OBS Studio(以下OBS)でライブ配信・録画を同時に行っている人にとって、「Source Record」はとても便利なプラグインです。
なぜなら、このプラグインを導入することでソースを指定して録画できるようになるからです。
複数のソースのなかから
- どれを録画するのか
- どれを録画しないか
選べるようになります。
目次
OBSの前提知識
具体的な話に入るまえに、Source Recordを導入するうえで必須の知識を確認しておきましょう。
OBSはライブ配信用のソフトですが、録画機能も搭載しています。
この録画機能を使うことでライブ配信中に録画もできます。録画した動画を編集し、「こんな配信をして盛りあがったよ!」という感じで後日YouTubeやX(旧Twitter)にアップロードする人も珍しくありません。
そして、ここが重要なのですが、OBSで配信・録画を同時に行うと配信で映っているものがすべて録画されます。
たとえば、配信でゲーム画面にコメント(チャット)を映している状態で録画すると、ゲーム画面 + チャットが収録されるわけです。
しかし、ゲーム画面だけを録画したいという人もいるでしょう。
つまり、よけいなもの(例 : コメント)は除外して、ゲーム画面だけが映っている動画にしたいというケースです。
Source Recordのメリット
録画したいものを選べる
配信・録画を同時に行っている人にとって、配信で映っているもの(配信画面)がすべて録画されるのは困ることがあるかもしれません。
そこでSource Recordの出番です。
配信で映っている以下のものを画面から除外し、ゲーム画面だけを録画できます。
- コメント・チャット
- チャンネル登録通知・フォロー通知
- カメラ映像(ワイプ)
- VTuberの場合のアバター
たとえば、ゲーム画面 + コメントを映した状態で配信しているケースをイメージしてください。この状態で録画すると、通常はゲーム画面 + コメントの動画になります。
▲ゲーム画面 + コメント
しかし、Source Recordを導入すればゲーム画面だけが映っている動画を作れます。コメントは録画されません。
▲ゲーム画面
オリジナル解像度で個別録画
配信時、カメラで撮影した自分の顔を小さくワイプ(画面端の小窓)にしている人もいるかもしれません。
Source Recordを導入すればオリジナル解像度のまま録画できます。すなわち、配信時に小さく表示している映像であっても、もとの解像度で高画質録画できます。
しかも、ソースごとに個別録画できるので、動画編集時にとても便利です。
たとえば、1回の録画でゲーム画面・カメラ映像を別々に保存し(2個の動画になる)、動画編集時に自分の顔をドアップ表示にする、というようなことも容易にできます。
ダウンロードする
Source Recordを導入するには、こちらのページにアクセスします。
そして、右上の「Download」ボタンをクリックします。Windows用にインストーラー版が用意されているので、これをダウンロードしましょう。
- 右上の「Download」ボタンをクリックする。
- 最新バージョン(例 : 「source-record-0.4.1-windows-installer.zip」)の「Download」ボタンをクリックする。
- ダウンロードしたZIPファイルを解凍する。
- フォルダー内にあるEXEファイルをダブルクリックする。
- 「Install」ボタンをクリックする。
フィルターとして適用する
さっそくSource Recordを使ってみましょう。フィルターとしてソースに適用する必要があります。
まず、録画したいソース上で右クリックし、「フィルタ」をクリックします。
そして、「エフェクトフィルタ」の「+」をクリックし、「Source Record」を選択してください。
▲「Source Record」をクリックします。もしこれが表示されていない場合は、プラグインのインストールに失敗しています。
これでSource Recordを適用できました。1個のソースだけではなく、複数のソースに適用することもできます。
設定を変更する
録画開始のタイミング
設定で重要なのが「録画モード」です。これはどのタイミングで自動録画を始めるのかという設定です。
同モードの選択肢については、下表をご覧ください。
自動録画のタイミング | |
なし | |
常時 | OBSを起動時 |
配信時 | 配信開始時 |
録画時 | 録画開始時 |
配信時か録画時 | 配信開始時、または録画開始時 |
仮想カメラ | 仮想カメラ開始時 |
たとえば、「録画モード」を「配信時」にした状態で配信を開始すると、配信開始時にそのソースを自動録画します。
動画の保存先
「パス」で設定した場所に、今回録画した動画が保存されます。
ファイルの命名規則
「ファイル名書式設定」は、ファイル名のルールです。
たとえば、初期設定の「%CCYY-%MM-%DD %hh-%mm-%ss」だと、「2022-01-05 16-48-26」というように日付時刻が入ったファイル名になります。
ただ、複数のソースにSource Recordを追加した場合は、ファイル名をそれぞれ別のものに変更してください。ファイル名が同じだと、ひとつのソースしか録画できません。
一例ですが、以下のようなファイル名にします。
- ゲーム画面 : Game_%CCYY-%MM-%DD %hh-%mm-%ss
- カメラ映像 : Camera_%CCYY-%MM-%DD %hh-%mm-%ss
画質設定
録画時の画質設定は「エンコーダー」より下の部分で行います。
録画設定については、下記記事もご覧ください。
ソースごとに設定
Source Recordの設定は、ソースごとに行う必要があります。
あるソースの設定がほかのソースにも適用されるわけではありません。動画の保存先や画質設定など、忘れずに設定しましょう。
よくわからない不具合(v0.2.6)
「Record Mode」で「Always」や「Virtual Camera」を選ぶと、「メディアソース」の動画の音が入りませんでした(無音)。「Different Audio」にチェックを入れて「Audio Track」を「Track 1」にし、「Source」で「メディアソース」を選ぶと直りました。
「メディアソース」で動画を再生したさい、「オーディオの詳細プロパティ」で「モニターのみ (出力はミュート)」を選んで音をモニタリングすると、動画が保存されませんでした(どこにも動画がない状態)。
保存された動画に「ザッ」「ザーッ」というノイズが入ることがありました。開発者によると「Different audio」の設定で対処できるようです。
まとめ
Source Recordを使えば、配信で視聴者に見せる用の画面と録画する用の画面に分け、両者を切り離して考えることができます。
ただ、上述したとおりいくつか注意点があるので、そこだけ気をつけてください。
- 設定によっては音が入らないことがある
- ノイズが入ることがある
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。
コメント
参考にさせていただきました、通りすがりの者です。
自分もRさんと同じ不具合に遭遇してちょっと調べてみたところ、以下の記事が見つかりました。
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/hothot/1358368.html
自分もGeForceのグラボを使用していたので、ハードウェアの制限が絡んでいるっぽい感じかなと。
それで、録画エンコード方法をハードウェアに干渉しないように "Software" に変更してみたところ、指定したソースのみの録画ができるようになりました。
自分は「配信」と同時に「ソースの録画」だけを行っているので、上記の記事に書いてある3つまでの制限には引っかからないはずなのですが、なぜかソフトウェアエンコード以外でうまくいきませんでした。
他に自分の環境で心当たりがあるとすれば、Spoutプラグインなど、キャプチャした動画のアプリケーション間で共有を行うプラグインが入っているのでもしかしたらそのあたりが干渉して影響した可能性もありますが、Spoutを必須で考えてたのでこの辺りは未確認です。
解決にはならないかもしれませんが参考に残しておきますね。
失礼いたします。
はじめまして。
いつも参考にさせて頂いております。
OBSでSource Recordを使用してゲーム画面のみを別で録画しようとフィルタを掛けても他のソースも映り込んでしまって困っております。
ソースの順は上からVTube Studio(ゲームキャプチャ)、ブラウザ、ゲーム画面(ゲームキャプチャ)となっております。
どのように設定をしたら他のソースとは切り離してゲーム画面のみの録画が出来ますでしょうか?
Source Recordの「Path」の設定と、
「設定」→「出力」の「録画ファイルのパス」の設定が
異なっていないでしょうか。
両者が異なった状態で録画している場合、Source Recordを
適用したソースを録画した動画は前者に保存されています。
後者に保存されているのは、全ソースを
録画したいつもどおりの動画です。
ですので、念のため「Path」で設定した場所に保存されている
動画を確認してみてください。
返信に気付くのが遅れてしまい申し訳ございません。
確認してみましたが、Source Recordの「Path」の設定と「設定」→「出力」の「録画ファイルのパス」の設定、両方同じ場所になっておりました。
一応、念のため保存場所を別にして録画をしてみましたが、やはりどちらも他のソースが写り込んでしまいます。