FaceRigは、ユーザーの顔の表情をWebカメラで読み取り、それをアバターに反映させるソフトです。
いちばんの特長は、手頃な価格でバーチャルYouTuber(VTuber)になれるという点でしょう。
- 安価で簡単
- 3Dモデルが最初から豊富に用意されている
- 表情を認識できる
- 「FaceRig Live2D Module」を購入すれば、2Dモデルも使える
- 有志が作ったモデルや、自作モデルも使える
- Discord、Zoom、Skypeでも使える
- 顔出しを避けたいときに便利
最低でも、FaceRig(1,480円)とWebカメラ(安いのだと数千円)を用意するだけです。高価な機材は必要ありません。
さっそくFaceRigの使い方・設定方法を見ていきましょう。
目次
【最新情報】後継ソフトがリリース
FaceRigの後継ソフトとしてAnimazeがリリースされています。
FaceRigとは異なり、基本的に無料で使えるようになりました。また、近年の事情を踏まえて各種Vtuber用のソフトからのデータの読み込みが簡単にできるようになっています。
もしまだAnimazeを知らないのであれば、ぜひ使ってみてください。
ダウンロード・インストール
FaceRigはSteamで購入します。
FaceRigでは、3Dモデルを自分の分身として使います。2Dモデルにしたい場合は、「FaceRig Live2D Module」(398円)を購入しましょう。
オリジナルモデルの作成は、悩ましい問題です。FaceRig・Live2D用のものを外注することを念頭においたほうがよいかもしれません。つまり、「餅は餅屋」です。
- 「ココナラ」(PR)にアクセスする。
- 「キャラクターモデリング」をクリックする。
- ログインして発注・購入する。
FaceRigには、「FaceRig Pro」というバージョンもあります。これは、動画投稿サイト・配信サイトで月に500ドル以上の広告収入がある場合に購入しなくてはいけません(参考)。
必要なもの
今回はPC版のFaceRigを使うので、PCを用意します。
FaceRigが特別重いというわけではありませんが、ゲーム実況で使う場合はPCのスペックに注意しましょう。ある程度の余裕が必要です。
Webカメラも必須です。ユーザーの頭の動きや表情を読み取るためです。C920を買っておけばまちがいありません。
初期設定を変更・確認しよう
FaceRigを起動します。「LAUNCH」をクリックしてください。
アドバンスUI
画面上部にある「UI+」をクリックします。すると、アドバンスUIといって、より高度な設定ができるようになります。
アドバンスUIでは、画面右側にアイコンが表示されます。
日本語化
初期設定では英語になっています。日本語に変更するには、歯車アイコンをクリックします。
そして、「Preference」タブ→「Language」タブを開き、「Apply」をクリックします。
FaceRigのロゴを非表示に
FaceRigのロゴは、設定で非表示にできます。
入力デバイス
アドバンスUIにして画面右側の「高度なドラッキングの設定」をクリックし、「トラッカー」タブを開きます。
そして、使用するWebカメラが「ウエブカム」で選択されていることを確認します。ここをまちがえると、自分の頭の動きなどがモデルに反映されません。
仮想カメラ出力
アドバンスUIの状態にし、画面上部の「ブロードキャストに切り替え」をONにします。
この設定は、おもにライブ配信用の設定です。ただ、ゲームの録画や、Discordなどのビデオ通話でアバターを表示したいときもONにしておきましょう。
基本的な設定をしよう
アバターの選択
FaceRigでは、初期設定のレッサーパンダを含め、約50種類のアバターから好きなものを選択できます。
アドバンスUIの場合は、画面右側にあるアバターのアイコンをクリックします。「アバターギャラリー」タブで、任意のアバターを選んでください。
アバターによっては、「カスタム化」タブ→「特徴」タブで外見をカスタマイズできます。たとえば、レッサーパンダの場合は瞳を大きくできます。
背景の選択、透過
アドバンスUIの場合は、画面右側にある環境アイコンをクリックします。
ゲーム実況をやるならグリーンバックにしておきましょう。なぜなら、あとでモデルの背景を透明にするからです(クロマキー合成)。
トラッキングの自動調整
自分の顔の表情、および頭の動きがアバターにきちんと反映されるように、トラッキングの自動調整を行いましょう。
まずは、「トラッキングに切り替え」をONにします。
つぎに、「表情の早い自動調整」をクリックします。そして、ふだんどおりの目・口の状態で「調整する」をクリックしてください。
「頭ポーズの早い自動調整」についても、同様に行います。
場合によっては、アバターの角度・大きさが気になることがあるかもしれません。しかし、キーボードとマウスでアバターを移動・回転できるので心配いりません(後述)。
顔バレ防止の設定
ライブ配信での顔バレは避けたいところです。FaceRigには、顔バレ防止のための設定があります。
- アドバンスUIにする(「UI+」をクリックする)。
- 画面右側の歯車アイコンをクリックする。
- 「お気に入り設定」タブ→「一般」タブを開く。
- 「放送中のウェブカムフィードを非表示にする」がONになっていることを確認する。
ここがOFFになっている場合、Webカメラの映像(自分の顔)が視聴者に見られるリスクがあります。具体的には、下記条件がすべてそろった状態でライブ配信しているときです。
- 「放送中のウェブカムフィードを非表示にする」がOFFになっている(ON推奨)
- 「ブロードキャストに切り替え」がONになっている(ON必須)
- 「画像を画像モードに切り替え」がONになっている(OFF推奨)
したがって、「放送中のウェブカムフィードを非表示にする」はONにしておきましょう。顔バレを防止できます。
便利な設定をしよう
拡大・縮小、移動、回転
アバターについて、以下のような操作が可能です。
- 拡大・縮小(前後移動) : Altキー + ホイール
- 上下左右に移動 : Altキー + 右ドラッグ
- 回転(3Dモデルのみ) : Altキー + ドラッグ
アクション
アバターに簡単なアクションを行わせることができます。雑談用によいかもしれません。
- 画面右側のアバターのアイコンをクリックする。
- 「行動」タブを開く。
- 「カスタム動作を有効にしてください」をONにする。
- 必要であれば、その下の「カスタムアクションパネルを表示」もONにする。
3Dモデルの場合、たとえば以下のようなアクションができます。アバターによってはできないものもあります。
- 左手を振る : Shiftキー + ドラッグ
- 右手を振る : Shiftキー + 右ドラッグ
- 舌を出して動かす : Sキー + カーソル移動
- 頬を膨らませる : Fキー
ショートカットキー(ホットキー)の変更は、歯車アイコン→「お気に入り設定」タブ→「キーバインド」で可能です。
表情の調整
表情、および頭の動きに違和感があるなら、まずは上で述べたトラッキングの自動調整が重要です。モデルの目が細いというトラブルにも対処できます。
細かい調整については、「高度なトラッキングの設定」で行いましょう。
- 画面右側のアバターの「高度なトラッキングの設定」をクリックする。
- 「表情のユニット」タブを開く。
- 任意の設定にする。
アバターが片目だけつぶってしまう、眉毛の上下の位置が揃っていないという場合は、以下のように設定します。
- 画面右側のアバターのアイコンをクリックする。
- 「行動」タブを開く。
- 「瞼の開閉の動きを両方重視」のスライダーを右に移動する。
- 「眉毛の上下の動きを両方重視」のスライダーを右に移動する
リップシンク(口パク)
声に反応して口パクさせたい場合は、「オーディオベースのリップシンクに切り替え」をONにします。遅延があるのは妥協しましょう。
前提として、歯車アイコンから「デバイス」タブを開き、使用するマイクを「オーディオ録画デバイス」で選択しておく必要があります。
複数のアバターを追加
画面右下の「+」アイコンからアバターを追加し、複数のアバターを表示できます。
アバターを削除したい(減らす)場合は、右下にあるアバターのアイコンを上方向にドラッグしてください。ゴミ箱のアイコンが表示されるので、そこにドロップします。
このあとは
あとはライブ配信・録画の設定をしていきましょう。
ライブ配信の場合
たとえば、OBS Studioの場合は、「+」から「映像キャプチャデバイス」を選択し、「デバイス」で「FaceRig Virtual Camera」を選択します。
グリーンバックの背景を透明にするには、いま追加した「映像キャプチャデバイス」上で右クリックし、「フィルタ」を選択します。
そして、「エフェクトフィルタ」の「+」をクリックし、「クロマキー」を選択してください。これで背景を透過できます。
より詳しい設定方法については、下記ページをご覧ください。OBS Studio以外にも、XSplitやStreamlabs OBSの設定方法についても解説しています。
録画・動画作成の場合
動画作成の場合は、アバターを入れる方法は2種類あります。
- 編集段階で入れる方法
- 録画段階で入れる方法
詳細は、下記ページをご覧ください。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。
コメント
初めまして、近々Vtuberを開始する予定の者でして、現在情報集めをしている最中であなたの記事を非常に参考にさせて頂いています。有益な記事をありがとうございます。
突然で恐縮なのですが1つ質問させて下さい。
「FaceRig Pro」を動画投稿サイト・配信サイトで月に500ドル以上の広告収入がある場合に購入必要有りとありますが、これは自己申告制なのでしょうか?
それとも会社側で判断できるような機能が最初から組み込まれていて、このソフトで提供されているアバターを使用した動画などで500ドル超えの収益を得た場合自動的に判別されるのでしょうか?
ご来訪いただきありがとうございます。
自動判別機能のようなものはないと思います。
ちょっと聞いたことがないです。
月500ドル以上の広告収入がある場合には、(FacceRig Classicではなく)
FaceRig Proのほうを購入してくださいねというもので、
月500ドル未満の場合はFacceRig ClassicでOKです。
とんでもないです、回答ありがとうございます!
なるほど、じゃああくまで自己申告的なものではあるのですね。
ありがとうございました。
よろしければ追加で質問させて下さい(>_<)
FaceRigにはトラッキングでなくとも、手動の設定で首振りや体の動きなど簡易的な動きをつけられる機能があったり、またはテンプレで動きパターンがいくつか用意されてたりしますでしょうか?
それと、このソフトは32BitのPCでも使えるのでしょうか?
モデルによっては、簡易的な動きができる場合もあります。
記事本文にある「便利な設定をしよう」の「アクション」の部分を
参照していただければと思います。
32bit版はどうなんでしょう。
Steamのシステム要件にはWindows 7以降としか書いていないので、
おそらく問題ないとは思いますが、正確にはわからないです。
回答頂いた中で検討した結果、FaceRig買うことに決めました!
有益な記事もそうですが、質問への回答ありがとうございました、非常に助かりました(*^^*)
これからも管理人様の記事作り陰ながら応援しております!