OBS Studio(以下OBS)には、シーンコレクションという便利な機能があります。
以下のような状況を想像してください。
- 画面レイアウトを保存しておきたい
- ソースの内容・サイズ・位置を保存しておきたい
- OBSで行った音量調整の設定を保存しておきたい
- 別のPCにOBSの設定を移行(コピー)したい
このようなときは、シーンレコレクションを使いましょう。
目次
シーンコレクションとは
シーン・ソースを保存できる
シーンコレクションは、シーン・ソースを保存しておきたいときに使う機能です。
追加しているソースが多ければ多いほど、ソースは保存しておいたほうが安心・安全だと思ってください。
なぜなら、画面レイアウトが崩れたり、まちがえてソースを削除した場合でも、ソースを保存しておけば瞬時に復元できるからです。
配信内容ごとにソースを分けられる
たとえば、ゲーム配信のときは「映像キャプチャデバイス」を追加し、雑談配信のときは「映像キャプチャデバイス」を削除して「画像」を追加するとしましょう。
このとき、毎回ソースを追加・削除するのは煩雑です。そこで、ゲーム配信のときの設定と、雑談配信のときの設定を分けて保存しておくのです。
そして、ゲーム配信をするときはゲーム配信用の設定を呼び出し、雑談配信のときは雑談配信用の設定を呼び出すわけです。
「音声ミキサー」の設定を保存できる
以下の「音声ミキサー」の設定を保存し、配信内容によって切り替えることができます。
- 音量
- グローバル音声デバイス(例 : 「設定」→「音声」→「マイク音声」)
- 音声フィルター
- 音声トラック
たとえば、音量バランスの設定などは苦労することが多いかもしれません。しかし、いったん適切に設定できれば、あとはシーンコレクションで保存しておけます。
また、マイク使用時に重宝するノイズ抑制などの音声フィルターについても同様です。時間をかけて調整した設定は保存しておきましょう。
さらに、あえてデスクトップ音声(例 : BGM)を配信に乗せない設定を作っておき、必要に応じて切り替えるというような使い方もあります。
シーンコレクションの使い方
- 「シーンコレクション」→「複製」の順にクリックします。
- 適当な名前を入力して「OK」をクリックします。
- OBSのタイトルバーに、いま入力した名称が表示されました。
- シーンコレクションの切り替えは、「シーンコレクション」から行います。
- シーンコレクションを削除したい場合は、そのシーンコレクションに切り替えたあと、「削除」を選択します。
2点だけ注意しよう
上書き保存を回避する
現在の設定を完成版として保存しておきたいなら、「シーンコレクション」で「複製」を選択しましょう。
複数の設定を作っておかないと、最初に保存した設定が上書きされて消えてしまうからです。つまり、設定を保存した意味がなくなるので、注意してください。
「シーンコレクション」から「複製」を選ぶことで、新しいシーンコレクションBを作ることができ、シーンコレクションAとは別の独立した設定になります。
「新規」ではなく「複製」を選ぶ
「新規」は選ばないほうがよいでしょう。なぜなら、選ぶと「音声ミキサー」が消えるからです。
この状態だと、音がいっさい配信に乗りません。音を出すためには、再度「設定」→「音声」で設定する必要があります。
シーンとの違い
たんにソースを切り替えたいだけなら、シーンコレクションは使う必要はありません。下記動画のように、シーンを切り替えればよいからです。
たとえば、休憩のために画面を切り替えたいというときは、シーンを使いましょう。シーンコレクションの出番はありません。
しかし、ソースを含めた全シーンを保存して切り替えたいなら、シーンコレクションを使います。
プロファイルとの違い
シーンコレクションとよく似た機能にプロファイルがあります。
プロファイルでは、シーンやソースは保存できません。しかし、たとえばYouTube用とTwitch用で、配信設定(例 : ストリームキー)を分けて保存しておくことができます。
シーンコレクションとプロファイル、この2つの機能を使うことで、あらゆる設定を保存しておき、必要なときに瞬時に呼び出して切り替えられます。
シーンコレクションの保存場所
シーンコレクションの保存場所は、「C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\obs-studio\basic\scenes」です。
開き方がよくわからない場合は、以下のようにしてください。
- OBS「ファイル」→「設定フォルダを表示」の順にクリックする。
- 「basic」を開く。
- 「scenes」を開く。
もしバックアップや新PCへの移行が目的である場合は、下記ページに情報を詳しくまとめました。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。
コメント
丁寧な説明で分かりやすかったです。
ありがとうございました。