OBS Studio(以下OBS)で
- マイクの音が小さい
- マイクが音を拾ってくれない
- マイクの音を大きくしたい
と感じたとき、どのように対処すればよいのでしょうか。その方法を見ていきましょう。
関連 OBSでゲーム音が小さいときの対処法。音量を確認し、上げるには?
目次
基本的なこと4点
以下の4点を確認してください。
- マイクと口の距離・角度は適切か
- 大きな声で話しているか
- 周辺機器のノブを調節しているか
- 使用するマイクをOBSで正しく選択しているか
マイクと口の距離・角度が不適切だと、音量・音質に悪影響が出ます。とくにスタンドマイクを使用している場合、マイクが離れがちになるので注意してください。
また、自分1人だけで声を出すと、だれかと会話するときより声が小さくなりがちです。ふだんの話し声を意識する必要があります。
もし周辺機器であるオーディオインターフェイスを導入している場合は、その物理的なつまみ、フェーダーでマイク音量を調節してみましょう。
少し高価なUSBマイクの場合も、本体前面につまみが存在するかもしれません。やはりマイク音量を調節できます。
最後に、OBSの「設定」→「音声」→「マイク音声」の設定が正しいか確認してください。
たまに誤ってWEBカメラ内蔵マイク(またはノートPC内蔵マイク)を選択する人がいます。その場合、マイクと口の距離が遠いのでマイク音量が小さくなります。
レベルメーターの見方
マイク音量が小さいかどうかは、OBSの「音声ミキサー」部分にあるレベルメーターを見て判断しましょう。
マイクに声を入れたとき(ボソボソの話し声ではなく)、黄色の範囲に収まるのが理想です。ただ、たまに赤色まで到達することがあっても問題はありません。
しかし、レベルメーター「全体」が一瞬赤く点灯した状態になるのは避けましょう。この状態だと音割れ(クリッピング)が発生し、音質が低下します。
では、きちんと声を出しているのに、メーターが緑色の左側部分でずっと小さく動いているだけという場合はどうでしょうか。
この場合はマイク音量が小さい状態です。
もしゲームをプレイしたりBGMを再生したら、配信者の声はゲーム音・BGMにかき消されてしまうでしょう。視聴者が配信から離脱する原因になります。
そこで対処法です。
【重要】OBSでゲーム・BGM音量を下げよう
まず、OBS側でゲーム・BGM音量は必ず下げてください。初期設定のままだとゲーム・BGM音量が自分の声に対して大きすぎます。
ここでいう「ゲーム・BGM音量」とは、OBSではたとえば以下のようなものをさしています。
配信内容にもよりますが、ゲーム・BGM音量は-30dBくらいになるまでフェーダーを左に移動してみてください。あとは視聴者に聞きながら調整です。
ゲーム音量の具体的な下げ方、音量の目安・バランスの取り方については、下記ページに詳しく情報をまとめました。
Windowsの設定を変更しよう
Windowsのサウンド設定画面を開いて、録音デバイスの「マイク」の音量を最大にする方法です。
- Windowsキー + Rキーを押す。
- 「mmsys.cpl」と入力し、「OK」をクリックする。
- 「録音」タブを開く。
- 「マイク」をダブルクリックする。
- 「レベル」タブを開き、「マイク」の音量を最大にする。
▲画面に表示される項目名は、PC環境によって異なります。
Windowsのサウンド設定は忘れがちですが、基本中の基本です。必ずチェックするようにしてください。
音声ミキサーで調整しよう
OBSの「音声ミキサー」にある「マイク」音量が最大になっているか、確認してください。通常は最大でかまいません。
「音声ミキサー」の歯車アイコンから「オーディオの詳細プロパティ」で、マイク音量をさらに上げることもできます。
「マイク」の部分は、最大で26dB(デシベル)まで設定できるようになっています。ただし、実際にはノイズも増幅されるので、ここまで大きな数字は入力しません。
ゲインを使おう
ゲインは、単純にマイク音量を上げる音声フィルターです。スライダーを右に動かすほどマイクの音が大きくなります。
実際に使ってみましょう。「マイク」横にある縦の3点リーダーをクリックし、「フィルタ」を選択します。
▲「デスクトップ音声」とまちがいやすいですが、「マイク」横にあるアイコンをクリックします。
「+」をクリックすると「ゲイン」があります。
ゲインを追加したら、レベルメーターを見ながら音量を調整してください。最大で30dBまで設定できますが、音質の問題があるので最大にはしません。
コンプレッサーを使おう
コンプレッサー(コンプ)は、音量を大きくできる点ではゲインと同じですが、音のバラつきを整えたうえで大きくできる点が異なります。
具体的には、以下のような効果があります。
- 大きな音を潰し、音量の大小をそろえて聞きやすくする
- 音全体を持ち上げて大きくする
- 音の密度を高める、音圧を上げる
使い方ですが、さきほどのゲインと同じで、まずはマイクに音声フィルターを追加しましょう。
「+」から「コンプレッサー」をクリックします。
基本的には、初期設定から大きく変更しないほうがよいかもしれません。コンプレッサーを強くかけすぎると音がゆがみ、うねるような音になります。
説明 | |
しきい値 | ・音を潰すかどうかの基準 ・これよりも大きな音が潰される |
比率(レシオ) | ・スレッショルドよりも大きな音をどの程度潰すのかの設定 ・10:1なら10分の1の音量に |
アタックタイム | ・スレッショルドを超えた音をどのくらいの時間で潰すかの設定 ・6msでレシオが10:1なら6msで10分の1の音量に |
リリースタイム | ・スレッショルドを下回った音をどのくらいの時間で戻すのかの設定 ・アタックタイムとは逆の設定 |
出力ゲイン | ・音を潰したあと全体の音量を大きくする設定 ・メーターを見ながら調整 |
削除、既定値について
追加した音声フィルターを削除するには、音声フィルターをクリックしたうえでゴミ箱アイコンをクリックします。
また、設定をもとに戻したい場合は、「既定値」をクリックしてください。設定がリセットされます。
「サーッ」というノイズについて
以上の設定で、ひょっとしたら「サーッ」というノイズも大きくなったかもしれません。
この場合、
- 口元とマイクの距離を近づける
- 大きな声を出す
- ノイズ源をマイクから離す、ノイズを止める
- ゲインを下げる
- 高音質なオーディオインターフェイス・マイクを導入する
- OBSの音声フィルターを使って、ノイズを除去する
といった対処法が考えられます。
とくにオーディオインターフェイスの導入が重要になってくると思ってください。
大きなマイク音量で、かつノイズの少ない音質で配信するというのは、一筋縄ではいきません。きちんとした環境が必要になります。たとえば、AG03がおすすめです。
音声フィルターの順番について
音声フィルターは上から順に適用されます。この順番は音質に影響するので注意してください。
もし「ノイズ抑制」と「コンプレッサー」の2つを追加しているのであれば、
- ノイズ抑制
- コンプレッサー
となるように、音声フィルターをドラッグして順番を調整します。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。