OBS Studio(以下OBS)を使用している場合、リバーブ(エコー)をかけるにはどうしたらよいのでしょうか。
4つ方法があります。
- VSTプラグインを入れる ←このページで解説
- オーディオインターフェイスを使う
- ボーカルエフェクターを使う
- アプリを使う
今回は、VSTプラグインを使ってリバーブをかけてみましょう。無料で簡単にできます。
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目次
VSTプラグインをインストールしよう
VSTプラグインは音楽制作で使われる規格で、導入するとさまざまな機能を追加できるようになります。
リバーブもそうです。VSTプラグインを入れることで、OBSでリバーブが使えるようになります。
では、具体的にどのようなVSTプラグインを入れるかということになりますが、以下のいずれかがよいかもしれません。
- OrilRiver
- SanfordReverb
- Valhalla Supermassive
今回は「OrilRiver」を入れてみましょう。リバーブのプリセットが用意されていて使いやすいです。
OrilRiverを入れよう
OrilRiverのダウンロード方法は以下のとおりです。
- OBSは閉じておく。
- 公式サイトにアクセスする。
- 右のダウンロードアイコンをクリックする。
- 「orilriver_winxxx.zip」がダウンロードされる。
- ZIPファイルを解凍する。
ZIPファイルを解凍後、「OrilRiverxxx」フォルダーを開いてください。そして、同フォルダー内にある「OrilRiver (x64)」を開きます。
▲OBSが64bit版なので、「OrilRiver (x64)」を開きます。「OrilRiver (x86)」のほうではありません。
すると、「OrilRiver.dll」があるので確認しましょう。
▲「OrilRiver.dll」が必要です。「OrilRiver.vst3」はVST3プラグインといって、基本的にOBSでは使えません。
そうしたら、今度は「C:\Program Files」を開きます。
ここで適当な空白箇所で右クリックし、「新規作成」から「フォルダー」をクリックします。
そして、フォルダー名に「VSTPlugins」と入力してEnterキーを押します。
▲スペルミスしないように注意しましょう。
最後に、いま作った「VSTPlugins」フォルダー内に「OrilRiver.dll」をコピー&ペーストしてください。これでインストール完了です。
▲「OrilRiver.dll」を「C:\Program Files\VSTPlugins」にコピーしました。
フィルターを追加しよう
マイクを接続して設定しておく
前提としてマイクをPCに接続しておきます。
また、OBSを起動し、使用するマイクを「設定」→「音声」→「マイク音声」で選んでおきましょう。
フィルター追加する
ここが重要な部分です。OBSでリバーブをかけるためには、マイクにフィルターを追加する必要があります。
とはいえ、難しく考える必要はありません。「マイク」のところにある縦の3点リーダーから「フィルタ」をクリックしてください。
そして「+」アイコンをクリックすると、そこに「VST 2.x プラグイン」があるのでクリックします。名前の入力画面が出てきますが、適当でかまいません。
「VST 2.x プラグイン」の部分で「OrilRiver」を選びましょう。もし選べない場合は、OrilRiverのインストールに失敗している可能性があります。
インターフェイスを開く
「プラグインインターフェイスを開く」をクリックすると、OrilRiverの操作画面が開きます。
簡単な使い方ですが、まず画面右側のスイッチがONになっていることを確認してください。緑色が表示されている状態がONです。
▲ONの状態
画面中央に「Default」と書いてありますが、これはリバーブのプリセットです。好みのものでかまいません(音を聞く方法は後述)。
つまみ・フェーダーの意味がわからないのであれば、自分で設定せずプリセットから選ぶのがおすすめです。
確認しよう
モニタリングする
リバーブがどのように聞こえるか、実際に自分の耳で確認してみましょう。
まず、「音声ミキサー」の歯車アイコンをクリックしてください。すると、「オーディオの詳細プロパティ」が開きます。
設定画面が表示されたら、「マイク」の「音声モニタリング」を「モニターのみ(出力はミュート)」にします。マイクの音が聞こえるようになりました。
リバーブの確認がすんだら「モニターオフ」に戻しましょう。戻さないと、デスクトップ音声の設定によってはマイクの音を配信できなくなります。
フィルターの順序を見直す
「VST 2.x プラグイン」はいちばん下に配置しましょう。そうしないと、場合によっては音が途切れて不自然な感じになることがあります。
たとえば、「VST 2.x プラグイン」が「ノイズ抑制」の上に配置されているようなケースです。
フィルターは上から順番に適用されるので、覚えておいてください。
遅延をチェックする
歌配信(歌枠、カラオケ配信)の場合、マイク音の遅延を確認したほうがよいかもしれません。
自分では完璧にオケとタイミングが合っているつもりでも、録画するなどして確認したほうが無難です。
オケにリバーブがかかっていないか
通常はマイクのみリバーブをかけたいはずです。
しかし、オーディオインターフェイスなどを使っている場合、設定によってはオケ(楽曲のBGM)にもリバーブがかかっているかもしれません。
この理由は単純で、オーディオインターフェイスのループバック機能が原因です。
同機能がONになっていると、すべての音をPC(OBS)に送ることになるので、マイク + オケの両方にリバーブがかかります。
マイクだけにリバーブをかけるには、
- ループバック機能をOFFにする(マイク音だけをPCに送る)
- オーディオインターフェイスのほうでリバーブをかける
といった対処法が考えられます。
ホットキーで切り替えよう
VSTプラグインを使ってリバーブをかける場合、ボタンひとつでON/OFF切り替えられたほうが便利でしょう。そこで、ホットキーを設定します。
やり方ですが、「filter-hotkeys」というフィルターを使います。
具体的な方法については、下記ページをご覧ください。
まとめ
OrilRiverを使えば簡単にリバーブをかけられます。
- OrilRiverをインストールする
- OBSで使用するマイクにフィルター(VST 2.x プラグイン)を追加する。
たったこれだけです。
フィルターの設定は、シーンコレクションを使って保存しておくとよいかもしれません。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。