PowerDirectorのモーショントラッキング機能を使ってみましょう。
同機能を使うと、文字や画像、モザイクを被写体に追従させることができます。
- 人の顔を画像で隠して追従
- 人の動きに合わせて名前を追従
- 車のナンバープレートにモザイクをかけて追従
最新版「PowerDirector 2024」を使用しています。
Standard版はモーショントラックが使えません。
目次
流れは2ステップ
まず、大きな流れを見ておきましょう。2ステップです。
- 動画内の追従したい部分を設定する(トラッキング)。
- 文字、画像、モザイクを入れる。
1番めは、動画内のどの部分を追従させるのか設定する作業です。
つまり、「映像のこの一部分を追っかけてくれ!」とユーザー側で指定してやるわけです。この設定のことをトラッキングといいます。
トラッキングしよう
「編集」→「モーション トラック」
動画をタイムラインに追加し、白い境界線が表示されていることを確認します。表示されていない場合は、ビデオクリップをクリックします。
「編集」をクリックし、「動画」→「ツール」→「モーション トラック」をクリックしましょう。
「モーション トラック」ウィンドウが表示されました。「トラッカー 1」と表示されていることを確認してください。
▲正常な状態です。もし「トラッカー 1」がない場合は、「トラッカーの追加」をクリックします。
「開始位置」と「終了位置」
通常は動画の途中部分だけトラッキングしたいはずです。そこで、黄色いマーカーを使って「開始位置」と「終了位置」を設定しましょう。
たとえば、Aさんの顔にモザイクをかけたい場合は、そのAさんが登場する箇所を開始位置に、退場する箇所を終了位置に設定します。
選択ボックスを調整する
つぎに、赤色の縦線(スライダー)を開始位置の先頭に移動してください。先頭という点がポイントです。
そして、白色の境界線(選択ボックス)の位置・サイズをドラッグで調整し、追従させたい部分に合わせます。
周りと違う色があれば、そこを選択ボックスの中心にするとよいでしょう。トラッキング精度が向上します。
トラッキングを開始する
準備が整ったら「トラック」をクリックしてください。
すると、トラッキングが開始します。自動で行われるため、しばらく待ちましょう。
トラッキング完了後、うまくできているか再生して確認します。部分的に選択ボックスがズレていることがあるかもしれません。
トラッキングのズレを直そう
もしトラッキングがズレている場合は、手動で調整して直しましょう。
(1)赤色の縦線を左右にドラッグし、(2)おかしい箇所を発見したら選択ボックスの位置・サイズを手動調整します。その繰り返しです。
1フレームごとにトラッキングしてみるのもよいかもしれません。ショートカットキーはCtrlキー + Mキーです。
この場合、トラッキングが完了していない箇所は暗い緑色で表示され、かつ選択ボックスは表示されません。手間がかかるようなら、途中でもよいので「トラック」をクリックして自動でトラッキングしてください。
モザイクを入れよう
トラッキングができたら、いよいよモザイクを入れてみましょう。文字・画像の入れ方については後述します。
モザイクを入れるには最右端のアイコンをクリックします。
▲もしアイコンをクリックできない場合は、トラッキングが完了した範囲(緑色の明るい部分)に赤色の縦線を移動してください。
アイコンをクリックすると、モザイクについての詳細設定が表示されます。このなかで重要なのは、「トラック オブジェクトに合わせてエフェクト サイズを調整」です。
▲ON推奨です。もしチェックを入れられない場合は、トラッキングが完了した範囲に赤色の縦線を移動してください。
同項目にチェックを入れておきましょう。モザイクの大きさが選択ボックスの大きさに合わせて調整されるので、モザイクで被写体を隠しやすくなります。
モザイクの粗さは「グリッドの大きさ」で調整できます。
アイコンをクリックしたとき水色の選択ボックスが表示されます。この範囲にモザイクがかかるので、位置・サイズをドラッグで調整してください。
文字を追加しよう
文字を被写体に追従させたい場合は、トラッキング後に最左端のアイコンをクリックします。
▲もしアイコンをクリックできない場合は、トラッキングが完了した範囲(緑色の明るい部分)に赤色の縦線を移動してください。
アイコンをクリックすると文字の入力画面が表示されます。任意の文字を入力しましょう。
さまざまな設定項目がありますが、いずれも任意でかまいません。文字に背景を入れることもできます。
▲「トラック オブジェクトに合わせてエフェクトの距離を調整」と「トラック オブジェクトに合わせてエフェクト サイズを調整」については、好みの設定にしてください。ONで自動調整です。
追加した文字の位置を調整したい場合は、水色の選択ボックスをドラッグします。ボックスの内側にカーソルを合わせてドラッグです。
画像を追加しよう
画像を被写体に追従させたい場合は、トラッキング後に中央のアイコンをクリックします。
▲アイコンをクリックできない場合は、トラッキングが完了した範囲に赤色の縦線を移動します。
つぎに、「メディア クリップの読み込み」をクリックしてください。
すると、3つの選択肢が表示されます。任意のものを選択しましょう。簡単にテストしたいだけなら「オーバーレイから読み込み」がおすすめです。
説明 | |
ハード ドライブから読み込み | PCに保存してある画像を使いたい場合に |
メディア ライブラリーから読み込み | PowerDirectorの「メディア」の画像を使いたい場合に |
オーバーレイから読み込み | PowerDirectorの「オーバーレイ」の画像を使いたい場合に |
追加した画像の位置を調整したい場合は、水色の選択ボックス自体をドラッグしてください。ボックス内にカーソルを合わせてドラッグです。
「モーション トラック」ウィンドウを閉じると、タイムラインに画像が追加されます。
▲「オーバーレイから読み込み」で画像を追加した場合は、このタイムライン上の画像をダブルクリックして文字などを編集しましょう。
トラッカーの追加・削除
複数の箇所をトラッキングしたい場合は、トラッカーを追加してください。「トラッカーの追加」をクリックします。
追加したトラッカーを削除するには、右クリックして「トラッカーの削除」です。
まとめ
モーショントラッキングは、初めて使うときは少し混乱するかもしれません。しかし、流れを理解すれば簡単です。
- 開始位置・終了位置を設定する。
- トラッキングする。
- トラッキングを手動で修正する。
- 文字、画像、モザイクを入れる。
ただ、モザイク(ぼかし)については、文字や画像を入れるのと比較すると難度は高い傾向があります。
慣れないうちは、文字・画像を被写体に追従させる練習をするとよいかもしれません。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。