DaVinci Resolveを使って、画面上にテロップを入れてみましょう。
ここでいうテロップとは、基本的に以下の用語と同義です。
- 文字
- テキスト
- テロップ
- 字幕
今回は、エディットページでの編集を前提としています。
目次
大きく3種類のやり方がある
最初に、「エフェクトライブラリ」ボタンをONにしてください。
そして、「タイトル」をクリックします。すると、「テキスト」「Text+」「字幕」の3種類あることがわかります。
どれを使ってもかまいません。筆者としては「テキスト」や「字幕」が簡単だとは思うのですが、今回は「Text+」について見ていきます。
説明 | |
テキスト | 従来からある、通常のシンプルなツール |
Text+ | 機能が豊富 GPUアクセラレーションが効くため軽い(らしい) バージョン16時点で設定項目が英語 |
字幕 | 字幕を連続して手早く入れるのに特化したツール |
文字を入れよう
「Text+」をトラックに追加する
まず、「エフェクトライブラリ」から「タイトル」を開いておいてください。(上述)。
つぎに、文字を入れたい箇所に再生ヘッドを移動し、「Text+」を空きトラックにドラッグ&ドロップします。
注意したいのですが、Text+をビデオトラックにドラッグ&ドロップするわけではありません。それだと、もとの映像(例 : ゲーム画面)に文字を重ねられないからです。
また、いちばん上のトラックにText+をドラッグ&ドロップしましょう。トラックにも優先順位があり、上のトラックにあるクリップが画面手前に表示されます。
「インスペクタ」で文字を入力する
つぎに、タイムライン上にあるText+をダブルクリックします。すると、設定画面である「インスペクタ」が右上に表示されます。
▲インスペクタは、画面上部の「インスペクタ」ボタンでON/OFFすることもできます。
「Styled Text」に任意の文字を入力しましょう。フォント、色、サイズも変更できます。
もし四角いアイコンが画面上に表示された場合は、フォントの種類を「Kozuka」などに変更するか、または英語を入力すれば直ります。
再生する
文字を入力したら、タイムライン上にあるText+上に再生ヘッドを移動し、動画を再生してみてください。
動画がカクカクする場合、レンダーキャッシュを自動作成する設定にしましょう。やり方は、こちらをご覧ください。
文字の挿入タイミング、長さを変更しよう
動画を再生して確認すると、文字を表示するタイミングを調整したいということがあるかもしれません。
このようなときは、クリップを左右にドラッグして位置を調整します。
また、文字が表示される時間を調整したい場合は、クリップの端をドラッグします。たとえば、クリップを長くすると文字が長く表示されます。
表示時間は数字で指定することもできます。クリップ上で右クリックし、「クリップの長さを変更」を選択してください。
画面上の文字の位置を変更しよう
タイムラインビューアー下部にある変形アイコンを使うことで、画面のどのあたりに文字を表示するのか決めることができます。
変形アイコンをONにしたうえで、画面上の文字をドラッグしましょう。
このとき、以下のような操作もできます。
- Shiftキーを押しながら左右にドラッグ → 水平方向にだけ移動
- Shiftキーを押しながら上下にドラッグ → 垂直方向にだけ移動
数字で位置を指定したい場合は、インスペクタの「ビデオ」タブにある「位置」を変更してもかまいません。
文字を装飾しよう
「Shading」タブを開く(重要)
DaVinci Resolveで文字を装飾する方法は、多少クセがあります。インスペクタの「Shading」タブを開いてください。
同タブにある「Select Element」を必要に応じて切り替えて設定していくことになります。「Enabled」も必要に応じてON/OFFします。
境界線
境界線(ボーダー)は、文字に付ける縁のことです。
やり方は以下のとおりです。
- 「Select Element」を「2」にする。
- 「Enabled」にチェックを入れる。
- 「Thickness」で太さを変える(手動入力で、さらに太く)。
- 「Color」で色を変える。
- 「Outside Only」にチェックを入れると、外側のみに境界線が付く(バグあり)。
境界線は二重にすることもできますが、手間がかかります。
- あらかじめ境界線を付けておく。
- 「Select Element」を5~8の範囲で変更する(例 : 5)。
- 「Enabled」にチェックを入れる。
- 「Appearance」で、左から2番めのアイコンをクリックする。
- 設定する。
ドロップシャドウ
ドロップシャドウは影のことです。
やり方は以下のとおりです。
- 「Select Element」を「3」にする。
- 「Enabled」にチェックを入れる。
- 「Opacity」で影の濃さを変える。
- 「Color」で影の色を変える。
- 「Softness」で影の柔らかさを変える。
- 「Position」で影の位置を変える。
グラデーション
複数の色を使ってグラデーションをかけることもできます。
やり方は以下のとおりです。
- 「Select Element」を「1」にする。
- 「Enabled」にチェックを入れる。
- 「Type」を「Gradient」にする。
- 三角形をクリックして色を変える。
- 色を追加したい場合は、「Shading Gradient」の適当な部分をクリックする。
文字だけでなく、境界線にもグラデーションをかけられるので、好みで使ってください。「Select Element」を「2」に切り替える必要があります。あとは同じです。
ぼかし
ぼかしをかけると、文字や境界線を柔らかく見せることができます。
やり方は以下のとおりです。
- 「Select Element」を「1」(文字)、または「2」(境界線)にする。
- 「Enabled」にチェックを入れる。
- 「Softness」で柔らかさを変える。
- 必要であれば「Glow」も変更する。
文字の背景
文字を見やすくするために、背景を置くこともできます。座布団、テロップベースなどと呼ばれるものです。
やり方は以下のとおりです。
- 「Select Element」を「4」にする。
- 「Enabled」にチェックを入れる。
- 「Appearance」で、左から3番めのアイコンをクリックする。
- 「Level」で「Line」を選択する。
- 大きさを「Extend Horizontal」と「Extend Vertical」で調整する。
- 透明度を「Opacity」で調整する。
- 角を丸めたい場合は、「Round」を変更する。
設定を保存して使いまわそう
せっかく文字を装飾したのですから、設定を保存しておきましょう。そうすれば、次回からこの設定を瞬時に呼び出すことができます。
やり方はいくつかあるのですが、パワービンという機能を使うのが簡単です。
まず、初期設定ではパワービンが非表示になっているので、「表示」→「パワービンを表示」にチェックを入れておきましょう。
▲「表示」→「パワービンを表示」
すると、左側に「パワービン」という項目が表示されます。あとは、タイムライン上にあるText+のクリップをここにドラッグ&ドロップしてください。
パワービンに追加したあとは、F2キーで名前を変更できます。
設定を呼び出すには、パワービンの設定をそのままタイムラインにドラッグするだけです。Text+をタイムラインにドラッグ&ドロップする必要はありません。
フェードをかけよう
文字にフェードイン・フェードアウトをかけると、スムーズに表示・非表示にする演出ができます。
- フェードイン : じょじょに文字を表示する
- フェードアウト : じょじょに文字を消す
やり方は複数ありますが、ショートカットキーを使う方法が簡単です。
- Text+のクリップを選択する(クリックする)。
- Ctrlキー + Tキーを押す。
このあたりについては、下記ページも参考にしてください。複数のクリップにまとめてフェードをかける方法も掲載しています。
ほかにも、キーフレームという機能を使ってフェードをかける方法があります。設定をパワービンで保存できるメリットがありますが、慣れないうちは難しく感じるでしょう。今回は割愛します。
▲フェードインの場合、再生ヘッドをクリップの先頭に移動し、「Opacity」を0にして赤いダイヤのアイコンをクリックします。つぎに、適当な場所に再生ヘッドを移動して「Opacity」を1にすれば完成です。
まとめ
DaVinci Resoleveで文字を入れる方法は、慣れないととまどうことが多いかもしれません。
ポイントは、「Shading」タブでの設定です。「Select Element」で数字を切り替えて、「この効果は2番でやって、この効果は3番でやる」というように考えて設定していく必要があります。
わからないことがある場合は、公式記事の「テキストツール活用術まとめ【DaVinci Resolve質問箱】」が参考になります。たとえば、以下のことについて掲載されています。
- 揺らす方法
- アニメーションをつける(動かす)方法
- 1文字ずつ表示させる方法
DaVinci Resolveの詳しい使い方については、当サイト内の下記記事をご覧ください。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。