複数のサイトで同時配信(生放送)したい場合、Restream.io(以下、Restream)を使うと便利です。
いちばんの特徴は、Restreamに向けて配信するだけで、あとはRestreamが複数のサイトに配信してくれるという点です。
従来、同時配信といえば(1)配信者側で複雑な設定をし、(2)複数のサイトに向けて配信する必要がありました。
しかし、Restreamを使えばその手間を省けます。簡単な設定ですみますし、Restreamに向けて配信するだけでよいのです。
配信サイトによっては、同時配信が禁止されている場合があります。
目次
対応サイト・料金に注意
YouTube、Twitchは無料
Restreamは、基本的には無料で同時配信できます。たとえば、YouTubeとTwitchの同時配信は無料です。
- YouTube
- Twitch
- FC2 Live
- Facebook(個人アカウント)
ニコ生、ツイキャスなどは有料
ただし、以下のような日本向けサイトには標準で対応しておらず、Restreamのサブスクリプションに加入しなくてはいけません。
- ニコニコ生放送
- ツイキャス
- OPENREC
- ミラティブ
- Mildom
- SHOWROOM
具体的には、スタンダードプラン(月額19ドル)、またはプロフェッショナルプラン(月額49ドル)に加入する必要があります。
参考 How to choose a subscription plan?(外部サイト)
そのうえで、「Custom RTMP」というオプションを使って設定していくことになります。
完全無料で同時配信する方法(代替案)
しかし、ほとんどの人にとって上記価格は高いと感じることでしょう。
もし完全無料で同時配信したいのであれば、下記ページをご覧ください。OBS Studio(以下OBS)で簡単にできます。無料のプラグインを導入して設定します。
必要なもの
配信ソフトが必要ですが、どれでもかまいません。
- OBS - 無料
- XSplit
- Streamlabs - 無料
今回は、OBSを例に解説します。OBSにはRestreamの機能が統合されており、簡単かつ便利に配信できます。「Restreamを使うならOBSがベスト」と言っても過言ではありません。
XSplitもRestreamに標準対応しているので、簡単に配信できます。ただ、XSplitは同時配信機能を搭載(有料)しています。そちらの使用も検討してください。
大まかなやり方は3ステップ
3ステップで同時配信できます。
- Restreamのアカウントを作成する。
- Restreamにアクセスし、配信したいサイトを選択する。
- 配信ソフトで配信を開始する。
1~2の手順は、どの配信ソフトを使うにせよ共通です。全体で、おおよそ5~10分の設定時間を要すると思ってください。
Restreamのアカウントを作成しよう
まずは、Restream用のアカウントを作成します。
- Restreamにアクセスする。
- 「Username」に適当な名前を入力する。
- 「Email」にEメールアドレスを入力する。
- 「Password」に適当なパスワードを入力する。
- 「Sign Up for Free」をクリックする。
つぎは、Eメールアドレスを認証します。
- Restreamからメールが届く。
- メールを開いて、「Confirm Email Address」ボタンをクリックする。
- 認証が完了する。
配信サイトを選択しよう
サイトを追加する
Restreamで「+ Add Channel」をクリックし、配信したいサイトを選択しましょう。
すると、「Connect YouTube」「Connect Twitch」などの画面が表示されます。そのままボタンをクリックし、画面を進めていってください。
同じようにして、「+ Add Channel」から2個めのサイトを追加していきます。
今回はYouTubeとTwitchを追加しました。
サイト名がない場合
ニコニコ生放送やツイキャスなどは、Restreamでは標準対応していません。そのため、サイト名一覧には名前がありません。
ではどうすればよいのかというと、「Custom RTMP」を選ぶ必要があります。しかし、これは有料オプションであり、無料では使えません(上述)。
参考 Custom RTMP Channel(外部サイト)
配信ソフト側の設定を変更しよう
OBSの設定例
ここまでできたら、配信ソフト側の設定を行いましょう。以下、OBSの場合の設定例です。
- 「設定」→「配信」の順にクリックする。
- 「サービス」で「Restream.io」を選択する。
- 「アカウント接続 (推奨)」をクリックする。
ウィンドウが開くので、Restreamのアカウントでログインします。
- さきほど作ったRestreamのアカウントの情報を入力する。
- 「Log In」をクリックする。
- 「Allow」をクリックする。
最後に、以下のように設定して完了です。
- 「サーバー」を「Asia (Tokyo, Japan)」にする。
- 「OK」をクリックする。
OBSのパネルについて
設定を終えると、複数のウィンドウ(ドック)がOBSの画面に覆いかぶさった状態で表示されます。
混乱すると思いますが、このウィンドウはドラッグすることでOBS内に格納し、位置を変更できます。
よくわからなくなった場合は、以下のように設定してください。
- 「表示」→「ドック」→「UIをリセット」をクリックする。
- 「Yes」をクリックする。
- 「表示」→「ドック」で、「チャット」「配信情報」「Restream Channels」の3つにチェックを入れる。
配信を開始しよう
配信タイトルなどを設定する
配信を開始するまえに、配信タイトルを設定しましょう。「Stream title」の部分で一括変更できます。設定変更後、「Update All」をクリックします。
▲忘れずに「Update All」をクリックしてください。設定を反映させるためです。
YouTubeの場合、いったん配信を開始すると、OBSの「Stream title」を変更してもリアルタイムで設定が反映されません。
配信途中で配信タイトルを変更したい場合は、YouTubeにアクセスし、同サイトのほうで設定を変更する必要があります。
これに対し、Twitchの場合はOBSからリアルタイムで配信タイトルを変更できます。
「Stream title」の下にある「Games」では、プレイするゲーム名を選択できます。ただ、これはYouTubeには対応していません。Twitchには対応しています。
▲忘れずに「Update All」をクリックしてください。
配信を開始する
準備できたら、OBSで「配信開始」をクリックしましょう。
ここで「Multistreaming」の部分を見てください。しばらく時間はかかりますが、「Sending data...」の表示が「Online」に変わります。配信が始まったという合図です。
実際の配信画面をブラウザーで確認したい場合は、「Online」になったあとサイト名をクリックします。
コメントを確認する
コメントの確認方法ですが、特別することはありません。OBSの画面横に、複数のサイトのコメントがまとめて表示されます。
コメントビューアー(コメビュ)を使いたい場合は、「マルチコメントビューア」があります。「棒読みちゃん」によるコメント読み上げもできて便利です。
配信を終了する
配信を終了するには、OBSの「配信終了」をクリックしてください。これで配信が切れます。
YouTubeの設定について
説明欄
YouTubeに表示される説明文を書き換えるには、以下のようにしましょう。
- OBSで配信を開始する(必須)。
- OBSの「Multistreaming」部分で、「Youtube」をクリックする(「Online」になったあと)。
- サムネイルをクリックする。
- 「アナリティクス」をクリックする。
- 「編集」をクリックし、「説明」を書き換える。
- 「保存」をクリックする。
Restreamのダッシュボードでも説明文を書き換えることができますが、無料利用の場合は「Powered by Restream https://restream.io/」が自動で加えられます。
スケジュール設定
予約配信の方法は少し特殊です。難しいかもしれません。
- YouTubeにアクセスし、「管理」から予約枠を作成する。
- Restreamのダッシュボードにアクセスする。
- YouTubeの欄にカーソルを重ね、表示された歯車アイコンから「Edit Settings」をクリックする。
- さきほどYouTubeで作った予約枠を「Event」で選択する。
- 「Save」をクリックする。
- 時間になったら、OBSで配信を開始する。
予約配信については下記ページにも情報をまとめていますが、「時間になったら配信を開始しよう」以降の記述は関係ないので、読み飛ばしてください。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。