OBS Studio(以下OBS)に映っている画面は、DiscordやZoomにも映すことができます。
OBSを使えば、多くのメリットがあるでしょう。
- 画面レイアウトを自由に作り込める
- シーン機能で複数の画面をワンタッチでスムーズに切替
- テロップを入れられる
- 無料でライブ配信できる
Discord、およびZoomにも画面共有機能がありますが、OBSのほうが多機能であるため、有利な点が多いわけです。
今回は、その具体的なやり方を見ていきましょう。キーワードは仮想カメラです。
以下の解説は、Windows版を前提としています。macOS用ではありません。
目次
バーチャルカメラを理解しよう
OBSの画面を流すための機能
OBSの画面をビデオチャットアプリに映すためには、仮想カメラ(バーチャルカメラ)を使う必要があります。
仮想カメラというのは、「PCの画面を他人に見せたいときに使う機能」だと思ってください。OBSの画面は、Webカメラの映像として扱われます。
PCの音を流すなら、別途設定が必要
PCの音声には注意しましょう。入れる方法をきちんと考えておかないと、音が入らないからです。
たとえば、「いま映しているYouTubeの動画の音も聞いてもらいたいな」と思うケースがあるかもしれません。しかし、動画の音は参加者に聞こえないのです。
では、どうすればよいのかというと、Zoomであれば簡単な設定変更で対処できます(後述)。 他方、Discordはやっかいです。
OBS-VirtualCamを導入しよう
仮想カメラを使いたいので、「OBS-VirtualCam」をインストールしましょう。
最新情報(2020年9月30日)
OBSは、バージョン26.0から仮想カメラ機能に標準対応しました。そのため、必ずしもOBS-VirtualCamをインストールする必要はなくなりました。
ただ、この記事はOBSが仮想カメラに対応する以前に書いたものであり、OBS-VirtualCamを使う方法で解説しています。
ダウンロードする
まずはダウンロード(無料)です。
- GitHubにアクセスする。
- 「obs-virtualcam-x.x.x-Windows-installer.exe」(最新バージョン)をクリックする。
インストールする
つぎはインストールです。
- ダウンロードしたEXEファイルをダブルクリックする。
- 画面を順に進めていく。
- 「Install」をクリックする。
OBSで仮想カメラの設定をしよう
ここまでできたら、OBSを起動してOBS-VirtualCamの設定をしましょう。
設定を確認する
まず、「ツール」→「VirtualCam」の順にクリックします。
「Target Camera」が「OBS-Camera」になっていることを確認してください。
出力を開始する
そして「Start」ボタンをクリックします。これは、OBSの画面をビデオチャットアプリに出力するための設定です。
逆に言えば、出力を開始しないことにはビデオチャットアプリでOBSの画面を映せません。
したがって、毎回「Start」ボタンをクリックする必要があります。
もしこれが煩雑である場合は、「AutoStart」をONにしておきましょう。そうすれば、OBSを起動するだけで自動的に仮想カメラ出力を開始します。
なお、設定画面は閉じてもかまいません。また、OBSの「配信開始」ボタンはクリック不要です。
このあとの使い方
あとは、各ビデオチャットアプリ側で設定します。
- OBSで仮想カメラ出力を開始する。
- 各アプリのカメラ設定画面を開き、「OBS-Camera」を選ぶ。
以下、DiscoroとZoomに分けて見ていきましょう。
Discord側の設定方法
歯車アイコンをクリックします。
そして、「音声・ビデオ」をクリックしてください。
画面を下にスクロールしたところに「カメラ」があります。ここを「OBS-Camera」にしましょう。
▲さきほど「OBS-Camera」を選んだので、同じものを選びます。
最後に、ビデオ通話を開始し、カメラをONにすれば完了です。
Discordに映っている画面は左右反転して表示されますが、通話相手の画面では正常に表示されます。
Zoom側の設定方法
「ビデオの停止」横の矢印をクリックし、「OBS-Camera」を選択しましょう。
「画面を共有」からOBSを選ぶわけではないので、その点は注意してください。「画面を共有」は、Zoomの画面共有機能です。
仮想カメラが使えない場合は、Zoomのバージョンを5.0.2以降にアップデートすると直るかもしれません。
PCの音声を聞いてもらう方法
Discord
どうしたらPCの音をDiscordに流し、通話相手に聞いてもらえるのでしょうか。
この点、難易度を度外視すればVoiceMeeter Banana(以下Banana)というアプリを使う方法が便利です。
Bananaを使うことで、PCの音を流すかどうかという設定をボタンの切替操作で行うことができるようになります。
ただ、最初の設定、導入段階で手間取るかもしれません。難度は高めです。
設定方法については、下記ページを参考にしつつ「Voicemeeter VAIO」の「B2」を点灯させてください。
Zoom
Zoomの場合は、アプリ側で簡単な設定をすればPCの音を流せます。
まず、「画面を共有」をクリックします。
つぎに、「詳細」タブを開いて「コンピューターサウンドのみ」を選択します。下のほうにある「コンピューターの音声を共有」ではないので、注意してください。
最後に、「共有」をクリックすれば設定が反映されます。
まとめ
今回は3つの手順を踏みました。
- OBS-VirtualCamをインストールする。
- OBS-VirtualCamを開始する。
- Discord、またはZoom側のカメラ設定で、「OBS-Camera」を選択する。
たまに2番めを忘れそうになりますが、「AutoStart」をONにしておけば問題ないでしょう(上述)。
OBSの詳しい使い方については、下記ページも参考にしてください。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。
コメント
はじめまして。わかりやすく、とても参考になる記事、ありがとうございます。
記事とは少しズレますが、知っていれば教えてください。
MacでOBS ninja & Studio を使っているのですが、複数人で収録する際に、
Ninjaの方で、Studioの画面を共有したいのですが、Ninjaの画面共有を押しても、
画面全体&アプリが反映されません。ブラウザの方は、共有できます。
Macを使っている人で、同じことが起こっているため、
何かご存知であれば、教えてもらえると助かります。