PowerDirectorを使って編集で動画の再生速度を変更してみましょう。
このような編集をすることで
- 早送り、早回し、倍速動画
- スローモーション動画
を作れます。
ゲーム実況動画で需要が大きいのは早送り動画でしょう。以下のようなメリットがあります。
- カット編集せずに尺を短くできる
- 作業風景などを短時間で視聴者に見せられる
目次
アプデでやり方が変わった
2024年に行われたアップデートによって、PowerDirectorで動画の速度を変更する方法が変わりました。
以前までは、「編集」→「動画」→「ツール」→「動画速度」から速度を変更していました。
▲かつてのPowerDirector
しかし、最新バージョンではこの「動画速度」という設定項目がなくなり、新たに「速度」タブが新設されました。
以下、最新バージョンでの速度変更のやり方(2024年10月時点)について見ていきます。
全体の速度を変えよう
まず、動画をタイムライン上に配置し、速度を変更したいビデオクリップをクリックしてください。
表示された「編集」ボタンをクリックし、「速度」タブ→「一定速度」タブの順にクリックします。
最後に「1.00x」と表示されている部分に任意の数値を入力します。たとえば「2」と入力してEnterキー押しましょう。倍速動画になります。
あるいは、「新規の所要時間」の部分に任意の時間(長さ)を入力してもかまいません。その時間に応じた再生速度になります。
▲たとえば、所要時間を1/2にすると再生速度が2倍になります。
どちらの場合も「音声ピッチの保持」にチェックを入れておいてください。元動画のピッチ(音の高さ)を可能なかぎり維持できます。
なお、簡易的に速度を変更する方法として、Ctrlキーを押しながら動画の左端、または右端にカーソルを合わせてドラッグするやり方もあります。
- 速度を速くしたい → 動画が長くなるようにドラッグ
- 速度を遅くしたい → 動画が短くなるようにドラッグ
一部だけ速度を変えよう
1つの動画内の途中部分の速度を部分的に変更したいという場合、どうしたらよいのでしょうか。
この場合、やり方が3種類あります。
分割する
ビデオクリップをあらかじめ分割して切り出しておき、その部分だけ速度を変更するやり方です。
具体的には、分割アイコンをクリックして動画を分割します。Ctrlキー + Tキーでもかまいません。
そうして速度を変更したいビデオクリップを切り出したら、そのビデオクリップをクリックしたうえで「編集」ボタン→「速度」タブで速度を変更します(上述)。
速度プリセットを使う
2024年8月のアップデートで追加された速度プリセットを使う方法もあります。
この方法の場合、動画を分割して切り出す必要がありません。グラフを見ながら任意の区間を任意の速度に編集できます。
詳しいやり方は後述します。
タイムシフトを作成する
タイムシフトを作成すると、以前のPowerDirectorと同じような感覚で速度変更できます。
この方法も動画を分割して切り出す必要がありません。黄色の枠線を使って簡単なドラッグ操作をすれば完了です。
やり方は後述します。
速度プリセットを使ってみよう
速度をカスタマイズできる
速度プリセットは、動画の再生速度をカスタマイズできる機能です。
たとえば、A地点からB地点にかけて少しずつ早送りにし、B地点からC地点にかけて少しずつ元速度に戻り、C地点以降は少しずつ再度早送りにするというようなことができます。
▲難しそうに見えますが、縦軸が速度、横軸が時間を表しています。
いくつかのプリセット(あらかじめ用意された設定のこと)から選んでもよいですし、グラフ上で点(調整点)をドラッグして調整するのもよいでしょう。
速度プリセットのメリットは以下の3点です。
- 部分的に速度を変更したい場合に向いている
- 速度に緩急をつけられる(イーズイン・イーズアウト)
- 点をドラッグするだけで速度変更できる
2番めのメリットは、徐々に速度を変更できるという意味です。イーズイン・イーズアウトと呼ばれる手法で、速度を自然に変えたいときや、またはダイナミックな映像にしたいときに使います。
たとえば、下記動画の冒頭部分がそうです。速度に緩急をつけました。
速度プリセットの使い方
ビデオクリップをクリックしてから「編集」ボタンをクリックし、「速度」タブ→「速度プリセット」タブを開きましょう。
すると、「モンタージュ」「ヒーロー」など、いくつかのプリセットが表示されます。任意のものを選んでください。
カスタマイズ方法
ただ、プリセットを選ぶやり方では任意の区間を任意の速度に変更できません。そこで「カスタム」です。
カスタマイズ方法ですが、調整点を上下左右にドラッグして行います。
- 上方向にドラッグ → 速度が速くなる
- 下方向にドラッグ → 速度が遅くなる
- 点の間隔が短いほど速度が急に変わる
調整点を新規に作りたい場合は、再生ヘッド(赤色の縦棒)を任意の位置に移動し、「+」アイコンをクリックしてください。
逆に同点を削除したい場合は、その点をクリックしてから「-」アイコンをクリックします。
タイムシフトを作成してみよう
動画の特定区間だけ速度変更したい場合は、タイムシフトを作成するのもよいでしょう。
タイムシフトの作成方法
ビデオクリップをクリックして「編集」→「動画」→「ツール」→「アクション カメラ センター」の順にクリックします。
ウィンドウが開くので、「エフェクト」タブを開きます。
任意の位置に再生ヘッド(赤色の縦線)を移動させましょう。そして、「タイムシフトの作成」をクリックします。
すると、黄色い枠が表示されます。黄色い枠の両端は、それぞれドラッグできます。速度を変更したい範囲を調整してください。
- 開始位置の調整 - 左部分をドラッグ
- 終了位置の調整 - 右部分をドラッグ
そして、「速度エフェクトの適用」にチェックを入れて任意の速度にします。今回は「速度」に「2」と入力しました。
速度をだんだんと変えたい場合は、「イーズ イン」「イーズ アウト」にチェックを入れます。
両設定がグレーアウトしてチェックを入れられない場合は、以下の3点を行ってください。
- 「速度エフェクトの適用」にチェックを入れる
- 再生ヘッド(赤い線)を黄色い枠の範囲内に移動する
- 開始位置・終了位置を広げる
最後に「OK」をクリックして完成です。
クリップの変化について
タイムライン上の動画(クリップ)の表示が下記画像のように変わります。
編集しづらい場合は、ビデオクリップ上で右クリックし、「個々のクリップを表示」をクリックしてください。いつもの見慣れた表示に戻ります。
備考
速度プリセットの画面で「フリーズフレームの追加」アイコンをクリックすると、映像を一時停止することもできます。
フリーズフレームについては、下記ページもご覧ください。
まとめ
PowerDirectorでの速度変更のやり方は簡単です。
- 「編集」ボタンをクリックする。
- 「速度」タブ→「一定速度」タブの順に開く。
- 動画の速度を変更する。
動画の速度に緩急をつけたい場合は、上記2番めの部分で「速度」タブ→「速度プリセット」タブを開いて設定しましょう。
速度プリセットは難しそうに見えるかもしれませんが、縦軸が速度、横軸が時間ということを覚えておけばすぐ慣れます。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。