OBS Studio(以下OBS)で配信中、Discordを使っている人も多いかもしれません。
このとき注意したいのが個人情報の漏洩です。
たとえば、
- 自分の名前
- 自分の交流関係
などが視聴者に知られてしまうと、身バレ・炎上につながる可能性があります。実際、異性からのDMが配信画面に映り込んで炎上したVTuberがいました。
そこで重要になってくるのがDiscordの「配信モード」という機能です。
Windows版(PC)を前提としています。スマホ版には同モードはありません。
目次
配信モードとは
身バレを防ぐ設定のこと
配信モードとは、Discordに含まれている個人情報を隠すための機能です。
なぜ「配信」という文言が入っているのかというと、ライブ配信を想定しているからです。
つまり、ライブ配信中、配信者がDiscordの画面・通知をうっかり映してしまって、その結果個人情報がバレてしまうことを防ぐ趣旨の設定です。
設定方法
設定方法ですが、歯車アイコンをクリックしてください。
「配信モード」をクリックしたところに「配信モードを有効にする」があります。OFFになっているのであればONにしておきましょう(初期設定でON)。
同モードを有効にすると、「配信モードが有効です。ユーザー名は省略されています」と表示されます。
あるいは、特定の設定画面を開いたときに「配信モードが有効です」とだけ表示されます。
有効・無効を切り換える方法
同モードは、必ずしも手動で有効・無効を切り換える必要はありません。「自動切換え」をONにしておけばよいのです。
これはOBSを起動したさいに、自動で同モードを有効化してくれる機能です。初期設定でONになっています。
- OBSを起動 → 自動で配信モードが有効に
- OBSを終了 → 自動で配信モードが無効に
ただ、「キー割り当て」でショートカットキーを設定してもかまいません。キー操作で有効・無効を切り替えられます。
なお、画面上部の「無効にする」をクリックすると配信モードが無効になります。
各設定項目について
通常は「配信モードを有効にする」をONにすればよいのですが、もっと細かくカスタマイズするのもよいでしょう。
下表の太文字の項目はとても重要です。できるかぎりONにしておいてください。
説明 | |
個人情報を隠す | ・歯車アイコンの設定の一部が非表示になる ・プロフィール(ユーザー名)など |
招待リンクを隠す | ・招待リンクが非表示になる ・招待リンクがコピーできなくなる |
サウンドの無効化 | ・通知音、効果音が出なくなる ・VC参加時の効果音、DMの着信音など |
通知の無効化 | ・デスクトップ通知が非表示になる ・オーバーレイ通知も非表示に(後述) |
スクリーンキャプチャからDiscordウィンドウを隠す | ・OBSにDiscordの画面が映らなくなる ・Discordのスクショが撮れなくなる |
配信モード有効時、起こりがちなトラブル
OBSにDiscordのウィンドウが映らない
OBSにDiscordのウィンドウ画面が映らないのは、「スクリーンキャプチャからDiscordウィンドウを隠す」がONになっている可能性があります。
▲設定をOFFにすればOBSにDiscordの画面が映ります。
ここがONになっていると、OBSの「ウィンドウキャプチャ」や「画面キャプチャ」でDiscordの画面を映そうとしてもまったく映りません。
つまり、OBSからするとDiscordの画面は透明人間と同じで、見えない状態になります。
OFFにすればOBSにDiscordの画面が映りますが、個人情報の漏洩に注意してください。筆者としてはONにしておくことを推奨します。
招待リンクをコピーできない
招待リンクをコピーできないのは、「招待リンクを隠す」がONになっているからです。
この場合、「コピー」ボタンをクリックしても「非表示; コピーボタンを使用」がクリップボードにコピーされるだけです。
招待リンクをコピーしたいのであれば、「招待リンクを隠す」をOFFにするか、または配信モードを一時的にOFFにしましょう。
モードが勝手に切り替わる
「自動切換え」がONになっている可能性があります。
▲自動切り換えがONになっている状態
この場合、OBSなどの配信ソフトが起動したときに自動的に配信モードが有効になり、終了したときに同モードが無効になります。
また、ひょっとしたらショートカットキーを押しているのかもしれません。「キー割り当て」の部分で、キー割り当てを無効にしてみてください。
▲キー割り当てが有効な状態
音が出ない
「サウンドの無効化」がONになっていると、以下の音が出ません。
- 音声通話の着信音
- VC(ボイスチャンネル)参加時の効果音
- DM(ダイレクトメッセージ)の着信音
- マイクミュート・解除時の効果音
- スピーカーミュート・解除時の効果音
▲サウンドが無効になった状態
なお、ライブ配信で音が出ない場合については、以下のいずれかのページをご覧ください。
備考 : オーバーレイと配信モードについて
念には念を入れて、オーバーレイは無効にしておきましょう。
▲無効化した状態
オーバーレイというのは、ゲーム画面上にボイスチャット参加者のアイコン、およびDMやテキストチャットを表示する機能です。
オーバーレイ表示は、「配信モードを有効にする」および「通知の無効化」がONならば自分にも視聴者にも見えません。
また、もし「通知の無効化」がOFFであったとしても、OBSの「ゲームキャプチャ」使用時は視聴者には見えません。
しかし、なにが起きるかわかりません。
たとえば、まちがえて「通知の無効化」をOFFにしてしまい、かつOBSの「ウィンドウキャプチャ」で画面を映した場合、オーバーレイが有効な状態だと視聴者にDMを見られてしまいます。
そこで、「ゲーム中のオーバーレイを有効化」は、念のためOFFに(オーバーレイを無効化)しておくのを推奨します。保険的な意味合いです。
まとめ
配信モードを有効にしておけば、配信中にDiscordが原因で個人情報が漏洩することはなくなります。
いっぽうで、同モードを有効にしつつ個別設定をすべてONにしていると、逆にトラブルのもとになることもあるでしょう。
OBSにDiscordが映らなかったり、招待リンクをコピーできないといったケースです。
必要に応じて設定を個別にOFFにするなどして対処するようにしてください。
なお、OBSとDiscordの連携については、下記ページもご覧ください。アイコンをOBSに映してぴょこぴょこできます。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。