OBS Studio(以下OBS)の「+」をクリックすると、「音声入力キャプチャ」と「音声出力キャプチャ」が出てきます。
これはどのような意味があるのでしょうか。
じつは、OBSのシーン機能というものと組み合わせて使うことで、「音声入力キャプチャ」と「音声出力キャプチャ」は威力を発揮します。
詳細は後述しますが、配信中に音声を自動でミュートにできると思ってください。たとえば、休憩時トイレに行くさいに自動でマイクを切れるようにできます。
目次
基本的な用語の確認
用語の意味をザッと確認しておきましょう。
シーン機能とは
シーンは、複数の画面を一瞬で切り替えられる機能です。
これを使うと、たとえばゲーム配信をしていて休憩したくなったら、適当な別画像に切り替えることができます。
詳細については、下記ページをご覧ください。
以下、シーン機能について理解していることを前提に話を進めていきます。
「音声入力キャプチャ」とは
「音声入力キャプチャ」でいうところの「音声入力」とは、端的にはマイク音声のことです。
マイクに声を入れるところをイメージしてください。そうすれば、音声入力とマイクを関連付けて思い出しやすくなるはずです。
そして、特定のシーンに切り替えたときだけ配信されるマイク音声のことを、OBSでは「音声入力キャプチャ」と表現しています。
「音声出力キャプチャ」とは
「音声出力」は、デスクトップ音声のことです。
デスクトップ音声というと、少し難しいかもしれません。以下のような音声のことです。
- BGM、音楽
- ゲーム音
- Discordの通話相手の声
- YouTubeなどで再生している動画の音
- 棒読みちゃんの音
ここでは、ヘッドホンやスピーカーからゲーム音などが出ているところをイメージするとよいでしょう。
そして、特定のシーンに切り替えたときだけ配信されるデスクトップ音声のことを、OBSでは「音声出力キャプチャ」と表現しています。
どんなメリットがある?
では、「音声入力キャプチャ」や「音声出力キャプチャ」を使うとどのようなメリットがあるのでしょうか。
具体例
たとえば、以下のような状況をイメージしてください。
- シーン1に「ゲームキャプチャ」を追加している
- シーン1に「音声入力キャプチャ」を追加している
- シーン2に休憩用の画像を追加している
この状態で配信中、休憩したくなってシーン2に切り替えたとします。すると、自動的にマイク音声がミュートになります。自分の声は視聴者に聞こえません。
休憩を終えてゲームに戻るときは、シーン1に切り替えるわけですが、そうすると自動的にマイク音声のミュートが解除されます。シーン1に追加した「音声入力キャプチャ」のおかげで、マイク音が出るのです。
シーン切替時、自動で音声を切れる
つまり、「音声入力キャプチャ」を使ったことで、シーン切替時にマイク音声を手動でミュートにする手間が省けました。
休憩時間中は、自分の声を視聴者に聞かれたくないはずです。シーン切り替えと同時にマイク音声を自動でミュートにすれば合理的でしょう。
「音声出力キャプチャ」についても同様で、シーンを切り替えるだけでデスクトップ音声をミュートにできます。
設定方法に注意が必要
通常とは異なる設定にする必要があるため、どちらかといえば中・上級者向けかもしれません。
よくわからないのであれば、このページに書いてある設定は不要です。
代わりに下記ページのとおりに設定しましょう。シーン機能と関係なく、マイク音声やデスクトップ音声を配信できるので混乱しません。
音声設定を無効にしよう(重要)
「マイク音声」を無効にする
「音声入力キャプチャ」を使う場合にかぎり、「設定」→「音声」の「マイク音声」を無効にする必要があります。
そうしないと、以下のようなことが起こるからです。
- 自分の声が二重になる(ロボ声、機械音)
- シーンを切り替えてもマイク音声がミュートにならない
「音声入力キャプチャ」を使わない場合は、「マイク音声」を無効にする必要はありません。
- 使わない場合 → 設定変更は不要
- 使う場合 → 「マイク音声」を無効に
「デスクトップ音声」を無効にする
また、「音声出力キャプチャ」を使う場合にかぎり、「設定」→「音声」の「デスクトップ音声」を無効にします。
そうしないと、以下のようなことが起こるからです。
- デスクトップ音声が二重になる(金属的な音)
- シーンを切り替えてもデスクトップ音声がミュートにならない
「音声出力キャプチャ」を使わない場合は、「デスクトップ音声」を無効にする必要はありません。
- 使わない場合 → 設定変更は不要
- 使う場合 → 「デスクトップ音声」を無効に
ソースを追加し、新規シーンを作ろう
まず、「ソース」の「+」から「音声入力キャプチャ」または「音声出力キャプチャ」を追加しましょう。
わかりやすい名称にしたうえで、「OK」をクリックします。
そして、「デバイス」で適切なものを選択してください。「音声入力キャプチャ」の場合であれば「マイク」、「音声出力キャプチャ」の場合であれば「既定」がおすすめです。
最後に、「シーン」の「+」から新しくシーンを作ります。すでにシーンを作成している場合は、そのシーンでかまいません。
シーンに適当なソース(例 : 静止画像)を追加して完成です。
シーンを切り替えよう
ここまで設定できたら、あとは必要に応じてシーンを切り替えるだけです。
シーンを切り替えたときは、「ソース」や「音声ミキサー」を確認するようにしましょう。音が視聴者に聞こえているのか、いちおうの判断基準になります。
たとえば、「ソース」に「音声入力キャプチャ」が表示されていて、かつ「音声ミキサー」の「音声入力キャプチャ」のレベルメーターが動いているのであれば、通常はマイク音声が視聴者に聞こえています。
もっとも、このあたりには例外があるのですが、今回は置いておきます。
シーン(ソース)を保存しよう
以上で設定は完了しました。
今回作ったシーン・ソースは、保存したうえで必要なときに呼び出すこともできます。それがシーンコレクションです。
同機能を使えば、ソースのサイズ・位置も保存されます。積極的にシーンコレクションを使うとよいでしょう。
詳細については、下記ページをご覧ください。
まとめ
「音声入力キャプチャ」や「音声出力キャプチャ」を使う場合は、音声設定を無効にすのを忘れないように注意が必要です。
これを知らないせいで、「音が二重になる」「音が反響する」「音が変だ」というトラブルがあとを絶ちません。
ただ、設定が適切であればシーン機能と組み合わせることで配信を合理化できます。
うまく音声入出力キャプチャーを利用し、配信時における手間を省いていきましょう。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。