VTuber制作支援ツールには、さまざまな種類があります。では、いったいどれを使えばよいのでしょうか。
▲出典 : 『Vカツ』(IVR)より
今回は、PC用のツールに絞って10個見ていきましょう。
スマホ用については、下記ページをご覧ください。
関連 【スマホ】どのVTuberアプリを使えばいい?ゲーム配信と絡めてご紹介します
目次
3種類に分けて解説
VTuber制作支援ツールは、以下の3種類に分類できます。
- Webカメラを必要とするタイプ
- VRを必要とするタイプ
- 両方不要なタイプ
厳密な分類ではない点に注意してください。たとえば、「VRを必要とするタイプ」であっても、Webカメラで代用できる場合があります。
以下、どのようなツールがあるか見ていきましょう。意味のわからない用語がある場合は、下記ページをご覧ください。

Webカメラを必要とするタイプ
FaceRig
キャラクターカスタマイズ | × |
トラッキング | ○ |
VRM | × |
クロマキー合成用背景 | ○ |
録画機能 | ○(WebM) |
価格 | 1,480円(税込み) |
公式サイト | FaceRig |
VTuber関係で、FaceRigは定番のソフトと言っても過言ではないでしょう。日本人好みの2Dモデルを使うこともできます。
- 表情を認識できる。
- 3Dモデルが最初から豊富に用意されている。
- 「FaceRig Live2D Module」を購入すれば、2Dモデルも使える。
- 有志が作ったモデルや、自作モデルも使える。
- DiscordやSkypeでも使える。
- 使用者が多い定番。
モデルの作成については、FaceRig・Live2D用のものを外注して作ってもらう方法があります。インターネット上で依頼できます。
- ココナラ
にアクセスする。
- 左メニューの「キャラクターモデリング・下絵」をクリックする。
- ログインして発注・購入する。
FaceRigの詳しい使い方については、下記ページをご覧ください。

3tene
キャラクターカスタマイズ | × |
トラッキング | ○ |
VRM | ○ |
クロマキー合成用背景 | ○ |
録画機能 | ○(MP4) |
価格 | 無料 |
公式サイト | 3tene |
無料ですませたいならお薦めのソフトです。VRMモデルとして「東北ずん子」が最初から入っているので、まずはこれで操作に慣れましょう。
- 表情は手動で変更できる
- 複数のカメラ位置の切り替えに対応
- エフェクト機能あり
- Macにも対応
- 「3tenePro」は、VR対応の有料ソフト
- 「3tenePro+Live2D」は、VRおよびLive2D対応の有料ソフト
カメラ視点を回転させたい場合は、「設定」→「システム」で「カメラの移動方法」を「回転」に変更してください。
Hitogata
キャラクターカスタマイズ | ○ |
トラッキング | ○ |
VRM | ○ |
クロマキー合成用背景 | ○ |
録画機能 | × |
価格 | 無料 |
公式サイト | Hitogata |
キャラクターカスマイズできる、貴重なソフトのひとつです。
- モデルが映っている画面は録画できないが、モーションは録画できる
- 表情は手動で変更できる
- 複数のカメラ位置の切り替えに対応
- アクセサリーパーツを自作することもできる
FaceVTuber
キャラクターカスタマイズ | × |
トラッキング | ○ |
VRM | ○ |
クロマキー合成用背景 | ○ |
録画機能 | ○(WebM) |
価格 | 無料 |
公式サイト | FaceVTuber |
Webブラウザ上で動作するツールです。FaceVTuber公式サイトに「動作確認モデル」が掲載されているので、リンク先から3Dモデルをダウンロードして使ってみるとよいでしょう。
- 専用ソフトのダウンロードは不要。ChromeでFaceVTuber公式サイトを開けばよい
- MMD形式のデータが入ったZIPファイルも読み込める
Wakaru
キャラクターカスタマイズ | × |
トラッキング | ○ |
VRM | ○ |
クロマキー合成用背景 | ○ |
録画機能 | × |
価格 | 無料 |
公式サイト | Wakaru |
上述した3teneと同じ趣旨のソフトです。カメラ操作は、マウスではなくキーボードで行います。
- 表情は手動で変更できる
- 腕・手・指の細かい位置調整ができる
Luppet
キャラクターカスタマイズ | × |
トラッキング | ○ |
VRM | ○ |
クロマキー合成用背景 | ○ |
録画機能 | × |
価格 | 5,000円(無料版あり) |
公式サイト | Luppet |
両手、両指の動きを3Dモデルに反映させたいならLuppetです。VR機器は必要ありません。
- 「Leap Motion
」(Amazon)を使って、手や指の動きを細やかにトラッキングできる
- 表情は手動で変更できる
- バストショット(上半身)に特化
VRを必要とするタイプ
バーチャルキャスト
キャラクターカスタマイズ | × |
トラッキング | ○ |
VRM | ○ |
クロマキー合成用背景 | ○ |
録画機能 | × |
価格 | 無料 |
公式サイト | バーチャルキャスト |
ドワンゴとインフィニットループが共同開発したソフトです。
- HTC VIVE、Oculus Rift、Windows MRに対応
- 表情は手動で変更できる
- ニコ生(nicocas)以外のサイトでも使用可能
- 凸機能、バーチャルデスクトップ機能などを搭載
- 対応OSは、Windows 10(64bit版)のみ
Vカツ
キャラクターカスタマイズ | ○ |
トラッキング | ○ |
VRM | ○ |
クロマキー合成用背景 | ○ |
録画機能 | × |
価格 | 基本無料 |
公式サイト | Vカツ |
無料で3Dモデルをカスタマイズできるソフトです。アップデートにより、試験的にWebカメラにも対応しました(β)。
- HTC VIVE、Oculus Rift、Windows MRに対応
- バーチャルキャスト、ニコニ立体、オンライン上でのVRM出力に対応
- VRM出力には、別途5,000円がかかる
- VRMモデルのデータをPCに書き出すことはできない
- VRの使用が基本だが、なくてもWebカメラで頭の動きをトラッキングできる
- 表情変化は選択式
上述したバーチャルキャストで使いたい場合は、IVR-SHOPで5,000円の「キャラクターチケット」を購入する必要があります。
カスタムオーダーメイド3D2
キャラクターカスタマイズ | ○ |
トラッキング | ○ |
VRM | × |
クロマキー合成用背景 | ○ |
録画機能 | × |
価格 | 10,584円(税込み) |
公式サイト | カスタムオーダーメイド3D2 |
この作品は有料ですが、スマホ用アプリの「カスタムキャスト」のほうは無料です。
- HTC VIVE、Oculus Riftに対応
- 表情変化は選択式
- 「デスクトップスクリーン」機能を搭載(Windows8.1/10)
- 年齢制限があるので注意
両方不要なタイプ
VRoid Studio
キャラクターカスタマイズ | ○ |
トラッキング | × |
VRM | ○ |
クロマキー合成用背景 | × |
録画機能 | × |
価格 | 無料 |
公式サイト | VRoid Studio |
3Dモデルを作成するためのソフトですが、複雑な操作は必要ありません。VRM形式でファイルを書き出したあとは、同形式のファイルを読み込めるソフト(例 : 3teneなど)で動かしましょう。
- 純粋な制作ツール
- 絵を描くような感覚で、髪の毛や目をモデリングできる
- 目や口、鼻の位置をスライダーで調整することもできる
- マウスでもよいが、液晶ペンタブレットを使うとさらに直感的に操作できる
- 着せ替えも可能(VRoid WEAR)
- Macにも対応
VDRAW
キャラクターカスタマイズ | × |
トラッキング | × |
VRM | ○ |
クロマキー合成用背景 | ○ |
録画機能 | × |
価格 | 500円(無料版あり) |
公式サイト | VDRAW |
お絵かき配信など、PCで作業をしている様子を、まるでモデルが行っているように見せることができます。
- 作業しているところをライブ配信したいときに最適
- 視聴者には、モデルが作業を行っているように見える
- デスクトップ画面をそのまま表示
ライブ配信・録画方法について
いろいろやり方はありますが、無料のOBS Studio(以下OBS)を使う方法があります。ライブ配信と録画の両方に対応できます。
▲緑色の部分は、OBSで透明にできます。
OBSがあれば、以下のようなことができます。
- ライブ配信、および録画
- ゲーム画面上にモデルを重ねる
- モデルの背景を透明にする(クロマキー合成)
OBSの使い方については、下記ページをご覧ください。「ソース」というものを追加することで画面をOBSに映し、そのうえでライブ配信・録画することになります。

まとめ
ゲーム実況と相性がよいのは、Webカメラを使うタイプです。なぜなら、ゲーム操作で両手または片手が塞がっていても、モデルの表情をWebカメラでトラッキングできるからです。
VRの場合、頭にヘッドマウントディスプレイ(HMD)を被るため、そもそも表情をトラッキングできません。やるとしたら手動で切り替える必要があります。
また、VRだと基本的には両手にVR用のコントローラーを持つことになります。つまり、別のゲームの操作をするときは、いったんVR用のコントローラーを置かなくてはいけません。Viveトラッカーを使えば対処できますが、注意が必要です。
質問・コメント
管理人様
初めまして、突然のコメント失礼いたします。
VTuberの動画を作りたく、検索しているうちに御サイトにたどり着きました。
御サイトの
【最新】バーチャルYouTuberの作り方・やり方をざっくりとまとめてみた
OBS Studioでソースを追加・設定する方法
大きく2種類。FaceRigのアバターを録画し、ゲーム実況動画を作る方法
OBS Studioの導入方法と、3分で設定するための簡単なポイント
3Dモデルの作り方は?簡単にVTuberになれる制作ツール・ソフト一覧
の5記事を読ませていただきましたが、他サイトでここまでわかりやすく説明しているものがなかったので、大変勉強になり助かりました。ありがとうございます。
一点ご質問させていただきたいです。
HTCかOculasを使って動画撮影をしたいと思っています。
その場合の流れなのですが、
グリーンバックのスタジオでモーションキャプチャを用いて、OBSで録画
↓
なんらかの編集ソフト(AViUtlなど)を使って編集する。
という流れになりますでしょうか。
モーションキャプチャを使った場合の録画と録音について不慣れでよくわからないので
質問させていただきました。
お返事いただけると幸いです。
よろしくお願いいたします
お役に立ててうれしいです。ありがとうございます。
VR使用時の流れについてですが、
OBSのほうに背景が緑色などのモデルの絵を表示させておき、
その緑の背景をOBSのフィルタ機能(クロマキー)で透明にして
録画します。
このときのグリーンバックというのは、スタジオとかでなくても
ソフト側(例 : 3tenePro)で背景を緑色にしている場合もあります。
参考までに、VRゲームの「Beat Saber」で役立つ記事を。
https://twitter.com/sh_akira/status/1124970387572383745
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/1175455.html
https://sh-akira.github.io/VirtualMotionCapture/manual/