【OBS】マイク音量が小さいときの対処法。コンプレッサーなど全6種類

OBS Studio(以下OBS)で

  • マイクの音が小さい(自分の声が小さい)
  • マイクが音を拾ってくれない
  • マイクの音を大きくしたい

と感じたとき、どのように対処すればよいのでしょうか。その方法を見ていきましょう。

マイクの音が小さい

関連 OBSでゲーム音が小さいときの対処法。音量を確認し、上げるには?

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基本的なこと3点

まず、以下の3点を確認してください。

  • マイクと口の距離・角度は適切か
  • 大きな声で話しているか
  • 周辺機器のノブを調節しているか

マイクと口の距離・角度が不適切だと、音量・音質に悪影響が出ます。可能であれば3cmくらいまで近づいてください。遠くても20cmくらいが限度です。

ヘッドセットを着用している女性

また、自分1人だけで声を出すと、だれかと会話するときより声が小さくなりがちです。会話時の話し声を意識する必要があります。

もし周辺機器であるオーディオインターフェイスを導入している場合は、その物理的なつまみ、フェーダー(ゲイン)でマイク音量を調節してみましょう。

オーディオインターフェイスのノブ

少し高価なUSBマイクの場合も、本体前面につまみ(ゲイン)が存在するかもしれません。やはりマイク音量を調節できます。

音量調節

厳密には「音量」と「ゲイン」は異なりますが、当サイトではわかりやすさを優先し、表記を「音量」で統一しています。

レベルメーターの見方

マイク音量が小さいかどうかは、OBSの「音声ミキサー」部分にあるレベルメーターを見て判断しましょう。

マイクに声を入れたとき(ボソボソの話し声ではなく)、黄色を通り越して赤色まで到達することがあっても問題ありません

マイク音量の理想

誤解しやすいところですが、赤色範囲=ダメというわけではありません。

しかし、レベルメーター「全体」が一瞬赤く点灯した状態になるのは避けましょう。この状態だと音割れ(クリッピング)が発生し、音質が低下します。

音割れ

では、きちんと声を出しているのに、メーターが緑色の左側部分でずっと小さく動いているだけという場合はどうでしょうか。

マイク音量が小さすぎる

この場合はマイク音量が小さい状態です。

もしゲームをプレイしたりBGMを再生したら、配信者の声はゲーム音・BGMにかき消されてしまうでしょう。視聴者が配信から離脱する原因になります。

そこで対処法です。

【重要】OBSでゲーム・BGM音量を下げよう

まず、OBS側でゲーム・BGM音量は必ず下げてください

デスクトップ音声、フェーダー

初期設定のままだとゲーム・BGM音量が自分の声に対して大きすぎます。

ここでいう「ゲーム・BGM音量」とは、OBSの「音声ミキサー」の部分で表示される以下のようなものです。

  • デスクトップ音声
  • 映像キャプチャデバイス
  • アプリケーション音声キャプチャ
  • ゲームキャプチャ(「音声をキャプチャ」ON時)
  • ウィンドウキャプチャ(「音声をキャプチャ」ON時)

配信内容にもよりますが、ゲーム・BGM音量は-25~-30dB(デシベル)くらいになるまでフェーダーを左に移動してみてください。あとは視聴者に聞きながら調整です。

極論を書くと、自分の声以外の音はすべて下げるという意識でかまいません。

ゲーム音量の具体的な下げ方、音量の目安・バランスの取り方については、下記ページに詳しく情報をまとめました。

【OBS】音量バランス完全ガイド|マイク音・ゲーム音の目安と調整手順
OBS Studio(以下OBS)を使ううえで難題のひとつが、ゲーム実況における音量バランスです。 ゲーム配信でよくあるケース...

カメラ・PCの内蔵マイク選択していないか?

注意したいのですが、誤って別のマイクを選択しているケースがあります。

  • WEBカメラ内蔵マイク
  • ノートPC内蔵マイク

Webカメラ

これらのマイクをOBSで選択していると、内蔵マイクと口の距離が離れた状態で声がマイクに入ることになります。

結果、声が遠くから聞こえることになり、マイク音量が小さくなります。

「そんなことがあるわけがない」と思うかもしれません。しかし、筆者の経験上、珍しいケースではありません。たびたびあります。

そこで、OBSの「設定」→「音声」→「マイク音声」の設定が正しいか確認してください。

マイク音声

基本的なマイク設定については、必ず見直しておく必要があります。

【OBS】丁寧なマイク音声の設定方法。音量・ノイズで詰まないために
OBS Studio(以下OBS)でマイクを使用する場合、多くの人を悩ませるのがその音声設定です。 マイク設定をまちがると(あ...

Windowsの設定を変更しよう

Windowsのサウンド設定画面を開いて、録音デバイスの「マイク」を最大にする方法です。

  1. Windowsキー + Rキーを押す。
  2. 「mmsys.cpl」と入力し、「OK」をクリックする。
  3. 「録音」タブを開く。
  4. 「マイク」をダブルクリックする。
  5. 「レベル」タブを開き、「マイク」を最大にする。

Windowsの録音デバイスのマイク音量
▲画面に表示される項目名は、PC環境によって異なります。

Windowsのサウンド設定は忘れがちですが、基本中の基本です。必ずチェックするようにしてください。

【Win 11】絶対に確認すべき。マイク・ヘッドセットのサウンド設定
マイクをPCで使う前に必読!Windows 11で「マイクが認識しない、声が入らない」とならないための設定方法を画像付きで解説。OBS、Discordにも対応しています。
Windowsの「マイク」は、基本的には最大にしたあとは触らず、ほかの部分でマイク音量を調整します。

音声ミキサーで調整しよう

OBSの「音声ミキサー」にある「マイク」音量が最大になっているか、確認してください。通常は最大でかまいません。

マイク音量最大

「音声ミキサー」の歯車アイコンから「オーディオの詳細プロパティ」で、マイク音量をさらに上げることもできます。

オーディオの詳細プロパティ

「マイク」の部分は、最大で26dBまで設定できるようになっています。ただし、実際にはノイズも増幅されるので、ここまで大きな数字は入力しません。

オーディオの詳細プロパティ

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ゲインを使おう

ここからは音声フィルターの話になります。

ゲインは、単純にマイク音量を上げる(増幅させる)ことができます。スライダーを右に動かすほどマイクの音が大きくなります。

ゲイン

単純にマイク音量が小さいなら、このゲインフィルターを使う方法がもっともシンプルです。

実際に使ってみましょう。「マイク」横にある縦の3点リーダーをクリックし、「フィルタ」を選択します。

フィルタの追加
▲「デスクトップ音声」とまちがいやすいですが、「マイク」横にあるアイコンをクリックします。

「+」をクリックすると「ゲイン」があります。

音声フィルター、ゲイン

ゲインを追加したら、レベルメーターを見ながら音量を調整してください。最大で30dBまで設定できますが、音質の問題があるので最大にはしません

強くかけすぎると「サーッ」というノイズ(ホワイトノイズ)も大きくなります。

コンプレッサー/アップワードコンプレッサーを使おう

コンプレッサー(コンプ)は、音量を大きくできる点ではゲインと同じです。

コンプレッサー

しかし、音のバラつきを整えたうえで大きくできる点が異なります。

具体的には、以下のような効果があります。

  • 大きな音を潰し(圧縮)、音量の大小をそろえて聞きやすくする
  • 音全体を持ち上げて大きくする
  • 音の密度を高める、音圧を上げる

コンプレッサー

「大きな音を潰す」という点が重要です。そうすることで、大きな音と小さな音との音量差が少なくなり、結果的に全体の音量を底上げしやすくなるからです。

使い方ですが、まずはマイクに音声フィルターを追加しましょう。

フィルタの追加

「+」から「コンプレッサー」をクリックします。

コンプレッサー

基本的には、初期設定から大きく変更しないほうがよいかもしれません。「少し」変えてみるという程度に設定を変更します。

説明
しきい値(スレッショルド) ・音を潰すかどうかの基準
・これよりも大きな音が潰される
・小さくしすぎると、あらゆる音が潰されてしまう(音が不自然になる)
・メーターを見ながら音のピークよりも少し下の値にする
比率(レシオ) ・しきい値よりも大きな音をどの程度潰すのかの設定(圧縮の比率)
・しきい値を超えた音が潰されて小さくなる
・10:1なら、しきい値を超えたぶん(dBの変化量)が10分の1になる(というイメージ)
・無難に考えるなら3:1や4:1がおすすめ
アタックタイム ・しきい値を超えた音をどのくらいの速さで潰すかの設定(レシオに達するまでの速さ)
・6msなら6msかけて、しきい値を超えたぶん(dBの変化量)がレシオに応じた大きさになる
・10~15msがおすすめ(短すぎると子音が消える)
リリースタイム ・しきい値を下回った音をどのくらいの速さで戻すのかの設定
・アタックタイムとは逆の設定
・50~200msがおすすめ(長すぎると音が不自然に小さくなる)
出力ゲイン 音を潰したあと全体の音量を大きくする設定
・設定を変更しないと音が小さいまま
・メーターを見ながら大きくする

コンプレッサーの設定が不適切だと、

  • 音がうねるような感じになる(音量が不安定)
  • 抑揚のない音になる
  • 音がこもる
  • 音が割れる
  • 音が聞こえづらくなる

といった現象が起こります。

なお、バージョン29.0でアップワードコンプレッサーが追加されました。

アップワードコンプレッサー

アップワードコンプレッサーは、コンプレッサーとは逆のアプローチをとります。

  • アップワードコンプレッサー : 基準より小さな音を持ち上げる
  • コンプレッサー : 基準より大きな音を潰してから音全体を持ち上げる

よくわからない場合は、アップワードコンプレッサーよりもコンプレッサーのほうをを使ってみてください。

音声フィルターの順番に注意しよう

音声フィルターは上から順に適用されます。この順番は音質に影響するので注意してください。

フィルターの順番

もし「ノイズ抑制」「ゲイン」「リミッター」の3つを追加しているのであれば、

  1. ノイズ抑制
  2. ゲイン
  3. リミッター

となるように、音声フィルターをドラッグして順番を調整しましょう。

この順番の場合、ノイズ抑制でノイズを消してからゲインで音量を大きくします。

リミッターは音割れを防止する最後の防波堤として機能するので、いちばん下に配置します。

よけいな音声フィルターは削除しよう

ここまでやってまだマイク音量が小さいのであれば、ほかのフィルターが影響しているかもしれません。

音声フィルターを削除するには、音声フィルターをクリックしたうえでゴミ箱アイコンをクリックします。

削除

音声フィルターの有効・無効の切り替えは、目のアイコンをクリックします。

フィルターの有効・無効

設定をもとに戻したい場合は、「既定値」をクリックしてください。設定がリセットされます。

既定値

「サーッ」というノイズについて

以上の設定で、ひょっとしたら「サーッ」というノイズも大きくなったかもしれません。

この場合、

  • エアコンなどのノイズ発生源を止める
  • ゲインフィルター、コンプレッサーの設定を変更する
  • 高音質なマイクやオーディオインターフェイスを導入する
  • OBSの音声フィルターを使ってノイズを除去する

といった対処法が考えられます。

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コメント

  1. pp より:

    喋っている時に、メーターが黄色~赤に達するようにゲインを調整すると、何も喋っていない時に、常にメーターが緑の範囲内で動くのですが正常でしょうか?
    モニターで自分の声を聴くとかなりのノイズが入っていますが、録音や配信をしてみると、気になる程のノイズは乗っていません。