特定のウィンドウ画面を映したいときに使うのが、OBS Studio(以下OBS)の「ウィンドウキャプチャ」です。
これを使えば、さまざまなアプリの画面を取り込めます。
- PCゲーム(ウィンドウ)
- ブラウザー(例 : Chrome)
- お絵かきソフト
- メモ帳
- 動画プレイヤー
- ミラーリングソフト(スマホの画面をOBSに映したいときに使う)
「ウィンドウキャプチャ」は汎用性が高く使用頻度が高いほうですが、アプリの画面をうまくOBSに映せないことがあるかもしれません。
そこで、ポイントを押さえておく必要があります。「ウィンドウキャプチャ」の設定方法について見ていきましょう。
関連OBS Studioに画面を映したい。頻繁に使う4つのキャプチャー方法
ライブ配信・録画共通の記事です。
Windows版の使用を前提としています。
目次
「ゲームキャプチャ」との違い
「ウィンドウキャプチャ」と似たものに「ゲームキャプチャ」があります。
両者の違いで重要なのは、フルスクリーンのPCゲームをOBSに映せるかどうかという点です。
- ウィンドウキャプチャ : 非対応
- ゲームキャプチャ : 対応
PCゲームの画面を取り込みたいのであれば、まずは「ゲームキャプチャ」の使用を考えてください。
ただ、「ゲームキャプチャ」に対応していないPCゲームもあるでしょう。その場合は、フルスクリーンを解除したうえで「ウィンドウキャプチャ」を使います。
「ウィンドウキャプチャ」を追加しよう
ソースを追加する
まず、映したいアプリを起動します。ゲームについてはフルスクリーンを解除しておいてください。
つぎに、「ソース」の「+」をクリックして「ウィンドウキャプチャ」を選択します。
適当な名前をつけて「OK」をクリックします。
ウィンドウを選択する
すると、「ウィンドウキャプチャ」のプロパティが開きます。視聴者に見せたい画面を「ウィンドウ」の部分で選択してください。
注意点ですが、取り込みたいアプリのウィンドウを最小化している状態でプロパティを開くと、「ウィンドウ」の部分で選択できません。選択肢としてアプリが表示されないのです。
その場合は、いったん「キャンセル」をクリックします。
そして、ウィンドウを通常どおり表示し、再度「ウィンドウキャプチャ」のプロパティを開きます(ダブルクリック)。今度は「ウィンドウ」で選べるはずです。
最後に、もう1個注意点ですが、ウィンドウキャプチャー中はウィンドウを最小化しないようにしてください。アプリによっては画面が映らなくなります。
サイズ・位置を調整する
必要に応じてウィンドウのサイズ・位置を調整します。
ウィンドウサイズを画面内で最大限大きくしたい場合は、Ctrlキー + Fキーを押しましょう。
このあたりの詳細については、下記ページをご覧ください。
便利な「ウィンドウの一致優先順位」
「ウィンドウの一致優先順位」は、自分の目的に合ったものを選ぶようにします。
たとえば、「タイトルに一致、そうでなければ同じ種類のウィンドウを見つける」を選んだ状態で、「ウィンドウキャプチャ」の対象となっているメモ帳(「01.txt」)を閉じたとしましょう。
この状態で、かりにメモ帳(「02.txt」)を開いた場合、「02.txt」がOBSの画面に自動で映し出されます。
つまり、いままで「01.txt」を取り込んでいたのですが、自動的に「02.txt」を取り込んでくれるわけです。設定の手間が省けました。
しかし、もし人に見られたくない内容が「02.txt」に書いてあったとしたらどうでしょうか。ライブ配信だと取り返しがつかないことになります。
こういったことを防ぎたいのであれば、「ウィンドウのタイトルに一致する必要があります」にしてください。
いまの例だと、「02.txt」を開いても自動的に取り込まれる心配はありません。
ダメだ映んねぇわ
「ウィンドウキャプチャ」がどうしてもうまくいかないことがあるかもしれません。
うまくできない、失敗した場合、OBSにはなにも表示されません。OBSに画面が映らず、真っ黒、真っ暗な状態になります。
その場合、上述した注意点が漏れなくできているとして、「キャプチャ方法」の部分を変更してみてください。
「Windows 10 (1903以降)」または「BitBlt (Windows 7 以降)」にすることで、画面がOBSに映るかもしれません。
それでもまだ映らない場合は、下記ページをご覧ください。「ウィンドウキャプチャ」で真っ黒になる場合の対処法をまとめました。
範囲を指定しよう
「ウィンドウキャプチャ」で画面を映したさいに、よけいな部分が映っていることがあるかもしれません。
このようなときは、取り込み範囲を狭めてやりましょう。クロップ(トリミング)という作業を行います。
- 「ウィンドウキャプチャ」が赤い枠で囲まれていることを確認する。
- 赤い点の部分にカーソルを合わせる。
- Altキーを押しながらドラッグする。
- 画面を合わせたい場合は、Ctrlキー + Fキーを押す。
作業を元に戻したいときはCtrlキー + Zキーを、完全に最初の状態にリセットしたいときはCtrlキー + Rキーを押してください。
もし赤い枠が表示されておらずクロップできない場合は、以下の3点を確認します。
- 「ソース」にある「ウィンドウキャプチャ」をクリックしたか(クリックする)
- 「ソース」にある「ウィンドウキャプチャ」がロックされていないか(ロック解除する)
- OBSの画面上で右クリックして「プレビューをロック」のチェックを外したか(外す)
ウィンドウの音を入れよう
初期設定で入るが、だがしかし
ウィンドウから出ている音、たとえばブラウザーから出ている音は初期設定で入ります。
念のため「音声ミキサー」の「デスクトップ音声」を確認してください。ここが音に合わせて動いていれば、基本的にその音は入ります。
「基本的に」と書いたのは例外があるからです。また、そもそも「デスクトップ音声」のレベルメーターが動いていないという人もいるでしょう。
ウィンドウの音が入らない場合の対処法については、下記ページをご覧ください。
ゲーム音のみ入れる設定
ゲーム音だけ入れたいという場合、どのような設定にしたらよいのでしょうか。
たとえば、以下のような音声を「入れたくない」という場合です。
- Discordの通話相手の声
- YouTubeの作業用BGM動画
- 棒読みちゃんの音声
この場合、便利なのが「ウィンドウキャプチャ」の「音声をキャプチャ」です。(1)チェックを入れて、かつ(2)「デスクトップ音声」を無効化(またはミュート)しましょう。ウィンドウの音以外の音は入りません。
デスクトップ音声を無効化などしないと音が二重になるので、その点は注意してください。
設定方法は下記ページにまとめました。
このあとは
ゲーム画面をOBSに映すことができたら、いったんテストでライブ配信・録画してみましょう。
ライブ配信する場合については、下記ページをご覧ください。配信サイトごとに解説しています。
録画する場合については、下記ページに情報をまとめました。高画質な設定で動画を保存するための方法を掲載しています。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。