OBS Studio(以下OBS)を使用していると、管理者権限でOBSを起動しなくてはいけないケースがあります。
そこで、このページでは
- 同権限の意味
- 同権限でOBSを起動する方法
について見ていきましょう。「OBSを管理者権限で起動できない」という場合にも対処できます。
目次
管理者権限とは
一般的な意味
まず、管理者権限という用語ですが、以下の表現はすべて同じ意味です。
- 管理者権限で起動
- 管理者モードで実行
- 管理者として実行
管理者権限とは、システムの設定変更やソフトのインストールなど、PC上であらゆる操作を行うことができる権限のことをさしています。
一般的には、自分のPCを守るための重要な権限といったイメージで使われることが多いでしょう。セキュリティ的な意味合いが強いです。
OBSにおける「管理者として実行」の意味
そして、この管理者権限ですが、OBSではよく「管理者として実行したらOBSが直った」などとX(旧Twitter)で言及されることがあります。
では、OBSを管理者として実行することにどのような意味があるのでしょうか。大きく2つあります。
- OBSがPCの性能を優先的に利用できるようになる
- 「ゲームキャプチャ」使用時、ゲーム画面を映せるようになる
どちらもゲーム配信において重要な意味を持っています。
1つめについては、PCゲーム配信でPCの動作が重い(カクカクする)ときに効果を発揮する場合があるでしょう。
また、2つめについては、やはりPCゲーム配信時に管理者権限の関係でゲーム画面がOBSに映らないときに効果があります(ゲームによる)。
したがって、管理者権限とPCゲーム配信は切っても切り離せない関係にあるといっても過言ではありません。
やり方は複数ある
じつは、管理者権限でOBSを起動する方法は複数あります。
大別すると
- 通常版OBSか、Steam版OBSか
- つねに管理者権限で起動するのか、一時的にか
という2パターンに分けることができます。
今回は、通常版・Steam版の両方について解説していきます。両者でやり方が異なるので注意しましょう。
通常版OBSのやり方
まずは通常版のやり方です。
- OBSを終了します。
- OBSのアイコン(ショートカットアイコンでもOK)を右クリックし、「プロパティ」を選択します。
- 「互換性」タブを開き、「管理者としてこのプログラムを実行する」にチェックを入れてください。
- 「OK」をクリックします。
- OBSを起動します。上記設定の場合、OBSはつねに管理者権限で起動するため、次回以降は設定する必要はありません。
Steam版OBSのやり方(1)
Steam版の場合、通常版とは管理者権限で起動する方法が異なる点に注意してください。
上述の「通常版OBSのやり方」の方法でやろうとしても「互換性」タブはありませんが(ない)、それは正常です。
- OBSを終了します。
- Steamクライアントの「ライブラリ」を開きます。
- 左メニューにある「OBS Studio」を右クリックし、「管理」から「ローカルファイルを閲覧」をクリックします。
- 「C:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\common\OBS Studio」が開きました。このなかにOBSがあります。
- 「bin」フォルダー→「64bit」フォルダーの順に開きます。
- 「obs64.exe」があります。これを右クリックして「プロパティ」をクリックします。
- すると、今度は「互換性」タブがありました。これを開き、「管理者としてこのプログラムを実行する」にチェックを入れましょう。
- 「OK」をクリックします。
- OBSを起動します。上記設定の場合、OBSはつねに管理者権限で起動するため、次回以降は設定する必要はありません。
Steam版OBSのやり方(2)
Steam版の場合、Steamクライアント自体を管理者権限で起動する方法もあります。
この方法だとOBSだけではなく、ほかのSteamゲーム・アプリも同様に管理者権限で起動することになります。
- Steamクライアントを終了します。システムトレイで右クリックして「Steamを終了」をクリックしましょう。右上の「×」ボタンだと終了できません。
- Steamのアイコン上で右クリックし、「プロパティ」を選択します。アイコンが見当たらない場合は、「スタート」ボタンをクリックして「steam」と入力し、「ファイルの場所を開く」をクリックしてください。
- 「互換性」タブを開き、「管理者としてこのプログラムを実行する」にチェックを入れます。
- 「OK」をクリックします。
- Steam版OBSを起動します。上記設定の場合、OBSはつねに管理者権限で起動するため、次回以降は設定する必要はありません。
一時的に管理者権限で起動する方法
1回だけ、すなわち一時的にその都度管理者権限でOBSを起動することもできます。この方法でもかまいません。
やり方は以下のとおりです。
- OBSを終了する。
- OBSのアイコン上で右クリックし、「管理者として実行」をクリックする。
また、タスクバー(画面下部)にOBSのアイコンをピン留めしている場合は、Ctrlキー + Shiftキーを押しながらアイコンをクリックすると同じ効果があります。
「Steam版OBSのやり方(2)」については、上記「OBSのアイコン」の部分を「Steamのアイコン」に読み替えてください。
注意 : D&Dでソース追加できない
OBSを管理者権限で起動すると、ドラッグ&ドロップによるソース追加ができなくなります。
たとえば、ふだん静止画像をドラッグ&ドロップでソースに追加する機会はないでしょうか。
「ソース」の「+」から「画像」を選んでもよいのですが、ドラッグ&ドロップする方法は便利なので、重宝している人もいるかもしれません。
しかし、OBSを管理者権限で起動するとこれができなくなります。致命的なデメリットではないものの、覚えておいてください。
備考
以下のようなやり方もあります。
- OBSのショートカットアイコン上で右クリックする。
- 「プロパティ」をクリックする。
- 「ショートカット」タブの「詳細設定」をクリックする。
- 「管理者として実行」にチェックを入れる。
- 「OK」をクリックする。
この方法の注意点は、OBS本体から起動すると管理者権限では起動できない点です。
すなわち、OBSのショートカットアイコンから起動した場合のみ管理者権限で起動します。少し紛らわしいかもしれません。
確実に管理者権限で起動したいなら、上で述べたいずれかの方法がよいでしょう。
まとめ
管理者権限でOBSを実行する方法を大きく3種類、ご紹介しました。
- 通常版のやり方
- Steam版のやり方(1)
- Steam版のやり方(2)
いずれの方法も「互換性」タブを開いて「管理者としてこのプログラムを実行する」にチェックを入れるだけです。
Steam版は途中まで少し方法が違いますが、最終的には同じです。
ほかにOBSでうまくいかないことがある場合は、下記ページもご覧ください。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。