OBS Studio(以下OBS)を使っていると、マイクに入るノイズに悩まされることがあるかもしれません。
自分の声を高音質で入れたいのに、よけいな音が入り込んでしまうケースです。
- 「サーッ」という音
- キーボードの打鍵音、マウスのクリック音
- その他、環境音
しかし、心配ありません。
OBSにはGPUを使ってノイズ除去(ノイズキャンセリング)する機能が搭載されています。
このページのやり方でノイズ問題を解決しましょう。
Windows用の解説です。
関連OBSマイク設定で使ってほしい、音声フィルタおすすめ4種類
目次
【重要】動作環境を確認しよう
GPUを活用したノイズ除去の方法は、すべてのPCで対応しているわけではありません。
NVIDIAのGeforce RTXシリーズを搭載したPCだけが使える機能となっています。Geforce GTXシリーズは非対応です。
実際にGPUを確認してみましょう。
- 画面下部のバー(タスクバー)のなにもない場所で右クリックする。
- 「タスク マネージャー」をクリックする。
- 「パフォーマンス」をクリックする(下図A)。
- 「GPU」をクリックし(下図B)、右上を見る(下図C)。
では、もし自分の環境が対応していない場合はどうしたらよいのでしょうか。この場合は、別の方法でノイズ除去してください。複数の方法があります。
必要なもの
設定自体は簡単にできますが、3つだけ準備しましょう。
OBS Studio 27.0以降
OBSのバージョンは、27.0以降でなくてはいけません。
NVIDIA Broadcast Audio Effects SDK
GPUによるノイズ除去を行うための機能です。
- NVIDIA Broadcast ダウンロード センターにアクセスする。
- 「オーディオ エフェクト」の部分で、自分の環境に合うものをダウンロードする(RTX 40/30/20シリーズ)。
- ダウンロードしたファイルを起動し、画面を順に進める。
一見、名称からするとインストールが難しそうな印象を受けますが、たんに画面を進めていくだけです。
Game Ready ドライバー 466.11以降
グラフィックドライバーを466.xx以降にアップデートしましょう。
PCにNVIDIAアプリ、またはGeforce Experienceがインストールされている環境ならば簡単にできます。
▲NVIDIAアプリの場合は、画面左の「ドライバー」から更新できます。
また、NVIDIA公式サイトでダウンロードする方法もあります。好きな方法でドライバーを入手してください。
OBSで設定しよう
マイクを選択する
まず、マイクをPCに接続します。
つぎに、「設定」→「音声」を開き、使用するマイクを「マイク音声」で選択しましょう。
注意したいのですが、「マイク (NVIDIA Broadcast)」や「マイク (NVIDIA RTX Voice)」を選ぶわけではありません。
なぜなら、NVIDIA BroadcastやRTX Voiceを使うわけではないからです。ふだん使っている物理マイクを選びます。
ノイズ抑制フィルターを追加する
使うマイクを選択できたら、最後にノイズ抑制フィルターをマイクに追加します。
「マイク」横にある縦の3点リーダーをクリックしてください。「デスクトップ音声」ではなく「マイク」です。そして、「フィルタ」をクリックします。
表示された設定画面で「+」をクリックすると、「ノイズ抑制」があります。これをクリックします。
重要なのは「方式」の部分です。複数選べますが、GPUでノイズ除去したいのであれば「NVIDIAノイズ除去」を選択してください。
効き方の強さは、「抑制強度」で調整できます。
自分で音質を確認してみよう
設定が完了しました。
実際にノイズ除去の効果を確認してみましょう。「オーディオの詳細プロパティ」からモニタリングできます。
▲ここに歯車アイコンがない場合は、上部メニューバー「編集」→「オーディオの詳細プロパティ」でも開けます(バージョン28.0以上で同アイコンが表示)。
詳細については、下記ページをご覧ください。
OBS標準のノイズ除去機能について
OBSには、ほかにもノイズ除去機能があります。すなわち、標準搭載されている「RNNoise」と「Speex」の2つです。
今回選んだ「NVIDIAノイズ除去」を含めると、計3つ選べる状態となります。どれがよいのか、迷うかもしれません。
おすすめは、NVIDIAノイズ除去、およびRNNoiseです。
ただ、声質・環境によってはノイズキャンセリングがうまく機能しないことがあります。3種類とも試しましょう。環境音、声(笑い声、叫び声)、歌声を出してテストしてみます。
NVIDIA Broadcast(RTX Voice)は?
GPUを活用したノイズ除去というと、これまではNVIDIA BroadcastやRTX Voiceが定番でした。
OBS + NVIDIA Broadcast、あるいはOBS + RTX Voiceの組み合わせで使っていた人にとっては、今回このページにまとめた方法にどのような意味があるのか、疑問に思うかもしれません。
結論を書くと、ノイズ除去という本質的な点は変わっていません。ただ、OBS 27.0になってNVIDIA Broadcastのノイズ除去機能が統合された(OBSに直接組み込まれた)というだけの話です。
つまり、いままでは(1)NVIDIA Broadcast側で設定し、さらに(2)OBS側でも設定する必要があったのですが、OBS 27.0以降は(1)の部分を省けるようになったわけです。設定方法も異なります。
あくまでもOBS + RTXシリーズを前提とした場合、ノイズ除去機能にしか興味がないなら(それ以外の機能に興味がないなら)、NVIDIA Broadcastを使う必要はなくなりました。
他方、OBS + GTXシリーズの場合は、RTX Voiceを使う意味はあります。同シリーズの場合、今回のやり方はできないからです。
まとめ
OBSで「NVIDIAノイズ除去」を選択できるようになり、ノイズ除去機能がより便利になりました。
やり方は簡単です。
- 必要なソフト3種類をインストールする。
- 「設定」→「音声」でマイクを選択する。
- マイクにノイズ抑制フィルターを追加する。
- 「方式」を「NVIDIAノイズ除去」にする。
「設定」→「音声」の部分では、いつもどおり物理マイク(ハードウェア)を選ぶ必要があります。その点は注意しましょう。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。