キャプチャーボードのパススルー出力機能を使えば、キャプチャーボードによる遅延を回避できます。
パススルー出力のやり方は、大きく2ステップです。
- キャプチャーボードとPCをつなげる。
- キャプチャーボードとTV(モニター)をつなげる。
パススルー出力自体は、難しい設定は必要ありません。HDMIケーブルでつなげるだけです。詳しく見ていきましょう。
目次
必要なものを用意しよう
必要なものは3つです。
- パススルー対応のキャプチャーボード
- TV、またはモニター
- HDMIケーブル
キャプチャーボードがパススルー出力に対応しているかどうかは、製品を見ればわかります。「OUT」と書かれたHDMI端子があれば対応していますし、なければ対応していません。
▲パススルー出力するためには、「OUT」(HDMI出力)が必要です。
たとえば、下記製品が同機能に対応しています。
GC550 PLUS | Game Capture HD60 S | GV-USB3/HD | |
製品画像 | |||
パススルー出力 | ○(4K対応) | ○ | ○ |
接続方式 | USB 3.0 | USB 3.0 | USB 3.0 |
エンコード方式 | ソフトウェアエンコード | ソフトウェアエンコード | ソフトウェアエンコード |
対応ゲーム機 | Switch PS4/PS5 |
Switch PS4/PS5 |
Switch PS4/PS5 |
解説・レビュー | こちら | こちら | こちら |
備考 | 編集ソフト付属 | 低遅延 | 編集ソフト付属 |
もし「OUT」がないキャプチャーボードの場合は、パススルー出力はできません。分配出力して遅延対策しましょう。
また、モニターについてですが、いま使っているモニターとは別にTVまたはモニターを用意してください。この点については後述します。
PCにゲーム画面を映そう
基本的な点から順番にやっていきましょう。まずは、PCにゲーム画面を映すことから始めます。


たとえば、SwitchならSwitchのゲーム画面をPCに映します。ゲーム画面を録画したりライブ配信するためには、これが必須です。
PCにゲーム画面が映ったら、実際にゲーム画面を見ながらプレイしてみてください。遅延があります。快適にゲームをプレイできるでしょうか。
もし遅延が妥協できる範囲なら、わざわざパススルー出力しなくてもかまいません。パススルー出力しないほうがシンプルです。
ゲーム画面がPCに映らない、ゲーム音がPCから出ない場合は、下記ページをご覧ください。


TVにゲーム画面を映そう
つぎは、キャプチャーボードとTVを接続します。キャプチャーボードの「OUT」とTVをHDMIケーブルでつなげましょう。
そして、TVのチャンネルをHDMI入力に切り替えます。たとえば、TVの「HDMI1」にHDMIケーブルを接続したのであれば、TVのチャンネルも「HDMI1」に切り替えます。
すると、TVにゲーム画面が映り、ゲーム音もTVから出ます。もしTVにゲーム画面が映らない場合は、下記ページをご覧ください。

ゲームをプレイしよう
どの画面でプレイ?
ここまでできたらTVに映っているゲーム画面を見ながらゲームをプレイしましょう。
PCにもゲーム画面が映っていますが、そちらは録画・ライブ配信用の画面です。パススルー出力するのであれば、PCのゲーム画面を見ながらプレイすることはありません。
つまり、
- TV : ゲームプレイ用の画面
- PC : 録画・ライブ配信用の画面
ということです。
なお、iPhone/iPadとキャプチャーボードを接続している場合は、iPhone/iPadの画面を見ながらプレイします。


ゲーム音はどこから聞く?
では、ゲーム音はどこから聞くのでしょうか。結論を書くと、TVから出ている音を聞きます。
TVにヘッドホンを接続して音を聞いてもかまいません。
もしPCから出ているゲーム音を聞くとなると、快適にゲームをプレイできません。なぜなら、PCから出ているゲーム音は、TVに映っているゲーム画面よりも遅れて聞こえてくるからです。
話をまとめると、
- TVに映っているゲーム画面を見ながらプレイ
- TVから出ているゲーム音を聞きながらプレイ
ということになります。
そうすれば、ゲーム画面とゲーム音のタイミングが一致した状態でプレイできます。
まだ遅延を感じる?
それでもまだ遅延を感じるのであれば、TV側に「ゲームモード」がないか確認してください。ONにすることで、液晶画面の遅延が軽減される機能です。
ただし、すべてのTVに同機能が搭載されているわけではありません。
また、あくまでもTV側の機能である点に注意してください。キャプチャーボードの機能ではありません。
モニター1台でのパススルーは非推奨
デスクトップPCユーザーの場合、「現在使っているモニター1つだけでパススルーできないだろうか?」と考える人もいるはずです。
たしかに、モニター1台でもできないわけではありません。たとえば、GC550やGame Capture HD 60Sは、筆者が試したかぎりではできました。
しかし、基本的におすすめしません。メーカーが想定していない使い方なので、やらないほうが無難です。
どうしてもモニター1台でパススルー出力せざるをえない場合は、なんらかの不具合が起きる可能性は覚悟しておきましょう。
備考
基本は以上のとおりですが、いろいろと疑問もあるかもしれません。
- ライブ配信中、棒読みちゃんの読み上げ音声とゲーム音をイヤホンで同時に聞きたい
- ボイスチャット(VC)もしたい
- ゲーム音がPCとTVの両方から出ている(二重になる)
3番めは簡単に対処できますが、1番めと2番めについてはパススルー出力時にやっかいな問題です。
この3点につき、下記ページに少しだけ情報を掲載しました。


まとめ
パススルー出力のやり方は簡単です。
ただ、ゲーム画面がPCとTVの両方に映り、ゲーム音もPCとTVの両方から出るので、慣れないうちは混乱するかもしれません。
重要なのは、
- TVを見ながらゲームをプレイする
- TVからゲーム音を聞く
- PCは録画・ライブ配信用
という3点です。
なお、パススルー出力はマルチモニターとは違う概念なので、この点も留意してください。

コメント
内蔵型のキャプボ(AverMedia C988)を使ってるのですが、モニターにヘッドセットを指さず遅延なく音を聞く方法を知りたいです。
PCのdiscordで通話しながらやりたいです。
Discordの通話相手の声と、遅延のないゲーム音を
ひとつの機械に入力すればよいので、たとえばですが
YAMAHAの「ZG01」を使えば可能です。
https://www.amazon.co.jp/dp/B09WQN5QP2?th=1
下記サイトにて詳しい説明が掲載されています。
キャプチャーボード、Discordについての説明もあるので、
参考になるかと思います。
“HDMI付きミキサー”ヤマハ「ZG01」。スプラ3の通話プレイにも
https://av.watch.impress.co.jp/docs/review/review/1438568.html