iPhone/iPad + キャプチャーボードの場合、OBS Studio(以下OBS)の設定はどうしたらよいのでしょうか。
難度としては、Wi-FiでiPhone/iPadの画面を映す場合よりも難しい設定が必要です。やり方を見ていきましょう。
Windows PCの使用を前提とした記事です。
目次
準備する
必要なもの
必要なものは以下のとおりです。
- キャプチャーボード
- アダプター
注意したいのですが、キャプチャーボードだけではiPhone/iPadとキャプチャーボードをHDMI接続できません。アダプターも必要です。
iPhone/iPad本体の端子の種類によって必要なアダプターが異なります。Lightningなのか、USB-Cなのかという違いです。詳細については、下記ページをご覧ください。
ドライバーを入れる
最低でもキャプチャーボードのドライバーをインストールしておきましょう。キャプチャーボードのメーカーの公式サイトでダウンロードできます。
ただ、近年はドライバーが自動でインストールされる製品も増えてきました。メーカーの公式サイトやAmazonを確認すれば、ドライバーが不要なタイプか判別できます。
格安のキャプチャーボード(いわゆる中華系)の場合、ドライバーのインストールは必要ありません。PCとキャプチャーボードをUSBを接続するだけです。
各機器を接続する
準備できたら各機器を接続しましょう。
もし音の遅延対策としてiPhone/iPadの音をTV(モニター)から出したい場合は、キャプチャーボードのパススルー出力機能を使い、下図のように接続してもかまいません。
OBS側の設定をする
映像キャプチャデバイス
- 「ソース」のところにある「+」をクリックします。
- 「映像キャプチャデバイス」を選択します。
- 適当な名前をつけて「OK」をクリックします。そのままでもかまいません。
- 「デバイス」でキャプチャーボードを選択します。
- 注意したいのですが、キャプチャーボードによっては音を出すためにカスタム音声デバイスの設定が必要な製品があります(全製品ではない)。詳細については、こちらをご覧ください。
- 「OK」をクリックします。
オーディオの詳細プロパティ
- もしiPhone/iPadの音を自分でも聞きたいのであれば、さらに設定していきましょう。音声モニタリングの設定を行います。
- 「音声ミキサー」の歯車アイコンをクリックします。
- 「映像キャプチャデバイス」の「音声モニタリング」で「モニターのみ(出力はミュート)」を選択します。
- すると、iPhone/iPadの音を自分でも聞けるようになりました。
- iPhone/iPadの内蔵スピーカーから音は出ませんが、仕様です。
▲ここに歯車アイコンがない場合は、上部メニューバー「編集」→「オーディオの詳細プロパティ」でも開けます(バージョン28.0以上で同アイコンが表示)。
黒色の部分は削れる
クロップ機能の出番
OBSにiPhone/iPadの画面を映すと、周りに黒色の部分があるはずです。
▲『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)より
そのままでもよいのですが、もし不要であればOBSのクロップ機能を使って削りましょう。
- OBSの画面上で、赤丸の部分にカーソルを重ねる。
- その部分でAltキーを押しながら辺または角をドラッグする。
背景を入れる
そのうえで適当な静止画像をソースとして追加して背景にします。
ソースの順序に注意してください。具体的には、ソースを上下にドラッグして「映像キャプチャデバイス」が上、背景となる「画像」が下になるようにします。
すると、背景が静止画像になりました。黒帯がなくなり、違和感が軽減されるはずです。
画面サイズを合わせる
細かい話になりますが、筆者の所有しているiPad mini(第6世代)では画面を削ったぶん上下に空白部分ができてしまいました。
この部分を埋めたいのであれば、以下のようにすることで画面サイズを合わせることができます。
- 「映像キャプチャデバイス」を右クリックする。
- 「変換」から「画面に合わせる」を選択する。
ここまでの解説の意味がわからなかった場合は、下記ページをご覧ください。ソースの編集方法についてまとめています。
こんなときは
画面が映らない
OBSにiPhone/iPadの画面が映らない場合は、Windows側の設定や、使用している機材に問題がないか確認しましょう。iPhone/iPadの充電切れの可能性もあります。
音が出ない、自分に聞こえない
まず、前提として以下の2点を確認してください。
- iPhone/iPadから音が出ないのは仕様
- 「オーディオの詳細プロパティ」でモニタリングの設定を行う(上述)
つぎに、マナーモードを解除しているか確認します。同モードを解除しないとPCから音が出ません。
それでもまだ音が出ない場合は、下記ページに書いてあることを試してみてください。確認事項が多く、解決まで時間がかかるかもしれませんが、必ず音は出ます。
このあとのOBSの設定は?
iPhone/iPadの画面が映って音も出るようになったら、あとはいつもどおりの設定となります。
OBSの詳しい使い方については、下記ページをご覧ください。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。