OBS Studio(以下OBS)のシーン機能を使うと、画面を一瞬で切り替えられるようになります。
たとえば、以下のような場面です。
- 配信中、休憩を挟みたいとき
- 待機画面を表示しておきたいとき
- OP・ED用の動画を流したいとき
- Webカメラの映像を小画面 → 全画面に切り替えたいとき
- 複数のWebカメラの映像を切り替えたいとき
具体的には、ふだんはゲーム画面を表示しておいて、休憩のときは犬の画像を表示したいという場面をイメージしてください。これがワンクリックで可能です。
ほかにも、配信で人が集まるまで待機画面を見せておき、任意のタイミングでゲーム画面に切り替えることもできます。これもワンクリックです。
目次
シーンを切り替えてみよう
実際にシーンを作って切り替えてみましょう。簡単です。
- 通常どおりソースを追加します。
- 「シーン」のところにある「+」をクリックします。「ソース」ではなく「シーン」の「+」です。
- 適当な名前をつけて「OK」をクリックします。
- いま追加したシーンにソースを追加します。
- 完成です。任意のシーン名をクリックしましょう。画面が切り替わるようになりました。
シーン切替時のエフェクトを変えよう
一括で設定する
シーンを切り替えたさいのエフェクトは、「シーントランジション」の「+」で変更できます。
選択できるエフェクトは以下のとおりです。いちばん使いやすいのは「フェード」です。個性を出したいなら「スティンガー」がよいかもしれません。
- カット
- フェード
- スワイプ
- スライド
- スティンガー
- カラーにフェード
- 輝度ワイプ
スティンガーは、自作したトランジションを使える機能です。アルファチャンネルというものを入れて動画を作り、その動画を選択します。中・上級者向けの機能だと思ってください。ネット上で配布されているトランジションも選択可能です。
切り替え速度(時間)については、大半のトランジションは「期間」で変更できます。
個別に設定する
通常、適用されるトランジションは、どのシーンに切り替えるさいも同じものが使われます。すなわち、上述した「シーントランジション」で設定したものが使われます。
しかし、シーンごとに別のトランジションを適用したいときはどうしたらよいのでしょうか。以下のように設定します。
- いずれかのシーン名で右クリックする。
- 「トランジションオーバーライド」から、任意のものを選択する。
たとえば、シーン1で右クリックして「トランジションオーバーライド」を「カット」に設定した場合、シーン2からシーン1に切り替えたさいに「カット」が適用されます。
いろいろあるシーンを切り替える方法
通常はシーン名をクリックしてシーンを切り替えます。しかし、これ以外にも方法があるので覚えておきましょう。
ホットキー
キーボードのボタンを押して、ホットキーでシーンを切り替える方法です。
- 「設定」→「ホットキー」の順にクリックする。
- 「シーン切り替え」で任意のキーを押す。
- 必要に応じて、別の「シーン切り替え」で任意のキーを押す。
- 「OK」をクリックする。
ホットキーを設定しておけば、たとえばテンキーを使ってシーンを切り替えることもできます。
具体的には、シーン1からシーン2に切り替えるときはNum 2キーを押し、シーン2からシーン1に切り替えるときはNum 1キーを押す、というような使い方です。
マルチビュー
ゲーム配信ではあまり使いませんが、「表示」→「マルチビュー」でもシーンを切り替えられます。
ひとつの画面内で、各シーンの状況を把握できる点が大きな特長といえるでしょう。
やり方は以下のとおりです。
- 「表示」→「マルチビュー (ウィンドウ)」、または「マルチビュー (全画面)」の順にクリックする。
- 画面のサムネイルをクリックする。
▲「番組(最新版だと「プログラム」という表記」と書いてある部分が、現在視聴者に見えている画面です。基本的には、「プレビュー」と「番組」には同じ画面が映ります。例外はスタジオモードの場合です。
マルチビューは、動いている映像ソース(例 : 動画、画像スライドショー)をシーンに追加しているときに便利です。各シーンの内容を常時リアルタイムでモニターできるため、ここぞというタイミングでシーンを切り替えられます。
自動シーンスイッチャー
自動シーンスイッチャーを使うと、指定しておいたウィンドウをクリックしたさいに自動でシーンを切り替えられます。
ただ、使用頻度は高くありません。「ツール」→「自動シーンスイッチャー」で設定します。
参考 自動シーンスイッチャー
Stream Deck
OBSのホットキーの設定と似ているのですが、Stream Deckという周辺機器を使うと液晶ボタンでシーンを切り替えられるようになります。
Stream Deckの液晶ボタンに、好きなシーンを登録しておきましょう。どのキーにどのシーンのホットキーを割り当てたか、覚えておく必要はありません。ボタンを見れば一目瞭然だからです。
シーン切替時に、マイクの音を自動で消す方法
たとえば、「トイレ休憩するときはシーン2に切り替える」と決めていたとします。そして、トイレ休憩中はマイクをミュートにしたいとしましょう。
このとき、シーン2に切替時に自動でマイクをミュートにできます。つまり、マイクの音を手動でミュートにする手間を省けます。
「音声入力キャプチャ」を追加する
以下のようにして、特定のシーンに「音声入力キャプチャ」を追加しましょう。
- 「設定」→「音声」で、「マイク音声」をすべて「無効」にします。そうしないと、マイクの音が響く(エコーがかかる、ハウる、二重になる)現象が起こります。
- 「OK」をクリックします。
- マイクの音を入れたいシーンに切り替えて、「ソース」の「+」から「音声入力キャプチャ」を追加します。
- 「デバイス」で、使用する「マイク」を選択します。表示される項目は、PC環境によって異なります。
- 「OK」をクリックします。
- このように設定すれば、「音声入力キャプチャ」を追加したシーンに切り替えているときだけ、マイクの音が視聴者に聞こえます。
- 詳細については、「【OBS】ソースの「音声入力キャプチャ」って?シーン機能と組み合わせて使います」をご覧ください。
注意点
シーンに「音声入力キャプチャ」を追加する方法は、とても便利です。しかし、わかりやすさ、簡単さという観点からは、あまり初心者向けとはいえません。
ふだんシーンについて意識していないと、視聴者に「マイクの音が聞こえない」「マイクの音が二重に聞こえる、変だ」といわれて混乱するかもしれません。
そこで、基本的には「設定」→「音声」でマイクの設定を行ってください。慣れてきてから「音声入力キャプチャ」を使えばよいのです。
シーン(ソース)を保存しよう
あらかじめシーン・ソースを保存しておき、必要なときに呼び出せる機能がシーンコレクションです。
ソースのサイズ・位置も保存されます。もしお気に入りの画面レイアウトが完成したら、積極的にシーンコレクションとして保存するとよいでしょう。
詳細については、下記ページをご覧ください。
その他
顔出し配信している場合、カメラ映像のワイプ画面・全画面をシーン機能で切り替えると効果的でしょう。
余談ですが、フィルターはシーンにもかけることができます。この場合、シーンに追加している全ソースに効果が適用されます。
- シーン上で右クリックし、「フィルタ」を選択する。
- 「+」から任意のフィルタを選択する。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。