私たち一般人がバーチャルYouTuber(以下、VTuber)になるには、VTuber制作ツールを使うのがいちばんの近道です。
▲「3tene」(ミテネ)に「ニコニ立体ちゃん」を表示したところ
「【最新】バーチャルYouTuberの作り方・やり方をざっくりとまとめてみた」では、VTuberを作るうえでの基本的な情報をまとめました。
今回は、VTuber制作ツールでできることについてご紹介します。
目次
VTuber制作ツールとは
簡単にVTuberになるためのソフト
まず、VTuber制作ツールとはどのようなものでしょうか。
端的にいえば、VTuberになるためのソフト、あるいはVTuber用ツールと思ってください。
▲3teneに、「プロ生ちゃん(暮井 慧)」を表示したところ
労力・費用を節約できる
個人が3Dモデル、あるいは2Dモデルを作るのは、たいへんな労力が必要です。また、外注すれば数十万から数百万円の費用がかかります。こうなると、もはや気楽な趣味とはいえません。
そこで登場するのが、VTuber制作ツールです。同ツールを使えば無料で、または安い価格(例 : 1,500円)でモデルを導入できます。
しかも、難しい専門知識は必要ありません。私たちにピッタリです。
こんな用途に使える
モデルを導入後は、以下のような使い道が考えられます。
- ゲーム画面上にモデルを重ねて表示し、ゲーム実況でライブ配信・録画を行う
- モデルを自分の顔の表情や頭の動きに合わせて動かす(トラッキング)
▲PC用の「OBS Studio」というソフトを使って、ゲーム画面に「FaceRig Live2D Module」のモデルを重ねています。このまま生配信・録画することも可能です。
おおよそ5種類ある、VTuber制作ツールの機能
それでは、VTuber制作ツールにはどのような機能が搭載されているのでしょうか。
例として以下のいずれかの機能があります。
- キャラクターカスタマイズ
- VRMファイルのインポート・エクスポート
- トラッキング
- クロマキー合成用の背景の表示
- 録画機能
内容を噛み砕いて見ていきましょう。
キャラクターカスタマイズできる
あらかじめ用意されている3Dモデルをカスタマイズできる機能です。つまり、キャラクリ、キャラメイクのことです。
▲出典 : 『Vカツ』(IVR)より
なにを、どの程度カスタマイズできるのかは、ツールによって違ってきます。自由度が高いものだと、以下のような項目を変更できます。
- 顔
- 髪型
- 体形
- 身長
- 服装
- アクセサリー
VRMファイルを扱える
VRMは、ドワンゴが策定した3Dモデルの規格
VTuber制作ツールで3Dモデルを動かしたいときに重要になるのが、VRMという規格です。
多くのVTuber制作ツールには、VRM形式のファイルを読み込んだり、または書き出す機能が搭載されています。VRM形式 = 3Dモデルのデータだと思ってください。
▲「VRoidStudio」では、VRMモデルのデータを書き出すことができます。
具体的に考えてみましょう。VTuber制作ツールがVRMに対応していると(対応アプリ一覧)、以下のようなことができます。
- VRM形式のファイルをダウンロードし、VTuber制作ツールで読み込む(インポート)
- VTuber制作ツールでVRM形式のファイルを出力(エクスポート)し、アップロードする
- VTuber制作ツール間で、同じVRM形式のファイルを扱う
つまり、こういうことです。
- 他人が作った3Dモデルを使わせてもらえる
- 自分が作った3Dモデルを、他人に使ってもらえる
- 同じ3Dモデルを、別ソフトでも使える
VRM対応のプラットフォーム
では、どこでVRM形式のファイルをダウンロード・アップロードできるのでしょうか。きちんとサイトが用意されています。たとえば、「ニコニ立体」です。
また、2018年12月21日からは、ピクシブが「VRoid Hub」を開始しました。これもやはり、本質的にはニコニ立体と同じ趣旨のサイトです。
VRM対応のソフト
VRM形式に対応しているVTuber制作ツールについては、下記ページをご覧ください。

補足
少し難しい話になりますが、ドワンゴがVRMを提唱する以前から、PMX形式、PMD形式、FBX形式といったフォーマットも存在しています。これらの形式に対応するVTuber制作ツールもあります。
たとえば、キズナアイの3Dモデル(PMX)は公式サイトで無償で公開されており、「FaceVtuber」のようなツールで表示して動かすことができます。
また、「PMCA」を使えばPMD形式の3Dモデルを作成できます。
トラッキングできる
自分の顔の表情や、頭の位置、口の動きをモデルに反映させたいときに使うのがトラッキングです。
▲「FaceRig」のトラッキング設定
個人でVTuberになりたいなら、トラッキングで必要なのは以下の2点です。
- トラッキングに対応したVTuber制作ツール(例 : FaceRig)
- Webカメラ、またはスマホ
企業系VTuberの場合は、とても高価な機材を使って全身(手足)の動きもトラッキングしています。私たちには縁がない話でしょう。
マウス操作、キーボードのボタン操作、フリック操作で、顔の表情や全身のポーズを変える場合もあります。
クロマキー合成用の背景にできる
ゲーム実況などで、ゲーム画面上にモデルを重ねて表示したいという場合があるかもしれません。
このようなときは、VTuber制作ツールでモデルの背景を緑色にします。緑色の部分は、じつは別のソフトを使えば透明にできます(クロマキー合成)。
つまり、(1)ゲーム画面にモデルを重ねたうえで、(2)緑色の部分を透明にすればよいというわけです。
細かい話は省きますが、ライブ配信でも録画でも「モデルの背景を透明にする」という基本は同じです。
画面を録画できる
録画機能は、モデルが映っている画面を録画する機能です。
録画機能は便利ですが、なくても問題はありません。なぜなら、モデルが画面に映っているのであれば、その画面は別ソフトを使って録画できるからです。
たとえば、PCの場合はBandicamを使えばよいのです。PCの画面に映っているものはすべて録画できます。

どんなVTuber制作ツールがあるのか
VTuber制作ツールには、PC用とスマホ用があります。
PC用
定番がよいならFaceRig、3Dモデルを作りたいならVRoid Studio、ダウンロードしたVRMファイルを動かしたいなら3teneがおすすめです。

FaceRigの使い方については、下記ページをご覧ください。「バーチャルYouTuber」という表現が登場する以前からある、とても有名なソフトです。

スマホ用
詳細については、下記ページをご覧ください。

質問・コメント
目次1-3のセーラー姿の子はオリジナルですか?
それはFaceRig Live2D Moduleに標準で入っているものですね。
無料でVtuberやってみたいなーって思ったので教えてください
無料かつPCでやるなら3teneがよいと思います。
配信ソフトのOBSとも連携できます。
その他、無料で使えるソフトは下記ページにまとめました。
https://vip-jikkyo.net/list-of-vtuber-tools
スマホから無料でやるならエモモです。
いまのところスマホ単体でゲーム配信をやるならこれ一択です。
https://vip-jikkyo.net/mirrativ-emomo
スマホの画面をミラーリングしてPCから配信するなら、
カスタムキャスト、Vカツが人気です。
ただ、ミラーリングソフトは基本有料なので注意してください。