GV-USB2は、レトロゲーム機用のキャプチャーボードです。
この製品は、最新のゲーム機には対応していません。しかし、古い世代のゲーム機の画面をPCに映してゲーム実況したいという場合に有用なのです。
特長は3点です。
- レトロゲーム機が好きな人に向いている
- 安価な価格で購入できる
- かつての定番で、Amazonではいまだに人気がある
目次
初めに必ず確認しよう
対応ゲーム機の例
まず、GV-USB2が対応しているゲーム機を確認しておきましょう。以下は一例です。
- PS3
- PS2
- PS1
- PSP-3000
- Wii U
- Wii
- GC
- N64
- SFC
- NEW FC
SwitchやPS5/PS4を接続することはできません。GV-USB2にはHDMI端子が搭載されていないため、これらのゲーム機とは接続できないのです。
画質が悪いのは仕様
GV-USB2の画質の悪さに驚かないようにしてください。ぼやけた画質です。
現代のゲーム機は、当然のようにHDMI端子を搭載しており、1080pに対応しています。しかし、むかしのゲーム機(PS3登場前)はそうではありませんでした。
また、GV-USB2はHDMI端子を搭載しておらず、解像度は480iまでしか対応していません。用語が難しいかもしれませんが、低画質なのが仕様ということです。
もっとも、GV-USB2の黒い端子(S端子)でゲーム機を接続すれば、色のにじみは減ります。しかし、劇的な画質向上は見込めません。
USB 3.0に接続するとフリーズ
GV-USB2とPCを接続するときは、PCのUSB 2.0端子を使ってください。USB 3.0端子に接続するとフリーズすることがあります。
GV-USB2/HQ、GV-USB2/Aとの違い
GV-USB2/HQ(Amazon)は、動画編集ソフトが付属されているモデルです。これを使ったからといって、画質が上がるわけではありません。
また、GV-USB2/A(Amazon)はAndroid端末に対応した製品です。しかし、2020年11月30日をもってアプリ配布が終了しました。通常は購入の必要のないモデルでしょう。
ソフトをインストールしよう
まず、ドライバーをインストールします。
- 公式サイトにアクセスする。
- OSを選択して、ドライバーをダウンロードする。
- 「gvusb2_111.exe」を起動する。
- 「gvusb2_111」フォルダ内の「GVUSB2.exe」を起動する。
- 「ドライバインストール」をクリックする。
つぎに、キャプチャーソフトであるLightCaptureをインストールします。
なお、GV-USB2に添付されているCD-ROMからもソフトをダウンロードできます。
ゲーム機をGV-USB2に接続しよう
ゲーム機とGV-USB2をつなぐために、AV端子ケーブルを準備しましょう。ゲーム機に同梱されていたものでかまいません。黄・白・赤の3色のケーブルです。
ただし、PSP-3000の場合、同ケーブルは別売りです。別途購入しなくてはいけません。
付属ソフトにゲーム画面を映そう
それでは、LightCaptureにゲーム画面を映してみましょう。ゲーム機の電源を入れてください。通常はこれだけで画面が映り、音も出ます。
▲少し横長の画面になります。4:3の縦横比を指定できる設定があればよいのですが、LightCaptureにはありません。出典 : 『ストリートファイターIII 3rd STRIKE ONLINE EDITION』(カプコン)
注意が必要なのは、PS3の場合です。かりに、いままでPS3とTVをHDMI接続してゲームをプレイしていたのであれば、ゲーム画面は映りません。
そこで、PS3側の映像出力設定を変更する必要があります。やり方ですが、PS3の電源を5秒以上、「ピッ」と鳴るまで長押しして起動してください。画面が映ります。
このLightCaptureですが、あくまでも画面が映るかどうか確認するためのソフトで、実用性はあまりないと思ったほうがよいでしょう。代わりに、OBS Studioというソフトがあります(後述)。
遅延を回避する方法
GV-USB2にも遅延(タイムラグ)があります。
遅延を回避したいのであれば、分配AVケーブルとTVを用意してください。前者は、ゲーム機の映像・音声を2分配して出力できます。
そして、下図のように接続してゲーム機の映像・音声をTVに出力するのです。PCではなくTVを見ながらゲームをプレイすれば、GV-USB2の遅延の影響は受けません。
ただ、近年のTVはコンポジット端子を搭載していないものが一般的であるため、事前に同端子の有無を確認しておきましょう。
OBSにゲーム画面を映すための設定
準備
近年、録画にもライブ配信にも使えるソフトとして、OBS Studio(以下OBS)を使用する人が増えてきました。
じつは、LightCaptureがなくてもOBSがあれば困りません。そこで、簡単に設定方法だけ掲載しておきます。インストール方法は下記ページをご覧ください。
まず、LightCaptureにゲーム画面が映っていること、およびゲーム音が出ていることを確認します。ここで問題があるかないか明確にすることで、あとで不具合が起きたさいに問題の切り分けがしやすくなります。
映像キャプチャデバイスの設定
そして、以下のように設定してください。
- LightCaptureを終了させておく(重要)。
- 「ソース」の「+」をクリックし、「映像キャプチャデバイス」を選択する。
- 適当な名前をつけて「OK」をクリックする。
- 「デバイス」で「GV-USB2, Analog Capture」を選択する。
- 「OK」をクリックする。
- 画面の辺・角をドラッグすると、画面サイズを合わせられる(詳細はこちら)。
ゲーム音については、OBSの初期設定では聞こえないようになっています。設定を変更すればよいだけなので、心配いりません。
インターレース解除
縞模様が入り、ブレたような画面になっているのは、設定でインターレース解除を行っていないからです。
▲出典 : 『ストリートファイターIII 3rd STRIKE ONLINE EDITION』(カプコン)
そこで、以下のように設定しましょう。
- 「映像キャプチャデバイス」上で右クリックする。
- 「インターレース解除」にカーソルを合わせる。
- 「Yadif 2x」を選択する。
ここでどの方法を選ぶかによって、画質(描画)や遅延が違ってきます。ほかのものも実際に試してみてください。
画面縦横比
映像が横長になっていても心配ありません。画面の縦横比(アスペクト比)はOBSで変更できます。
- 「映像キャプチャデバイス」上で右クリックし、「フィルタ」をクリックする。
- 「エフェクトフィルタ」の「+」をクリックし、「スケーリング/アスペクト比」をクリックする。
- 「OK」をクリックする。
- 「解像度」で任意のものを選択する(例 : 4:3)。
まとめ
レトロゲーム機の画面をPCに映す方法は、ほかにも複数あります。
しかし、GV-USB2を使うやり方がいちばん簡単です。価格も数千円と安いので、手軽にゲーム実況を始めたいなら購入してみてください。
設定で重要なポイントは以下の3つです。
- PS3やWii Uの場合、映像出力設定が不適切だと画面が映らない
- インターレース解除を行うことで、縞模様が消える
- 画面縦横比は4:3が基本
むかしのゲーム機ならではの注意点があるので、そこだけ気をつけましょう。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。