【図解】iPadにSwitchの画面を映す方法。配信も試してみた

iPadは、2023年秋にリリースされたiPadOS 17でUVCに対応しました。

iPadとSwitch

メリットは3つあります。

  • Switchなどのゲーム画面をiPadに映してプレイできる
  • iPadでゲーム配信、実況動画の作成ができる(ただし厳しい)
  • iPadをサブモニター(サブディスプレイ)として使える

難しい設定は必要ありません。PCも不要です。必要なものを準備して接続すれば、iPadでSwitchをプレイできます。

CamX

Switchのゲーム画面をiPadに映す方法について詳しく見ていきましょう。いろいろ試した結果、わかったことがあるのでまとめました。

「PCに」iPadの画面を映す方法については、「iPadの画面をキャプチャーボードを使ってPCに映す方法。iPadの設定は不要です」をご覧ください。

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必要なもの(1)

USB Type-Cを搭載したiPad

  • iPad Pro 12.9インチ(第3世代)以降
  • iPad Pro 11インチ(第1世代)以降
  • iPad(第10世代)以降
  • iPad Air(第4世代)以降
  • iPad mini(第6世代)以降

筆者が今回使用したのはiPad mini(第6世代)です。

iPadOSのバージョンは17以降にしておいてください。「設定」→「一般」→「情報」でバージョンを確認できます。

Switch、ドック、ACアダプター

ふだんSwitchをプレイするときは、携帯モードにしている人が多いかもしれません。

しかし、Switchのゲーム画面をiPadに映したいときはTVモードに切り替える必要があります。

具体的には、まずSwitch本体をドックに差し込みます

Switchドック

そして、ACアダプターを接続します。バッテリー残量に関係なく、必ずACアダプターを接続してください。そうしないとTVモードに切り替わりません。

Switch裏側

TVモードに切り替えて初めてSwitchからiPadに映像・音声を出力する準備が整います。

TVモードは必須です。携帯モードではiPadに画面を映せません。ACアダプターも忘れやすい部分です。

なお、Switch LiteはTVモード非対応であるため、iPadに画面を映せません。

Switch Lite

必要なもの(2)

UVC対応キャプチャーボード

じつは、SwitchとiPadをケーブルで直接接続しても画面は映りません。キャプチャーボードという周辺機器が必要です。

キャプチャーボード

キャプチャーボードは通常、PC用として販売されています。しかし、iPadOS 17でUVCに対応したことにより、PC用の周辺機器であるキャプチャーボードがiPadでも使えるようになりました。

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各機器の接続方法は2ステップです。

  1. SwitchとキャプチャーボードをHDMI接続する(「IN」の部分に)。
  2. キャプチャーボードとiPadをUSB接続する。

キャプチャーボードの接続方法

今回、筆者は下記4製品を中心に試しました。この4製品はiPadで動作します。おすすめです。

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数千円クラスのキャプチャーボードでも動作します。「試しにちょっとキャプチャーボードを使ってみたい」という程度であれば、安いものでもよいかもしれません。

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変換アダプター、ケーブル

キャプチャーボードをある程度見極めたら、つぎはキャプチャーボードに付属されているUSBケーブルの両端に注目してください。

USBケーブルが着脱式になっているキャプチャーボードの場合、片方がUSB-C、もう片方がUSB-Aになっています。

USBケーブル

USBケーブルが着脱式でない製品の場合も、やはりUSB-Aになっていることが多いはずです。

USBケーブル

iPadに搭載されているのはUSB-Cですから、USB-AのままではキャプチャーボードとiPadを接続できません

USAとUSB-C

そこで対処法です。詳細は後述します。

  • USB-AをUSB-Cに変換するアダプターを使う
  • USB-Cハブ(映像出力対応)を使う
  • USB-Cケーブル(映像出力対応)を使う
  • 「USB-C Digital AV Multiportアダプタ」を使う
USB-AとUSB-Cを接続する方法については、ややこしい部分があります。あとで詳しく見ていきます。

当然ですが、USBケーブルがCタイプになっている製品の場合は、そのままiPadと接続できます。

UVC対応アプリ

画面を映すためには、さらにUVC対応アプリをiPadにインストールしておきましょう。

UVC対応アプリ

アプリを起動することで、Switchのゲーム画面が映り、ゲーム音も聞こえてくるという状態になります。アプリがないとこれができません。

iPadでSwitchをプレイするためには、画面を映す用のアプリを起動します。録画機能もアプリに搭載されています。

では、具体的にどのようなアプリをインストールすればよいのでしょうか。無料アプリを3つピックアップしました。

Camo Studio - Stream & Record

Camo Studio - Stream & Record

Reincubate無料posted withアプリーチ

CamX

CamX

Touchbits Inc.無料posted withアプリーチ

Elgato Capture

Elgato Capture

Corsair Memory, Inc.無料posted withアプリーチ

たんにSwitchをプレイするだけなら、どのアプリもそこまで大差ありません。

録画 ライブ配信 備考
Camo Studio
CamX × 日本語表記
Elgato Capture × Elgatoブランド専用

ゲーム配信がしたいのであればCamo Studioです。ほかの2つのアプリはライブ配信機能がないからです。

Camo Studio
▲Camo Studioの場合、右上のアイコンからフルスクリーンにできます。

ただ、Camo Studioの同機能が特別優れているかというと、そういうわけでもありません。たんにライブ配信できるだけです。細やかな設定ができるわけではありません。

Camo Studio、ライブ配信機能

Camo Studio、ライブ配信機能
▲ライブ配信機能は、YouTubeやTwitchなどに標準対応しています。PS4の画面が映っていますが、気にしないでください。

純粋な使いやすさでいうとCamXがおすすめです。初期設定でゲーム音が入るようになっており、使ううえで混乱がありません。しかも、3つのアプリのなかで唯一日本語表記に対応しています。

CamX
▲CamXの場合、ゲーム画面の適当な箇所をタップするとフルスクリーンにできます。

Elgato Captureは、Elgatoブランドのキャプチャーボード専用です。他社製だと画面が映りません。

Elgato Capture
▲Elgato Captureの場合、右下のアイコンからフルスクリーンにできます。ただし、iPad mini 6ではほかの2つのアプリと異なり、微妙に左右に黒帯が残ります。

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USB-AをUSB-Cにする方法

さきほど少し書きましたが、キャプチャーボード(USB-A)とiPad(USB-C)をUSB接続する方法は4つあります。

1番めは、アダプターを使ってUSB-AをUSB-Cに変換する方法です。

変換アダプター

2番めは、USB-Cハブを使う方法です。ハブに搭載されているUSB-CでiPadを充電でしながら使えるメリットがあります。また、ハブなので複数の機器を接続できます。

USB-Cハブ

注意点として映像出力対応のものを使ってください。非対応だとゲーム画面が映りません。

3番めは、キャプチャーボード付属のUSBケーブルを使わず、USB-Cケーブル(両端がタイプC)を使う方法です。ケーブル1本であるため配線がスッキリします。筆者は下記製品を購入しました。

USB-Cケーブル

ケーブルは映像出力対応のものを使いましょう。非対応ケーブルだとゲーム画面が映りません。充電用やデータ転送用と混同しないようにしてください。

4番めは、Appleの「USB-C Digital AV Multiportアダプタ」を使う方法です。

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Apple(アップル)

USB-C Digital AV Multiportアダプタ

アダプターにはUSB-Aが搭載されており、キャプチャーボードを接続できます。しかも、USB-C搭載でiPadを充電しながら使えるメリットがあります。

iPad/iPhoneの画面をキャプチャーボードでPCに映すのにも使えるので、人によってはあると便利な製品でしょう。今回、筆者はこれをメインに使いました。

iPadの画面をキャプチャーボードを使ってPCに映す方法。iPadの設定は不要です
iPadの画面をPCに映す方法として、キャプチャーボードを使ったやり方があります。 キャプチャーボードはPC用の周辺機器です。...

ゲーム画面を映してゲーム音を出そう

やり方

ゲーム画面を映す方法は以下のとおりです。

  1. 各機器を接続する(上述)。
  2. Switchからイヤホンなどを取り外す。
  3. SwitchをTVモードに切り替えて電源を入れる(上述)。
  4. iPadでUVC対応アプリを起動する(上述)。
  5. そのアプリでデバイス設定や、解像度設定などを行う。

5番めについてですが、これは難しい設定は必要ありません。下表に掲載した設定が重要です。

説明
ビデオデバイス設定 ・iPadに接続したどの製品の映像を映すのか設定する
・キャプチャーボードの名称を選ぶ
解像度設定 ・映像の入力解像度を選ぶ
・Switchは通常1080p出力なので1080pを選ぶ
画面が映らない場合は設定を変更する
オーディオデバイス設定 ・iPadに接続したどの製品の音を出すのか設定する
・キャプチャーボードの名称を選ぶ
スピーカー出力 ・iPadのスピーカーからゲーム音を出す設定
・表記は「Pass to spekers」「スピーカーパススルー」など
ONにしないとゲーム音が聞こえない(CamXは初期設定でON)

具体的な設定方法はアプリによって異なります。CamXであれば、右下のアイコンをクリックし、「デバイス」タブで各種設定を行います。

CamX

CamX「デバイス」タブ

映像・音声が出ないと焦るかもしれません。筆者の経験上、設定周りでいえば解像度設定とスピーカー出力が原因であることが多いです。

ゲーム画面が映らない場合は

  • ドック、ACアダプターを接続する(上述)
  • アプリ側で解像度変更を試す(上述)
  • アプリ側のビデオデバイス設定は正しいか
  • ケーブルまたはハブが映像出力に対応しているか(上述)
  • キャプボの「IN」と「OUT」は正しいか(ゲーム機は前者に接続)
  • アプリによるカメラ使用を許可したか(許可する)
  • Elgato CaptureにElgato製品以外を接続していないか
  • USBケーブルやHDMIケーブル、アダプターが故障、接触不良でないか
  • Switchがスリープになっていないか

ゲーム音が出ない場合は

  • アプリ側のオーディオデバイス設定は正しいか
  • アプリ側で「Pass to speakers」をONにしたか(ONにする)
  • アプリによるマイク使用を許可したか(許可する)
  • Switchにイヤホンなどを接続していないか(外す)
  • iPad本体の音量ボタンで最小音量にしていないか
  • 動画再生時にスピーカーアイコンがミュートになっていないか

キャプチャーボードの遅延と対処法

キャプチャーボードを使ううえで遅延(タイムラグ)は避けられません。

もしiPadに映ったゲーム画面でプレイしてみて「重い」「操作タイミングが合わない、ズレる」と感じたのであれば、それは遅延が原因である可能性があります。

キャプチャーボードの遅延

対策は2つあります。

  • キャプチャーボードのパススルー出力機能を使う
  • 分配器を使って映像・音声を別モニターに分配出力する

キャプチャーボードに「OUT」と表示されたHDMI端子があれば、パススルー出力に対応した製品とわかります。数千円クラスのキャプチャーボードだと対応していません。

INとOUT

上述した4製品は、すべて同機能に対応しています。たとえば、Game Capture Neoも対応しています。

使い方ですが、別モニターにSwitchの映像・音声を出力し、そのモニターを見ながらプレイすればキャプチャーボードの遅延の影響を受けません。パススルー出力用の設定は不要です。

パススルー出力

詳細については、下記ページをご覧ください。PC用の解説ですが、「PC」の部分を「iPad」に読みかえれば基本は同じです。

2つあるキャプチャーボードの遅延対策。パススルー出力と、分配出力
どのキャプチャーボードにも遅延(タイムラグ)があります。 この遅延が原因で快適にゲームをプレイできないことがあるでしょう。 ...

なお、遅延の感じ方はゲームのジャンルや個人差が大きいです。「PC Watch」の下記記事では遅延時間の計測結果が掲載されています。

参考「iPadOS 17」のUVCキャプチャ対応で、iPadがサブモニターになる?デバイスやアプリごとの挙動の違いを検証してみた(外部サイト)

ライブ配信・録画について

ゲーム音・マイク音が同時に入らない

2024年現時点では、iPadでゲーム配信を行ったり、実況動画を作成するのは現実的ではありません

そのいちばん大きな理由は、ゲーム音・マイク音を同時に入れることができないからです(iPadOSの仕様)。

オーディオ設定
▲Elgato Captureの場合、オーディオ入力で選べるのは「iPad マイク」「Elgato Game Capturer Neo(キャプボの名称=ゲーム音)」「None」の3つです。ほかのアプリも似たような選択肢です。

たとえば、UVC対応アプリでSwitchを録画しつつ、自分の声を入れて実況動画を作るとしましょう。

ゲーム画面 + ゲーム音のみ入れる、またはゲーム画面 + マイク音のみ入れるということであればできます。どちらかの音を入れるだけなら問題ありません。

しかし、ゲーム音・マイク音の両方を同時に入れることができないのです。これはアプリ側の問題ではなく、iPadOSの仕様が原因です。

ライブ配信についても同様です。Camo Studio(上述)のライブ配信機能を使ってもこの問題は解決しません。

鍵はオーディオインターフェイス

対処法としては、オーディオインターフェイス(ミキサー)を使うやり方があります。

オーディオインターフェイス側でゲーム音・マイク音をミックスし、それをUVC対応アプリで入力します。

正直なところ、ゲーム実況はPCを使ったほうが快適と感じる人が多いでしょう。iPadを使う場合は、声を入れない前提で考えたほうが無難です。

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注意点まとめ

iPadにSwitchのゲーム画面を映す場合、注意点は4つです。

  • USB-A(キャプボ側)とUSB-C(iPad)の接続方法
  • iPadの充電
  • ゲーム音・マイク音の同時入力
  • キャプボの遅延

4番めの遅延については、実際にiPadにゲーム画面を映してプレイしてみないと、なんとも言えない面があります。妥協できることもあるでしょう。

1~2番めについては、状況に応じた選択が重要です。

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