不要なシーンをPowerDirectorでカットしてみましょう。
たとえば、実況動画の場合はゲーム中の以下のようなシーンをカットします。
- 単調な作業場面(例 : レベル上げ、アイテム集め)
- ロード画面(読み込み画面)
- ロビー、待機画面
最新版「PowerDirector 2024」を使用しています。
目次
分割してカットしよう
動画の途中部分をカットしたい場合、よく使うのがこの分割です。
- カットしたい部分の開始地点にスライダーを移動させます。
- 分割アイコンをクリックします。Ctrlキー + Tキーでもかまいません。なお、分割アイコンはスライダーがクリップ端にあると表示されません。
- スライダーの位置で素材が分割されました。
- 同様に、カットしたい部分の終了地点にスライダーを移動させ、分割アイコンをクリックします。
- タイムライン上での操作方法がよくわからない場合は、「3つの要素で理解する、PowerDirectorの編集画面の見方」をご覧ください。
- 分割された部分をクリック(削除したい部分を選択)し、白い境界線で囲われた状態にします。きちんとクリックしないと、このあと削除できません。
- 最後にDeleteキーを押します。メニューが表示されるので、「削除、間隔を詰めて、すべてのクリップを移動する」をクリックしましょう。詳細は後述します。
- 完了です。カットできました。
- カットのつなぎ目が気になる場合は、トランジションというエフェクトを入れます。詳細は、「PowerDirectorでトランジションを入れる方法。簡単にオシャレ感アップ」をご覧ください。
範囲選択してカットしよう
もっとスピーディーにカットしたいなら、範囲選択して削除する方法もあります。
やり方ですが、タイムライン上のクリップをクリックし、Xキーを押してください。
すると、クリップが黄色く表示されました。両端に黄色のハンドルがあるので、これをドラッグしてカットする範囲を選択します。
最後に、Deleteキーを押します。
なお、途中で範囲選択を解除したくなった場合は、黄色のハンドル下の「×」ボタンをクリックするか、またはEscキーを押してください。
トリミングで切り出そう
上述した分割カット、および範囲選択カットは、「不要な部分」を決めて削除する方法でした。
これに対し、「残したい部分」を決めて必要な部分だけ切り出し、ほかの部分を自動的に削除する方法のことをトリミングと言います。
どちらの方法でもよいのですが、残したい部分が少ない(不要な部分が多い)動画の場合はトリミングが便利かもしれません。
- まず、素材をクリックして白色の境界線が表示された状態にします。ハサミのアイコンが表示されていることを確認しましょう。
- 注意したいのですが、白色の境界線が表示されていない状態だとハサミのアイコンは表示されません。下図がその状態です。素材クリックを忘れないようにしてください。
- ハサミのアイコンをクリックします。すると、「トリミング」ウィンドウが開きます。
- 「シングルトリミング」タブで(A)、残しておきたい部分の開始位置にスライダーを移動(B)します。「残しておきたい」という部分がポイントです。
- 「開始位置」をクリックします。
- すると、黄色の「開始位置スライダー」がその部分に移動し、青色の範囲が狭まります。この青色の部分が最終に残る範囲となります。
- 同様に、残しておきたい部分の終了位置にスライダーを移動し(A)、「終了位置」をクリック(B)します。
- 「OK」をクリックして完成です。バーの黒色の部分が削除されます。
マルチトリミングで切り出そう
トリミングには2種類あります。
- シングルトリミング
- マルチトリミング
さきほど解説したのはシングルトリミングです。これは、一か所だけ指定して残しておけるというものでした。
他方、マルチトリミングは複数の箇所を指定できます。
▲「マルチトリミング」タブ
「開始地点」と「終了地点」を1セットとして設定し、これを任意の回数だけ繰り返しましょう。シングルトリミングと同様、バーの青色の部分が残ります。
▲開始地点スライダー→終了地点スライダー→開始地点スライダー…という順序で設定していきいます。
青枠は、意味がわかりづらいかもしれません。この枠内にある範囲が、下のバーにも表示されています。すなわち、上のバーは動画全体を、下のバーは上のバーの青枠の範囲だけを部分的に表示しています。
▲下のバーのスライダーは、上のバーの青枠の範囲内でしか動きません。実際に青枠の範囲を狭めて、下のバーのスライダーを左右いっぱいに移動させてみれば理解できるはずです。
素材の最初、または最後をカットしよう
使用頻度は高くないかもしれませんが、タイムライン上で素材の端をドラッグしてカットする方法もあります。
この方法は、動画の途中部分をカットすることはできません。しかし、動画の最初の部分、または最後の部分だけをスピーディーにカットできるのがメリットです。
まず、素材をクリックして白色の境界線が表示された状態にしてください。
つぎに、素材の左右どちらかの端にカーソルを合わせます。
- 冒頭をカットしたい → 左端にカーソルを合わせる
- 終盤をカットしたい → 右端にカーソルを合わせる
そして、左右の矢印アイコンが表示されたことを確認し、左右いずれかの方向にドラッグします。これだけです。
- 冒頭部分をカットしたい → 右方向にドラッグ
- 終盤部分をカットしたい → 左方向にドラッグ
プレカットで切り出そう
長時間動画の編集で役立つのがプレカット機能です。
これは、タイムラインに動画素材を配置するまえの段階で、必要な部分を切り出しておける機能です。
すなわち、(1)必要な部分を切り出し(トリミング)、(2)その部分だけをタイムラインに配置するので、タイムライン上での作業をシンプルにできるメリットがあります。
やり方は以下のとおりです。
- 「メディア」ライブラリーにある素材上で右クリックし、「プレカット ツール」を選択する。
- 「トリミング」ウィンドウが表示されるので、必要な部分をトリミングする(上述)。
- 「OK」をクリックする。
- トリミングした素材をタイムラインに配置する。
少し細かいこと
別トラックの素材も同時カットする
複数のトラックに配置した素材をまとめて分割することもできます。Ctrlキーで複数の素材を選択し、分割します。
映像のみ、または音声のみをカットする
通常、映像・音声の両方を同時にカットするわけですが、以下のようなケースがあるかもしれません。
- 映像はカットしたいが、音声はカットしたくない
- 音声はカットしたいが、映像はカットしたくない
このような場合は、トラックをロックしましょう。たとえば、下図のように音声トラックをロックすると、映像のみを分割できます。
▲音声トラックをロックしたため、いっさいの音声編集ができなくなります。
削除、間隔を詰めて、すべてのクリップを移動する
不要なシーンを削除しようとしたときに表示される「削除、間隔を詰めて、すべてのクリップを移動する」は、複数のトラックに素材を配置している場合に重要です。
というのも、これを選ばないと、削除する素材より右にある素材の表示タイミングがズレてしまうからです。下図のようようなケースで考えてみましょう。テロップの位置に注目してください。
▲動画を削除するまえの段階
「削除して間隔を詰める」を選んだ場合、動画素材のみが左に移動し、テロップは左に移動しません。そのため、テロップが表示されるタイミングがズレます。
▲「削除して間隔を詰める」を選んだ場合
では、「削除、間隔を詰めて、すべてのクリップを移動する」を選んだ場合はどうでしょうか。今度はテロップも合わせて左に移動するので、表示タイミングはズレません。したがって、通常はこれを選びます。
▲「削除、間隔を詰めて、すべてのクリップを移動する」を選んだ場合
まとめ
複数のカット方法をご紹介しました。ひょっとしたら、いくつか難しい方法もあったかもしれません。
状況に応じて複数の方法を使い分けるのがベストですが、最悪でも分割カットができれば問題ありません。
また、削除時に表示される項目についても、「削除、間隔を詰めて、すべてのクリップを移動する」さえ選んでおけば、アクシデントは起こりづらいでしょう。
もしカットするのが惜しいシーンがある場合は、早送り(倍速)にするのも効果的です。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。
コメント
aviutilからPOWERdirectorに乗り換えたのですが、プレビューした時、タイムラインスライダーの位置が再生終了時間で止まってしまうのを不便に感じてしまいます。
aviutilのようにプレビューが終わったらプレビュー前に設定していた地点にタイムラインスライダーを戻す設定などはありますか?
AviUtlからの乗り換えだと、プレビュー時のタイムラインスライダーの
位置が気になることがありますよね。
PowerDirectorの場合、これを設定で変更できればよいのですができません。
【1】
いちおう代替案としては、タイムラインスライダー上部にある
黄色のアイコンを使う方法があります。
黄色の部分にカーソルを合わせてグググッと横方向にドラッグすると、
黄色の範囲が広がっていきます。
再生したい範囲をドラッグしてください。
そして、スペースキーを押します。
すると後方の黄色い線に到達したとき、自動で前方の黄色い線に
タイムラインスライダーが戻ります。
これを利用すればそれっぽい動作にはなりますが、
手間ですし、求めているものとは大きく違うと思います。
【2】
タイムラインマーカーを使う方法も、あるにはあります。
任意の位置にタイムラインスライダーを移動し、右クリックから
タイムラインマーカーを追加します。
そして動画を再生し、再生中に(停止は不要)タイムラインマーカーを
クリックすると(クリックするだけ)、その地点にタイムラインスライダーが戻り、
動画が再生されます。
【3】
あとはこれもちょっと違うとは思いますが、任意の位置に
タイムラインスライダーを移動し、そのまま動画を再生してください。
そして動画を再生したまま(停止は不要)、タイムラインの目盛りを
クリックします(クリックするだけ)。
すると、クリックした箇所にタイムラインスライダーが移動し、
動画が再生されます。
これをうまく利用すればプレビュー開始地点までタイムスライダーを
戻せますが、やはり求めているものとはちょっと違うかもしれません。