
お忙しい所すみませんご質問なのですが、
私ノートパソコンしか持っていないのですがそれだと配信というのは無理なのでしょうか…?(知識が全くなくすみません…)
また、先日こちらのサイトで拝見させて頂きまして、HD60sも購入したのですが、画像みながらでも繋がらなく…端子の部分がHDMIとUSBのタイプとかでoutに差し込むと行けたりするのでしょうか…?
文中にソフトウェアエンコードとありますがハードウェアの間違いではないでしょうか
ありがとうございます。
下記サイトにて
「ソフトウェアエンコード式」「ソフトウェアエンコード対応」とあるので、
これに合わせるかたちで当サイトでもソフトウェアエンコードとしています。
https://www.amazon.co.jp/dp/B01DRWCOGA
https://www.softbankselection.jp/cart/ProductDetail.aspx?sku=4260195391161
アマレコTVに非対応とのことですが、アマレコTV4を使用したところ問題なく出力出来ました。
特に支障なくプレイ出来ております。
ご報告ありがとうございます。
確認したところ、たしかにHD60 SでアマレコTVが使えました。
もしやと思い、HD60 Proのほうも試したのですが、
こちらもいけました。
いつのまに…。
アマレコTVについての記述を削除し、
wikiのほうも近日中に修正します。
ありがとうございました。