Steam(Steamクライアント)には、ゲームレコーディング機能が搭載されています。
この機能を使えばSteamのゲームはもちろん、非Steamゲームも無料で録画できます。
わざわざキャプチャーソフトをインストールする必要はありません。Steamクライアントさえあればよいのです。簡単に録画でき、便利な機能も豊富にあります。
録画機能の詳しい使い方・設定方法を見ていきましょう。ほぼすべての機能の情報を網羅しています。
SteamがPCにインストールしていることを前提にしています。
「PC」ゲームの録画を前提にしています。「TV」ゲームは録画できません。
目次
録画モードを選択しよう
録画モードは2種類
「Steam」→「設定」の順にクリックします。
「ゲームレコーディング」をクリックします。
録画モードを選択しましょう。「手動で録画」と「バックグラウンドで録画」の2種類あります。
手動で録画
「手動で録画」は、通常の録画方法です。
任意のタイミングで録画を開始し、同じく任意のタイミングで録画を終了します。ごくごく一般的な方法です。
バックグラウンドで録画
これに対し、「バックグラウンドで録画」は自分で録画を開始する必要はありません。ゲームを起動すると裏で自動的に録画してくれるからです(遡り録画)。
バックグラウンド録画のメリットは3つあります。
- 手動録画の手間が省ける
- うっかり録画するのを忘れても安心
- 毎回一定の長さだけ、あとから動画を保存できる(例 : 20分間)
手動録画の画質設定をしよう
「手動で録画」を選択した場合、「録画画質」で画質設定を行いましょう。
「Ultra」がもっとも高画質でおすすめですが、ファイルサイズが大きくなる点に注意してください。
「Maximum video height」(垂直解像度のこと)は「No Limit」にしておきます。
ただし、録画中の動作が重くなる(カクカクする)ようであれば「720 pixels」にしましょう。動作が軽くなります。
バックグラウンド録画の設定をしよう
長さ・画質
バックグラウンド録画する場合は、事前に「長さ」を設定しておきましょう。
これはゲームプレイの最後から何分まで遡ってデータを保存するのかという最大録画時間の設定です。5~9999分まで設定できます。
時間が長ければ長いほどストレージの容量を消費し、「ディスク容量」が増えていきます。
また、同様に「画質」が高いほどストレージの容量を消費し、「ディスク容量」が増えていきます。今回は最高画質の「Ultra」に設定しました。
「ディスク容量」は、バックグラウンド録画で使用されるストレージの上限です。上限に到達した時点で古いデータが上書きされていきます。
ゲームごとに設定を変えられる
もしゲームタイトルごとに長さ・画質を変更したい場合は、「ゲームを追加」をクリックしましょう。
ゲームタイトルを選択・追加することで、そのゲーム「だけ」長さ・画質設定をほかと違うものにできます。
さらに、「長さ」の数字部分をクリックして「Do Not Record」を選ぶことで、そのゲーム「だけ」バックグランド録画しない設定にすることもできます。
備考
「ゲームプレイ最後のX秒間をクリップとして保存」は、事前に設定したホットキーを押したタイミングで、ゲームプレイの最後X秒間をクリップとして保存する機能です。最大9999秒(2時間46分39秒)まで設定できます。
▲この設定はバックグラウンド録画のときだけ表示されます。
録画しよう
動画に入れる音を選ぶ
設定画面を下にスクロールして「録音対象」の部分を見てください。
この部分では動画に入れたい音を設定できます。地味ですが、Steamゲームレコーディングにおける目玉機能のひとつと言えるかもしれません。
説明 | |
ゲーム音声のみ | ・ゲーム音以外のよけいな音は入らない ・ゲーム中にYouTubeで動画を見てもその音は入らない |
すべてのシステム音声 | ・PCで再生している音がすべて入る ・自分に聞こえている、あらゆる音を入れたいときに選ぶ |
ゲームおよび選択したプログラム | ・ゲーム音、および指定したアプリの音だけ入る ・特定のアプリの音を入れたいときに選ぶ |
通常は「ゲーム音声のみ」でよいと思いますが、必要に応じて「すべてのシステム音声」や「ゲームおよび選択したプログラム」を選ぶと便利でしょう。
▲「録音対象」を「ゲームおよび選択したプログラム」にした場合は、さらに「録音対象になるその他のプログラムを選択」でアプリを選びます。
録画する
それではSteamゲームを録画してみましょう。動画に自分の声を入れる方法は後述します。
ゲームを起動したら、「手動で録画」の場合はCtrlキー + F11キーを押してください。このショートカットキーで録画を開始・終了できます。
▲『SOULCALIBUR VI』(バンダイナムコエンターテインメント)より
録画を開始すると、画面内に通知が表示されるとともに効果音が鳴ります。録画を終了したときも同様です。
もしショートカットキーを押しても録画できない、無反応の場合は、下記ページをご覧ください。対処法をまとめました。
「バックグラウンドで録画」の場合は、録画開始の操作は必要ありません。ゲームを起動し、準備が整った段階で自動的に録画が始まります。
マーカーを追加する
動画が長くなりそうなときは録画中にマーカーを付けておくと便利です。編集が楽になります。
▲『Counter-Strike 2』(Valve Corporation)より
たとえば、ゲームをプレイ中に予期しないイベントが起きたらCtrlキー + F12キーを押してください。
するとマーカーが追加されます。マーカーを付けておくと、あとで録画データ再生時に目印になり、その部分を編集で切り出すのが容易になります。
また、スクリーンショット撮影のショートカットキーであるF12キーを押した場合も、撮影した箇所にマーカーが追加されます。
『Counter-Strike 2』など一部のゲームでは、キルシーン・デスシーンなどに自動でマーカーが追加されます。
▲『Counter-Strike 2』(Valve Corporation)より
保存場所はどこ?「表示」から見よう
いま録画したものを見てみましょう。
Steamクライアントの「表示」→「録画とスクリーンショット」を開いてください。録画したものはここに表示されます。
サムネイルをクリックするとプレイヤーが表示され、録画データが再生されます。
ただし、注意したいのですが、このままでは以下のことができません。
- いつも使っている動画プレイヤーで動画を再生する
- 編集ソフトで動画編集する
- 動画をYouTubeやXに投稿する
対処法は後述します。
一部のシーンを切り出そう
Steamクライアントで一部のシーンを切り出すことができます。簡易的なカット編集を行ってみましょう。
「表示」→「録画とスクリーンショット」でプレイヤーを表示し(上述)、「クリップ」をクリックしてください。
すると、タイムラインが表示されました。
2本の黄色い縦の破線を左右にドラッグします。半透明の黄色の部分が切り出される範囲です。
切り出す範囲を決めたら「保存 / 共有」をクリックします。
そして「動画ファイルをエクスポート」を選びましょう(詳細は後述)。紛らわしいですが、「クリップを保存」や「新しいクリップを保存」と混同しないようにしてください。
保存・共有しよう
そのままでは投稿できない
じつは、Steamクライアントで録画しただけではYouTubeやXに投稿できません。動画編集ソフトで自由に編集することもできません。
Steamクライアントで録画するとRAW形式といって、生の加工していないデータ(未加工の録画)が生成されます。これは私たちがふだん接しているような動画とは違います。
ではどうすればよいのかというと、「保存 / 共有」ボタン、または「共有」ボタンをクリックするのです。
▲少しややこしいですが、クリップの一部シーンを切り出していない場合は、ここは「保存 / 共有」ではなく「共有」と表示されます。
そうすることで、録画データを動画ファイルとして出力できます。
MP4形式に変換する
具体的には下表のいずれかを選びましょう。MP4形式に変換されます。
説明 | |
クリップを保存 | 現在のクリップに上書き保存する(切り出し編集した場合のみ表示) |
新しいクリップを保存 | 現在のクリップとは別に保存する(同上) |
動画ファイルをエクスポート | PCに動画を保存する |
クリップボードにコピー | Xで右クリックして「貼り付け」すると動画を投稿できる |
他のデバイスに送信 | PCなどにクリップを送る |
スマホに送信 | スマホにクリップを送る(Steamモバイルアプリが必要) |
共有リンクを作成 | ブラウザーで動画を見るための一時的な共有リンク(URL)を作る |
必要に応じて使い分ければよいのですが、頻繁に使うのは「動画ファイルをエクスポート」です。
これを選ぶことで、録画したものが動画ファイルとしてPCのストレージに保存されます。したがって、いちばん使いやすいはずです。再生・編集・投稿も容易にできます。
動画をエクスポートする
「動画ファイルをエクスポート」をクリックすると、「クリップエクスポート設定」が開きます。
「ネイティブ」が選択された状態であることを確認して、「動画をエクスポート」をクリックしましょう。
もし細かい設定を変えたい場合は、「ファイルサイズを設定」や「詳細設定」から変更してもかまいません。
たとえば、ファイルサイズを一定以下にしたい(小さくしたい)のであれば、以下のようにします。
- 「ファイルサイズを設定」を開く。
- 「Max File Size」の部分でスライダーを左に移動する(ファイルサイズが軽くなる)。
- 「動画をエクスポート」をクリックする。
▲ファイルサイズをどこまで落とすのかという設定が「Max File Size」の設定です。
保存フォルダーを開く
いまエクスポートした動画ファイルは、「動画ファイルをエクスポート」をクリックして表示された箇所に保存されています。
この動画ファイルは、ふだん私たちが接しているものと同じ形式のものです。
自分の声を入れてみよう
動画内に自分の声(マイク音)を入れて実況動画を作ることもできます。
- マイクをPCに接続する。
- 「Steam」→「設定」→「ゲームレコーディング」の順にクリックする。
- 設定画面を下にスクロールし、「マイク録音」をONにする。
- 録画する。
もし自分の声がうまく入らなかった場合は、下記ページをご覧ください。マイクの接続とWindowsの設定、両方を見直す必要があります。
オーバーレイを開いて操作しよう(リプレイ)
ここまでは、すべてSteamクライアントの画面を開いて行ってきました。しかし、じつはゲーム内でも同じことができます。
やり方ですが、ゲームをプレイ中にShiftキー + Tabキーを押してください。
すると、ゲーム画面に重なるようにして操作画面が表示されます。この操作画面をSteamオーバーレイ(ゲーム内オーバーレイ)といいます。
さらに、同オーバーレイを使うことでリプレイを瞬時に表示できるようになります。画面上部のタイムラインで任意の位置をクリックして映像を遡ってください。
もしShiftキー + Tabキーを押しても同オーバーレイが開かない場合は、設定を変更しましょう。
- 「Steam」→「設定」→「ゲーム中」の順にクリックする。
- 「ゲーム中にSteamオーバーレイを有効にする」をONにする。
- ゲームを再起動する。
Steam以外のゲームも録画しよう
基本的に、ゲームレコーディング機能はSteam用のゲームを録画する機能です。
しかし、Steam用ではないゲーム(非Steamゲーム)も録画できる場合があります。やり方については、下記ページをご覧ください。
まとめ
Steamのゲームレコーディングは、ゲーマー待望の機能といえるかもしれません。機能豊富で、実用性が高いです。
- アプリを別途入れなくてもよい
- キャプチャーする音声を選べる
- リプレイですぐに映像を見返せる
- マーカー追加で見どころの把握が容易
- 非Steamゲームも録画できる
いろいろなキャプチャーソフトがありますが、このSteamのゲームレコーディング機能は今後の定番になる可能性を秘めています。
ほかのキャプチャーソフトについては、下記ページをご覧ください。
また、もし録画した動画が音ズレする場合は、下記ページをご覧ください。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。