PowerDirectorで動画を保存(書き出し)したさい、ファイルサイズが大きくて驚いた経験はないでしょうか。
あまりにファイルサイズが大きいと、
- SSD/HDDの容量が逼迫する
- YouTubeやXへの動画投稿に支障が出る
といった問題が起きるかもしれません。
そこで今回は、どうすればファイルサイズを小さくできるのかという点について見ていきましょう。
関連PowerDirectorでMP4保存。YouTube・X用に動画を書き出そう
目次
前提
計3種類ある対処法
PowerDirectorでファイルサイズを小さくする方法は、計3種類あります。
- 書き出し設定を変更する
- 書き出し範囲を狭くする
- 編集で動画を短くする
どれでもかまいません。
すべての方法を採用してもよいですし、どれかひとつの方法を採用するだけでも効果があります。
「容量」と「ファイルサイズ」の違い
念のため書いておくと、「容量」と「ファイルサイズ」は厳密には同じ意味ではありません。
- 容量 : SSD/HDDなどで保存可能なサイズのこと
- ファイルサイズ : 動画ファイルの大きさのこと
容量というのは、例えるなら駐車場です。駐車場が大きいほうが、たくさんの車を駐められます。
他方、ファイルサイズというのは、その駐車場に駐める車の大きさです。車が小さいほうが駐車場に停められる車の数は多くなります。
もし「動画の容量が大きくなって困っている」と発言している人がいたなら、そこでいう容量は正確にはファイルサイズのことだと思ってください。
設定を変更しよう
ここからが本題です。
ファイルサイズを小さくするための基本は、書き出し設定を変更することです。
設定画面を開く(「動画」タブ)
まずは設定画面を開きましょう。「書き出し」ボタンをクリックしてください。
すると、「書き出し」ウィンドウが表示されるので、「動画」タブを開きます。
この点、ふだんは「YouTube」タブを開いて動画を書き出している人もいるかもしれません。
「YouTube」タブでも、「プロファイル」を変更することでファイルサイズを小さくできますが、細かいカスタマイズができないため実用性はイマイチです。
基本的には、「動画」タブでの設定をおすすめします。
コーデックをHEVCにする
初期設定では「コーデック」が「H.264」になっています。ここを「HEVC」にしましょう。なお、「形式」が「MP4」または「MKV」でないと「HEVC」を選択できません。
コーデックというのは、ファイルサイズを小さくする(圧縮する)ために使われるソフトウェアのことです。
H.264は定番のコーデックではあるのですが、その後継規格であるHEVC(別名H.265)のほうが、同じ画質でよりファイルサイズを小さくできます。
解像度を下げる
「解像度」を下げる方法も念のため覚えておいてください。
解像度は画面サイズのことで、幅 x 高さで表されます。
YouTubeで動画を視聴時、画質設定で「1080p60」「720p60」といった数字を見たことがあると思いますが、あの左側の数字は画面サイズの高さを意味しています。
「1920 x 1080」と「1280 x 720」を比較した場合、後者のほうがファイルサイズは小さくなります。
ビットレートを下げる
「ビットレート」を下げる方法もあります。ただ、これは設定が少し難しいかもしれません。
ビットレートは、画質・ファイルサイズに直結する設定です。
- 高ビットレート : 高画質、ファイルサイズ大
- 低ビットレート : 低画質、ファイルサイズ小
「低」がいちばんファイルサイズは小さくなりますが、画質も落ちるので注意してください。ビットレートが低すぎるとモザイクのような粗い画質になります(ブロックノイズ)。
▲出典 : 『スーパーマリオ オデッセイ』(任天堂)より
よくわからないのであれば、「推奨」または「低」でよいでしょう。
「ファイル サイズ (推定)」に注目
いま行った設定を変更する場合、ウィンドウ画面下部の「ファイル サイズ (推定)」に着目してください。
設定を変更すると値が変わります。ファイルサイズがきちんと減っているか、逐一確認しましょう。
たとえばXの場合、(課金していないのであれば)512MB以下にする必要があります。
書き出し範囲を狭くしよう
複数個の動画に
書き出し範囲を一部に限定する方法でもファイルサイズを小さくできます。
- 動画が長いほどファイルサイズ大
- 動画が短いほどファイルサイズ小
そこで、たとえば30分の動画があるとして
- 前半15分
- 後半15分
の2本にしましょう。単純に1本の動画を複数に分割します。
やり方
タイムライン上のクリップをクリックし、Xキーを押してください。
または、タイムライン上で右クリックして「範囲を選択」をクリックします。
すると、クリップが黄色くなります。両端に黄色のハンドルがあるので、これをドラッグして書き出し範囲を設定しましょう。
そして、「範囲の書き出し」をクリックして、「動画」タブから動画を書き出します。このやり方は「YouTube」タブだとできないので注意してください。
編集で動画を短くしよう
最後に3つめの方法ですが、もしまだ動画編集できるならカットや速度変更を行います。
編集の技術を駆使して動画を短くしましょう。
カット
動画の不要な部分を細くカットしていく方法です。
動画が短いほどファイルサイズは小さくなるので、以下のような場面はすべてカットします。
- おもしろさに直結しない部分
- ルーティーン作業
- ロード画面
- 対戦が始まるまでの待ち時間
速度変更(倍速)
ただ、カットしすぎると逆に不自然な印象になることがあるかもしれません。
また、なんらかの検証動画の場合、結果(結論)が出るまでの過程も視聴者に見せたいというケースもあるでしょう。
そこで速度変更です。たとえば、6分間を2倍速にすれば3分まで短縮できます。
▲『スーパーマリオ オデッセイ』(任天堂)より
PowerDirectorの場合、速度変更のやり方は複数あります。詳細については、下記ページをご覧ください。
まとめ
PowerDirectorでファイルサイズを小さくしたい場合、大きく3つの方法があります。
- コーデック、解像度、ビットレートを変更する
- 書き出し範囲を狭くする
- カットする、速度変更する
もし動画を読み込んで編集するまえの、ゲームなどを録画する時点でファイルサイズを小さくしたい場合は、下記ページをご覧ください。OBS Studioでの録画についてまとめました。
2006年から15年以上、ゲーム実況のやり方の解説記事を書いています。書いた記事数は1,000本以上。ゲーム配信、ゲーム録画、動画編集の記事が得意です。
記事はていねいに、わかりやすく!ゲーム実況界の教科書をめざしています。