OBS Studio(以下OBS)の「画面キャプチャ」は、少しクセがあります。つまずく人が多いかもしれません。
ほかの配信ソフト、たとえばXSplitからOBSに乗り換えを考えている人も、画面キャプチャーには注意してください。
このページでは、画面キャプチャーのやり方・ポイントを詳しくご紹介します。
目次
画面キャプチャーの方法を理解しよう
- まず、OBSを最大化せず、通常のウィンドウ画面にしておいてください。このあとの操作で混乱する原因になります。なお、右上にボタンがない場合はF11キーで復活します。
- また、現在配信中の場合は、可能であればいったん配信を停止しておきましょう。PCの画面全体が視聴者に見えてしまうからです。
- 「ソース」の「+」をクリックし、「画面キャプチャ」を選択します。
- 適当な名前をつけて「OK」をクリックします。名前は、そのままでもかまいません。
- 合わせ鏡のような画面が表示されます。驚く人もいると思いますが、不具合ではありません。OBSのウィンドウを最大化しないほうがよいのは、このためです。
- デュアルディスプレイ環境の場合は、もう1台のモニターのデスクトップ画面を「画面」で選ぶこともできます。そうすれば合わせ鏡にはなりません。
- 「OK」をクリックします。
- OBSにデスクトップ画面全体が映ります。
- 画面が映らない場合は、「【OBS】画面キャプチャが映らない場合の、もうひとつの対処法。鍵はWindowsの設定」をご覧ください。
取り込み範囲を指定しよう
クロップを使う
画面キャプチャーのやり方はわかりました。
では、画面の特定の部分だけを指定して(範囲指定)、視聴者に見せることはできないのでしょうか。
この点、できることはできるのですが、少し手間がかかります。というのも、以下のような手順になるからです。
- いったん画面キャプチャーで、デスクトップ画面全体を取り込む。
- 視聴者に見せる範囲を指定する(後述)。
では2番めはどうやるのかというと、OBSのクロップという機能を使って画面を切り取る、トリミングするのです。そこで、クロップのやり方を見ていきましょう。
赤丸でAlt + ドラッグ
クロップするには、まず画面キャプチャーを行います。これについては上で述べました。
つぎに、OBS上のデスクトップ画面が赤い境界線で囲まれていることを確認しましょう。
もし赤い境界線が表示されていない場合は、以下の3点を確認します。
- 「ソース」にある「画面キャプチャ」をクリックする
- 「ソース」にある鍵のアイコンをクリックする(ロックを解除)
- OBSの画面上で右クリックして「ロックプレビュー」のチェックを外す
赤い境界線が表示されたら、赤丸の部分にカーソルを重ねます。そして、Altキーを押しながらドラッグしてください。視聴者に見える範囲を狭めるイメージです。
▲クロップを使うと画面を削ることができます。
クロップした部分は、緑色で表示されます。境界線で囲まれた範囲にほかの画面が重ならないようにしましょう。その画面が視聴者に見えてしまいます。
境界線が緑色にならない
クロップで境界線が緑色に変化しないことがあるかもしれません。対処法があります。
- OBS上のデスクトップ画面が赤い境界線で囲まれていることを確認する。
- OBSの画面上で右クリックしする。
- 「変換をリセット」選択する。
- 再度、クロップする。
画面を大きくしたい
クロップのあと以下の操作を行います。
- OBS上のデスクトップ画面が境界線で囲まれていることを確認する。
- OBSの画面上で右クリックしする。
- 「変換」から「画面に合わせる」を選択する。
- または、1のあとにドラッグでサイズを調整する。
細かくクロップしたい
数字を指定してクロップすることもできます。
- 「画面キャプチャ」上で右クリックする。
- 「フィルタ」を選択する。
- 「+」をクリックし、「クロップ / パッド」を選択する。
合わせ鏡を直したい
OBS 27.2以降(Windows版)では、画面キャプチャー時にOBSのウィンドウを除外できるようになりました。
- 「設定」→「一般」の順にクリックする。
- 「スクリーンキャプチャからOBSウィンドウを非表示にする」をONにする。
- 「OK」をクリックする。
下記ページも併せてご覧ください。

スタジオモードで画面を隠そう
画面全体を見られる心配がない
画面キャプチャーでは、デスクトップ画面全体が視聴者に見えてしまいます。これを防ぐ方法はないのでしょうか。
そこで登場するのがスタジオモードです。同機能を使えば、視聴者にデスクトップ画面全体を見られる心配はありません。
▲スタジオモードに切り替えると2画面構成になります。
なぜなら、別画面を視聴者に見せた状態で、画面キャプチャー + クロップの作業ができるからです。
たとえば、視聴者にネコの画像を見せつつ、裏で「画面キャプチャ」を追加し、かつクロップを行うわけです。視聴者に見えているのは、あくまでもネコ画像です。
そして準備が整ったところで、クロップ後の画面を視聴者に見せればよいのです。これがスタジオモードです。
スタジオモードの使い方
では、スタジオモードはどのようにして使うのでしょうか。難しそうに見えるかもしれませんが、すぐに慣れます。
まず、適当なソースを追加してください。「画面キャプチャ」以外のソースです。そして、「スタジオモード」をクリックします。
▲「画面キャプチャ」を追加していない状態で、スタジオモードに切り替えましょう。
スタジオモードに切り替えると、下記画像のように2画面になります。同じものが2個映りますが、正常です。
ここで「画面キャプチャ」を追加しましょう。すると、左の画面にデスクトップ画面が映りますが、いま視聴者に見えているのは右の画面です。
▲視聴者に見えているのは右の画面です。左の画面は見えていません。
左の画面でクロップを行います。準備が整ったら、「トランジション」をクリックしてください。
すると、左の画面が右の画面に反映されます。視聴者からしてみれば、ここで初めてクロップ後の画面が見えるわけです。
▲「トランジション」をクリックしたので、左の画面が右の画面に反映されました。
スタジオモードの詳細については、下記ページをご覧ください。

画面キャプチャーが映らないときは
おもにゲーミングノートとよばれるスペックの高いゲーム用ノートPCを持っている人向けの対処法です。すべての人に該当するわけではありません。
以前はWindows側の設定を変更することで対処していましたが、現在はOBSのバージョンを27.0以降にアップデートすることで問題が解決します。

まとめ
OBSの画面キャプチャーで重要なのは、以下の3点です。
- OBSのウィンドウを最大化しない
- クロップ機能を使って画面キャプチャーの範囲を狭くする
- スタジオモードにすれば画面を隠せる
どうしても画面キャプチャーが使いづらいという場合、裏技的な方法もあります。XSplitの機能を借りる方法です(仮想カメラ出力)。
- XSplitをインストールする(配信するわけではない)。
- OBSの「+」をクリックし、「映像キャプチャデバイス」を追加する。
- 「デバイス」で「XSplitBroadcaster」を選択する。
- 「OK」をクリックする。
- XSplitのほうで、「ソースの追加」→「Screen キャプチャー」→「スマートセレクション」を使って画面キャプチャーする(画面をドラッグ)。
- XSplitの画面がOBSにも映る。
▲OBSで「映像キャプチャデバイス」を追加し、「デバイス」を「XSplitBroadcaster」に設定します。こうすることで、XSplitに映っている画面をすべてOBSにも映す(出力する)ことができます。
下記ページでも書きましたが、XSplitの画面キャプチャーは優れています。最初からピンポイントで任意の範囲を取り込めるため、想定したとおりの動作になるでしょう。配信自体は、通常どおりOBS側で行います。
