【OBS Studio】マイク音量が小さいときの対処法。コンプレッサーなど全5種類

OBS Studio(以下OBS)を使用していて

  • マイクの音が小さい
  • マイクが音を拾ってくれない
  • マイクの音を大きくしたい

と感じたとき、どのようにして対処すればよいのでしょうか。その方法を見ていきましょう。

関連 OBSでゲーム音が小さいときの対処法。音量を確認し、上げるには?

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レベルメーターで音量を確認しよう

マイク音量が小さいかどうかは、OBSの「音声ミキサー」部分にあるレベルメーターを見ればわかります。

レベルメーター

マイクに大きな声を入れたとき、黄色の範囲、または赤色の左半分に収まるのが理想です。

レベルメーター

レベルメーター

誤解しやすいところですが、メーターが赤色の範囲まで届くこと自体は問題ありません

しかし、レベルメーター「全体」が一瞬赤く点灯した状態になるのは避けましょう。この状態だと音割れ(クリッピング)が発生し、音質が低下します。

音割れ

(1)メーターが赤色の部分まで届くことと、(2)メーター全体が赤く点灯することは区別して考える必要があります。避けるべきは(2)です。

では、緑色のずっと左側部分で動いているだけという場合はどうでしょうか。この場合は、マイク音量が小さい状態だと思ってください。もしBGMを再生したとしたら、配信者の声はかき消されて視聴者に聞こえません。

音が小さい

なお、レベルメーターがまったく動いていない場合は、マイクの音が入っていない状態を意味します。

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基本的な点を確認しよう

以下の2点を確認しましょう。

  • マイクと口の距離・角度は適切か
  • 大きな声で話しているか

マイクと口の距離・角度が不適切だと、音量・音質に悪影響が出ます。とくにスタンドマイクを使用している場合、マイクが離れがちになるので注意してください。

また、もし周辺機器であるオーディオインターフェイスを導入している場合は、その物理的なノブ・つまみ、フェーダーでマイク音量を調節できます。

オーディオインターフェイスのノブ

Windowsの設定を変更しよう

Windowsのサウンド設定画面を開いて、録音デバイスの「マイク」の音量を最大にする方法です。

  1. Windowsキー + Rキーを押す。
  2. 「mmsys.cpl」と入力し、「OK」をクリックする。
  3. 「録音」タブを開く。
  4. 「マイク」をダブルクリックする。
  5. 「レベル」タブを開き、「マイク」の音量を最大にする。

Windowsの録音デバイスのマイク音量
▲画面に表示される項目名は、PC環境によって異なります。

「マイク」の音量は、最大にしておけば問題ありません。ここは基本的に固定しておき、ほかの部分でマイク音量を調整します。

音量を「音声ミキサー」で調整しよう

「マイク」を最大に

OBSの「音声ミキサー」にある「マイク」音量が最大になっているか、確認してください。通常は最大でかまいません。

ミキサーのマイク音量

「音声ミキサー」の歯車アイコンから「オーディオの詳細プロパティ」で、マイク音量をさらに上げることもできます。

オーディオの詳細プロパティ
▲ここに歯車アイコンがない場合は、上部メニューバー「編集」→「オーディオの詳細プロパティ」でも開けます(バージョン28.0以上で同アイコンが表示)。

「マイク」の部分は、最大で26dB(デシベル)まで設定できるようになっています。ただし、実際にはノイズも増幅されるので、ここまで大きな数字は入力しません。

オーディオの詳細プロパティ

「デスクトップ音声」を下げる

ゲーム配信や雑談配信では、配信者の声を聞きやすくするために「デスクトップ音声」は少し下げましょう

デスクトップ音声

ここを下げればゲーム音(BGM)は小さくなり、声とのバランスがとりやすくなります。

視聴者に「ゲーム音が大きすぎる」と言われた場合は、いったん「デスクトップ音声」を下げましょう。

「映像キャプチャデバイス」を下げる

さらに、キャプチャーボードを使用している場合は「映像キャプチャデバイス」の音量も下げます。

映像キャプチャデバイス

具体的には、「プロパティ」の「音声出力モード」を「音声のみをキャプチャ」にしている場合に、「映像キャプチャデバイス」の音量を下げてください。

もしここを「デスクトップ音声出力」にしている場合は、「デスクトップ音声」のほうを下げます。

よくわからない場合は、「映像キャプチャデバイス」と「デスクトップ音声」の両方を下げておきましょう。

ゲイン、コンプレッサーを追加しよう

ゲインという機能、あるいはコンプレッサーという機能を使うことで、マイク音量を上げる方法もあります。OBSでは、音声フィルターを追加して使います。

まず「マイク」横にある縦の3点リーダーをクリックしてください。そして、「フィルタ」を選択します。

フィルタの追加

表示された設定画面で「+」をクリックすると、「ゲイン」と「コンプレッサー」の2種類があります。

音声フィルターの追加

ゲインを使おう

ゲインは、単純に音量を上げる音声フィルターです。スライダーを右に動かすほどマイクの音が大きくなります。

ゲイン

レベルメーターを見ながら音量を調整してください。最大で30dBまで設定できますが、やはり音質の問題があるので最大にはしません。

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コンプレッサーを使おう

コンプレッサーをかける意味

コンプレッサー(コンプ)は、ゲインよりも複雑な音声フィルターです。

音量を大きくできる点ではゲインと同じですが、音のバラつきを整えたうえで大きくできる点が異なります。

コンプレッサー

具体的には、以下のような効果があります。

  • 大きな音を潰し、音量の大小をそろえて聞きやすくする
  • 音全体を持ち上げて大きくする
  • 音の密度を高める、音圧を上げる
「大きな音を潰す」という点が重要です。そうすることで、大きな音と小さな音との音量差が少なくなり、結果的に全体の音量を底上げしやすくなるのです。

コンプレッサーは、効果を実感できない場合があるかもしれません。しかし、強くかけすぎると音がゆがみ、うねるような音になります。

閾値

閾値(スレッショルド)は、「しきいち」と読みます。スレッショルドは音を潰すかどうかの基準です。これよりも大きな音だけを潰すことになります。スレッショルドよりも小さな音に対しては、影響しません。

閾値

たとえば、スレッショルドを-18dBに設定したとして、-10dBの音がマイクに入力された場合は、コンプレッサーがかかります。逆に-30dbの音が入力された場合は、コンプレッサーはかかりません。

比率

比率(レシオ、レイシオ)は、スレッショルドよりも大きな音量をどのくらい潰すのかという設定です。

比率

たとえば、レシオを10:1にした場合、スレッショルドで設定した音よりも大きな音が入力されたとき、この音を10分の1にします。初期設定の10:1は、音をしっかりと潰す設定です。

アタックタイム

アタックタイムは、スレッショルドを超えた音を、どのくらいの時間をかけて潰すか、という設定です。

アタックタイム

たとえば、アタックタイムが6ms(ミリセカンド)で、レシオが10:1だとしましょう。この場合、スレッショルドで設定した音よりも大きな音を、6msという時間をかけて10分の1の音量にします。1msは0.001秒です。

リリースタイム

リリースタイムは、アタックタイムとは逆の設定です。スレッショルドを下回った音に対して、どのくらいの時間をかけてコンプレッサーを解除するか決めます。

リリースタイム

出力ゲイン

音を潰すとスレッショルドを超えた音量は小さくなります。また、スレッショルドを超えていない音量についても大きくしたいところです。そこで、出力ゲインで全体の音量を大きくしましょう。

出力ゲイン

削除、既定値について

追加した音声フィルターを削除するには、音声フィルターをクリックしたうえでゴミ箱アイコンをクリックします。

削除

また、設定をもとに戻したい場合は、「既定値」をクリックしてください。設定がリセットされます。

既定値

「サーッ」というノイズについて

マイクの音をゲインやコンプレッサーで大きくすると、「サーッ」というノイズも大きくなったはずです。

この場合、

  • 口元とマイクの距離を近づける
  • 大きな声を出す
  • ノイズ源をマイクから離す、ノイズを止める
  • ゲインを下げる
  • 高音質なオーディオインターフェイス・マイクを導入する
  • OBSの音声フィルターを使って、ノイズを除去する(最後の手段)

といった対処法が考えられます。

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とくにオーディオインターフェイスの導入が重要になってくると思ってください。大きなマイク音量で、かつノイズの少ない音質で配信するというのは、一筋縄ではいきません。きちんとした環境が必要になります。たとえば、AG03がおすすめです。

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