OBS Studio(以下OBS)でライブ配信・録画中に画面がカクつく場合、「表示」→「統計」の情報が役立ちます。
統計ウィンドウを見ることで、カクカクする原因を特定するためのヒントを見つけられるかもしれません。
このページでは、
- カクカクする
- PCの動作が重い
- 「エンコードが高負荷です!」と表示される
- 配信が途切れる
という状態の場合に、統計ウィンドウを元にしてトラブルを解決する方法を見ていきます。
ライブ配信・録画の両方に対応した記事です。
目次
統計ウィンドウを開こう
重要な項目は3つ
「表示」→「統計」で統計ウィンドウが開きます。ここではさまざまな情報を見ることができます。
難しそうな用語が並んでいますが、トラブルが起きたときは以下の項目に注目してください。
- レンダリングラグにより逃したフレーム
- エンコードラグによりスキップされたフレーム
- ドロップしたフレーム (ネットワーク)
この3つの情報をライブ配信・録画中に確認します。
オレンジ色・赤色に注意
数値が少し増える程度(白色)なら問題ありません。0である必要はなく、長時間ライブ配信・録画すると緩やかに数値が増えていくはずです。
しかし、数値がオレンジ色(黄色)、または赤色で表示されている場合は注意してください。
▲オレンジ色は警告の意味合いで、赤色は致命的なレベルであることを意味しています。
この状態の場合、コマ(フレーム)が欠落し、動きの滑らかさが失われているからです。つまり、映像がカクついています。
以下、3つの情報の意味について見ていきましょう。
旧バージョンの表記について
なお、バージョン30.0.2までの表記は以下のとおりでした。
- レンダリングラグが原因で逃したフレーム
- エンコードのラグが原因でスキップされたフレーム
- ドロップフレーム (ネットワーク)
レンダリングラグにより逃したフレーム
「レンダリングラグにより逃したフレーム」は、GPU負荷が高くなって映像表示が追いつかなくなったときに数値が増えます。
GPUは、PCで映像処理を担当している重要なパーツで、とくに重量級のPCゲームをプレイしている場合に高い負荷がかかります。
同フレームの数値が大きく増加した場合は、各種設定を変更してGPU負荷を下げましょう。
- ゲーム内のグラフィック設定を下げる
- ゲーム内のフレームレートを下げる、制限する(例 : 60fpsに)
- OBSのソースを減らす、削除する(意外と重要)
- 管理者権限でOBSを実行する
- 垂直同期(VSync)を有効にする
- その他
具体的な対処法がわからない場合は、下記ページをご覧ください。1個ずつやり方をまとめました。
エンコードラグによりスキップされたフレーム
「エンコードラグによりスキップされたフレーム」は、ライブ配信・録画の処理が追いつかなくなったときに数値が増えます。
そこで、OBSのエンコード処理(データを圧縮すること)に関係する設定を変更しましょう。
- ハードウェアエンコーダーを使う(「設定」→「出力」)
- ソフトウェアエンコーダーの種類を変更する(「設定」→「出力」。「SVT-AV1」「AOM AV1」は使わない)
- プリセットを軽いものにする(「設定」→「出力」)
- 出力解像度・フレームレートを下げる(「設定」→「映像」)
- 録画の場合は、さらに保存先のストレージを変更する(例 : HDD→SSD)
具体的な対処法がわからない場合は、下記ページをご覧ください。
ドロップしたフレーム (ネットワーク)
「ドロップしたフレーム (ネットワーク)」が増えている場合は、インターネットに関連した事項で問題が起きていることを意味しています。
具体的には、OBSで設定したビットレートを維持した状態でライブ配信ができていません。
この状態の場合、OBS右下のアンテナが緑色の表示から赤色表示へと変化し、同時に「ドロップしたフレーム」が増えていきます。
対処法としてビットレートを下げただけでは解決しないケースもあるでしょう。「設定」→「詳細設定」なども併せて見直す必要があります。
タスクマネージャーも見よう
統計ウィンドウと併せて確認したいのがタスクマネージャーです。
これはOBSの機能ではなくWindowsの機能ですが、統計ウィンドウではわからなかったことがタスクマネージャーでわかるケースがあります。
実際に開いてみましょう。
- PC画面下部のバー(タスクバー)のなにもない場所で右クリックする。
- 「タスク マネージャー」をクリックする。
- 「プロセス」または「パフォーマンス」をクリックする。
- 「CPU」「メモリ」「GPU」の数値を観察する。
「プロセス」を開いているときは、「CPU」などと書かれてある部分で右クリックすると任意の表示項目をON/OFFできます(例 : 「GPU」を表示)。
もし「プロセス」で極端にCPU使用率の高いアプリがあるなら、それがカクつく原因になっている可能性があります。
また、GPU使用率が100%ならば、上述した方法でGPU負荷を減らしてみてください。
PCスペックについて
映像がカクカクした状態だと、どうしてもPCスペックに原因があると思いがちです。
しかし、そうとは限りません。
OBSやゲームの設定が無謀なものであったり、重量級のPCゲーム(例 : モンスターハンターワイルズ)である場合は、高スペックなPCでもカクつくことはあります。
また、回線の問題というケースもあるでしょう。
ただ、PCスペックが高いほうがゲーム実況では画質的に有利なのは確かです。必要に応じてPCの買い替えも検討してみてください。GPU・CPUが最重要です。
備考 : 統計ウィンドウの便利な設定
統計ウィンドウは常時表示しておくと便利です。
そのさい「ドック」→「統計」にチェックを入れ、OBSの適当な箇所にドラッグ&ドロップすると、統計ウィンドウをOBSのメインウィンドウにドッキングできます。
また、ドッキングしない場合でも「設定」→「一般」→「起動時に統計ダイアログを開く」をONにしておくと、OBS起動時に統計ウィンドウが自動表示されます。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。