OBS Studio(以下OBS)をバージョン31.0以降にアップデートした場合、PCゲームによってはOBSに画面を映せないことがあるかもしれません。
この問題のポイントは3つです。
- バージョン31.0以降で発生(2024年12月上旬から)
- 一部のPCゲームで発生(例 : VALO、LoL)
- 「ゲームキャプチャ」使用時に発生
対処法を見ていきましょう。
5分あれば簡単にできます。OBSの不具合ではないので安心してください。
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目次
問題の所在
映らない、重い、動かない、ゲームが起動しない
筆者は毎日のルーティーンとして、Xで「OBS」というワードを検索しているのですが、今回のトラブルで登場する表現は以下のとおりです。
- 画面が映らない、真っ黒、真っ暗
- カクカクする、カクつく、ガクガクする、重い、ラグい
- ゲームがフリーズする、固まる、動かない、クラッシュする
- OBS起動中はゲームが起動しない、落ちる
このように表現が一様ではありません。
ただ、はっきりしているのは一部のPCゲームの画面がOBSに映らず、不具合が起きているように見える(あくまでも表面上は)という点です。
PCゲームの例
すべてのゲームの画面が映らないわけではありません。
問題が起きているのは、あくまでも一部のPCゲーム、それもアンチチートソフトを利用しているPCゲームです。
参考Capture Hook Certificate Update
アンチチートソフトとは、端的にいえばゲーム上のチート(不正)を防止するためのツールです。これを使っているゲームで問題が起きています。
すべてを列挙することはできませんが、以下のようなゲームです。
- VALORANT(ヴァロラント)
- League of Legends(LoL、リーグ・オブ・レジェンド)
- Fortnite(フォートナイト、フォトナ)
- Counter-Strike 2(CS2、カウンターストライク2)
XではRiot Gamesのタイトルで困っている人が多いのですが、このほか以下のようなゲームも言及されることがあります(詳細は不明)。
- ARMORED CORE VI(AC6、アーマード・コア6)
- ELDEN RING(エルデンリング)
バージョン31.0以降で発生
今回の問題は、OBSのバージョンが31.0以降であることを前提としています。
2025年2月18日時点では、以下のバージョンが該当します。
- 31.0.0
- 31.0.1(最新バージョン)
原因はOBSのコード証明書の更新
トラブルの原因はOBSの不具合ではありません。
バージョン31.0で、「ゲームキャプチャ」を行うためのコード署名証明書というものが更新されたことが原因です。
ゲーム側がこの新しいコード署名証明書に対応していない場合、トラブルが起きます。
そのため、根本的な問題解決のためにはゲームメーカー側の対応が必要です。
対処法は3つあるが、注意が必要
対処法は3つあります。
- ダウングレードする
- 「ウィンドウキャプチャ」を使う
- 「画面キャプチャ」を使う
Xだと1番めの方法を採用する人が多いですが、どれでもかまいません。すべて5分以内に終わります。作業時間は大差ありません。
ただし、注意点として正しい方法でやらないと解決できません。解説を読み飛ばさないようにしてください。
どの方法でもポイントさえ押さえておけば必ず解決できます。
対処法1 : ダウングレードする
これは、OBSのバージョンを30.2.3にダウングレードする対処法です。
なぜ30.2.3に戻すのかというと、31.0の直前のバージョンであり、かつコード署名証明書が更新される以前のバージョンだからです。
「ゲームキャプチャ」関連ファイルを削除
ポイントは、「ゲームキャプチャ」のファイルを削除するという点です。これを行わないと問題が解決しないケースがあるかもしれません。
やり方は以下のとおりです。
- OBS、およびゲームを終了する(必ず両方閉じる)。
- Windowsキー + Rキーを押す。
- 「ファイル名を指定して実行」ウィンドウが表示される。
- 「%ProgramData%/obs-studio-hook」と入力する(コピペが確実)。
- 「OK」をクリックする。
- 「obs-studio-hook」フォルダーが開く。
- 同フォルダー内の4つのファイルをすべて削除する。
バージョン30.2.3をダウンロード
つぎに、いよいよOBSのダウングレードとなります。通常版とSteam版でやり方が異なるので注意してください。
なお、OBSをアンインストールする必要はありません。
<通常版>
- GitHubにアクセスする。
- ページを下にスクルロールして「Assets」を探す。
- 「OBS-Studio-30.2.3-Windows-Installer.exe」をクリックする。
- ダウンロードしたEXEファイルを実行する。
- よくわからない場合は、こちらを参照のこと。
<Steam版>
- Steamを起動して「ライブラリ」を開く。
- 左メニューなどから「OBS Studio」を探す。
- 「OBS Studio」上で右クリックして「プロパティ」をクリックする。
- 「ベータ」を開く。
- 「ベータへの参加」の部分で「30.2 - 30.2 Release」をクリックする。
- よくわからない場合は、こちらを参照のこと。
直らない?
「ダウングレードしたのに直らない」というポストをXで見かけることがあります。
以下の点を確認してください。
- 「obs-studio-hook」フォルダー内の4つを消す(上述)
- OBS、ゲームの両方を再起動する
- 「ウィンドウキャプチャ」などを試す(後述)
対処法2 : 「ウィンドウキャプチャ」を使う
ダウングレードを避けたい場合は、「ウィンドウキャプチャ」でゲーム画面をOBSに映しましょう。「ゲームキャプチャ」に拘る必要はありません。
やり方は以下のとおりです。
- OBS、ゲームを終了しておく。
- OBSを起動する。
- 「ゲームキャプチャ」を削除する。
- ゲームを起動する。
- ゲームがフルスクリーンの場合は、ウィンドウフルスクリーンモード(またはウィンドウモード)にする
- 「ウィンドウキャプチャ」を追加する。
- 「ウィンドウ」でゲームを選ぶ。
- 「キャプチャ方法」を「Windows 10 (1903以降)」にする。
ポイントは、1番めと5番めです。
まず、ゲーム側でフルスクリーンモードを解除してください。そうしないと「ウィンドウキャプチャ」で画面を取り込めません。
また、「ウィンドウキャプチャ」の「キャプチャ方法」は、「自動」だと画面を取り込めないケースがあります。

対処法3 : 「画面キャプチャ」を使う
「画面キャプチャ」でもゲーム画面を映せます。
- OBS、ゲームを終了しておく。
- OBSを起動し、「ゲームキャプチャ」を削除する。
- ゲームを起動する。
- 「画面キャプチャ」を追加する。
- 「ディスプレイ」でモニターを選ぶ。

参考にしたサイト
「すたいるのOBS情報メモブログ」を参考にさせていただきました。
コード署名証明書の問題について、経緯も含めて詳しい情報が掲載されています。情報が早いうえに詳しく、信頼できるサイトです。ぜひ目を通してみてください。
まとめ
今回の対処法は、今後も役立ちます。
- OBSをダウングレードする
- 「ゲームキャプチャ」以外の方法でキャプチャーする
とくに、PCゲームの画面が映らなかったときは「ウィンドウキャプチャ」なども積極的に試してください。
筆者の経験上、「ゲームキャプチャ」に不必要に拘りすぎる人が多い印象があります。
また、もし今後トラブルが起きたときは、下記ページも参考にしてください。情報をまとめています。

2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。