OBS「音声モニタリング」で音を聞く方法|音が二重、消える原因になることも

OBS Studio(以下OBS)の音声モニタリング機能について見ていきましょう。

音声モニタリング

ここでいう「音声モニタリング」とは、OBSが入力した音を自分で確認するときに使う機能のことをさしています。

  • モニター(monitor) : 監視すること
  • モニタリング(monitoring) : 同上

同機能を使わなくても配信はできるのですが、配信している音を自分でも聞きたいときに適宜使うことがあります。

Windows用の解説です。

便宜上、ライブ配信を前提にしていますが、録画の場合も基本的に同じです。

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音声モニタリングの設定画面を開く

音声モニタリングするには、「オーディオの詳細プロパティ」という設定画面を開きましょう。

オーディオの詳細プロパティ
▲ここに歯車アイコンがない場合は、上部メニューバー「編集」→「オーディオの詳細プロパティ」でも開けます(バージョン28.0以上で同アイコンが表示)。

設定画面の見方ですが、たとえばマイク音をモニタリングしたい場合は「マイク」の「音声モニタリング」の部分に着目します。

音声モニタリング

つまり、音声モニタリングしたい項目を横方向に見ていき、その項目の「音声モニタリング」の設定を変更するようにしてください。

どんな目的で、なんのために使うのか

音声モニタリングを使うのはどのようなときでしょうか。代表的なケースは3つ考えられます。

マイクテストしたいとき

ゲーム配信ではマイクを使って自分の声を入れるわけですが、マイクの音質などを確認したいことがあります。

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そこで、マイクテストの一環としてマイクの音をモニタリングするのです。

音声モニタリング

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マイクに向かって声を入れると、少し遅れて自分の声が返ってきます。こうすることでマイクの音質をほぼリアルタイムで確認できます。

マイク音をモニタリング

確認が終わったら「モニターオフ」に戻しましょう。

「映像キャプチャデバイス」の音を聞きたいとき

これは、PC周辺機器であるキャプチャーボードを購入した場合に該当します。

つまり、Switch2/Switchなどのゲーム配信をやりたい場合の設定です。

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映像キャプチャデバイス」を追加してOBSにゲーム機の画面を映すわけですが、初期設定ではゲーム音が自分に聞こえません(視聴者には聞こえる、動画にも音は入る)。

映像キャプチャデバイス

ではどうするのかというと、一例として「映像キャプチャデバイス」の「音声モニタリング」を「モニターのみ (出力はミュート)」にするのです(後述)。

映像キャプチャデバイス、モニターのみ (出力はミュート)

そうすると、PCからゲーム音が出て自分にも聞こえるようになります。

つまり、OBSに映っているゲーム画面を見つつ、PCから出ているゲーム音を聞きながらプレイできるというわけです。

OBS Studio

「メディアソース」の音を聞きたいとき

PCのHDD/SSDに保存してある動画を視聴者に見せたい場合、「メディアソース」を追加することで画面を映せます。

メディアソース

ただ、音声モニタリングをONにしないと初期設定では自分に音が聞こえません

つまり、画面はOBSに映っているのに、動画の音は自分に聞こえない(視聴者には聞こえる)という状態です。

そこで、自分でも音を聞きたい場合に「メディアソース」の音声モニタリングをONにします。

メディアソース、モニターのみ (出力はミュート)

なお、メディアソースについては下記ページをご覧ください。

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モニタリングデバイスを設定する

どの機器から音を出すのか決める

まず前提として、「モニタリングデバイス」の設定を行いましょう。重要な部分です。

  1. 「設定」→「音声」の順にクリックする。
  2. 「モニタリングデバイス」を「既定」にする。
  3. 「OK」をクリックする。
  4. もしすでに「映像キャプチャデバイス」を追加している場合は、いったんこれを削除して再度設定し直す。

音声モニタリングデバイス

モニタリングデバイスとは、OBSで音をモニタリング(再生)するときに使う機器のことです。

たとえば、ノートPCにUSBヘッドセットを接続していて、マイク音(自分の声)をUSBヘッドセットから出して聞きたいとします。

USBヘッドセット

このとき「モニタリングデバイス」の設定が適切であれば、モニタリングしている音はUSBヘッドセットから聞こえてきます。

しかし、設定が不適切だとノートPC内蔵のスピーカーから音が出てしまい、USBヘッドセットからは音が出ません。

つまり、OBSの音をどの機器から出して聞きたいのか決めるのが「モニタリングデバイス」の設定なのです。

「モニタリングしたいのに音が聞こえないぞ?」ということがないように、「モニタリングデバイス」の設定をしっかり行いましょう。

「既定」にしておく

では、どのような設定にすればよいのでしょうか。

通常は「既定」にしておいてください。

「既定」とは、ふだん私たちがPCで音を出して聞くのに使っている機器のことをさしています(既定のデバイス)。

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そうすれば、OBS上で問題なく音をモニタリングできます。

もちろん、必ずしも「既定」でなくてもかまいません。意図的にモニタリングデバイスを指定するメリットもありますが、よくわからないなら「既定」が無難です。

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設定を変更する

「音声モニタリング」の設定は3種類から選べます。必要に応じて変更しましょう。

説明 配信への影響 重要度
モニターオフ ・初期設定 なし A
モニターのみ(出力はミュート) ・音を自分で聞きたいときに
・マイクテストしたいときに
配信には乗らない A
モニターと出力 ・音を自分で聞きたいときに
・場合によっては音が二重になる
・32.0以降なら問題なし
配信にも乗る C

モニターオフ

初期設定では「モニターオフ」になっています。

モニターオフ

これは、配信者自身が音声をモニタリングしない、音を聞かない設定です。意外かもしれませんが、「モニターオフ」でも配信に影響はありません

モニターのみ(出力はミュート)

音声モニタリングしたいときは、「モニターのみ(出力はミュート)」にしましょう。

モニターのみ(出力はミュート)

モニタリングはするけれども、音声は配信に乗せないという設定なので、その意味で「モニターのみ」という表現になっています。

「出力」は配信・録画のことをさしており、「出力はミュート」はモニタリングしている音を配信・録画に乗せない設定となります。

「出力はミュート」という表現からすると、選んではいけないようなイメージを持つかもしれません。

しかし、ほかの音声設定が正しくできているなら(←重要)、「出力はミュート」で問題ないのです。

たとえば、キャプチャーボードを使用しているときに「モニターオフ」の設定だったとします。

映像キャプチャデバイス、モニターオフ

このとき、配信者自身にはゲーム音は聞こえない(視聴者には聞こえる)というケースがあるかもしれません。

具体的には、「映像キャプチャデバイス」の設定で「音声出力モード」を「音声のみをキャプチャ」にしている場合です。

音声のみをキャプチャ

しかし、それで正常です。

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では、どうすればよいのかというと、ひとつの方法としては必要に応じて「モニターのみ(出力はミュート)」に変更するのです。

映像キャプチャデバイス、モニターのみ (出力はミュート)

ほかにも「モニターオフ」にしたままパススルー出力する方法もありますが、こちらは慣れてきてからでかまいません。

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なお、「デスクトップ音声」は「モニターのみ(出力はミュート)」にしません。デスクトップ音声を流せなくなるからです。

音声モニタリング

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モニターと出力

では、「モニターと出力」はどのような設定かというと、これは音をモニタリングしつつ、配信に乗せる設定です。

モニターと出力

通常、「モニターと出力」にする機会は多くありません。これを使うことがあるとすれば、いくつかの限られた場面です。

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ただ、OBSのバージョンが32.0以降であるなら、むしろ「モニターと出力」のほうが使いやすいかもしれません。同バージョンになって仕様が変わったからです。

「モニターと出力」にしたい場合の対処法

もし適当に「音声モニタリング」を「モニターと出力」にすると、音が二重になることがあります。

モニターと出力

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対処法は4つあります。

  • OBSのバージョンを32.0以降にアプデする対策されて二重にならなくなった
  • 「設定」→「音声」→「デスクトップ音声」を「無効」にする
  • 「音声ミキサー」で「デスクトップ音声」をミュートにする
  • 「設定」→「音声」→「モニタリングデバイス」で別のオーディオ機器を選ぶ

どの方法でもかまいません。

ただ、32.0以降にアップデートする以外の方法だと、いろいろ影響もあります。その点は注意してください。

音が聞こえない、出ないときは?

レベルメーターが動いている場合(1)

音声モニタリングしているのに音が聞こえない場合、問題の切り分けをしましょう。

具体的には、レベルメーターが動いているか確認します。音を入れながら目的のレベルメーターを見ます。

  • マイク
  • 映像キャプチャデバイス
  • メディアソース

もし動いているにもかかわらず音が聞こえない場合は、以下の4点を見直します。

  • 「モニタリングデバイス」の設定(上述)
  • 「オーディオの詳細プロパティ」の「音声モニタリング」の設定(上述)
  • 「音声トラック」の設定
  • Windowsの「音量ミキサー」上の「OBS」の設定

設定方法については、下記ページをご覧ください。

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レベルメーターが動いている場合(2)

上記4点を確認し、いずれも問題ないならOBSを再起動します。

それでも問題が解決しないときは、OBSを終了し、その状態でPCから音が聞こえる状態をめざします。

OBSの音声モニタリングの設定は正しいのですが、OBSとは関係ないところでつまずいています。

レベルメーターが動いていない場合

もしレベルメーターが動いていない状態で音が聞こえない場合は、キャプチャーボード関連、またはマイク関連の設定・接続をそれぞれ見直しましょう。

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音声モニタリングの遅延について

常時、音声モニタリングしたいという人もいるかもしれません。しかし、音声モニタリングは遅延があります。

自分が声を発したあと、少し遅れて自分の声が返ってくるので、発話しづらいと感じる人が多いはずです。

もし常時モニタリングしたいのであれば、オーディオインターフェイスなどを導入し、そちらの機能(ダイレクトモニタリング)を使ってください。

オーディオインターフェイス

遅延なしでモニタリングできるので、OBSのモニタリング機能を使うより違和感が少なくなるでしょう。

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コメント

  1. うんこ より:

    この設定だと、音量バランスの調整ができない感じですよね?

    音声モニタリングをゲーム機などの音声をPCで聞くために使っているのでしょうか。

    変則的な使い方なので正しい用途を先に説明した方が良いかと思います。

    • 管理人(Kentaro Kon) より:

      音量バランスの調整は、実際のライブ配信で自分で確認するか、録画するかになります。

      変則的な使い方というのはどのような点でしょうか?
      音声モニタリングの目的については、冒頭で「どんなときに使うのか」の部分に
      書いたとおりです。

  2. k より:

    いきなりのご連絡大変申し訳ございません。

    「モニターと出力」についてご質問させてください。
    OBS、パススルーキャプボを繋げてPS5で配信をしております。
    この時ゲーム内キャラクターが話すと、ボイスがエコーになってしまうためヘッドセットをPCに接続しました。

    そうすると「モニターと出力(ミュート)」、「モニターのみ」のままだと、見てる側に音声、ゲーム音が届かず、「モニターと出力」にすると私の声とゲーム音が届くようになりました。
    問題が起きやすい設定と記述があるため、もし他の方法でエコーにならない方法があればご教示いただけないでしょうか。

    エコーの現象はおそらくスピーカーから出てる音声をマイクが拾ってしまってるのが原因だと思い、ヘッドセットを接続しようと思った次第です。